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ソーセージとウインナーは、お酒のおつまみやお弁当のおかず、朝食や昼食のお菜として、非常に人気があります。
また、ソーセージとウインナーは味も多種多様で、好みに合わせて選び分ける楽しみもあります。
ただ、「この2つには違いがあるのか?」と素朴な疑問を抱いたことのある人もいるのではないでしょうか。
ここでは、ソーセージとウインナーの定義上の違いや栄養価の違い、その楽しみ方について、歴史や成り立ちを交えて解説します。
ウインナーとソーセージの違いとは?
ソーセージとウインナーは、非常に似たものですが、定義としては異なります。
ソーセージとウインナーでは太さの定義が異なり、それぞれ複数の種類があります。
まず、ウインナーについて解説していきます。
ウインナーは太さ20ミリ未満の腸詰めのことをいう
ウインナーとは、太さ20ミリ未満の腸詰めのことです。
ソーセージは「腸詰め全般」のことを指すため、特に「ウインナー」とした場合はソーセージのなかでも細いものを指すことになります。
なお、JAS(日本農林規格)では「ウインナーソーセージ」とした場合は、腸のなかでも、羊長を利用したものに限るとされています。
しかし、スーパーなどでは羊に限らず、豚の腸などを利用したものも「ウインナー」の呼称で呼ばれることがあります。
豚を利用したものは「フランクフルトソーセージ」
JAS規格で豚の腸に詰めたものは「フランクフルトソーセージ」とされています。
また、JAS規格において太さは20ミリ以上36ミリ以下でなければなりません。
そのため、フランクフルトソーセージは「ウインナー」よりも少し太いものを指すことになります。
ちなみに「フランクフルトソーセージ」の「フランクフルト」は、ドイツの都市名から来ています。
これはフランクフルトがドイツ生まれであることに由来しています。
対して「ウインナー」という呼称は、フランスの都市である「ウィーンの」という意味を持っています。
もっともウインナーもその起源はフランクフルトと同じドイツであり、「ウィンナー」という名称もドイツ語由来です。
フランクフルトソーセージもウィンナーもドイツで名付けられたものでありながら、片方はドイツの都市名、もう片方はフランスの都市名をつけられたというのは、食の文化の少し面白い点だといえるでしょう。
参考:DELISH KITCHEN「ウインナーとソーセージの違いとは?自家製レシピもご紹介」
牛を利用したものは「ボロニアソーセージ」
牛の腸を利用したものを「ボロニアソーセージ」といいます。
ボロニアソーセージは太さが36ミリを超えるものを指す言葉であるため、「ウインナー」とは呼ばれません。
なお、ボロニアソーセージは「モルタデッラ」という名称でも呼ばれます。
ウインナーやフランクフルトはドイツを発祥の地としていますが、ボロニアソーセージはイタリアのボローニャ地方を故郷としています。
参考:DELISH KITCHEN「ウインナーとソーセージの違いとは?自家製レシピもご紹介」
「ソーセージ」はウインナーを含む腸詰めの総称
ソーセージは「ウインナー」を含む腸詰めの総称です。
「ウインナー」が太さ20ミリ以下のものに限定されるのに対して、ソーセージは太さの定めがありません。
なお、ソーセージは紀元前8世紀ごろにはすでに人類にとって馴染み深い食べ物であったようです。
詩人ホーメロスの記した「オデュッセイア」にソーセージの原型となる食べ物が取り上げられています。
ソーセージは種類や味わいが様々
「ソーセージ」というと細長いものをよく想像しますが、ほぼ正円のソーセージも存在します。
また、長い腸詰めをぐるぐる巻いてくしを指したものや四角形のもの、扇形の腸詰めもまた「ソーセージ」の名称で呼ばれます。
花形のソーセージや馬蹄型のソーセージもあるので、珍しい形のソーセージを一度に並べて目で楽しむのもよいかもしれません。
また、ソーセージは味わいもさまざまです。
一般的なソーセージは塩やコショウで味付けされますが、ハーブを練り込んだものやチーズを入れたもの、ピリ辛に仕上げられたものなど、その種類は多種多様です。
なかには、いかすみやほたてなどの海産物や、たまねぎやじゃがいもなどの野菜類が練り込まれたものもあります。
作り方や水分量による違い
ソーセージのなかでも、水分量が55パーセント以下のものを「セミドライソーセージ」、35パーセント以下のものは「ドライソーセージ」と定義づけられています。
セミドライソーセージおよびドライソーセージは、一般的なソーセージとは異なり常温で保存できるほか、独特で濃縮された旨味を楽しめるのが特徴です。
また、ソーセージは燻煙して作ったものと、そうではないものがあります。
前者は燻煙段階で多種多様なチップを使うことによって香しい香りをつけられるのが特徴で、後者はくせがなくだれにでも食べやすいのが特徴です。
ソーセージやウインナーの栄養価の違い
ソーセージ・ウインナーは、種類によってエネルギーや栄養価が異なります。
ここではウインナーソーセージ・ボロニアソーセージ・フランクフルトソーセージで、それぞれの栄養の違いを紹介していきます。
カロリー (キロカロリー) | たんぱく質量 (グラム) | 脂質 (グラム) | 食塩量 (グラム) | 炭水化物量 (グラム) | |
---|---|---|---|---|---|
ウインナーソーセージ | 1557 | 12.8 | 30.6 | 1.9 | 3.1 |
ボロニアソーセージ | 1002 | 12.5 | 21.0 | 2.0 | 3.0 |
フランクフルトソーセージ | 1224 | 12.7 | 24.7 | 1.9 | 4.5 |
出典:文部科学省「日本食品標準成分表20202年版(八訂) 第2章(データ)」
※数字は100グラムあたり
ウインナー・ソーセージは、種類による違いだけでなく、商品による違いもあります。
そのため、栄養価を気にして選ぶ場合は、それぞれの商品の成分表を見比べて選ぶことをおすすめします。
ウインナーとソーセージ、その楽しみ方について
最後に、簡単にウインナーとソーセージの楽しみ方について解説します。
ウインナーやソーセージは、ゆでたり焼いたりして食べてもおいしいものですが、それ以外の楽しみ方をすることが可能です。
たとえば、ハーブがきいたものはパプリカやトマトなどの爽やかな野菜と一緒にオリーブオイルで炒めたり、レモンを絞ったりして楽しむと、より香りが楽しめます。
スタンダードな塩味のウインナー・ソーセージは汎用性が高く、さまざまな味付けになじむでしょう。
ドイツでは、カレーをかけたカレー粉をまぶしたカレーヴルストもよく食べられています。
その他にも、しょうゆやダシなどの日本の調味料と合わせてもおいしく食べられるでしょう。
セミドライソーセージやドライソーセージのように水分量の少ないソーセージは、スライスして、よく焼いたバケットと一緒に食べたり、お酒と一緒に楽しんだりするのがおすすめです。
セミドライソーセージやドライソーセージは、チーズともよく合います。
まとめ
ウインナー・ソーセージは、紀元前8世紀から人類の生活とともにあったものです。
ドイツで生まれたこの加工食品は、やがて世界に広がり、日本でも食べられるようになりました。
ウインナーはソーセージのなかの一種です。
ウインナーのなかでも、特に「20ミリ以下のもの」を指す言葉として「ウインナー」という呼称が使われるようになりましたが、どちらも私たちの舌に楽しみをもたらしてくれるものだということに違いはありません。
さまざまな楽しみ方ができるうえに手軽に調理できるウインナー・ソーセージを様々な味わいで食べてみましょう。