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「雑炊」といえば鍋物のシメ、「おじや」は風邪を引いた時や離乳食などで食べるイメージですが、明確な違いがどこにあるのか、疑問に思ったことはありませんか?
この記事では雑炊とおじやの違いや共通点について詳しく解説し、さらにそれらによく似た「おかゆ」と「リゾット」についてもお話しします。
また、手軽に作れる雑炊とおじやのおすすめレシピも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
雑炊とは

ここでは、雑炊とはどういうものなのか解説します。
まずは、雑炊の名前の由来から見ていきましょう。
名の由来
雑炊は、古くは「増水」と書いて「ぞうすい」と読んだため、水を加えてかさを増すという意味があったと考えられています。
現在では野菜や卵、鶏肉、豆腐など雑多な具を加えるという意味で「雑炊」の字があてられるようになりました。
参考:雑炊(ぞうすい)の語源、意味、由来とは【和食のご飯物 料理用語集】
基本的な調理法
以下は、雑炊の基本的な調理法です。
①ご飯をさっと水洗いして粘りを取り除く
②出汁や具材と一緒に煮込む
一般には、鍋物の最後に残った出汁とご飯を煮込む場合が多いです。
見た目や味の特徴
見た目はたっぷりの出汁にご飯や野菜、溶き卵が彩りよく混ざった印象です。
食感はサラリとして口当たりがよく、お酒を飲んだ後や夜食にもぴったりな優しい味わいです。
おじやとは

次に、おじやとはどういうものなのか解説します。
まずは、おじやの名前の由来からお話ししていきましょう。
名の由来
おじやの元の名前は「じや」で、接頭語の「お」を付けた女房詞になります。
女房詞とは室町時代に宮中に仕えた女房たちが用いた言葉です。
「じや」は煮えるときの音や「じやじや」と時間をかけて煮る様子を示した言葉だといわれています。
※おじやの名の由来については諸説あります。
参考:おじや – 語源由来辞典
基本的な調理法
以下は、おじやの基本的な調理法です。
①ご飯を出汁や具材と一緒に煮る
②具材とご飯に味がしみたらできあがり
ご飯粒が柔らかくなるまで煮込むことが多いです。
また、おじやは味付けに味噌を使用する場合もあります。
見た目や味の特徴
見た目は、ご飯がたっぷりと出汁を吸って卵などの具材と混ざり合い、ふんわりとした印象です。
食感はご飯に出汁がしみ込んでトロリと柔らかく、優しい出汁の風味が口に広がります。
赤ちゃんや病人向けに、ご飯粒がほとんど残らないくらい煮込む場合もあります。
雑炊とおじやの違い

では、雑炊とおじやの主な違いをまとめましょう。
主な違いは以下の2つです。
- ご飯を洗うのが雑炊・洗わないのがおじや
- 汁気が多いのが雑炊・少ないのがおじや
ご飯を洗うのが雑炊・洗わないのがおじや
大きな違いとして、雑炊は出汁や具材と一緒に煮る前にご飯を洗って粘りを取り除きますが、おじやの場合は洗わずにそのまま煮込むのが一般的です。
汁気が多いのが雑炊・少ないのがおじや
ご飯を洗ってサラリとした食感に仕上げる雑炊は、汁気が多い見た目になります。
一方のおじやは、ご飯を洗わずに入れてグツグツと煮込むため、汁気が少なくふんわりとした印象です。
また、味付けに出汁や塩を使うのが雑炊で、味噌やしょうゆを使うのをおじやと呼ぶ場合もあり、地域や家庭によってさまざまな説があります。
雑炊とおじやの共通点

次に、雑炊とおじやの共通点を確認しましょう。
共通点は以下の2つです。
- 炊いたご飯を使う
- ご飯を出汁や具材と煮込む
炊いたご飯を使う
雑炊もおじやも生の米から調理するのではなく、あらかじめ炊いたご飯を使います。
ご飯を出汁や具材と煮込む
ご飯を出汁や具材と一緒に煮込むという点も、雑炊とおじやの共通点です。
ただし、おじやの場合は味付けに味噌を使用することもあるようです。
おかゆやリゾットと雑炊やおじやの違いは?

