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日々の料理で「もう少し旨味が欲しい」と感じるときに便利なのが「味の素」です。
旨味成分であるグルタミン酸ナトリウムを中心に作られた調味料で、ひと振りするだけで料理全体の味を引き立ててくれます。
しかし、切らしてしまったときや、常備していないときなど、別の調味料で代用したいと感じる場面も少なくありません。
この記事では、味の素の代用として使える旨味の強い調味料を7種類ご紹介します。
それぞれの味わいの特徴や使い方、代用する際のコツや注意点も詳しく解説しています。
味の素は旨味成分が多い調味料で代用できる

味の素は、以下の3つの旨味成分でできた調味料です(いずれもナトリウム塩として配合)。
- 昆布に多い「グルタミン酸」(主成分)
- かつお節に多い「イノシン酸」
- 干し椎茸に多い「グアニル酸」
味の素は、アミノ酸のグルタミン酸を中心に、核酸のイノシン酸とグアニル酸が組み合わさった強い旨味があります。
そんな味の素の代用品となるのは、旨味成分が多い調味料やだしです。
この記事でも、これらの旨味成分のいずれかが豊富なものを代用品として紹介しています。
味の素の代用になる調味料7選

この章では、味の素の代用品となる、旨味の強い7つの調味料やだしを紹介します。
代用品により旨味の特徴や風味が異なるので、料理に合ったものを選んでみてください。
昆布だし(昆布のグルタミン酸が旨味成分)
昆布だしは「グルタミン酸」が豊富で、味の素に近い旨味を持つ代用品です。
味の素の代用品としては、手軽に使える市販の顆粒タイプの昆布だしがとくにおすすめです。
昆布だしは、味の素よりやや穏やかな旨味があり、みそ汁や炊き込みご飯、煮浸しをはじめ、和食に広くマッチします。
ただし、昆布の風味があるので、洋食などには不向きな場合があります。
かつおだし(かつお節のイノシン酸が旨味成分)
かつおだしも味の素の代用品になり、料理にコクのある強い旨味を与えます。
主な旨味成分は、かつお節由来の「イノシン酸」で、味の素にも少量含まれている旨味成分です。
味の素が素材の味を引き立てながら旨味を加えるのに対し、かつおだしは風味がしっかりしているため、和食など優しい味わいの料理に使うととくに相性が良いです。
ただし、昆布だしと同じく、かつお節の風味や香りが邪魔になることもあるので、洋食などでは料理との相性に気をつけましょう。
かつお節からとっただしは香りが立ちやすく、作りたてを使うのがおすすめです。
一方、時間がない時は顆粒タイプも便利で、旨味を手軽に補えます。
白だし(昆布とかつお節の旨味)
白だしは、味の素の代わりに「グルタミン酸」や「イノシン酸」といった旨味成分を補える調味料です。
煮物・うどん・卵かけご飯などの和食と相性が良く、液体タイプで溶かす手間もなく扱いやすいため、味の素を使いたい場面で手軽に代用できるのが魅力です。
注意点として白だしには、味の素にはない醤油やだしの風味があり、塩気や甘さも料理全体に影響します。
とくに、洋食や中華では、和の風味が合わないこともあるため気をつけましょう。
昆布茶(昆布だしに近い旨味)
昆布茶は、粉末状にした昆布に塩や砂糖を加えて作られる、粉末タイプのお茶です。
茶葉は使われておらず、昆布の旨味が主体となっていることから、味の素の代わりに料理の旨味付けにも使えます。
溶けやすい粉末のため、味の素と同様にひと振りで旨味が足せる点もメリットです。
おすすめの使用例としては、和風パスタや野菜炒めなどによく合います。
干し椎茸の戻し汁(きのこのグアニル酸が旨味成分)
干し椎茸を水で戻した際に出る戻し汁には、「グアニル酸」という、きのこに特徴的な旨味成分が含まれています。
茶碗蒸しやちらし寿司などの料理に加えると、独特の深みが加わり、味の素の代用品としても役立ちます。
水に浸す時間を長めにするとより濃厚な戻し汁がとれるため、調理前日に仕込んでおくと、いっそう旨味を引き出せます。
冷凍保存も可能なので、常備しておくと味の素を切らしてしまった時も安心です。
ハイミー(味の素と同系統のうま味調味料)
ハイミーは、味の素と同じくグルタミン酸ナトリウムを主成分とするうま味調味料です。
味の素に比べると、核酸系の旨味成分(イノシン酸やグアニル酸)が多く配合されており、より濃厚な旨味があります。
成分的には味の素に最も近い調味料で、幅広い料理に、レシピを変えることなくそのまま代用できます。
ハイミーは味の素ほどは普及していませんが、もし手元にあれば、味の素の代用品として最適な調味料です。
余計な風味などもなく、和洋中を問わず、どのようなジャンルの料理にもマッチします。
ただし、旨味が強いため、繊細な味付けの料理では少しずつ加えて味見をするとよいでしょう。
鶏ガラスープの素(スープやチャーハンなど中華料理に)
鶏ガラスープの素は、鶏の旨味に、香味野菜や各種調味料を加えて作られた粉末スープの素です。
チャーハンやスープなどの中華料理を中心に、味の素の代用品としても役立ちます。
ただし、鶏や香味野菜を煮出した風味が豊かなため、和食などでは料理との相性に気をつけましょう。
風味や塩気が強めなので、加える量は少しずつ調整するのがおすすめです。
味の素の代用品を使うコツや注意点

味の素がないときには代用品が使えますが、そのまま置き換えると料理の味や香りのバランスが崩れることもあります。
塩気や香りの強さを考慮しながら、料理に合わせて使い分けることが美味しさを引き出すポイントです。
塩辛くなりやすい
顆粒だし・白だし・鶏ガラスープの素などは、食塩や醤油などが使われており、塩気が強い調味料です。
味の素のように「純粋に旨味だけを加える」調味料ではないため、入れすぎると料理が塩辛くなることがあります。
味見をしながら加え、必要に応じて他の調味料を減らして調整しましょう。
なお、味の素の旨味成分はナトリウム塩であり、栄養成分上は一定の塩分(食塩相当量)を含んでいます。
風味の強さや料理との相性に注意する
紹介した味の素の代用品には、風味の強いものもあり、料理との組み合わせに注意が必要です。
和食や洋食、中華など、料理のジャンルに合わせて使い分けるとよいでしょう。
例えば、だしや干し椎茸の戻し汁は和食らしい風味がありますが、洋食などに使うと和風の香りが合わないことがあります。
また、鶏ガラスープの素は鶏を煮出した強い風味があり、中華によく合いますが、繊細な和食には合いにくい調味料です。
料理との相性が心配なときは、料理を少量取り分けて味付けし、味見をしてみると安心です。
まとめ
味の素は、グルタミン酸ナトリウムを中心とする旨味成分でできた、料理に旨味だけを加えられる調味料です。
手元にないときは、昆布だしやかつおだし、昆布茶、鶏ガラスープの素など、旨味の強いだしや調味料で代用できます。
ただし、特徴的な風味や香りがあるものが多いので、料理との相性には注意が必要です。
和食や中華など料理のジャンルを意識して使い分けると、より自然な仕上がりになります。
また、塩気が強い調味料もあるため、味の素の代わりに使う場合は、塩辛くなりすぎないよう慎重に味付けをしましょう。
なお、ハイミーのような類似のうま味調味料があれば、料理との相性や塩辛さなどを気にせず、味の素と同じ感覚で使用できます。












