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春~初夏に旬を迎えるアスパラは、鮮やかな緑色が食卓に彩りを添えてくれる人気の野菜。
独特のやわらかさと歯ごたえ、甘さとほろ苦さの絶妙なバランスは、ほかの野菜にはない特別な味わいです。
どんな料理にも合う使い勝手のいい食材ですが、「脇役」として扱われることも多く、その栄養や効能についてはあまり知られていません。
今回は、アスパラに含まれる栄養素から、栄養を逃さない保存方法・食べ方まで幅広くご紹介します。
アスパラの主な栄養素と効果・効能
ひょろっと細長い見た目から、「あまり栄養がなさそう…」と思われがちなアスパラ。
実は栄養豊富な緑黄色野菜の一種で、健康や美容に抜群の効果を発揮する特徴的な栄養素も含んでいます。
ここでは、アスパラのなかで流通量が最も多いグリーンアスパラを例に、代表的な栄養素と効果・効能をチェックしてみましょう。
アスパラギン酸:疲労回復
アスパラに含まれる栄養素として有名なのが、疲労回復やスタミナ増強に効果のあるアミノ酸の一種・アスパラギン酸。
もともとアスパラから発見された成分で、その名前もアスパラに由来しています。
体内のエネルギー代謝を活発にする作用があり、栄養ドリンクに含まれる成分としてもおなじみです。
ルチン:生活習慣病予防・アンチエイジング
ルチンは、アスパラにふんだんに含まれているポリフェノールの一種。
毛細血管を強く丈夫にして血流を改善してくれるので、高血圧や動脈硬化、脳卒中、心臓疾患などの生活習慣病の予防に効果があるとされています。
また、ビタミンCの吸収を促進するので抗酸化作用も期待でき、アンチエイジングや認知症予防にも有効です。
葉酸:妊婦さんにおすすめ
アスパラには、DNAや細胞の合成に関わる葉酸もたっぷり含まれています。
葉酸はおなかの赤ちゃんの発育に必要不可欠で、妊娠中の女性にとってはとくに重要な栄養素のひとつです。
赤血球の造成を助ける働きもあり、貧血や動脈硬化の予防にも役立つとされています。
βカロテンや各種ビタミン:抗酸化作用・美肌効果
アスパラに含まれるβカロテンや、βカロテンからつくられるビタミンAには強力な抗酸化作用があり、癌や糖尿病、アルツハイマー病など、さまざまな疾患の要因となる活性酸素を除去する効果があります。
シミやシワなどの肌の老化を抑える働きもあるので、美肌を保つためには欠かせない栄養素です。
このほかにも、アスパラは抗酸化力が強いビタミンCやビタミンEなどを豊富に含んでいます。
ホワイトアスパラに含まれる栄養素
缶詰や瓶詰としても見かける白色のホワイトアスパラも、紛れもないアスパラの一種です。
緑色のグリーンアスパラとは栽培方法が異なり、遮光して陽に当てずに育てられます。
ルチンやβカロテンなどは光に当たることで合成されるため、ホワイトアスパラにはこれらの栄養素はほとんど含まれていません。
グリーンアスパラに比べるとビタミン類の含有量も劣りますが、免疫力アップに効果的なサポニンの含有量はホワイトアスパラの方が多い傾向にあることがわかってきています。
アスパラの栄養素は部位ごとに違う?
栄養豊富なのは穂先!離乳食にもおすすめ
まっすぐ伸びる茎の部分と、先端の穂先の部分。アスパラは、部位によって含まれる栄養成分に違いがあります。
栄養が多く含まれているのは穂先の部分で、アスパラギン酸やルチン、ビタミン類が豊富です。
栄養たっぷりの穂先は茎よりやわらかくて食べやすいので、赤ちゃんの離乳食にも適しています。
あの三角形の部分「はかま」も栄養たっぷり
アスパラの下処理時、茎の表面にある小さな三角形の部分を捨ててしまっていませんか?
実は最近になって、「はかま」と呼ばれる三角形の部分に血圧の上昇を抑えるアスパラプチンが多く含まれていることが明らかになりました。
まれに筋張っていて食べにくいものもありますが、そうでなければ下処理時にはかまを取り除く必要はありません。
はかまもいっしょに食べて、機能性成分をもれなく摂取しましょう。
アスパラはダイエットの強い味方!
