日本全国で人気がある焼き物の産地は?三大焼き物や器探しのコツも紹介

日本全国で人気がある焼き物の産地は?三大焼き物や器探しのコツも紹介

有名な焼き物の名前は知っていても、産地までわからないという方は多いでしょう。

当記事では、焼き物の基礎知識から、日本全国で有名な作品の産地までを詳しく解説します。

自分に合うおしゃれな器を探すコツも紹介するため、食器選びで迷った際には参考にしてください。

南部鉄器は、岩手県が誇る伝統工芸品。熟練の職人たちにより脈々と受け継がれてきた鉄鋳物は、芸術性と実用性を兼ね備えた逸品です。今回は、そんな南部鉄器の特徴や人気の理由をご紹介。使い方やお手入れ方法についても詳しく解説します。

焼き物の基礎知識

焼き物の基礎知識

焼き物に興味がある方に向けて、まずは、焼き物の基礎知識を紹介します。

陶器と磁器の違いや日本三大焼き物などについて、理解を深めましょう。

「陶器」と「磁器」の違いは原料や質感

陶器と磁器では、原料や質感に違いがあります。

陶器は、粘土に珪石や長石などを混ぜた原料で作られ、低温でじっくりと焼かれます。土の質感が残っていて、素朴で温かみのある風合いが特徴です。

一方で、磁器は、磁石を砕いて作った粉に、珪石・長石を混ぜた原料を使用します。成形されたあと、高温で焼かれる磁器は、滑らかで光沢のある質感です。

また、陶器と磁器では、吸水性にも違いがあります。陶器は磁器よりも吸水性が高いため、使用したあとすぐに洗浄して乾かすなど、使用方法に注意してください。

日本の三大焼き物「美濃焼」「瀬戸焼」「有田焼」

数多くある焼き物のうち、美濃焼・瀬戸焼・有田焼の3つは、日本の三大焼き物として知られています。

日常食器としての生産量が1番多い美濃焼は、岐阜県の東南部を産地としています。さまざまな様式・技法を使って作られるため、現代の幅広いニーズに応えられる点が強みです。

美濃焼の産地の近く、愛知県瀬戸市で作られる瀬戸焼は、陶器と磁器の両方を生産しています。釉薬をかけて焼く技法が特徴で、薬が溶けてできる表面はガラス質になります。

また、佐賀県有田町をおもな産地とする有田焼は、日本で最初に焼かれた磁器です。透明感のある白磁と色鮮やかな絵付けは、17世紀のヨーロッパでも高い人気を得ていたそうです。

日本六古窯は縄文時代から続いている

日本には、縄文時代から続いている古い窯があります。

瀬戸・常滑・越前・信楽・丹波・備前の6つは、日本六古窯と呼ばれ、現代でも活躍しています。

それぞれの窯では、特徴の異なる焼き物が生産されていて、多種多様な日本の陶器文化の発展に貢献しているでしょう。

ふるさと納税で焼き物を探す

【一覧】人気焼き物の産地

【一覧】人気焼き物の産地

日本全国で人気の焼き物の産地は、以下のとおりです。

産地焼き物
関東地方栃木県益子焼
中部地方愛知県瀬戸焼
常滑焼
岐阜県美濃焼
北陸地方石川県九谷焼
福井県越前焼
関西地方京都府清水焼
滋賀県信楽焼
兵庫県丹波焼
三重県萬古焼
中国地方岡山県備前焼
山口県萩焼
四国地方愛媛県砥部焼
九州・沖縄地方佐賀県有田焼
長崎県波佐見焼
福岡県小石原焼
沖縄県壺屋焼

それぞれの特徴を詳しく確認しましょう。

ふるさと納税で焼き物を探す

人気焼き物の特徴と歴史

人気焼き物の特徴と歴史

日本全国で人気の焼き物には、それぞれ特徴と歴史があります。一つずつ確認しましょう。

益子焼(栃木県)

栃木県を産地とする益子焼は、ぽってりとした厚みのある仕上がりが特徴です。実用的で扱いやすい製品が多く、日常使いする器を探している方におすすめです。

若手作家によるモダンなデザインの作品にも注目してみましょう。

参考:益子町観光協会│益子焼

瀬戸焼(愛知県)

