目次
大きな花と甘く上品な香りが特徴の百合の花は、品種ごとに大きさや色合いが異なり、さまざまな印象を楽しめます。
また、花言葉にも深い意味が込められているため、お世話になった方への贈り物としても最適です。
本記事では、百合の花が咲く季節について紹介します。
さらに、代表的な百合の種類や花言葉、育て方のポイントなども解説しているので、百合に興味がある方や、贈り物として選びたい方はぜひ参考にしてみてください。
百合とは

百合は、頭頂に大きな花が咲いているのが特徴の、ユリ科ユリ属に分類される多年生植物 です。
アジアの北半球を中心として、世界中に100種類以上の原種が存在しています。
日本には15種類が自生しており、花の色や香りもさまざまです。
茎が高く、風になびく様子の「揺り」から「百合」と呼ばれるようになったとされています。
その美しい見た目から、上品なイメージを持つ方も多いでしょう。
百合が咲く季節

百合が咲く季節は、品種によって異なります。
一般的には初夏から夏にかけて花が開き、7月中旬頃に見頃を迎えるのが特徴です。
また、百合の花は茎の下側にある蕾から順に開花します。
下の蕾は1~2日程度で開き、上の蕾は約1週間程度で開花するため、自宅で栽培する際は覚えておきましょう。
百合の花言葉

百合には、色によって異なる花言葉があります。
一般的な白い百合の花言葉は、「純潔」「威厳」「無垢」です。
オレンジ色の百合には「華麗」、黄色の百合は「陽気」という花言葉があります。
また、花言葉には、ピンク色の百合の「虚栄心」や、黒色の百合の「復讐」といったネガティブなものもあるため、贈り物に選ぶ際には注意が必要です。
百合の種類

百合にはさまざま種類があり、それぞれ大きさや色、香りなどの特徴が異なります。
種類ごとの特徴について見てみましょう。
カサブランカ
カサブランカは、ヤマユリとカノコユリを交配してできた種類です。
直径20〜25cmの大きく白い花を咲かすのが特徴で、百合といえばカサブランカを思い浮かべる方も多いでしょう。
また、カサブランカの中にも品種があり、オレンジ色の花を咲かすコルコバードや黄色い花を咲かすコンカドール、赤紫色の花を咲かすパープルプリンスなどがあります。
ヤマユリ
ヤマユリは山地に生える種類で、白く大きな花に黄色の筋と小さな斑点が特徴です。
威厳のある見た目から「百合の女王」とも呼ばれており、周囲には甘く強い香りが漂います。
1本に咲く花は、10〜15輪ほどです。
また、ヤマユリの鱗茎であるユリ根は、食用としても親しまれています。
ササユリ
ササユリは、中部地方から九州にかけて分布している日本固有の種類です。
葉が笹と似ていることからその名がつけられました。
花は淡いピンク色をしており、甘い香りを放つのが特徴です。
また、ほかの百合と比べて生育が遅く、種子から開花までは7〜8年かかります。
ヒメユリ
ヒメユリは、日本のほか中国や韓国にも分布している種類です。
東北に分布しているミチノクヒメユリや、朝鮮半島や中国に分布しているチョウセンヒメユリ、鮮やかな黄色い花を開花させるキヒメユリなど、ヒメユリの中でもさまざまな種類があります。
主に、山地や林の中で見られますが、群生していることは多くありません。
花は6弁花で星形に開き、濃く鮮やかなオレンジ色をしています。
大きさは5〜8cm程度で、ほかの種類と比較すると小ぶりです。
テッポウユリ
テッポウユリは日本原産の種類で、九州南部から沖縄にかけて分布しています。
花弁は根元でつながっており、ラッパのように筒状になって横向きに花を咲かせるのが特徴です。
そのユニークな花の形が鉄砲に似ていることから、テッポウユリと名付けられました。
花弁は真っ白で、見たものに清楚な印象を与えます。
また、百合の中でも甘く控えめな香りも魅力の一つです。
オニユリ
オニユリは、日本や中国、朝鮮半島に分布している種類です。
日本では、北海道から九州にかけて広く見られます。
花弁はオレンジ色に彩られており、大きく反り返っているのが特徴です。
大きいと2mに達する草丈や、鮮やかな花弁の色が赤鬼を連想させるとして、オニユリと名付けられました。
また、花には暗褐色の斑点がちりばめられており、その独特な模様にも特徴があります。
スカシユリ
スカシユリは、日本が原産の種類です。
中部地方以北に分布しており、海岸沿いや岩場に自生します。
花弁の根元に隙間があり、基部が透けて見えることから、スカシユリと名付けられました。
花弁が上向きに咲くのが特徴で、色はオレンジや黄色、ピンクなど、さまざまあります。
百合としては珍しく香りはほとんどないため、匂いが気になる方におすすめの種類です。
百合の育て方

