目次
高級食材「伊勢海老」は夏から旬が始まりますが、産地により旬の時期が異なります。
この記事では伊勢海老の特徴と旬、名産地から美味しい食べ方までをご紹介します。
伊勢海老について気になる方は、ぜひチェックしてみてください。
伊勢海老とは
伊勢海老はイセエビ科イセエビ属に分類され、別名「鎌倉海老」とも呼ばれています。
伊勢海老は縁起物とされており、長いひげと腰が曲がった姿から長寿を連想させる所以です。
また成長過程で脱皮を繰り返すことから、立身出世の縁起物ともされています。
実際に伊勢海老は寿命が長く10年ほどで、中には外敵に襲われず30年も生きた個体もいるといわれています。
名前の由来
伊勢海老の名前の由来は所説あり、はっきりとした由来はありません。
古書『大和本草』には「此の海老、伊勢より来る故、伊勢海老と号す」と記載されています。
当時の都、京都には伊勢産物が多く出回ったことにより、地名にちなんだとのことです。
またカブトが甲冑(かっちゅう)に似ていることから「いせい(威勢)のよい海老」が短縮され、「いせ海老」と呼ばれるようになった説や、産卵期は磯に多くいるため「いそえび」がなまって「いせえび」となった説もあります。
特徴
大きいものだと体長40cmほどにもなり、日本国内ではもっとも大きな海老です。
一般市場には20~30cmほどのものが多く出回ります。
伊勢海老の触角は硬い殻で覆われ、付け根の付近にはとげが無数についているのが特徴です。
オスとメスの見分けはつきにくいですが、メスはオスに比べはさみが小さく、触角と歩脚が短くなっています。
伊勢海老の主な生息地は茨城県あたりの太平洋側、朝鮮半島南部の沿岸、九州、熱帯域の浅い海です。
夜行性で、夜になると岩穴や岩棚から出てきて餌を探します。
主に貝類や小動物を捕食し、顎が頑丈なため殻を壊しながら中身を食べます。
価格の相場
伊勢海老の価格は大きさや傷の有無、触角がないなどで変化しますが、500gほどで約1万円が相場です。
300gほどの小さめの伊勢海老であれば、約4,000円で購入ができます。
伊勢海老の値段が高い理由は、養殖が難しい点があげられ、幼少期の時期が長く市場に出回るまで約3年かかるといわれています。
また近年、伊勢海老の値段がさらに高騰していることも原因です。傷があったり触角が1本なかったりすると、1kgほどで約2,000円ほどまで下がります。
美味しい伊勢海老の旬は11月~翌年3月
伊勢海老を美味しく食べられる旬は、産地により異なります。
また伊勢海老には禁漁の期間が設けられており、禁漁が解禁するとともに旬が始まるといえます。
もっとも早く旬を迎えるのは、千葉県で8月初旬~翌年4月までです。
房総半島沖ではプランクトンが豊富で、伊勢海老が早く育ち旬を先に迎えられます。
産卵後すぐの伊勢海老はまだ身が充実しきれていないものが多く、食べごろは11月~翌年3月ごろまでといわれています。
伊勢海老の禁漁時期は夏
資源保護のため、伊勢海老は産卵時期の初夏から夏の間を禁漁としています。
各地で禁漁期間や漁期に違いがあり、主な産地の漁期と禁漁は以下の通りです。
産地 | 禁漁 | 漁期 |
三重県 | 5月1日~9月30日 | 10月1日~翌4月30日 |
千葉県 | 6月1日~7月31日 | 8月1日~翌5月31日 |
和歌山県 | 5月1日~9月15日 | 9月16日~翌4月30日 |
静岡県 | 5月1日~9月15日 | 9月16日~翌4月30日 |
宮崎県 | 4月16日~8月31日 | 9月1日~翌4月15日 |
徳島県 | 5月15日~9月15日 | 9月16日~翌5月14日 |
伊勢海老の名産地は三重県
伊勢海老のおもな産地は三重県、千葉県、和歌山県、静岡県、徳島県です。
農林水産省が出した「伊勢海老の漁獲量TOP10(2016年)」の統計では、三重県が全国1位で次いで千葉県、和歌山県で全国の約半分もの漁獲をしています。
