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ツヤツヤとした翡翠色や黄金色の外観と、もっちりとした食感が特徴のぎんなん(銀杏)。
特有のほろ苦い風味が口の中に広がると、それだけで秋を感じることができる季節の食材です。
シンプルに茹でたり揚げにしたりしたものに塩を振かけるだけで、お酒にぴったりのおつまみに。
茶碗蒸しやぎんなんご飯、おでんなどの和食のほか、中華料理のおこわや炒めものにも欠かせません。
缶詰やパック加工された水煮の商品も販売されていますが、新鮮な殻付きぎんなんの美味しさは格別です。
この記事では、ぎんなんの食べ方や下処理のコツについてまとめました。
仕上がりのキレイさを重視した方法や、手軽さを重視した方法など、それぞれにメリットのある複数の食べ方をご紹介します。
ぎんなんってどんな食べもの?
知っているようで意外と知らない、ぎんなんの正体。
「そもそもぎんなんって何?」「どんな栄養があるの?」「毒があるって本当?」など、ぎんなんにまつわる疑問にお答えします。
ぎんなんはイチョウの実!旬は9~11月ごろ
ぎんなんは、街路樹や社寺・公園・学校などでよく見かけるイチョウの樹になる実のこと。
秋になると黄色く紅葉したイチョウの樹の下に落ちている、萎れたさくらんぼのような実がぎんなんです。
食用にされているのは、さくらんぼのような実の中にある種の中の「仁(じん)」と呼ばれる部分。
愛知県などの主な産地では9月下旬から11月ごろまで収穫されるほか、地域によっては同じ時期にぎんなん拾いを楽しむこともできます。
ぎんなんの栄養と効能
デンプンなどの炭水化物を多く含んでいるぎんなん。
中国では、昔からスタミナ食として重宝されているほどです。
カリウムやマグネシウムなどのミネラルのほか、抗酸化作用のあるβ-カロテンやビタミンCも含んでいるので、免疫力の向上や生活習慣病の予防につながります。
ぎんなんは毒性あり!食べ過ぎ厳禁
ぎんなんには、4ʼ-O-メチルピリドキシンという有毒成分が含まれています。
ビタミンB6と構造が似た成分で、ビタミンB6の正常な働きを妨げてしまうので、一度に大量に食べると嘔吐やけいれんなどの中毒症状が出ることも。
熱に強いので、加熱調理しても毒性がなくなることはありません。
中毒になるかどうかはビタミンB6の欠乏状態に左右されるので、一概に「一日何個まで」とはいえませんが、とくに子どもが食べるときは要注意。
6~7粒食べてけいれんを起こした小児の例もあることから、5歳以下の子どもには食べさせないようにしてください。
ぎんなんは一度にたくさん食べるものではなく、「数粒食べて旬を楽しむもの」と考えるのが良いでしょう。
【ぎんなんの下処理1】実を取り出してから加熱する方法
ぎんなんの下処理は「殻から実を取り出す工程」と「加熱の工程」に分けられ、どちらを先に行うかで方法やコツが異なります。
ここでは、先に実を取り出してから加熱する下処理方法をご紹介。
やや手間はかかりますが、失敗が少なくキレイに仕上がる方法です。
殻の割り方
まずは、かたい殻からぎんなんの実を取り出しましょう。
専用のぎんなん割り器やキッチンばさみのナッツクラッカー部分を使うのが一般的ですが、工具のペンチでも代用することができます。
また、厚手の布巾やタオルの上にぎんなんを置き、殻のつなぎ目部分をトンカチやハンマーで軽く叩くという方法も。
ヒビが入ったら、その箇所から手で殻をむいていきましょう。
薄皮のむき方・加熱方法
殻を取り除くと、薄皮に包まれたぎんなんが出てきます。
薄皮をむく方法は、主に次の3つ。
茹でたり揚げたりすると薄皮がはがれやすくなるので、加熱してからむくのがおすすめです。
茹でる(水煮にする)
薄皮付きのぎんなんを熱湯に入れ、3~5分ほど茹でましょう。
