マグロを美味しく解凍する4つの方法|解凍のコツとNGな方法も紹介

マグロを美味しく解凍する4つの方法|解凍のコツとNGな方法も紹介

購入した冷凍マグロを自宅で解凍する際、間違った解凍方法だと、品質を落としてしまいかねません。

この記事では、冷凍のマグロを自宅で美味しく解凍する方法を4つ紹介します。

マグロを美味しく解凍するコツや、失敗しやすい解凍方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

赤身・中トロ・大トロなど、様々な味わいを楽しむことができるマグロ。私たちが普段食べているマグロは、実は一口にマグロといっても種類が多く、日本では約7種類のマグロを味わうことができます。今回はそんなマグロの種類と特徴、美味しい見分け方をご紹介します。

マグロの4つの解凍方法とメリット・デメリット

マグロの4つの解凍方法とメリット・デメリット

この章では、冷凍マグロの代表的な解凍方法を4つ紹介します。

それぞれの解凍によるメリットとデメリットも解説しているので、参考にしてください。

詳しい説明の前に、4つの解凍方法の概要をまとめます。

解凍方法解凍時間の目安仕上がりの良さ手軽さ特徴や適したシーン
氷水解凍約60〜90分★★★★★★★★☆☆味と鮮度を重視
温塩水解凍約20〜30分★★★★☆★★☆☆☆仕上がりと時短を両立
電子レンジ解凍約1分★★☆☆☆★★★★★すぐに解凍したい時に
冷蔵庫で解凍約3〜4時間★★☆☆☆★★★★☆時間はかかるが手軽

※解凍時間の目安は小~中サイズの柵の場合。

なお、解凍時に使用する「海水程度の塩水」とは、塩分濃度3〜4%の塩水を指します。

水1Lに塩40g(大さじで軽く山盛り2杯程度)を加えると、4%弱の塩水が作れます。

氷水解凍

冷凍マグロのさくを、0℃の氷水に浸けて解凍する方法です。

  1. 冷凍マグロを海水程度の塩水でさっと洗い、水分を拭き取る。
  2. 1.のマグロをジッパー付きの保存袋に入れ、空気を抜きながら密封する。
  3. 大きめの容器に氷水を作り、マグロの入った袋を入れる。
    ※袋が空気に触れないよう、常に氷水に浸かった状態にする。
    ※氷がけてきたら足して、水温0℃を保つようにする。
  4. マグロの柵100〜200gで、60〜90分を目安に解凍する。
    ※半解凍(マグロの中心部が少し凍っている状態)で引き上げるとよい。

時間がある場合は、冷蔵庫で半日から1日程度熟成させると、マグロの旨みが増します。

熟成の手順は次の章に記載しているので、参考にしてください。

メリット・デメリット

  • メリット
    0℃を保つことにより鮮度を保ったまま解凍でき、味や食感を損なわない。
    空気よりも熱伝導率の高い水に浸けることで、比較的短時間で解凍できる。
  • デメリット
    多少の手間がかかる。

温塩水解凍

冷凍マグロを温かい塩水に短時間浸けた後、冷蔵庫内で解凍する方法です。

  1. 35〜40℃のお湯に塩を溶かし、海水程度の温塩水を作る。
  2. 冷凍マグロの柵を水道水でさっと洗い、1.の温塩水に1〜2分間浸ける。
    ※マグロの表面がわずかに柔らかくなるくらいが目安。
  3. 塩水からマグロを引き上げ、清潔な布巾などで水分を拭き取る。
  4. 3.の布巾を水道水で洗ってから固く絞り、マグロを包んで冷蔵庫で解凍する。
    ※冷蔵庫に入れる時間は、マグロの柵100〜200gで20〜30分程度、大きいブロックで1〜2時間程度が目安。

この方法でも、氷水解凍と同様に冷蔵庫で熟成させると旨みがアップします。

メリット・デメリット

  • メリット
    初めに温塩水に浸けることで、氷水解凍よりも短時間で解凍できる。
    塩水を使用することでマグロの旨みが増す。
    マグロの色が褐色になりやすい-10〜0℃の温度帯を素早く通過させるため、色よく解凍できる。
  • デメリット
    多少の手間がかかる。

