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しっとり甘く、ほどけるおいしさの「紅はるか」。
時期によって、さまざまな種類が出回りますが、どこの産地がおいしいのか、また、産地によって味が違うのか気になりませんか?
今回は、おいしい紅はるかの特徴や産地、失敗しない選び方のコツについて解説します。
産地ごとの特徴を知って、おいしい紅はるかを見つけてみてください。
紅はるかの特徴

紅はるかは、高い糖度としっとりした質感を持つさつまいもです。
赤紫色の皮と黄白色の肉色、丸みのある紡錘形が特徴です。
九州や関東を中心に栽培され、各地でブランド化が進んでいます。
「紅はるか」という名前は、従来のさつまいもに比べて味や見た目が「はるかに」優れているという意味に由来しています。
また、鹿児島県においては食用の奨励品種として普及し、千葉や宮崎でも栽培されているのだとか。
大きさや名称が産地によって異なることもありますが、1kg当たりおおよそ1000円ほどで販売されています。
糖度が高くておいしい食欲サツマイモ新品種「べにはるか」を育成|農研機構
紅はるかの産地ランキング

紅はるかの生産量が多い地域を5つ紹介します。
- 鹿児島県
- 茨城県
- 千葉県
- 宮崎県
- 徳島県
①鹿児島県
鹿児島県産の紅はるかは、高い糖度とツヤ、上品な甘さが特徴です。
ミネラルを豊富に含む火山灰土壌と温暖な気候によって栄養価が高く、おいしい紅はるかが育ちます。
また、焼き芋にすると糖度が60度以上になることもあるそうです。
10月〜11月に収穫期を迎え、11月下旬から1月頃が旬です。収穫後はキュアリングして紅はるかを熟成させることで糖度が上がり、甘くなめらかな食感が楽しめます。
県南部で栽培されることが多く、大隅半島や鹿屋市、指宿、川辺、曽於、肝属、熊毛などが生産地として知られています。
※キュアリング…収穫後に高温多湿の条件で貯蔵すること
参考:九州よかど市、にっぽんの産地気候2025・vol4 鹿児島県産 紅はるか
②茨城県
全国第2位の栽培面積と生産量を誇る茨城県の紅はるか。
濃厚な甘さとねっとりとした口当たりが特徴です。
県内で最も多く栽培されている品質でもあり、沿岸部の温暖な気候とミネラルを含んだ海風が、紅はるかの栽培に適しているとのこと。
9月〜2月に収穫期を迎え、四季を通してしっとり甘い紅はるかが食べられます。
行方市や鉾田市、大洗町など、県中央の沿岸部での栽培が盛んです。
参考:茨城をたべよう|いばらき食と農のポータルサイト、コープしこく
③千葉県
千葉県の紅はるかは、スイーツのような甘さとなめらかな口当たりが楽しめます。
12月〜8月が旬となり、紅はるか以外にも多彩な品種が生産されています。
焼きいもはもちろん、冷やして食べてもおいしいです。
千葉県で紅はるかをはじめ、さつまいもの生産が盛んな理由の一つに、千葉県の風土が関係しています。
「関東ローム層」と呼ばれる火山灰土壌は水はけがよく、さつまいもの栽培と相性が良いのだそう。
なかでも香取市は温暖な気候に恵まれ、県内で一番の産地として知られています。
④宮崎県
全国3位の日照時間を持つ宮崎県では、きめ細やかな口当たりと品のある甘さを持つ紅はるかが食べられます。
春から初夏(6月〜8月)、冬から春にかけて(11月〜3月)2回の旬があります。
紅はるかもおいしいですが、「宮崎紅(みやざきべに)」と呼ばれる品種も有名です。
新富町や串間市などで多く栽培され、定番の焼きいもやスイーツ、スープやサラダに入れてもおいしく召し上がれます。
世界で愛される宮崎のかんしょ|公益社団法人 宮崎県物産貿易振興センター
⑤徳島県
徳島県のさつまいもと聞くと「なると金時」が有名ですが、紅はるかも栽培されています。
ねっとりとした甘さが魅力で、瀬戸内海の砂地を活かした栽培方法がおいしさの秘密です。
11月〜3月に旬を迎え、鳴門市や大津町、大麻町、徳島市などで栽培されています。
このほかにもさまざまな産地の紅はるかがあります。産地によって味わいも変わるため、ぜひ食べ比べてみてください。
参考:吉成農場、なると金時|全国農業協同組合連合会 徳島県本部
紅はるかの失敗しない選び方のコツ

