目次
ゴーヤの魅力は、苦味だけではありません。
ビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富で、夏バテ予防にも効果的な野菜です。
この記事では、ゴーヤに含まれる栄養素とその働きを詳しく解説します。ゴーヤの苦味成分の効果や、栄養を逃がさない食べ方のポイントもまとめています。
ゴーヤの栄養と苦味は夏バテ予防にぴったり!
夏が旬のゴーヤは、夏バテ予防にぴったりの野菜といえます。
ビタミンやミネラルなどの栄養素をたくさん摂取できるうえ、苦味成分にも嬉しい効果があるためです。
ゴーヤはニガウリという別名のとおり、苦味が特徴の野菜で、英語でもビターメロン(苦いウリ)と呼ばれています。
苦味の成分としては「モモルデシン」や「チャランチン」が挙げられます。
どちらの名称もゴーヤの学名「モモルディカ・チャランチア(Momordica charantia)」にちなんだもので、ゴーヤに特有の成分です。
これらの苦味成分は機能性成分として注目を集めており、モモルデシンには健胃作用が、チャランチンには血糖値の低下作用が期待されています。
ゴーヤは苦味による食欲増進効果もあり、食欲が落ちやすい夏場に重宝される野菜です。
沖縄では「クスイムン(薬物)」や「ヌチグスイ(命薬)」と呼ばれて、古くから夏バテ予防の薬代わりに食べられてきた歴史もあります。
ゴーヤを食べれば、こうした苦味成分の効果を得つつ、次に紹介するような多くの栄養素を摂取できます。
ゴーヤに多く含まれる栄養素と効能
ゴーヤは糖質が少ないため、可食部100gあたりのエネルギーは15kcalしかなく、ヘルシーな野菜です。
一方、ビタミンやミネラル、食物繊維は豊富に含まれており、健康的な食生活に役立ちます。
ゴーヤの主な栄養価を下表に示します。
栄養素 | 可食部100gあたりの含有量 |
---|---|
ビタミンC | 76mg |
葉酸 | 72μg |
ビタミンE (α-トコフェロール) | 0.8mg |
ビタミンK | 41μg |
カリウム | 260mg |
食物繊維 | 2.6g |
各栄養素について、働きなどを詳しく解説します。
ビタミンC
ビタミンCは、水溶性ビタミンのひとつです。ゴーヤはビタミンCを多く含む野菜として知られています。
ビタミンCの最たる役割は、コラーゲンを作る手助けをすることです。
コラーゲンというタンパク質は、体内のタンパク質のうち約3分の1を占めており、様々な組織を作る材料となる成分です。
ビタミンCは体内で、コラーゲンを作る酵素の活性を保つ働きをします。
さらに、ビタミンCは栄養素として働くだけでなく、活性酸素の発生を防いだり、食べ物からの鉄分吸収を促進したりする作用もあります。
葉酸
水溶性ビタミンである葉酸は、ビタミンB群に属する栄養素です。
「葉酸」という名称は、ホウレンソウの葉から発見されたことに由来します。
葉酸は、遺伝子の本体である「DNA」の原料を作るために欠かせません。
年齢や性別に関わらず摂取が必要ですが、とくに妊娠初期の胎児にとって重要な栄養素です。
妊娠を希望する女性に対しては、積極的な摂取が推奨されています。
ビタミンE
ビタミンEは、脂溶性ビタミンに分類されますが、欠乏することは稀な栄養素です。
しかし、栄養素として働くだけでなく、高い抗酸化作用を持っているため、積極的に摂りたい成分です。
細胞を包み込んでいる細胞膜は、脂質の仲間でできており、油に近い性質を持っています。
ビタミンEは脂溶性であるため、細胞膜に溶け込んで抗酸化作用を発揮できるのです。
実際に、体内ではビタミンEの大部分が細胞膜などの生体膜中に存在し、脂質の酸化を防いでいることが知られています。