1,000年以上の歴史とともに発展した瀬戸焼は、日本で人気の焼き物のひとつです。

陶磁器の代名詞である「せともの」の呼び名も広まっています。

多種多様な陶磁器を見比べたい方は、産地である愛知県瀬戸市へ足を伸ばしてみてください。

参考:瀬戸焼振興協会│知る

常滑焼(愛知県)

瀬戸焼で知られる愛知県は、常滑焼の産地でもあります。

常滑焼は、鉄分による赤褐色が特徴の朱泥を原料とした急須や甕が有名です。

また、高い技術を生かして建築用のタイルなども生産されていて、用途に合った作品を見つけられるでしょう。

参考:常滑市観光プラザ│常滑焼とは

美濃焼(岐阜県)

日本三大焼き物のひとつである美濃焼は、1,300年以上の歴史を持っています。

織部・志野・黄瀬戸など、桃山陶器と呼ばれるものが多く、日常使いできるおしゃれな器を探している方におすすめです。

産地である岐阜県多治見市には、陶芸美術館もあるため、観光しながらお土産を探してみましょう。

参考:美濃焼伝統産業会館│伝統工芸品「美濃焼」

萬古焼(三重県)

三重県で生産される萬古焼は、江戸時代中期から受け継がれている高い技術と良質な製品で知名度が上がりました。

紫色の泥を原料としていて、丈夫で割れにくい点も人気の理由のひとつです。

機能の優れた土鍋や急須などを探している方は、萬古焼に注目しましょう。

参考:ばんこの里会館│萬古焼について

九谷焼(石川県)

華やかな食器を探している際は、石川県の九谷焼をチェックしてください。

九谷焼は、赤・黄・緑・紫・紺の五色を用いた、華やかで豪華な絵付けが特徴です。

海外からの評価も高いため、日本らしい焼き物として1枚は待っておきたい作品です。

参考:石川県久谷陶磁器商工業協同組合連合会│九谷焼について

越前焼(福井県)

越前焼は、福井県を産地としている焼き物です。

木や藁を燃やして作った灰を原料とする釉薬を使用し、自然な色合いや質感が特徴となっています。

大型の甕や壺といった実用的な作品が多く、屋外に置く焼き物を探している方にぴったりです。

参考:越前焼工業協同組合

清水焼(京都府)

清水焼は、京焼とも呼ばれる京都を代表する焼き物です。

食器だけでなく、茶器や置物などの幅広い作品があります。

絵付けや技法もさまざまなため、ぜひ実物を見ながらお気に入りを探してみましょう。

参考:京都陶磁器協同組合連合会│京焼・清水焼の歴史

信楽焼(滋賀県)

滋賀県の信楽焼は、日本六古窯のひとつで、中世には茶器で発展しました。

濃い赤色や焦げ茶色など、作品によって焼き上がりに違いが出るのが信楽焼の面白いポイントです。

ぜひ温かみのある個性的な器を見つけてください。

参考:信楽町観光協会│日本遺産 日本六古窯「信楽」

丹波焼(兵庫県)

丹波焼は、兵庫県を産地とし、食器や甕、壺などの実用的な作品を多数展開しています。

力強い質感で重厚感がある見た目が特徴です。

丹波焼は、使えば使うほど味わいが出てくるため、丁寧に長く愛用できるでしょう。

参考:六古窯│丹波

備前焼(岡山県)

岡山県を産地とする備前焼は、日本六古窯のひとつで、長い歴史を持っています。

釉薬を使用せずに作られるのが特徴で、土の性質や窯の温度で変化する模様が魅力的です。

素朴な味わいのある器を探している方におすすめです。

参考:岡山観光WEB│備前焼とは

萩焼(山口県)

茶器で有名な萩焼は、山口県を中心に生産されています。

「萩の七化け」といわれるように、使い込むほどに色合いが変化します。

茶道に興味がある方や長く愛用する器が欲しい方は、萩焼に注目しましょう。

参考:萩焼会館│萩焼について

砥部焼(愛媛県)

