お雑煮の具材|関東と関西・地域による違いや具材の意味も紹介

お雑煮の具材|関東と関西・地域による違いや具材の意味も紹介

お正月に欠かせないお雑煮。

その具材や味つけ、レシピや食べ方は地域や家庭によって異なります。

「ほかの地域では、お雑煮にどんな具材が入っているの?」と気になる人もいらっしゃるでしょう。

この記事では北海道から九州まで、全国各地の郷土色豊かなお雑煮の具材や、個性的なお雑煮を紹介します。

お雑煮の起源や代表的な具材の意味なども解説していますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

本記事では、余ったお餅を美味しくアレンジできる簡単レシピを8つご紹介します。おやつやスイーツとして楽しめるレシピも紹介しているので、ぜひお気に入りのレシピを探してみてください。

お雑煮|餅と特産品が入った郷土色豊かな正月料理

お雑煮|餅と特産品が入った郷土色豊かな正月料理

お雑煮とは広く「お餅が入った汁物全般」を指しますが、味つけや具材、餅の形は地域や家庭によって千差万別です。

はじめに、お雑煮の起源や郷土色豊かなお雑煮が生まれた背景を見てみましょう。

お雑煮の起源や由来

お雑煮の起源は古く、平安時代の京都で食べられるようになったといわれます。

室町時代には、公家や武家など上流階級の間で縁起のよい食事や祝いのための食事として定着し、江戸時代には庶民の間にも広まりました。

庶民にとって米や餅は貴重な食材であったため、お祭りや祝い事の際に神様にお供えした餅を一緒にいただく「神人共食」がお雑煮の原型といわれています。 

そこから、 年神様にお供えした餅や特産品を一緒に煮込み、豊作や豊漁・家族の健康を願って食べる正月料理として定着しました。

 なお、 お餅とさまざまな具材を「煮混ぜ」たことから、 お雑煮と呼ばれるようになったといわれます。 

地域で異なる味つけ・餅の形・具材

お雑煮は餅と一緒にお供えした特産品を具材として煮込んだことから、郷土ごとに個性が生まれたと考えられています。

味つけや餅の形、具材は関東と関西で異なりますが、実際は地域や家庭の数だけお雑煮があるといっても過言ではありません。

ここでは、東西のお雑煮の違いを見てみましょう。

味つけは、お雑煮の発祥地である近畿地方や中部地方の一部では味噌仕立てが一般的です。

東北・関東、中国・四国、九州ではすまし汁のお雑煮が多く見られます。

お雑煮に入れる餅の形と調理法も東西で異なっており、東日本では「切り餅を焼く」、西日本では「丸餅を煮る」のが一般的です。

具材は基本的にその土地の食材が用いられ、東日本では鶏肉やかまぼこ、野菜では大根・にんじん・三つ葉などがよく使われます。

一方、西日本では細めの雑煮大根や金時にんじん、頭芋(里芋の親芋)などを使う地域が多いようです。

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お雑煮の具材に込められた意味

お雑煮の具材に込められた意味

昔の人はそれぞれの具材に縁起担ぎの意味を込めて、お雑煮を食べていました。 

例えば、全国的にだしや具材に使われることの多い鶏肉は「福を取り(鶏)入れる」という意味があります。

根菜類に込められた意味は以下の通りです。

  • さといも:子芋をたくさんつけることから「子孫繁栄」
  • にんじん:赤い色に「魔除け」の効果があるとされる 
    より赤さの濃い「金時にんじん」を使う地域もある
  • 大根:角を落として丸く切ることで「平穏無事」「家庭円満」

