目次
山菜にはたくさんの種類があり、風味が特徴的で、古くから日本人の食卓に欠かせない食材です。
この記事では代表的な春の山菜の種類や特徴、おすすめの食べ方を紹介します。
山菜を使ったおすすめレシピも簡単な下処理の方法とともに紹介しますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
山菜の種類数や野菜との違い
山菜と一口に言ってもさまざまな種類があるため、どれが山菜か迷ってしまうこともあるでしょう。
ここでは、現在食べられている山菜の種類数や野菜との違いについて解説します。
山菜とは?
山菜とは、山野や水辺、里山などに自生する植物のうち、食用にできるものの総称です。
山菜は全国で食べられているものだけでも300種類以上あるといわれます。
一年を通じて四季折々の山菜が収穫されますが、中でも春は山菜の種類が豊富です。
山菜は縄文時代から食べられており、万葉歌にも登場します。
季節の食材として楽しまれるほか、江戸時代の飢饉の際や戦中戦後の食糧難の際は非常食としても重宝されました。
野菜との違い
一般的には、田畑で栽培されるものを野菜、栽培されず自生するものを山菜と呼びます。
現在流通している野菜の多くは外国から伝わったもので、ほとんどが一年草です。
品種改良によって苦味やアクが少なく、収穫量も比較的安定しており、一年を通じて流通しています。
山菜は多年草で、食べられる部分も新芽などに限られることが多く、独特のほろ苦さや風味が特徴的です。
野生のため収穫量は安定しておらず、店頭に並ぶ時期も限られますが、昨今では栽培されている山菜もあります。
山菜の代表的な6種類|特徴やおすすめの食べ方
種類が豊富な山菜の中から、代表的な春の山菜を紹介します。
それぞれの特徴やおすすめの食べ方を見てみましょう。
タラの芽
山菜の王様として人気の高いタラの芽はタラノキの新芽で、道路脇や林道など、開けた明るい場所に自生します。
山菜の中でも比較的食べやすく、ほのかな苦みと香り、もっちりした食感が特徴です。
良質なたんぱく質や脂質を含むため、山のバターと呼ばれることもあります。
おすすめの食べ方は以下の通りです。
- 天ぷら
- 和え物
- 炒め物
- 肉巻き
- パスタ
- シチュー
- アヒージョ
ふきのとう
時期:2月~5月
春の使者と呼ばれるふきのとうは、雪解けのころに土中から顔を出すふきの蕾です。
水気のある湿った場所、直射日光の当たらない場所に自生します。
かわいらしい姿と、クセになるほろ苦さと独特の風味が特徴です。
おすすめの食べ方は以下の通りです。
- 天ぷら
- みそ汁
- ふきのとう味噌
- 炒め物
- パスタ
- グラタン
- アヒージョ
ふき
時期:3月~4月初旬
ふきはふきの蕾(ふきのとう)が開花したあと、地下茎から伸びる葉・柄の部分です。
ふきは全国各地の山野に自生しますが、古くは平安時代から栽培されていました。
アクは強めですが下処理をすれば和らぎ、独特の風味とシャキシャキした食感が楽しめます。
おすすめの食べ方は以下の通りです。
- 煮物
- 佃煮
- 炊き込みごはん
- きんぴら
- サラダ
こごみ(青こごみ)
時期:5月~6月
こごみはわらびやゼンマイと同じシダ植物で、クサソテツの若芽です。
こごみは沢沿いや里山の川原など、湿り気のある場所に群生します。
一本立ちの赤こごみに対して、株立ちの青こごみは収穫量が多く、全国各地で親しまれている山菜です。
アクやにおいが少なく、わらびやぜんまいと比べて下処理の手間がかからないため、手軽に楽しめます。
おすすめの食べ方は以下の通りです。
- 天ぷら
- 和え物
- お浸し
- サラダ
- パスタ
うど
時期:4月~5月初旬
うどはタラの芽と同じくウコギ科タラノキ属の多年草です。
みずみずしい若芽が食べ頃で、「ウドの大木」といわれるように大きく成長してしまうと食べられません。
最近は栽培ものも多いですが、自生の山うどはさらに香り高く、ほのかな苦味とシャキシャキした歯ごたえを楽しめます。
おすすめの食べ方は以下の通りです。
- 天ぷら
- 和え物
- 炒め物
- きんぴら
うるい
時期:4月~6月上旬
うるいはオオバギボウシの若芽で、山間の湿地などに自生します。
アクやえぐみは少なめで、ほろ苦さとネギのようなぬめりがあるのが特徴です。
調理も手軽で、和え物やサラダなどでも食べられます。
おすすめの食べ方は以下の通りです。
- サラダ
- 和え物
- 鍋
- 浅漬け
- 炒め物
- 汁物の具
- 天ぷら
山菜を使ったおすすめレシピ4選
