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ふるさと納税は「返礼品」をもらえるのでその人気が高くなっていますが、返礼品をもらえるから得ということだけでは必ずしもありません。
ふるさと納税は世間的には「お得のイメージ」で注目がされていますが、本当にそれだけなのでしょうか。
ふるさと納税は、単に便利、お得なだけではなく、社会的意義を持つ制度だと考えることも可能です。
今回はふるさと納税をすることによってどのようなことが出来るのか。また、ご自身にとって何が得になるのかを解説していきます。
ふるさと納税が得とされる理由5選
ふるさと納税をすることはどのような意味を持つのでしょうか?
また、ふるさと納税する人に得られるメリットがあるのでしょうか?
ここではふるさと納税することの結果、どのようなことがあるのか5つまとめました。
自治体から返礼品を受け取ることができる
ふるさと納税にメリットがあると言われるのは、ふるさと納税した自治体から「返礼品」として、その自治体の名産品をもらえるからです。
ふるさと納税は、寄附額2,000円を超える部分について、一定の控除上限額まで原則として所得税・住民税から全額が控除される仕組みです。
10,000円寄附すると、8,000円(かつ控除限度額)が控除されます。所得税は還付され、住民税は翌年の課税所得が減ります。
- 寄附することで季節に合わせた地場産品を返礼品としてもらう事ができる
- 寄附した自治体で体験活動をする事もできる
- 寄附額2,000円を超える部分について、一定の控除上限額まで原則として所得税・住民税から全額が控除される
この3点についてぜひ押さえておいてください。
ふるさと納税は、カタログ感覚で、自治体の特産品、名産品を選べるユニークな制度の代表的なものになります。
寄附した自治体で体験活動ができる
ふるさと納税の返礼品として、寄附額に応じて、その自治体でしかできない体験活動に招待されるものもあります。
そば打ちや川遊びなど子どもの情操教育にもなる体験メニューもあります。
ふるさと納税の返礼品として独自に設定している自治体も多く、自分たちだけで探してもこのような体験を受けられない可能性があるなか、貴重な体験となるでしょう。
自治体の中には、このような体験を通じて移住を検討してもらうためにこのようなプランを用意しているところもあり、利用者満足度の高い「濃い」メニューになっていることが多くおすすめします。
さまざま地域に詳しくなる
ふるさと納税で寄附できる自治体は北は北海道、南は沖縄まで全国にわたります。
「こんなところにも自治体があったのか」と日本の地理にとても詳しくなります。
お子さんがいる場合、一緒に寄附する自治体を探すと、社会や地理の勉強になるでしょう。
返礼品の中には普通の通販では買えなかったり、その自治体内でしか取り扱いのないものもあります。
その土地の文化にも触れられ、日本が広いことを納税を通じて学べるのはとても大きな意義があります。
寄附する自治体の返礼品から、気候や風土、農林水産環境なども勉強でき、とても良い文化の教材として、ふるさと納税が活躍することでしょう。
災害地などへの寄附をふるさと納税のシステムで行なえる
ふるさと納税では返礼品をもらわずに、災害地域の支援を行う事も可能です。
ふるさと納税のシステムを使えば、確実に自治体へ寄附できます。
災害支援を行う際もネットショッピングの要領で誰でも気軽に使える仕様です。
通常の手順で寄附金や義援金を支払った際の寄附金控除の流れはやや複雑であり、適用されるかどうかわからず、かといって控除のない寄附も躊躇ってしまい、結局寄附できないということもありました。
しかしふるさと納税のサイトやシステムを利用することで、簡単に寄附が可能で、ワンストップ特例申請を行う事で、寄附金控除の申請もお手軽に行う事が可能です。
災害支援だけでなく、クラウドファンディングのような使い方を行っている自治体もあるので、災害支援だけでなく、「〇〇を作りたい!」「〇〇を助けたい!」という目的に対して寄附も可能です。
普通のクラウドファンディングとは異なり、目標額を達成できなくても自治体へ寄附は届いて利用されるのもポイントです。
税金の仕組みに詳しくなる、納税者意識を持てる
ふるさと納税は「寄附金控除」の仕組みを利用します。
ふるさと納税で寄附を行うと税金の還付、控除がうけられますが、そのためには申請を行う必要があります。
寄附金控除の申請については、ワンストップ特例制度と確定申告の二種類があります。
ワンストップ特例制度とは、ふるさと納税をした後、確定申告をしなくても寄附金控除が受けられる仕組みです。
「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」に必要事項を書いて、寄附した自治体に送ると、確定申告しなくても税金が控除されます。
すべての人がワンストップ特例制度で申請できるわけではなく以下の条件を満たす必要があります。
- 給与所得者(会社員)
- 1年間に寄附した自治体が5つまで(6つ以上の自治体に寄附した場合は確定申告が必要)
- 寄附ごとに自治体へ「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を提出する
A市、B区、C町、D市、E町へそれぞれ寄附した場合、寄附ごとに「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を提出します。
A市に3月に20,000円、11月に10,000円寄附した場合は、2回「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」をA市に送ってください。
一方、確定申告の場合、ふるさと納税を行った額を所得控除(寄附金控除)として申告できます。
寄附した自治体からは「寄附金受領証明書」が送られてくるので、それをもとに確定申告を行います。
確定申告は寄附した翌年の2月中旬~3月中旬に行います。
会社員で年末調整されている場合も、ワンストップ特例を使わない場合、別途確定申告しなければなりません。
自営業の方はワンストップ特例を受けられませんので、事業の確定申告の中で寄附金控除の適用を受けてください。
給与所得者の場合、条件を満たす場合、ワンストップ特例を申請するかどうかは任意で、確定申告にて申請をする事も可能です。
ワンストップ特例制度でお手軽に済ませるのも良いですが、税金の流れを学べる良い機会ですので確定申告によるふるさと納税を検討してみるのも良いでしょう。
ふるさと納税は何が得かはその人の価値観によること
前述したとおりふるさと納税をすることで、「返礼品」を受け取ることができます。
返礼品の金銭的価値だけではなく、ふるさと納税をする過程で得られる自治体探しや、ふるさと納税の手続きで得られる納税知識も大切です。
ふるさと納税の社会的意義は大きなものですが、人によって何が得かは価値観次第です。
返礼品をもらったり、災害支援をするなど多様な価値観の中で多くの選択肢があります。
大きな視点で見ていただき、ふるさと納税をどう活用するか決めてください。
お子さんがいらっしゃる方は、ふるさと納税とはどういうものかについて話し合うのも良いでしょう。
そうしたことを考える教材としても、ふさわしいと言えます。
まとめ
ふるさと納税は2008年税制改正によってできた新しいシステムであり、何度も制度のマイナーチェンジを繰り返しています。
ご当地の返礼品を受け取るだけでなく、災害支援や、クラウドファンディングによる貧困支援や社会貢献などのメニューが充実して、価値観の多様性に配慮されたものになってきています。
ふるさと納税はさまざまな利用法があり、それらを知ることで多くのものを得られるはずです。ふるさと納税を通じて、あなたにとって得だと思うものを探してみてください。