電子レンジ解凍

電子レンジでの解凍は、時間がなくすぐに解凍したいときに便利です。

電子レンジは、マイクロ波により、食品中の水分を直接加熱します。解凍では、凍った部分よりも、融けて液体になった水分が優先的に加熱されやすい欠点もあります。

そのため、マグロの解凍では、「包装・ラップを外す」「キッチンペーパーを敷く」「半解凍で止める」の3つがポイントです。

マグロを電子レンジで解凍する手順は以下のとおりです。

  1. 冷凍マグロを包装から取り出し、キッチンペーパーを敷いた皿に置く。
    ※ラップで覆わない。
    ※マグロから出た水分(ドリップ)を吸収させるためにキッチンペーパーなどを敷く。
  2. 凍ったままのマグロを電子レンジに入れ、解凍モードや100〜200Wの弱い出力で解凍する。
    ※加熱時間はマグロの柵100gあたり30秒〜1分程度。半解凍で止める。
    ※加熱ムラを避けるためには、途中で上下を返したり、向きを変えたりするとよい。

マグロは冷凍庫から出してすぐの状態で加熱しましょう。先に融けた部分があると、そこだけ熱くなり加熱ムラを起こしやすくなります。

メリット・デメリット

  • メリット
    本記事で挙げた4つの解凍方法のうち、最も短時間で解凍できる。
  • デメリット
    加熱ムラが起こりやすい。

冷蔵庫で解凍

簡単な手順で解凍できるので、忙しくて料理に手間をかけられないときに役立ちます。

  1. 水道水でマグロの表面をさっと洗い、水分を拭き取る。
  2. キッチンペーパーなどで包んでから皿やバットに置き、ラップをかけて冷蔵庫で半解凍にする。
    ※ドリップを吸い取るためにキッチンペーパーやリードペーパーで包む。
    ※マグロの柵100〜200gで3〜4時間を目安に解凍する。

メリット・デメリット

  • メリット
    手間がかからず、簡単な手順で解凍できる。
  • デメリット
    解凍に時間がかかる。
    他の方法に比べると、いくぶんドリップが出やすく、色も悪くなりやすい傾向がある。