紅はるかを購入する際に、失敗しない選び方のコツを3つ紹介します。
- 皮の色が濃くてツヤがある
- ふっくら丸みのある形で重さがある
- 凹凸や傷、黒い斑点が少ない
皮の色が濃くてツヤがある
さつまいもを選ぶときは、皮の色が濃くてツヤのあるものを選びましょう。
糖度が高いさつまいもは、軸の部分から蜜が出ている場合があり、これが完熟している証拠になります。
端の切り口に黒い蜜の跡があれば、おいしいさつまいもの可能性が高いです。
ふっくら丸みのある形で重みがある
見た目がふっくらとしていて、丸みを帯びているさつまいもは食味がよい可能性が高いです。
ずっしりと重みを感じるものは水分量が多く、中身がしっかりとしているものが多いため、ぜひ選んでみてください。
一方で、軽すぎるものや細すぎるものは中身が繊維状になっていることが多く、選ばないほうが無難です。
凹凸や傷・黒い斑点が少ない
見た目の凹凸や傷が少なく、根が均一に並んでいるものは、おいしいさつまいもの目安となります。
持ったときの硬さとハリがあることも新鮮な証拠です。
さつまいもの表面に付いている黒い蜜のようなものは「ヤラピン」と呼ばれる成分で食べても問題ありません。
しかし、カビや低温障害による変色の可能性もあり、その違いを見分ける必要があります。
触ったときにやわらかい、皮にしわがある場合は傷んでいる可能性もあるため、慎重に見極めましょう。
おいしさを引き出す!紅はるかのおいしい食べ方

紅はるかのおいしさを引き出す、おすすめの食べ方を3つ紹介します。
人気の焼きいもや香ばしい大学いも、おかずにうれしい煮物など、ぜひお気に入りのものを作ってみてください。
焼きいも
紅はるかは、低温でゆっくり加熱することで、甘くおいしい焼きいもが作れます。以下の手順を参考に作ってみてください。
- 紅はるかをアルミホイルで包んで160度のオーブンで30〜60分焼く
- オーブンに入れたまま90分置く
- さらに160度のオーブンで30〜60分加熱してできあがり
中心温度が75℃程度になるようにすると、さつまいものでんぷんが「β-アミラーゼ」と呼ばれる酵素の働きで、麦芽糖に変化します。
β-アミラーゼは高温になると失活するため、低温でじっくりと加熱するのがおすすめです。
長時間の加熱により水分が蒸発し、糖の濃度が高まります。
紅はるかの自然な甘さを楽しみたいときにもおすすめです。
大学いも
外はカリッと、中はホクッとした食感が楽しめる大学いも。
紅はるかを電子レンジで加熱し、火が通ったら、油をひいたフライパンでこんがり焼きます。
紅はるかを取り出し、砂糖やみりん、しょうゆ、酢をフライパンに入れて半量になるくらいまで煮詰めたら、紅はるかを戻して蜜を絡めて完成です。
子どもも大好きなおやつが完成するので、ぜひ作ってみてください。
煮物
上品な甘さを持つ「紅はるか」は、煮物にも向いています。
掘りたての紅はるかはホクホクの食感が楽しめますが、煮物にするとなめらかな舌ざわりに変化し、副菜としても重宝します。
輪切りにした紅はるかを水にさらし、鍋に入れて、砂糖、みりん、しょうゆ、水を入れて煮詰めます。汁気がなくなったら完成です。
お弁当にも役立つ簡単レシピなので、ぜひ試してみてください。
まとめ
味わいの深さとスイーツや料理への使いやすさが魅力の紅はるか。
主に九州や関東地方で生産されており、各地域によって味わいに違いが見られます。
九州地方では収穫期が早いのが特徴で、関東地方では多彩な品種の生産により、1年を通しておいしい紅はるかが食べられると言っても過言ではありません。
一番おいしいと思う紅はるかは個人の好みにもよりますが、だからこそ食べ比べる楽しさもあります。
今回紹介した5つの産地や選び方のコツを参考にして、おいしい紅はるかを選んでみてください。












