目次
「すずらんが花を咲かせる季節はいつ?」
「開花や見頃の時期は、地域や種類によって異なる?」
可憐な花姿で人気が高いすずらんですが、その開花時期や特徴についてはよく知らないという人も多いことでしょう。
この記事では、すずらんの特徴や開花の時期、日本各地の見頃や栽培方法を解説します。
さらにすずらんの花言葉や「すずらんの日」にまつわる文化も紹介するので、すずらんの季節を楽しむ参考にしてみてください。
すずらんはどんな植物?

はじめに、すずらんの基本的な情報として、植物としての特徴や開花の時期、名前の由来や花言葉などを紹介します。
すずらんの特徴や種類は?
すずらんは、1本の茎にベルのような純白の花を連ねて咲かせる、キジカクシ科の多年草です。
ヨーロッパ原産の植物で、北半球の温帯地域のうち冷涼な気候を好んで自生します。
日本で流通量が多く、鉢や切り花として広く利用されているのは「ドイツスズラン」という種類です。
一方、「二ホンスズラン」は本州北部から北海道の山間地に多く見られ、湿った半日陰の環境で群生します。
すずらんの季節はいつ?
すずらんの花の季節は「初夏」とされ、地域によって多少前後するものの、一般的に5〜6月に見頃を迎えます。
すずらんは冬の間は地上部が枯れ、春に再び新芽を出します。
冬から春にかけて開花するスノードロップやスノーフレーク(鈴蘭水仙)は、花姿がすずらんと似ていますが、いずれもヒガンバナ科の別種です。
すずらんの名前の由来や花言葉は?
「すずらん(鈴蘭)」という名前は、下向きに咲く丸い花が「鈴」、葉の形が「蘭」に似ていたことに由来します。
また、葉の陰に隠れて咲く控えめな姿から、「キミカゲソウ(君陰草)」とも呼ばれてきました。
すずらんの花言葉は、「純粋」「再び幸せが訪れる」です。
すずらんの名所

ここでは、日本各地のすずらんの名所を紹介します。
地域ごとの開花や見頃の時期も紹介するので、訪れる際の参考にしてみてください。
なお、開花や見頃の時期はあくまで目安のため、事前に観光情報などを確認してから出かけることをおすすめします。
北海道
北海道では、例年5月下旬〜6月中旬にかけて、すずらんが開花します。
主なすずらんの名所と見頃の時期(目安)は以下の通りです。
所在地 | 見頃 | 特徴 | |
---|---|---|---|
平取町芽生 すずらん群生地 | 北海道 沙流郡平取町 | 例年5月下旬~6月中旬 | ・日本最大級のすずらん群生地(約15ha) ・保全活動が進み、遊歩道が整備されている |
国営滝野 すずらん丘陵公園 | 北海道 札幌市南区 | 5月下旬~6月 | ・北海道唯一の国営公園 ・色とりどりの花とともにすずらんが咲く |
東北
東北地方では、例年5月下旬〜6月上旬にかけて、すずらんが開花します。
主なすずらんの名所と見頃の時期(目安)は以下の通りです。
所在地 | 見頃 | 特徴 | |
---|---|---|---|
岩洞湖周辺の すずらん群生地 | 岩手県 盛岡市 | 5月下旬 ~6月上旬 | ・県内でもとくに冷涼な地域で、自生するすずらんが豊富 ・湖の景色とともに楽しめる |
姫神山の すずらん群生地 | 岩手県 滝沢市 | 6月上旬 ~中旬 | ・標高1,124mの山の中腹で見られる二ホンスズラン ・登山道沿いに可憐な花が広がり、ハイキングと一緒に楽しめる |
関東・甲信越
関東・甲信越では、例年5月中旬〜6月中旬にかけて、すずらんが開花します。
主なすずらんの名所と見頃の時期は以下の通りです。
所在地 | 見頃 | 特徴 | |
---|---|---|---|
芦川町のすずらん畑 | 山梨県笛吹市 | 6月上旬 | ・「すずらんの里」として知られる名所 |
入笠湿原 | 長野県富士見町 | 6月上旬~中旬 | ・入笠山の山頂付近に広がる湿原に、 二ホンスズランが咲き誇る |
東海・関西・中国
東海地方や関西・中国地方では、例年5月中旬〜6月中旬にかけて、すずらんが開花します。
主なすずらんの名所と見頃の時期は以下の通りです。
所在地 | 見頃 | 特徴 | |
---|---|---|---|
うるし塚すずらん公園 | 岐阜県 高山市 | 5月頃 | ・ドイツスズラン ・木陰のある静かな観賞スポット |
向渕(むこうぢ) すずらん群生地 | 奈良県 宇陀市 | 6月上旬 | ・二ホンスズランが自生 |
男鹿山 | 広島県 世羅町 | 5月下旬 〜6月中旬 | ・標高約800〜900mの山の中腹に二ホンスズランが自生 ・地元有志による保護活動も行われている |
哲多すずらんの園 | 岡山県 新見市 | 6月上旬 | ・二ホンスズランの自生地 ・木道や案内看板も整備 ・周囲にはブナ林やミズバショウも見られ、自然観察に ぴったり |
九州・四国
一般的に本州から北海道の冷涼な地域に分布するすずらんですが、九州の高原でも、5月中旬〜6月上旬にかけて、すずらんが自生する姿が見られます。
主なすずらんの名所と見頃の時期は以下の通りです。
所在地 | 見頃 | 特徴 | |
---|---|---|---|
くじゅう野の花の郷 | 大分県 竹田市 | 5月下旬 ~6月中旬 | ・くじゅう連山の麓に広がる花畑に二ホンスズランが咲く |
波野高原 | 熊本県 阿蘇市 | 5月下旬 ~6月中旬 | ・阿蘇山の近くに広がる高原で、日本最南限の二ホンスズラン の群生が見られる |
参考:日本全国のすずらん畑一覧|見頃の季節やおすすめ観光スポットを紹介!
すずらんの栽培方法