ふるさと納税でマグロを探す

マグロを美味しく解凍するコツ

マグロを美味しく解凍するコツ

この章では、ドリップへの対策や旨みのアップなど、マグロを美味しく解凍するコツを紹介します。

ドリップの流出を防ぐ

マグロを美味しく解凍するには、ドリップの流出をなるべく防ぐことが大切です。

ドリップとは、冷凍品を解凍した際に食品の組織が壊れ、組織内の水分が流れ出たものです。

ドリップには、たんぱく質・ビタミン・ミネラルなどの栄養素や旨みの成分が含まれ、放置すると変質しやすく、臭みの原因になります。

冷凍されたマグロをうまく解凍できないと、ドリップが多く流出し、味だけでなく栄養価も損なわれます。

マグロを解凍する際は、ドリップを多く出さない工夫が必要です。

-5℃から-1℃の温度帯を速く通過させる

マグロの解凍でドリップの流出を防ぐには、-5℃から-1℃の間を速く通過させるとよいでしょう。

-5℃から-1℃は、凍結時に氷の結晶が大きくなりやすい「最大氷結晶ひょうけっしょう生成帯」と呼ばれる温度帯です。

最大氷結晶生成帯では、氷が大きくなるため組織が壊れやすく、ドリップが出やすくなります。

前述した4つの解凍方法のうち、最もドリップが出にくいのは氷水解凍です。

氷水に浸けるとマグロの温度が急速に0℃まで上がり、最大氷結晶生成帯を素早く通過できます。

これに対し冷蔵庫での解凍は、-5℃から-1℃に留まる時間が長いため、最もドリップが出やすくなります。

冷蔵庫で熟成させて旨みアップ

解凍したマグロを冷蔵庫で熟成させると、解凍された部分が均一になり、かつ余分な水分が抜けるため、旨みがアップします。

冷蔵庫では、以下のような手順で熟成が行えます。

  1. 解凍したマグロの水分を拭き取り、脱水シートなどで包んで皿やバットに置く。
  2. 器ごとラップをして、冷蔵庫で半日から1日程度熟成させる。

とくに温塩水解凍は、マグロの身に塩分が浸透して余分な水分が抜けるため、ねっとりした食感になり旨みもアップするおすすめの方法です。

出たドリップは取り除く

マグロの美味しさを保つには、出てしまったドリップを素早く取り除くことが大切です。

さまざまな栄養素を含むドリップは、放置しておくと臭みの原因となります。

解凍後に出たドリップは素早く拭き取り、食べる直前に切って盛り付けるのがコツです。

また、解凍後のマグロを冷蔵庫で熟成する際も、キッチンペーパーや脱水シートなどで包み、ドリップを吸収させながら行うようにしましょう。

ふるさと納税でマグロを探す

失敗しやすいマグロの解凍方法

失敗しやすいマグロの解凍方法

失敗しやすいマグロの解凍方法は、常温解凍と流水解凍です。

この章では、常温解凍と流水解凍がなぜ失敗しやすいのかを解説します。

常温解凍

常温解凍とは、10〜30℃程度の室温で、時間をかけて解凍する方法です。

室温に長時間放置するため、雑菌が繁殖しやすく、生で食べることの多いマグロの解凍には向きません。

また、ドリップが大量に出るため、味や品質を損ないやすいです。

魚や肉などのたんぱく質の多い食品は、筋肉組織に水分が保持されています。

冷凍により水分が凍ると、筋肉のたんぱく質から分離して氷結晶が作られますが、解凍すると水分はたんぱく質に再吸収されます。

しかし、10〜30℃といった温かい環境では、たんぱく質の変性が起こりやすいため、水分の再吸収能力も低下し、ドリップが大量に出やすくなるのです。

参考:小林りか他「冷凍マグロ魚肉の解凍過程におけるタンパク質変性がドリップ流出量に与える影響」

常温解凍は、雑菌の繁殖とドリップの流出という点で、避けた方がよい解凍方法です。

流水解凍

流水解凍は、冷凍マグロを水道の流水にさらしながら解凍する方法です。

水に浸かっているため熱伝導率が高く、常温解凍よりも短時間で解凍できます。

しかし、水道水の温度は季節により差があり、真夏には30℃近くになることもあるため、高温による雑菌の繁殖や食中毒のリスクが懸念されます。

また、流水解凍では急激な温度変化によりマグロの身が収縮し、ドリップが出やすくなります。

これは、冷凍のマグロにATP(アデノシン三リン酸)が多く含まれるためです。

ATPは筋収縮のエネルギー源であり、魚の漁獲後に死後硬直を引き起こす物質です。

しかし、マグロなどの大型魚は、死後硬直までの時間が長く、ATPが消費される前に急速冷凍されています。

そのため、マグロを急速に解凍した際にもATPが作用し、筋収縮により身が縮んで、ドリップの流出が起こりやすくなるのです。

ふるさと納税でマグロを探す

まとめ

冷凍マグロを美味しく解凍するには、以下の4つの解凍方法があります。

  • 氷水解凍:鮮度を保ったまま解凍できる。
  • 温塩水解凍:比較的短時間で解凍でき、マグロの旨みも増す。
  • 電子レンジ解凍:短時間で解凍できるが、加熱ムラが起きやすい。
  • 冷蔵庫で解凍:手間をかけずに解凍できるが、ドリップが出やすい。

マグロを美味しく解凍するコツは、ドリップの流出を防ぐことです。

氷の結晶が大きくなり、ドリップが出やすくなる-5℃から-1℃の温度帯を、素早く通過させるようにしましょう。

常温解凍や流水解凍は、雑菌が繁殖しやすくドリップが大量に出やすいため、避けた方がよい解凍方法です。

冷凍マグロは、解凍の方法で味や品質が大きく変わります。

この記事で紹介した解凍方法を、ぜひ参考にしてみてください。

ふるさと納税でマグロを探す

寿司のカロリーを知ることで美味しく安心して寿司を食べることができます。 この記事では寿司のカロリーを、にぎり・軍艦・巻物の種類ごとに紹介いたします。
今回は、家族で囲む週末の食事やお祝い、友人や知人で集まるパーティーにも人気の手巻き寿司の具のおすすめを20選でご紹介します。