餅は長く伸びることから「長寿の象徴」といわれます。

形ごとの意味は以下の通りです。

  • 丸餅:角がなく丸いことから 「家庭円満 」
  • 角餅: のし餅を切ることから「敵をのす( 倒す)」

ここでは全国各地で見られる代表的な具材を取り上げましたが、地元で使われる具材の意味を調べてみるのもおもしろいでしょう。

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地域別|お雑煮の具材や特徴

地域別|お雑煮の具材や特徴

全国各地ではどんなお雑煮が食べられているか、具材の特徴や個性的なお雑煮を紹介します。

北海道

北海道では幕末から明治・大正時代にかけて本州から移住した開拓団によって、お雑煮を食べる文化が定着しました。

そのため北海道では出身地域ごとのお雑煮が見られますが、中でも青森県・ 秋田県・ 岩手県出身者のお雑煮が北海道の味として広まっています。

北海道のお雑煮の味付けは、鶏がらや鶏肉でだしを取ったすまし汁です。

具材には焼いた切り餅、 根菜類のほか、「つと」という 鳴門巻きが入ります。

東北地方

東北地方のお雑煮は、地域によって具材も味つけもさまざまです。

青森県では捕鯨基地であった八戸市を中心に、郷土料理のくじら汁に餅を入れたものがお雑煮として食べられています。

岩手県では三陸あわび雑煮や、宮古くるみ雑煮などが特徴あるお雑煮として有名です。

宮古くるみ雑煮は、煮干しだしのすまし汁にいくらをトッピングした豪華なお椀と甘いくるみだれが用意され、お雑煮のお餅をくるみだれにからめて食べます。

ハタハタの水揚げ量が多い秋田県男鹿半島では、お雑煮のだしは焼きあじで取り、伝統的な魚醤「しょっつる」で味つけする家もあるようです。

宮城県の仙台雑煮は具だくさんで、焼きはぜを丸ごと一匹トッピングします。

関東地方

関東地方でもお雑煮の具材は地域によってさまざまです。

一般的には東京を中心に食べられてきたものが「関東風雑煮」と呼ばれています。

関東風雑煮は、かつおだしのすまし汁に、焼いた切り餅を入れるのが特徴です。

具材は地域による違いもありますが 、主に鶏肉と小松菜が入っています。

千葉県では、房州産の海藻である干した「はばのり」が特徴のお雑煮(はばのお雑煮)が有名です。

はばのお雑煮をお正月に食べると「一年中、はばをきかせられる」といわれています。

茨城県常陸太田市の白和え雑煮は、ほんのり甘いスイーツ感覚のお雑煮として有名です。

すりつぶした豆腐にだしと砂糖を加えて焼いた切り餅を入れるのが基本で、家庭によって白味噌で仕立てたり具材を入れたりします。 

中部地方

中部地方のうち、東海地方のお雑煮はすまし汁と切り餅の組み合わせが主流で、具材には青菜が欠かせません。

静岡県では、かつおだしのすまし汁に水菜やほうれん草などの青菜を入れます。

愛知県や岐阜県のお雑煮に使われる青菜は、尾張地域の伝統野菜である餅菜または小松菜などです。

青菜と餅を一緒に食べることで、「名(菜)を持ち(餅)上げる」という縁起を担ぐ意味があるといわれます。

北陸の新潟県では、鮭といくらの親子雑煮が有名です。

なお、中部地方では味噌仕立てのお雑煮も多く、切り餅を煮る地域と焼く地域の両方が混在しています。

関西地方

関西地方では、昆布だしの白味噌仕立てに丸餅を入れたお雑煮が主流です。

具材には頭芋(里芋の親芋)や金時にんじん、雑煮大根という小さめの大根などを入れます。

大阪のお雑煮も白味噌仕立てですが、2日目はすまし汁で食べるのが一般的です。

これは「味が飽きない」と「商い」をかけた縁起担ぎの意味があるといわれます。

兵庫県では味噌仕立てとすまし汁が混在していますが、特産のあなごを具材としたすまし仕立てが有名です。

奈良県では、白味噌仕立てのお雑煮の餅にきな粉をからめて食べる地域もあります。

中国・四国地方

中国・四国地方も、県や地域ごとに特色あるお雑煮があります。

お餅は丸餅が主流です。

 広島県では 「福をかき入れる」牡蠣や出世魚の塩ぶりなど、縁起がよいとされる特産品が入ったお雑煮が食べられます。 

鳥取県のお雑煮は小豆と丸餅をやわらかく煮たもので、昔は塩味でしたが今ではおしるこやぜんざいのように甘い味つけが主流です。

香川県では白味噌仕立てのだしに野菜や椎茸などとともに丸いあんこ餅が入っており、個性的なお雑煮として知られています。

九州地方

九州では、お雑煮の具材もだしも地域によって特徴があります。

福岡県福岡市の博多雑煮は、あご(飛魚)のだしでつくったすまし汁に、主な具材として丸餅とともにぶりやかつお菜を入れるのが定番です。

長崎県島原でお正月やお祭りの日に食べる具雑煮も、あごだしでつくられます。

具材は家庭によってさまざまですが、鶏肉、白菜、人参、ごぼう、干し椎茸、高野豆腐、丸餅などが一般的で、焼きあなごや卵焼きを入れる家庭もあります。

鹿児島県の薩摩地方では干しえびや焼きえびでだしをとり、トッピングにも大きなえびを乗せた「えび雑煮」が食べられてきました。

出水沖は古くからえび漁が盛んで、献上された焼きえびでつくる薩摩藩主・島津家のお雑煮が庶民にも広まったといわれます。

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まとめ

この記事では、郷土色豊かな全国各地のお雑煮について、その具材や特徴、個性的なお雑煮などを紹介しました。

これまで見聞きしたことのないお雑煮の具材もあったのではないでしょうか。

お雑煮の具材に込められた意味も参考に、お正月は郷土の具材やお餅でつくるお雑煮、旅先や帰省先のめずらしいお雑煮を楽しんでみてください。

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