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コリコリした食感と強いぬめりが魅力の「めかぶ」は、健康をサポートする栄養がたっぷり詰まった食材です。
手軽に食べられる点も嬉しく、日々の食事にプラスするだけで栄養バランスを整える助けになります。
この記事では、めかぶの健康効果やおすすめの食べ方を詳しく紹介します。
低カロリーで体に優しいめかぶを取り入れて、より元気で健康的な毎日を目指しましょう。
栄養豊富な「めかぶ」の正体とは?

じつは、私たちの食卓にもなじみ深い「あの海藻」の一部であるめかぶ。
その魅力を理解するために、まずは主な特徴を見ていきましょう。
めかぶはわかめの一部
めかぶは、わかめの根元にあるひだ状の部位で、わかめの生殖器官にあたります。
緑色のヌルヌルした食材という印象がありますが、生のめかぶは褐色でぬめりも控え目。
鮮やかな緑色や強いぬめりは、湯がくことで初めて引き出されます。
めかぶの旬は、冬から初春にかけてです。
胞子を放出した後は風味や食感が損なわれるため、生めかぶが楽しめる期間はあまり長くありません。
しかし、冷凍保存ができるうえ、乾燥めかぶやパック詰めの商品は一年を通して購入できます。
そのため、めかぶは日々の食生活に取り入れやすい食材といえるでしょう。
めかぶは食物繊維やミネラルの宝庫
めかぶには、水溶性食物繊維やミネラルなど、さまざまな成分が含まれています。
とくに、水溶性食物繊維であるアルギン酸や、機能性成分として注目されるフコイダンは、めかぶの特徴的な成分です。
これらは、わかめ・昆布・もずくなどの褐藻類に特有の成分で、血中コレステロール値の低下や腸内環境の改善などが期待できます。
また、めかぶにはヨウ素やマグネシウム、カルシウムなどのミネラル類も豊富に含まれています。
エネルギー代謝や体温調節のサポート、骨の健康維持にも役立つめかぶは、日々の健康を後押しする心強い存在です。
めかぶに含まれる主な成分とその効果

めかぶに含まれる成分にはそれぞれ特有の働きがあり、腸内環境の改善や老化予防など、多くの効果が期待できます。
めかぶに含まれる主な成分とその効果を、詳しく見ていきましょう。
アルギン酸|腸内環境を整える
アルギン酸は水溶性食物繊維の一種で、めかぶ特有のぬめりを生み出す成分のひとつです。
便通をスムーズにして腸内環境を改善するほか、ナトリウムを体外に排出したり血中コレステロール値を低下させたりする働きがあります。
また、食後の血糖値の急激な上昇を抑えるため、生活習慣病のリスク軽減にも効果が期待できます。
フコイダン|免疫力を高める
フコイダンも、アルギン酸と同じく水溶性食物繊維で、めかぶに含まれるぬめり成分のひとつです。
ナトリウムの排出促進や血中コレステロール値の低下といった効果はアルギン酸と共通していますが、フコイダンにはさらに胃粘膜を保護する働きがあります。
また、免疫細胞の一種であるNK細胞(ナチュラルキラー細胞)を活性化し、ウイルスや病原菌への抵抗力を高める可能性が注目されています。
フコキサンチン|老化や肥満を予防する
フコキサンチンは、めかぶに含まれる天然の色素成分で、高い抗酸化作用を持つカロテノイドの一種です。
体内の活性酸素を除去し、細胞の酸化ストレスを軽減することで、老化の進行を抑える働きがあります。
また、フコキサンチンは脂肪細胞に働きかけて代謝を促進し、体内の脂肪燃焼をサポートします。
めかぶは健康維持だけでなく、ダイエットやアンチエイジングにもおすすめの食材です。
ビタミンK|骨の健康維持を助ける
めかぶには、血液の凝固や骨の健康維持に役立つビタミンKが豊富に含まれています。
ビタミンKにはカルシウムの骨への定着を助け、流出を防ぐ働きがあり、骨密度の維持に重要な役割を果たします。
とくに、骨粗しょう症のリスクが高まる中高年層や、骨の形成が盛んな成長期の子どもたちにとって、ビタミンKは欠かせない栄養素です。
ヨウ素|代謝を調整する
めかぶには、代謝の調整に必要なヨウ素が豊富に含まれています。
ヨウ素は、甲状腺ホルモンの生成に必要な栄養素であり、エネルギー代謝や体温調節、成長促進に重要な役割を果たします。
ヨウ素が不足すると甲状腺機能が低下し、疲れやすさやむくみといった不調を引き起こすこともあるため、日々適量を摂取することが大切です。
ただし、ヨウ素は摂り過ぎても甲状腺機能低下症の原因になります。
とくに甲状腺の疾患を持つ人や胎児・乳児は影響を受けやすいため、過剰摂取に注意しましょう。
目安として、1パック40gのめかぶには、ヨウ素が160μg(マイクログラム)ほど含まれています。
妊娠中の女性の場合、1日あたりの推奨量は240μg、健康障害のリスクがないとされる耐容上限量は2000μgです。
昆布やひじきなどヨウ素の多い食品と組み合わせると過剰摂取になる可能性が高まるため、総摂取量を考慮し、必要に応じて医師に相談することをおすすめします。
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)『ミネラル(微量ミネラル)』」
めかぶをより効果的に摂る方法

