ふるなびスタッフ
目次
※本コンテンツはAI技術を活用しつつ人による執筆や監修をしています。
いちじくの産地について知りたい読者に向けて、日本のいちじくの主要な産地や、産地ごとの特徴について解説します。
とくに、いちじくの選び方や、おいしく味わうためのポイントもあわせてご紹介します。
日本のいちじく栽培の歴史と現状
いちじくは、紀元前年頃にはアラビア半島で栽培されていたといわれる、たいへん古くから人々に親しまれてきた果物です。
人類が最も古くから栽培していた果物の一つとも考えられています。
旧約聖書にも登場するなど、人類の歴史と深いつながりがある果物です。
日本へはいちじくがいつ伝わったか、じつは諸説あります。
一般的には中国を経由して江戸時代初期に伝来したとされており、当時は薬用として栽培されていました。
明治時代以降、国内での栽培が本格化し、現在では多くの地域で栽培されるようになりました。
いちじくは乾燥に強く、比較的栽培しやすいことから、家庭菜園としても人気が高い果物です。
農林水産省が公表している「作況調査（果樹）」によると、いちじくの栽培面積は2022年時点で全国およそ1,500ヘクタールとなっています。
生産量は年々変動していますが、2022年の全国の収穫量は約1万6,000トンでした。
主要ないちじくの産地とそれぞれの特徴
日本のいちじく栽培は、特定の県でとくに盛んです。
ここでは、生産量の多い順に、主な産地とそれぞれの特徴を解説します。
和歌山県：生産量全国1位を誇る歴史ある産地
和歌山県はいちじくの生産量が全国1位の主要な産地です。
とくに紀の川市は、いちじくの一大産地として知られています。
和歌山県の温暖な気候と豊かな自然環境は、いちじくの栽培に最適な条件です。
日照時間が長く、降水量が少ない瀬戸内海式気候に属しているため、いちじくが甘く育ちやすいのです。
主に栽培されている品種は、市場に最も多く出回っている「桝井ドーフィン」です。
和歌山県のいちじくは、甘みが強く、濃厚な味わいが特徴です。
とくに、農協などが定める厳しい品質基準をクリアしたいちじくは、「紀の里のいちじく」としてブランド化され、高品質ないちじくとして出荷されています。
和歌山県産のいちじくは、その品質の高さから、全国の消費者から高い評価を得ています。
愛知県：国内屈指のいちじく生産地
愛知県は、和歌山県に次ぐ生産量を誇る、いちじくの国内屈指の生産地です。
とくに愛知県西尾市や安城市などが主な産地となっています。
愛知県のいちじく栽培も、温暖な気候と豊富な日照時間が強みです。
愛知県で栽培されるいちじくも「桝井ドーフィン」が中心ですが、地域によっては「蓬莱柿（ほうらいし）」などの在来種も栽培されています。
在来種は、その土地ならではの風土を反映した個性的な味わいを楽しめます。
愛知県産のいちじくは、新鮮な状態で市場に出回ることが多く、朝採れのものがスーパーなどに並ぶこともあります。
産地が消費地に近いという地理的なメリットを活かし、新鮮で高品質ないちじくを消費者に届けています。
参考：いちじく | あいちの果物 | あいちの園芸 | あいち産のご紹介
その他の主要な産地
和歌山県、愛知県以外にも、全国各地でいちじくが栽培されています。
それぞれの地域の気候や土壌に合わせて、さまざまな品種が育てられ、特色あるいちじくが生産されています。
大阪府
南河内地域を中心に栽培が盛んです。
温暖な気候を活かしたいちじく栽培がおこなわれています。
大阪府産のいちじくは、濃厚な甘みが特徴で、生食はもちろん、ジャムやコンポートなどにもよく利用されます。
兵庫県
神戸市北区や淡路島など、多様な品種を栽培している地域があります。
とくに淡路島では、温暖な気候と水はけの良い土壌を活かした大規模ないちじく栽培がおこなわれています。
福岡県
新しい品種「とよみつひめ」の開発地としても知られています。
温暖な気候と肥沃な土壌が、甘みの強い「とよみつひめ」の栽培に適しています。
広島県
尾道市を中心とした地域で栽培されています。