おたまでぎんなんを鍋底にこすりつけながら茹でると、ポロポロと薄皮がむけていきます。
茹で上がったら冷水にとり、熱いうちに残りの皮をむけば完成です。
素揚げする
ぎんなんを薄皮付きのまま揚げ油に投入します。
加熱しすぎるとかたくなったり破裂したりするので、薄皮がはがれてきたらすぐに取り出すのがポイントです。
お好みで塩を振れば、そのままで美味しいおつまみになります。
水につけておく
加熱せずに生のまま薄皮をむきたい場合は、ぎんなんを20~30分ほど水につけておきましょう。
薄皮がふやけてやわらかくなるので、指の腹や濡らしたキッチンペーパーでこそげ取ってください。
【ぎんなんの下処理2】殻ごと加熱してから実を取り出す方法
2つ目にご紹介するぎんなんの下処理方法は、殻ごと加熱してから実を取り出す方法です。
1つ目の方法に比べると加熱ムラや破裂が起こりやすいので、ぎんなんを傷つけてしまう可能性もありますが、はじめに一つひとつ殻をむく手間が省けるのでお手軽。
少量のぎんなんをササッと処理したいときにも便利です。
封筒・紙袋に入れて電子レンジで加熱
殻付きのぎんなんを10~20粒ほど封筒や紙袋に入れ、ぎんなんが出てこないように口を2~3回折ります。
封筒を電子レンジに入れたら、500~600Wで30秒~1分ほど加熱しましょう。
途中でぎんなんが2~3個ポンポンと弾ける音が聞こえたら、その時点で取り出してOK。
殻にヒビが入り、薄皮もむきやすくなっているはずです。
爆発に注意!
電子レンジで加熱中、ぎんなんが大きな音を立てて爆発することがあります。
ぎんなんが飛び散ることのないよう、封筒の口をしっかりと閉じておきましょう。
爆発させないため、加熱前に殻を叩いて、軽く割れ目を入れておくと安心です。
殻が割れないときの対処法
ものによっては、電子レンジで加熱しても殻が割れない場合もあります。
ヒビが入らなかったぎんなんは、ぎんなん割り器やキッチンばさみ、ペンチなどを使って割ってください。
フライパンで煎る
フライパンを使ったオーソドックスな方法も、ぎんなんの実を取り出す方法のひとつ。
殻付きのぎんなんをフライパンに入れ、フライパンを軽く揺らしながら中火~強火で5~10分ほど熱します。
殻にヒビが入ったら、やけどに注意しながら、熱いうちに殻と薄皮をむきましょう。
電子レンジの場合と同様にぎんなんが爆発する危険性があるので、あらかじめ殻に割れ目を入れておくと安心です。
トースター・オーブンで加熱
殻に割れ目を入れたぎんなんをトースターやオーブンに並べ、10分ほど加熱しましょう。
焼き色がついてから取り出せば、薄皮までキレイにむくことができます。
オーブンの温度は200℃前後が目安です。
ぎんなんを上手に保存するコツ
一度に大量に使う食材ではないので、余ってしまうことも多いぎんなん。
どのように保存すれば長持ちさせることができるでしょうか?
殻付きぎんなんの保存方法
殻付きのぎんなんは、紙袋や新聞紙などで包んで冷暗所に置いておけば、常温で保存することも可能です。
室内の気温が高い場合は、冷蔵庫の野菜室に入れて保存するようにしましょう。
この方法で2週間~1ヵ月は保存することができますが、時間の経過とともに風味が落ちてきてしまうので、できるだけ早く食べるのがおすすめです。
殻・薄皮をむいたぎんなんの保存方法
殻と薄皮をむいたぎんなんの保存期間は、冷蔵で1週間ほど。
下処理を済ませたぎんなんは劣化が早いので、できるだけ早く食べきるようにしましょう。
すぐに食べない場合は、使う個数ずつラップでぴったりと包み、フリーザーバッグなどに入れて冷凍庫へ。
冷凍保存であれば、2~3ヵ月ほど鮮度をキープすることが可能です。
使うときは、凍ったままの状態でぎんなんご飯や茶碗蒸し、煮物、炒めものなどに加えてください。
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