アスパラのカロリーは?ダイエットに向いている?
アスパラのカロリーは、100gあたり21kcal。下記のとおり、ほかの緑色の野菜と比べてやや低めか、ほとんど差がない水準です。
- アスパラ 21kcal
- ブロッコリー 37kcal
- オクラ 26kcal
- さやいんげん 23kcal
- さやえんどう 38kcal
- スナップえんどう 47kcal
<可食部(生)100gあたりのカロリー>
アスパラのカロリーそのものに目立った特徴はありませんが、注目すべきはアスパラギン酸のダイエット効果。
アスパラに含まれるアスパラギン酸には、代謝を上げて痩せやすい身体をつくるだけでなく、カリウムなどのミネラルを細胞に運び込むことでデトックスやむくみを解消する効果が期待できます。
歯ごたえがしっかりしていて満腹感を得やすいのも、ダイエットにはうれしいポイントです。
アスパラの食べ過ぎはNG!
栄養豊富なうえにダイエット向きとくれば、日々の食生活にたくさんアスパラを取り入れたくなりますよね。
ところが、アスパラの食べ過ぎは禁物。
アスパラギン酸には利尿作用があり、摂取し過ぎると水分やミネラルを必要以上に体外に排出してしまいます。
また、アスパラに少量含まれているプリン体は、摂取し過ぎると尿酸として体内に蓄積し、尿道結石や痛風を引き起こすことも。
毎日20本以上食べるなど、相当量を摂取しなければ大きな問題はありませんが、普段から尿酸値が高めの方は注意が必要です。
栄養も鮮度も逃さない!アスパラの保存方法
アスパラを長持ちさせるには、根元の切り口を乾燥させないようにするのがコツ。
水を入れたコップやペットボトルに根元をつけるか、濡らしたキッチンペーパーなどで根元を包んでからポリ袋をかぶせ、穂先を上にして立てて冷蔵庫で保存します。
冷凍保存する場合は、生のままか、軽く下茹でしたものをラップで包み、フリーザーバッグに入れて冷凍庫へ。
栄養分を保ったまま1ヵ月ほど保存することが可能です。
食べるときは熱湯をかけたり、電子レンジで軽く加熱したりして簡単に解凍することができます。
アスパラの栄養を効率よく摂取しよう!おすすめ調理法3選
アスパラの栄養を無駄なく摂取するためには、調理のポイントを押さえることが大切。
次のようなおすすめの調理方法で、美味しさも栄養もたっぷりいただきましょう。
サッと茹でる
アスパラに含まれるルチンやビタミンなどの栄養素は水溶性なので、長時間茹でると水に溶けだしてしまいます。
できるだけ栄養を逃さないためには、切らずにそのままか、大きめにカットしたものを熱湯でサッと茹でるのがポイント。
かたい根元の部分を先に茹で始め、穂先は後から投入して食感を残しましょう。
茹であがったらすぐに冷水にとるようにすると色鮮やかに仕上がります。
蒸す・電子レンジで加熱する
水溶性の栄養素を流出させず、かつヘルシーに仕上げたいときは「蒸す」のが正解。
もちろん蒸し器を使ってもよいですが、手軽なのは電子レンジで加熱する方法です。
水洗いしたアスパラを耐熱皿に入れ、ふんわりとラップをかけて電子レンジにかけるだけ。
100gのアスパラ(3~5本程度)の場合、加熱時間の目安は500~600Wで1~2分ほどです。
炒める・揚げる
アスパラに含まれるルチンやβカロテンは、油脂と一緒に摂取すると吸収率がアップすることで知られています。
油で炒めたり揚げたりすれば、これらの栄養素を効率よく摂取できるだけでなく、水溶性の栄養素も逃さず取り入れることが可能です。
定番のソテーや豚肉巻きのほか、甘味が凝縮される素揚げや天ぷらなどもおすすめ。
熱に弱い栄養素を損なわないよう、短時間で加熱するようにしましょう。
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