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涼をとったり、空気を循環させたりする際に活躍するサーキュレーターと扇風機。
どちらも風を送る家電でありながら、役割や特性が異なるのが特徴です。
本記事では、サーキュレーターと扇風機の違いを風の送り方や電気代の面から比較します。
また、サーキュレーターを扇風機代わりにできるのかや、どちらを選ぶべきかについても紹介しているので、両者の違いだけでなく、それぞれの特徴についても知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
サーキュレーターと扇風機の違いは?

サーキュレーターと扇風機には、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
ここでは、風の送り方と電気代の違いについてみていきます。
風の送り方
サーキュレーターは、直線上に強い風を届けるのが特徴です。
強い風を発生させられることから、部屋の空気の流れを作るのに適しており、エアコンと併用することで冷暖房の効率を高められます。
一方、扇風機は広範囲に優しい風を送れるアイテムで、長時間当たっても不快感が少ないのが特徴です。
体に直接風を当てて涼しさを体感させる設計をしているため、夏場の暑さ対策として多くの家庭で利用されています。
電気代
電気代は家電を選ぶうえで重要な要素になりますが、サーキュレーターと扇風機の電気代に目立った差はありません。
モデルによって消費電力は異なりますが、一般的なものでは、どちらも20〜30W程度が目安です。
例えば、消費電力20Wの製品を、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める1kWhあたり31円の電気の目安単価で計算すると、1時間あたりの電気代は0.62円になります。
また、24時間フル稼働した際でも、電気代は14〜15円程度に収まるため、これらの家電を長時間使用しても、電気代の負担はそれほど大きくなりません。
消費電力が30Wのケースでも24時間フル稼働で22〜23円程度なので、非常に省エネな家電であることがわかります。
参考URL:全国家庭電気製品公正取引協議会
サーキュレーターの特徴・用途と効果的な使い方

サーキュレーターは、その特性を活かしたさまざまな用途があります。
どのような用途があるのかと効果的な使い方についてみていきましょう。
室内の空気を循環させる
サーキュレーターは、室内の空気を循環させるのに効果的なアイテムです。
冷たい空気は底面に、暖かい空気は天面付近に溜まりやすい性質を持っているため、エアコンを使用しても部屋全体の温度にムラが生じます。
しかし、サーキュレーターを使うことで空気の流れが生まれるため、室温の均一な維持が可能です。
例えば、夏はエアコンの冷気を部屋全体に広げ、冬は天井に溜まった暖気を足元に送って快適な環境を作れます。
これにより、エアコンの設定温度を必要以上に上げ下げする必要がなくなるため、電気代の節約にも有効です。
部屋干しの洗濯物を乾かす
直線上に強い風を送れるサーキュレーターは、部屋干しの洗濯物を早く乾かすのに最適です。
短時間で乾かせることによって、生乾き臭の防止にもなるでしょう。
さらに、首振り機能を使ったり、除湿機と併用したりすることで、より効率的に乾燥ができます。
雨の日や花粉の多い季節でも、快適に部屋干しができる便利な使い方です。
浴室の湿気対策に使う
浴室は湿度が高いため、換気が不十分だとカビが発生しやすくなります。
サーキュレーターを活用して湿った空気を効率的に外へ逃がし温度を下げることで、浴室の素早い乾燥が可能です。
壁や床の水滴が早く乾くことでカビやヌメリの発生を抑えられるため、清潔な状態を維持しやすくなります。
浴室が清潔になると掃除の頻度を減らせるため、日々のメンテナンスの手間を軽減できるのも大きなメリットです。
また、サーキュレーターを置く際は、下に溜まった冷たい空気を浴室全体に拡散するために、なるべく床に近い位置に設置しましょう。
ただし、サーキュレーターには漏電リスクがあるので、周囲に水滴がない環境で使用することが大切です。
扇風機の特徴・用途と効果的な使い方

扇風機は、風を体に当てて涼しさを感じる以外にも、さまざまな用途があります。
具体的な用途と効果的な使い方についてみていきましょう。
就寝時に使う
扇風機は、サーキュレーターよりも冷却目的が高いアイテムです。
そのため、夜間にエアコンをつけずに涼を取りたいケースでは、扇風機はおすすめの選択肢となります。
とくに、エアコンは冷えすぎや乾燥の原因になるため、就寝時は扇風機を活用することで、睡眠の質向上につながるでしょう。
また、最近の扇風機は静音設計のモデルも多く、就寝中の騒音を抑えながら快適に使用できる点もメリットです。
風量を調整したり、タイマー機能を活用したりすることで、寝冷えを防ぎながら心地よい睡眠環境を作れるでしょう。
外気温にあわせて置き方を変える
扇風機は、外気温との温度差を活用して室内の気温を調整可能です。
例えば、外の気温が室内よりも高いケースでは、扇風機を窓の外に向けて置くことで、部屋の熱気を外へ逃がせます。
逆に、室内の方が暑く、外の気温が低いケースでは、窓の外から涼しい空気を取り込むように、室内に向けて風を送ると効果的です。
とくに、夏場の夜間は外の方が涼しくなることも多いため、扇風機を適切に配置することでエアコンを使わなくても快適な空間を作れます。
扇風機の前に氷を置く
より涼しい風を作りたい場合は、扇風機の前に氷を置く方法が有効です。
氷が溶ける際に周囲の熱を吸収する「気化熱」の効果を利用し、冷却された空気を部屋全体に広げられます。
大きめのボウルや洗面器に氷を入れ、その前に扇風機を設置しましょう。
また、お家に小さいお子さんやペットがいるケースでは、氷の代わりに凍らせたペットボトルを使うことで、体が当たって氷をこぼしてしまう心配がなく安全です。
ただし、氷が溶けると冷却効果が弱まるため、効果を持続させるには、氷や凍らせたペットボトルは定期的に交換する必要があります。
とくに、エアコンを使わずに涼しさを得たい場合や、冷房に苦手意識のある方は試してみてください。
サーキュレーターは扇風機の代わりになる?

サーキュレーターは扇風機の代わりとして利用できますが、完全に同じ役割を果たせるわけではありません。
両者は風の送り方や用途が異なるため、それぞれの特徴を理解し、適切に使い分けることが重要です。
サーキュレーターは風が一点に集中するため、直接体に当たると威力が強く不快に感じることもあります。
そのため、心地よい涼しさを感じるという点では、扇風機のほうが適しているでしょう。
また、快適な室内環境を作るためには、どちらかではなく両者を併用するのが理想的です。
用途に応じて適切な使い方をすることで、より快適な空間を実現できます。
サーキュレーターと扇風機はどっちがおすすめ?

サーキュレーターと扇風機は、目的に応じて別々の使い方をされるため、下記のような基準で使用するのがおすすめです。
- エアコンと併用して空調を整えたい場合はサーキュレーター
- 直接風を浴びて涼をとりたい場合は扇風機
また、どちらを選べばよいか迷うなら、サーキュレーターと扇風機の機能を兼ね備えたハイブリッドモデルを検討するとよいでしょう。
これらのモデルは風の向きや強さを調整できるため、空気循環と涼しさの両方を得られます。
使用環境や目的に応じて、最適な製品を選ぶことが大切です。
まとめ
今回は、サーキュレーターと扇風機の違いについて解説しました。
サーキュレーターは空気の流れを作ることを主な目的としており、扇風機は広範囲に風を届け、直接涼を取ることを主な目的としています。
それぞれの用途を理解した上で、使用する環境や目的に応じて選ぶことが大切です。
また、それぞれ使い方を工夫することで、より快適な空間を実現できるので、置き方や置く場所なども、ぜひこだわってみてください。