すずらんは環境さえ整えば、自宅でも育てられる植物です。
庭植えや鉢植えにすれば、すずらんの可憐な花姿を身近に楽しめます。
ここでは、すずらんを育てる方法や栽培する際の注意点を見てみましょう。
庭植えで育てる方法
すずらんを庭に地植えする際は、午前中は日当たりがよく、午後は日陰になる場所が理想です。
夏の強い日差しを遮ってくれる落葉樹の株元など、風通しのよい場所が適しています。
腐葉土と堆肥を混ぜ込んで植えつけるとよく育ち、特別なお手入れも不要です。
ただし、株が込み合うと花つきが悪くなるため、4〜5年に一度は株分けを行うとよいでしょう。
鉢植えで育てる方法
鉢植えで育てる場合は、すずらんの特性に合わせて日射量を調整しやすい点がメリットです。
真夏は強い日差しを避けて日陰に、それ以外の季節は日当たりのよい場所に置くとよく育ちます。
水やりは、土が乾いたタイミングでたっぷりと与えましょう。
株が込み合ってきたら、1〜2年に一度を目安に植え替えると、再び花をたくさん咲かせるようになります。
すずらんを栽培する際の注意点
すずらんは育てやすく、とくに環境への適応力が高いドイツスズランは、暑さに弱いニホンスズランよりもガーデニング初心者に向いているとされます。
ただし、すずらんには毒性があるため、扱いには注意が必要です。
触れる・匂いをかぐ程度であれば問題ありませんが、とくに子どもやペットがいる家庭では誤って口に入れないよう、置き場所にも配慮しましょう。
多年草のすずらんは、冬の間は地上部が枯れて休眠しますが、春にはまた芽を出します。
株分けや植え替えの適期は、晩秋から春先までの休眠期です。
その際は、作業中に根を傷つけないよう、丁寧に扱いましょう。
すずらんの日に花束を贈ろう

5月1日は「すずらんの日」です。
フランスをはじめとするヨーロッパでは、この日に花言葉とともにすずらんの花束を贈る習慣が根づいています。
この文化的な習慣の起源は、中世ヨーロッパにさかのぼります。
すずらんは、当時から幸福をもたらす花として人気がありました。
1561年、すずらんの花を贈られて感激したシャルル9世が、宮廷の女性にも幸せを届けようと、毎年5月1日にすずらんを贈るようになったといわれます。
この習慣はフランスの貴族の間で広まり、19世紀末には一般の市民にも定着しました。
「再び幸せが訪れる」という花言葉は、卒業や転職、引っ越しなど新しい門出を迎える人へのプレゼントに最適です。
花言葉に応援の気持ちを込めて、すずらんの花束を贈ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
すずらんの季節は初夏で、5月から6月にかけて開花します。
なお、5月1日は「すずらんの日」です。
この記事では、すずらんの特徴や名前の由来、花言葉とともに、すずらんの季節の楽しみ方を紹介しました。
- 名所で見頃の時期にすずらんを鑑賞する
- 庭植えや鉢植えですずらんを栽培する
- 「すずらんの日」に花束を贈る
すずらんをより身近に楽しむ参考にしてください。