国内の漁獲量は約1,000トンほどですが、輸入品は1万トンを超えています。
三重県で獲れた伊勢海老には触角にシンボルマークのついたタグがつき、産地を明確にし三重ブランドを築くほどです。
おもに志摩半島を中心として、伊勢海老が漁獲されます。
千葉県
千葉県はいずみ市でもっとも多く漁獲され、過去には三重県を抜き全国トップになったこともあります。
御宿町、勝浦市、いずみ市で獲れた伊勢海老は「外房伊勢海老」とブランドがつき、荒波にもまれた伊勢海老は色つやがよくサイズも大きく身が締まってぷりぷりです。
和歌山県
漁獲量全国3位の和歌山県はリアス式海岸という特殊な潮の流れにより、大きく立派に育ちます。
濃厚な味と身が引き締まったぷりぷり感を楽しむことが可能です。
静岡県
静岡県では、南伊豆町が水揚げ量がトップとなっています。
溶岩の地形である伊豆大島では岩礁が多く、伊勢海老に適した生息地です。
「伊勢えびまつり」が秋に開催され、伊勢海老を求め多くの人が訪れます。
宮崎県
伊勢海老の漁獲が解禁されたら秋の合図だといわれている宮崎県の伊勢海老は、「宮崎イセエビ」と呼ばれています。
磯建網(いそたてあみ)という漁業法をとっており、お祝いの席などで殻ごと料理され見た目が重視である伊勢海老を傷つけないためです。
網に絡まった伊勢海老は、1匹ずつ手作業で外されます。
伊勢海老の美味しい食べ方
伊勢海老は身だけでなく殻も余すことなく食べることができ、家庭での調理におすすめの方法が茹でる・姿焼き・生・調理です。
身を食べたあとの殻は、濃厚な出汁をとることもできます。
茹でる
伊勢海老料理の中でもっともシンプルなのが、「茹で伊勢海老」です。
触角を切り落とし、沸騰したお湯に入れ、お好みで塩を茹でます。
頭と尻尾の部分を持って折るように分け、尻尾は切り込みをハサミで入れることで、簡単に剥くことが可能です。
背中の背わたを取り、好みに大きさに切ったら完成です。
ぷりっぷりの食感になり、頭の部分の海老みそをつけて食べるのも外せません。
茹で汁を使って、味噌汁や雑炊をしても美味しく食べられます。
姿焼き
続いては、「焼き伊勢海老」です。焼くと曲がるため、あらかじめ尻尾の腹部分に串をさしておきます。
あとはそのまま中火から強火で焼くだけです。ふきんなどで頭と胴体を持ち、ひねりながら身を出します。
腹に縦にハサミで切り込みを入れ、殻を剥いたら完成です。
伊勢海老を縦に半分に切ってから焼くと、見た目も豪華になります。
伊勢海老の香ばしさと甘みのある味が、口の中に広がります。
生でお刺身
活きた新鮮な伊勢海老を堪能するなら、外せないのがお刺身で食べる伊勢海老です。
跳ねることがあるため、さばく前に真水に約5分浸けておくと大人しくなります。
頭を押さえて胴体との境目に包丁の先を入れ込み、甲羅を半周して薄皮を切ります。
とげなどがあるため、切る際は軍手を着用してください。裏返して包丁の先で切り離し、スプーンなどで身と殻をはがします。
頭までしっかりと身が入っているため、胴体をゆっくりひき抜き、抵抗が強ければスプーンで剥がすとよいです。
剥がしたら内臓を抜いて氷水に浸すと、身が締まります。お好みの大きさに切って、盛り付けたら完成です。ぷりぷりの食感と、甘い味わいを楽しめます。
炊き込みご飯など
茹で伊勢海老を堪能した後は、茹で汁を使って炊き込みご飯や味噌汁を作るのがおすすめです。
具材に伊勢海老の身を入れると、さらに贅沢なひと品を楽しめます。
作り方はいたって簡単で、水を入れる工程の部分を茹で汁に変更するのみです。
伊勢海老の旨味が凝縮され、深い味わいになります。
【耳より情報】ふるさと納税で美味しい食材がもらえる!
ふるさと納税を活用すれば、新鮮な魚介類や厳選されたお肉、旬の野菜やフルーツなど、全国の特産品や美味しい食材を手に入れることができます。
しかも、地域の活性化を応援しながら税控除を受けられるメリットも。
この機会にぜひ、ふるさと納税で美味しい食材を手に入れて、食卓を豊かにしてはいかがでしょうか!