めかぶをより効果的に摂るための具体的な方法を紹介します。
食べるときの一工夫で、めかぶの健康効果をしっかり引き出しましょう。
食事の初めにめかぶを食べる
めかぶに含まれるアルギン酸やフコイダンには、糖質の吸収を緩やかにする働きがあります。
とくに食事の初めにめかぶを食べると、食後の血糖値の急激な上昇を抑えやすくなり、糖尿病や肥満のリスク軽減が期待できます。
めかぶを食べる際は、納豆やオクラ、キムチなどと和えたり、豆腐に乗せたりするのもおすすめです。
他の食材と一緒に摂ることで飽きにくく、ボリュームが出て満腹感を得やすくなります。
栄養バランスを整える助けにもなるので、ぜひさまざまな食材と一緒に楽しんでみてください。
油と一緒に摂って栄養素の吸収率を上げる
めかぶに含まれるフコキサンチンやビタミンKは脂溶性のため、油と一緒に摂ると吸収率を高められます。
油の取り入れ方としては、ごま油をひと垂らししたり、めかぶをサラダに加えてドレッシングをかけたりするとよいでしょう。
また、油分の多いアボカドと組み合わせるのも、満足感をアップしつつ効率よく栄養を摂れておすすめです。
カルシウムが豊富な食材と組み合わせる
めかぶには、カルシウムの骨への沈着を促すビタミンKが豊富に含まれています。
ビタミンKの働きを十分に活かすには、カルシウムをしっかり摂取することが大切です。
カルシウムはめかぶ自体にも含まれていますが、乳製品や大豆食品、小魚などのカルシウムが豊富な食材と組み合わせることで、より効果的に骨の健康維持をサポートできます。
めかぶに納豆やしらすを加えるなどの簡単な調理で無理なく取り入れ、より健康的な食生活を楽しんでみてはいかがでしょうか。
まとめ
めかぶはわかめの生殖器官にあたり、ビタミンKやヨウ素のほか、褐藻に特徴的な水溶性食物繊維やカロテノイドを豊富に含む食材です。
腸内環境の改善、血中コレステロール値の低下、骨の健康維持のサポートなど、健康に役立つさまざまな効果が期待できます。
また、油と一緒に摂る、納豆やしらすと合わせるなどの工夫で、より効果的に摂ることも可能です。
低カロリーで栄養たっぷりなめかぶを日々の食卓に取り入れて、健康的な食生活を目指しましょう。