四国を産地とする焼き物は、愛媛県で作られる砥部焼です。

白磁に藍色の染付が特徴で、厚手で丈夫なため、日常使いにも適しています。

シンプルでおしゃれな砥部焼の器は、和食にも洋食にも合う万能な一枚です。

参考:砥部焼陶芸館│砥部焼とは

有田焼(佐賀県)

日本で最も人気の焼き物のひとつである有田焼は、佐賀県を産地としています。

磁器として日本で最初に焼かれた有田焼には、古伊万里・柿右衛門・源右衛門などの有名な様式があります。

佐賀県有田町には、陶芸や絵付けを体験できるスポットもあります。

参考:有田観光協会ありたさんぽ│有田焼(ありたやき)とは

波佐見焼(長崎県)

長崎県で生産される波佐見焼は、モダンなデザインで食卓をおしゃれに見せてくれます。

リーズナブルな商品も多く、新生活などでこれから食器を豊富に揃えたい方におすすめです。

産地では、窯巡りやお祭りのイベントも行われています。

参考:波佐見陶磁器工業協同組合│波佐見焼のご紹介

小石原焼(福岡県)

日常使いに便利な器を探している方には、福岡県の小石原焼がおすすめです。

小石原焼は、名も無き職人の手が作る生活道具の価値を訴えた活動「民藝運動」で発展した焼き物です。

幾何学模様などの素朴な味わいを楽しんでください。

参考:東峰村公式観光情報サイトトーホースタイル│小石原焼・髙取焼

壺屋焼(沖縄県)

壺屋焼は、沖縄を代表する焼き物で「やちむん」とも呼ばれます。

赤土に白土で描かれた模様が特徴的で、沖縄のお土産にもぴったりです。

個性的な器は、食卓を華やかにするため、ホームパーティなどの場面でも活躍するでしょう。

参考:壺屋陶器事業協同組合│壺屋焼とは

ふるさと納税で焼き物を探す

自分に合うおしゃれな器を探すコツ

自分に合うおしゃれな器を探すコツ

自分に合うおしゃれな器を探す際には、以下の方法がおすすめです。

  • 焼き物巡りをする
  • 陶芸を体験する
  • 焼き物祭りに参加する

ひとつずつ詳しく確認しましょう。

焼き物巡りをする

焼き物の産地を訪れ、実際に作品を見て触れることで、自分好みの器を見つけやすくなります。

現代は、インターネットやSNSでも便利に器を探せますが、色合い・質感は、画面上ではわからない場合があります。

実際に、焼き物の産地を訪れることで、作品の歴史や特徴をより深く理解できて、愛着のある器を見つけられるでしょう。

陶芸を体験する

愛着のある器を手に入れるには、陶芸体験をする方法がおすすめです。自分で作った世界にひとつだけのオリジナル作品は、大切な1枚となるでしょう。

また、子どもと一緒に陶芸の難しさを体験すれば、日頃から食器を丁寧に扱うことを学ぶきっかけにもなります。

予約を必要としている工房も多いため、出かける前に情報を確認してください。

焼き物祭りに参加する

多くの作品を比較して決めたい方は、産地で開催される焼き物祭りに参加してみてはいかがでしょうか。

焼き物祭りには、普段よりも多くの窯元や作家の作品が出されます。掘り出し物や限定品などにも注目です。

また、焼き物祭りでは、屋台やステージイベントなども楽しめるため、観光もかねて出かけてみてください。

ふるさと納税で焼き物を探す

 まとめ

日本の焼き物の産地は、全国に広がっていて、それぞれが魅力的な特徴を持っています。

とくに、日本三大焼き物や六古窯などは、歴史が古く、人気の作品が揃っています。

自分に合うおしゃれな器を探している方は、焼き物巡りやお祭りに足を運んでみるのもおすすめです。

ふるさと納税で焼き物を探す

和食の正しいテーブルマナーを身につけることで、自信を持って食事会や会食に参加できるでしょう。 この記事では和食のテーブルマナーやタブーを詳しくご紹介いたします。
暮らしを豊かにし、食卓に彩りを与えてくれる陶磁器。この記事では、そんな陶器と磁器の違いについて詳しく解説します。