ビタミンK
ビタミンKは脂溶性ビタミンに分類され、天然にはビタミンK1とビタミンK2の2種類があります。
ビタミンK1はゴーヤなどの濃い緑色の野菜や海草に、ビタミンK2は納豆やチーズなどの発酵食品に多く含まれます。
血液の凝固に関わるビタミンKは、ケガや内出血の速やかな止血のために欠かせません。
また、骨へのカルシウム沈着にも関わっており、丈夫な骨づくりにも役立つ栄養素です。
カリウム
カリウムは、塩分であるナトリウムと同じく、体内では主に体液に溶けて存在します。
カリウムとナトリウムには密接な関連があり、どちらも体液の浸透圧調節を担うほか、筋肉の収縮や神経伝達にも関わっています。
カリウムとナトリウムは本来、バランスよく摂るべきミネラルです。しかし、現代人は塩分過多になりがちなため、野菜や果物などからカリウムを積極的に摂ることが望ましいでしょう。
ナトリウム(塩分)の過剰摂取は血圧の上昇を引き起こしますが、カリウムには余分な塩分の排出を促す作用があります。
食物繊維
ゴーヤは食物繊維が豊富な野菜のひとつです。
食物繊維とは、食品中の消化されない成分のことで、野菜、海藻、きのこ類に多く含まれます。
デンプンのように糖が連なってできた成分ですが、栄養として吸収はされません。消化吸収されずに大腸まで届くことで、重要な役割を果たすのです。
食物繊維には、便通をよくしたり、食事による血糖値の上昇をゆるやかにしたりする働きがあります。
腸内環境の改善にも食物繊維が役立ちます。食物繊維が腸内細菌により「短鎖脂肪酸」へと分解され、大腸内が酸性に傾き、善玉菌(ビフィズス菌や乳酸菌)に適した環境になるためです。
栄養を逃さないゴーヤの食べ方
せっかく栄養価の高いゴーヤを食べるなら、なるべく栄養素を逃さないようにしたいものです。
調理方法を工夫すれば、ゴーヤの栄養を効率よく摂取できます。
ゴーヤの調理で意識したい3つのポイントを解説します。
栄養は「わた」にも多い
ゴーヤの栄養は、中央部の白い「わた」にも多く含まれます。取り除いて捨てることが多いわたも、じつは食べられる部位です。
わたは苦味が強いと思われがちですが、ゴーヤの苦味は外側ほど強くなり、わたには強い苦味はありません。
ゴーヤなどのウリ科植物の苦味には、昆虫の食害を防ぐ役割があるため、外側ほど苦い傾向があるのです。
ゴーヤの下処理では、わたを多少残しておけば、より多くの栄養が摂れます。
取り除いたわたも、スープや素揚げなどにすればおいしくいただけます。
水へのさらしすぎに注意
ゴーヤの苦味を抑えるには、水にさらしたり、塩もみをしたりする方法が一般的です。
ゴーヤの苦味成分は、糖と結びついて水に溶けやすい形で存在するため、苦味を抑えるには理にかなった方法といえます。
しかし、ゴーヤに含まれるビタミンCや葉酸、カリウムなどは、水溶性の栄養素です。水に溶け出して失われやすいことに注意しましょう。
水にさらしたり茹でたりする場合は短時間に留め、塩もみでは強く絞りすぎないように気をつけると、栄養素の流出を防げます。
油を使う調理法と相性抜群
ゴーヤを使ったレシピには、炒め物や揚げ物など、油を使ったものが多く存在します。
油を使う調理方法はゴーヤとの相性が抜群です。
油を使う調理では、ゴーヤの苦味が適度に抑えられます。
口の中に油分が広がると、水溶性の苦味成分が舌まで届きにくくなるためです。
油には、ビタミンEやビタミンKなどの脂溶性ビタミンの吸収を助ける効果もあります。
栄養価を重視する場合は、ゴーヤチャンプルーなどの油を使った調理をするとよいでしょう。
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