山菜は油で揚げることで苦味が和らぐため、手軽でおいしい山菜の定番料理といえば天ぷらを思い浮かべる人も多いでしょう。
今回は天ぷら以外でも手軽に山菜の風味を楽しめる、おすすめのレシピを下処理の方法とともに紹介します。
ふきのとうみそ
ふきのとうのほろ苦さと風味が楽しめる、ご飯にぴったりの常備菜です。
ふきのとうは以下のように下処理をしておきます。
- ふきのとうを洗って汚れを落とす
- 根元の変色している部分を切り落とし、汚れたガクがあればはがしておく
- 10分ほど水に浸けてアクを抜く
ふきのとうは断面が空気に触れると苦味成分が酸化して黒ずみはじめますが、食べても問題ありません。
つくり方は以下の通りです。
- 味噌、砂糖、みりんを混ぜ、合わせ調味料を準備しておく
- 下処理したふきのとうを細かく刻む
- フライパンに油を熱して2を入れ、ふきのとうに油が回ってしんなりするまで炒める
- 3に1の合わせ調味料を加えて火を少し弱め、ヘラなどで底から混ぜながら炒めて水分を飛ばす
前述の通り、ふきのとうを刻むと断面がすぐに変色しはじめるため、先に合わせ調味料を準備しておき、手早く調理するとよいでしょう。
塩茹でしてしっかりめにアク抜きしたい場合は、ふきのとうが空気に触れないように落とし蓋をすると変色を防げます。
タラの芽の肉巻き
メインやお弁当のおかずにもぴったりな、タラの芽の肉巻きを紹介します。
タラの芽の下処理は以下の通りです。
- タラの芽を洗って汚れを落とす
- 固い根元は切り落とし、ハカマと呼ばれるガクの部分も包丁でそぎ落とす
- 10分ほど水に浸けてアクを抜く
つくり方は以下の通りです。
- 薄切りの豚肉を一枚ずつ広げ、タラの芽を置いて巻きつける
- 1に茶こしなどで薄く小麦粉をまぶしておく
- 砂糖、酒、みりん、醤油を混ぜ合わせておく
- フライパンに油を熱し、2の巻き終わりを下にして入れる
- 全体に焼き色がついたら、肉巻きをフライパンから取り出す
- フライパンの汚れをキッチンペーパーで軽く拭きとり、3の合わせ調味料を煮立たせる
- 肉巻きをフライパンに戻して調味料をからめ、照りを出す
なお、この肉巻きは、うどやふきなどでもおいしくつくれます。
うどを使う場合、下処理は以下の通りです。
- うどを洗って汚れを落とす
- 洗ったうどは太い部分と細い部分に切り分け、節から枝分かれした部分は切り離す
- アク抜きと変色防止のために、10分ほど酢水にさらす
- 肉を巻きやすいサイズにカットしておく
うどは皮部分の風味が強いですが、固さや産毛が気になる場合は厚めに皮をむいてから細切りにすると食べやすくなります。
ふきを使う場合、下処理は以下の通りです。
- ふきは洗って汚れを落とし、葉と茎に切り分け、固くなった根元を切り落とす
- 茎をまな板の上に乗せ、軽く塩を振り板ずりする
(板の上で転がして皮や筋を浮かす) - 2を鍋に入るサイズに切り、塩が付いたまま沸騰した湯で茹でる
(茹で時間の目安は細い部分が3分、太い部分は5分程度) - 茹であがったふきを冷水にさらし、皮をむく
下処理したふきは空気に触れると変色するため、保存する場合は水を入れた保存容器に入れましょう。
こごみのクリームチーズ和え
和食のイメージが強い山菜ですが、洋風のメニューやお酒にも合うこごみのクリームチーズ和えを紹介します。
こごみの下処理は以下の通りです。
- こごみは洗って汚れを落とし、固くなった根元を切り落とす
- 食べやすい大きさに切って、10分ほど水に浸けてアクを抜く
つくり方は以下の通りです。
- こごみは沸騰した湯に塩を入れ、2分ほど茹でる
- ざるにあげてさっと洗い、水気を切る
- 2をだし醤油とクリームチーズで和え、かつおぶしを振る
お好みで鮭フレークや砕いたクルミを混ぜてもおいしくいただけます。
うるいの酢味噌和え
ネギのようなぬめりが特徴的なうるいでつくる、春らしい酢味噌和えを紹介します。
うるいの下処理は以下の通りです。
- うるいは洗って汚れを落とし、固くなった根元を切り落とす
- 葉と茎の部分に切り分け、10分ほど水に浸けてアクを抜く
つくり方は以下の通りです。
- 砂糖、酢、味噌を混ぜておく
- うるいを沸騰した湯でさっと茹でる
(茹で時間の目安は茎は15秒、葉は10秒程度) - 茹で上がったら冷水にとり、水気を切る
- 3を1で和えて完成
お好みでわかめやボイルしたタコなどを合わせてもおいしくいただけます。
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