おかゆやリゾットも見た目が似ていますが、どこが違うのでしょうか。
雑炊やおじやと比較して、確認してみました。
まずはおかゆから見ていきましょう。
おかゆとの違い
おかゆと雑炊やおじやの主な違いは、以下の3つです。
- 生の米から炊く
- 調理に時間がかかる
- 大量の水で炊く
まず大きな違いは、おかゆは炊きあがったご飯から作るのではなく、生の米を水に入れて炊くことです。
また、生の米から作るため調理には通常30分程度かかります。
さらに、雑炊やおじやと比べて大量の水を使う点も異なります。
一般におかゆの味付けには少量の塩を使い、具材は入れないか、ねぎや卵といったシンプルなものが多いです。
おかゆは世界中で作られているスタンダードな料理で、国や地域によってさまざまな具材や味付けで調理されています。
リゾットとの違い
リゾットと雑炊やおじやの主な違いは以下の4点です。
- イタリア米を使用する
- 生の米を洗わずに使う
- 米を炒めてからブイヨンや白ワインなどで炊く
- 芯が残ったアルデンテに仕上げる
まず違うのは米の種類で、リゾットには粘りの少ないイタリア米を使用します。
また、生の米を洗わずに使うのも雑炊やおじやとは異なる点です。
リゾットを作る際には生の米をオリーブオイルで炒めてから、ブイヨンや白ワインなどで炊きます。
食感も雑炊やおじやとは違い、リゾットは若干芯が残ったアルデンテです。
雑炊とおじやの簡単おすすめレシピ

野菜たっぷりの卵雑炊
たっぷりの野菜を使って、体を温める卵雑炊を作りましょう。
具材は冷蔵庫にあるお好みの野菜を入れてもOKです。
材料(2人分)
- 大根:100g
- にんじん:40g
- 白菜:80g
- しめじ:50g
- えのき:30g
- 卵:1個
- 温かいご飯:200g
- 出汁:600ml
- しょうゆ:小さじ2
- 塩:小さじ1/3
作り方
- 大根、にんじんは3mm厚程度のいちょう切り、白菜は5mm幅に切る
- しめじは石づきを取ってほぐし、えのきは石づきを取って2cm幅に切る
- 温かいご飯をざるに入れ、流水を注ぎながら軽く混ぜて10秒ほど洗っておく
- 鍋に出汁を入れて大根、にんじん、白菜の芯部分を加えて、中火にかける
- 沸騰したら火を弱め、野菜に火が通ったら白菜の残り、しめじ、えのきを入れる
- ご飯を加えて煮えたらしょうゆと塩で味付けする
- 溶き卵を回しかけ、火を止めて全体を軽く混ぜたら完成
出汁はあらかじめかつおなどで取っても良いし、粉末出汁を使ってもOKです。
また、好みでネギや刻み海苔をトッピングしても。
豚汁をリメイク!絶品おじや
豚汁が余ったら、翌日は絶品おじやにリメイク!
肉や野菜のうま味がご飯に染み込んで、おかず不要の一皿ができあがります。
材料(2人分)
- 豚汁の残り:2人分(具材100g、出汁300ml程度)
- 冷やご飯:200g
- 卵:1個
- ネギ:適量
作り方
- 豚汁の残り2人分を鍋に入れて温める
- 煮立ったらご飯を加える
- ご飯が好みの柔らかさになったら溶き卵を回しかける
- 火を止め、小口切りにしたネギを散らして完成
具材が足らない場合は、別茹でした好みの野菜を加えると満足度がアップします。
また、食べる直前に七味を少々振ると味のアクセントに。
まとめ
この記事では、雑炊とおじやの違いを詳しく解説し、簡単にできるおすすめレシピを紹介しました。
雑炊とおじやは一見そっくりですが、ご飯を洗うかどうかなどの違いがあります。
ただし、それらはあくまでも一般的な違いであり、地域や家庭などによって分類が異なる場合もあるため注意が必要です。
雑炊やおじやは手軽にできて、食べやすく体に優しい料理だといえます。
本記事で紹介したレシピを参考に、ぜひ日常の献立に取り入れてください。