関西以西に古くからある品種「蓬莱柿」の栽培が盛んなことが特徴です。
プチプチとした食感とさっぱりとした甘みが特徴で、古くから地元の人々に親しまれています。
産地以外にも知っておきたい！いちじくの種類と旬
いちじくには、産地ごとに異なる品種が存在し、それぞれ味わいや特徴が異なります。
代表的な品種を知ることで、いちじくをより深く楽しめます。
いちじくの種類
桝井ドーフィン（ますいどーふぃん）
日本で最も多く栽培されている品種で、いちじくの生産量の8割近くを占めるといわれています。
国内のほとんどのスーパーで目にするのはこの品種です。
果実はやや大きく、皮が茶色がかった赤紫色をしていることが特徴です。
ほどよい甘みと酸味のバランスがとれており、食感もなめらかです。
生食用としてだけでなく、ジャムやドライフルーツにも加工しやすい品種です。
収穫期が長く、夏から秋にかけて長く楽しめます。
蓬莱柿（ほうらいし）
主に西日本で古くから栽培されている品種です。
別名「日本いちじく」ともいわれ、在来種として親しまれています。
果実はやや小ぶりで、果皮が緑色をしています。
ねっとりとした食感と、さっぱりとした甘みが特徴です。
この品種は、とくに秋に旬を迎え、濃厚な甘みを好む人におすすめです。
とよみつひめ
福岡県で開発された、比較的新しい品種です。
そのおいしさから近年人気が高まっています。
果皮が鮮やかな赤色をしており、皮ごと食べられる手軽さも魅力です。
果肉が緻密で、とろけるような食感と、非常に強い甘みが特徴です。
その甘さから「蜜（みつ）」という名がつけられました。
ビオレ・ソリエス
フランス原産の品種で、近年注目を集めています。
日本では「黒いちじく」とも呼ばれる高級品種です。
果皮は黒紫色をしており、濃厚な甘みと、独特の風味が特徴で、一般的な品種とはひと味違う味わいを楽しめます。
とくに、その芳醇な香りは、ワインやチーズとの相性も抜群です。
いちじくの旬はいつ？
一般的に、いちじくは夏から秋にかけて旬を迎えます。
とくに、最もおいしい時期は8月から10月頃です。
この時期には、いちじくが最も甘く、栄養価も高くなります。
品種によっても旬は多少異なります。
「桝井ドーフィン」は収穫期が長く、夏から秋にかけて楽しめます。
「蓬莱柿」はとくに秋に旬を迎えます。
おいしいいちじくの見分け方と選び方
おいしいいちじくを選ぶためには、産地や品種だけでなく、見た目や状態を詳しく確認することが大切です。
ここでは、とくに重要なポイントを3つご紹介します。
皮の色とハリをチェック
おいしいいちじくは、全体的に色が均一で、つやとハリがあります。
とくに、完熟したものは皮の色が濃い赤紫色になります。
これは、太陽の光を十分に浴びて育った証拠です。
一部だけ色が薄かったり、逆に黒ずんでいたりするものは、完熟していないか、または傷んでいる可能性があります。
形がふっくらしているか
いちじくは、ふっくらと丸みを帯びた形をしているものがおいしいとされています。
とくに、お尻の部分までしっかりと膨らんでいるものがおすすめです。
形がいびつだったり、しぼんだりしているものは、水分が不足している可能性があります。
ヘタの部分に注目
ヘタがみずみずしく、乾燥していないかも重要なポイントです。
ヘタの部分が緑色で、しおれていないものを選びましょう。
また、ヘタの付け根部分にひび割れがある場合があります。
これは完熟しているサインであるため、おいしいいちじくである可能性が高いです。
ただし、ひび割れが大きすぎたり、カビが生えていたりする場合は、傷んでいるおそれがあるので注意が必要です。
まとめ
いちじくは、和歌山県や愛知県などの主要な産地で多く栽培されており、産地ごとに異なる特徴があります。
また、「桝井ドーフィン」や「蓬莱柿」など、品種によっても味わいや食感が大きく異なります。
産地や品種、そして旬を理解することで、いちじくの魅力をより深く感じられるでしょう。
この記事を参考に、おいしいいちじくの見分け方を詳しく知り、さまざまな産地や品種のいちじくを味わってみてください。