百合は鉢植えや地植えでも育てられます。
開花に失敗しないように、育て方のポイントについて見ていきましょう。
栽培環境を整える
百合は種類によって最適な栽培環境が異なります。
テッポウユリやヒメユリのように葉の細い百合は日当たりの良い場所、オリエンタル系やヒメサユリのように葉の広い百合は明るい半日陰に植えましょう。
また、地中の温度が上がらないようにすることも大切です。
そのため、梅雨明け後は直射日光の当たらない涼しい場所に置くことで成長を促せます。
植え付けを行う
植え付けは、開花時期が過ぎた秋に行いましょう。
百合は球根の上にも根が出るため、深めに掘ることが重要なポイントです。
庭植えの場合は、球根の1.5〜2倍の深さを確保します。
また、鉢植えの場合は、球根の直径より3倍程度の幅と十分な深さのある鉢を用意してください。
お手入れをする
庭植えの場合は雨に任せても大丈夫ですが、鉢植えの場合は、土が乾燥したら水やりを行います。
このとき、水は鉢底から流れ出るほどたっぷりあげましょう。
また、球根を肥大させたい場合は、開花後も葉が枯れるまで水やりが必要です。
花が枯れ始めたら、葉や茎だけを残して花がら摘みを行ってください。
花がらを放っておくと、作られた種によって球根の栄養がなくなってしまいます。
百合の花を贈る際に気をつけること

百合の花を贈る際は、いくつか気をつけるべきポイントがあります。
一つずつ確認していきましょう。
香りの強さに注意する
百合の種類によっては、部屋中に香りが強く広がる場合があります。
匂いに敏感な方は、百合の香りが刺激に感じて、頭痛を引き起こす可能性があるため、贈る際には注意が必要です。
事前に匂いに耐性があるのかを確認したり、香りの少ないアジアンティック系の百合を選んだりするようにしましょう。
花粉を取り除いておく
百合の花粉が衣類についてしまうと、色移りが起こったり、シミになってしまったりします。
そのため、百合を贈る際は、事前に花粉を取り除いておくのが親切です。
花粉が入った花粉袋は、指やピンセットで優しく取り除きましょう。
また、花粉が衣類についてしまった場合は、手で払わず粘着テープで抑えることで、範囲を広げずに対処できます。
ペットがいる相手に贈らない
犬や猫などのペットがいる家庭には、百合の花を贈るのは避けましょう。
ユリ科の植物はペットにとって有毒です。
百合をかじったり舐めたりするだけで中毒を起こしてしまうこともあり、最悪の場合、腎臓に障害が出て死に至ってしまうこともあります。
そのため、百合の花を贈る際は、必ず事前にペットがいるかどうかを確認しましょう。
まとめ
今回は、百合の特徴や花を咲かせる季節などについて紹介しました。
百合は初夏から夏にかけて咲く多年草で、品種によって花の色や花言葉が異なるのが特徴です。
その見た目の美しさや花に込められたメッセージから、贈り物としても親しまれています。
大切な人がいる方は、感謝の気持ちを込めて、相手のイメージに合った百合の花を贈ってみてはいかがでしょうか。