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サラダにしたり、スープにしたりと、さまざまな調理法に合わせた楽しみ方ができるキャベツ。
日持ちするうえ、通年手に入りやすいキャベツは、多くの家庭で重宝されている野菜です。
一方、キャベツは淡色野菜のため、緑黄色野菜に比べると栄養が少ないというイメージも抱かれがち。
しかしキャベツには、ビタミンやミネラルのほか、消化にやさしい成分が豊富に含まれています。
この記事では、キャベツに含まれる栄養素とその効能を詳しく解説しています。
キャベツの栄養を逃さずに摂るコツも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
キャベツに含まれる主な栄養素
キャベツは水分量が多く、約93%は水分でできていて、カロリーは100gあたり21kcalとヘルシーな野菜です。
それでも、ビタミンやミネラルを中心に多数の栄養素が含まれています。
キャベツに含まれる主な栄養素は、下表のとおりです。
栄養素 | 可食部100gあたりの含有量 |
---|---|
ビタミンC | 41mg |
ビタミンK | 78μg |
葉酸 | 78μg |
カリウム | 200mg |
カルシウム | 43mg |
マグネシウム | 14mg |
食物繊維 | 1.8g |
ここでは、キャベツに含まれている主な栄養素と効能を、詳しく解説します。
ビタミンC
ビタミンCは水溶性ビタミンの一種で、コラーゲンの合成に欠かせない栄養素です。
ビタミンCには強い抗酸化作用もあり、体内で活性酸素の生成を抑えます。
ストレスによる心身の不調から身を守ったり、シミの原因にもなるメラニン色素の生成を抑えたりする働きも。
体に溜めておけない栄養素のため、ビタミンCはこまめに摂取する必要があります。
ビタミンK
ビタミンKは、出血時の止血に関わる成分の働きを助けます。
ビタミンKのおかげで、怪我をしたりしても出血が止まるのです。
ほかにも、ビタミンKにはカルシウムの吸収をサポートし、骨に定着しやすくさせる役割があります。
脂溶性であるビタミンKは、油と一緒に摂取すると吸収率が高まります。
葉酸
葉酸は、血液を作るうえで必須の栄養素であり、「造血のビタミン」とも呼ばれています。
赤血球が正常に作られるのをサポートするほか、細胞の新生にも関係しています。
赤ちゃんの正常な発育に必要不可欠であり、妊活・妊娠中の人は、とくに意識して摂りたいビタミンです。
葉酸は、緑色の野菜に多く含まれます。キャベツも色の濃いものを選ぶと、効率的に葉酸を摂取できます。
カリウム
カリウムは、余分なナトリウムを排出し、体内の塩分濃度を調整する働きのあるミネラルです。
むくみの改善や、高血圧の予防に効果が期待できます。
カリウムは水に溶けやすく、茹でたりすると失われやすい栄養素です。
生でも食べられるキャベツは、カリウム摂取にもおすすめの食材といえます。
カルシウム
カルシウムは、歯や骨を形成しているミネラルです。子どもの成長や発育に欠かせず、年齢を重ねた人にとっても骨粗しょう症予防のために重要です。
カルシウムは、血液や細胞の中にも存在し、筋肉や神経の働きを正常に保つ役割があります。
乳製品や小魚にとくに豊富なカルシウムですが、植物性食品の中では、青菜類にも多く含まれています。
体内に吸収されにくい栄養素であるため、多めに摂れるように意識するとよいでしょう。
マグネシウム
マグネシウムは、骨格の成分として骨や歯に多く存在するほか、いろいろな酵素を作る成分にもなるミネラルです。
エネルギーの産生やタンパク質の合成、神経伝達などに関わっており、体内で多様な役割を担っています。
マグネシウムはカルシウムとの関わりも深く、ともに働いて、筋肉の動きを調整しています。
食物繊維
キャベツには多くの食物繊維が含まれています。
食物繊維は、腸内細菌のエサとなり、おなかの調子を整えるのに役立つ成分です。
食後の血糖値の上昇を抑えたり、血中コレステロール濃度を下げたりと、食物繊維にはさまざまな役割があります。
食後の腹持ちをよくすることから、肥満防止にも効果があるとされています。
生活習慣病の予防や、便秘の予防や改善のためにも、食物繊維は欠かせません。
キャベツには胃にやさしい成分がたっぷり
キャベツには、胃の健康を守るキャベジン(ビタミンU)が豊富に含まれています。
キャベジンは、人体にとって必須の物質(栄養素)ではなく、現在ではビタミンには分類されていません。しかし、ビタミンと似た働きをするため、ビタミン様物質と呼ばれます。
キャベジンには、胃の粘膜の修復を促したり、過剰な胃酸の分泌を抑えたりする役割があります。
例えば、トンカツなどの揚げ物は胃がもたれやすいですが、キャベツの千切りを添えるとキャベジンの効果が期待できます。
胃腸が弱っている際には積極的にキャベツを食べるようにすると、 働きを良くしてくれるでしょう。
キャベツの栄養を無駄なく摂れる調理法
キャベツには豊富な栄養素が含まれていますが、調理法次第でより効率よく摂取できます。
ここでは、キャベツの栄養を無駄なく摂れる調理法を紹介します。
生で食べる
キャベツの栄養素を最大限に生かすには、生で食べるのが一番です。
キャベツに多く含まれるビタミンCやキャベジンは、熱に弱く、水に溶けやすい性質があります。
そのため、長時間茹でたり炒めたりすると、キャベツの栄養を損なってしまいがち。
切り口からは栄養が流出してしまうので、食感を良くするために水にさらす際も、ごく短時間に留めておくとよいでしょう。
調理の際もキャベツを洗ってから切ることで、栄養素の流出を抑えられます。
スープに入れる
キャベツに含まれる栄養素には、キャベジンやビタミンCのほか、カリウムや葉酸など水に溶け出しやすいものが多数あります。
キャベツの栄養を最大限に生かすには生食が1番ですが、スープに入れると、水に溶け出した栄養素を無駄なく摂取できます。
生食よりもかさが減り、やわらかく食べやすい食感になるので、胃が弱っている人にもおすすめの食べ方です。
キャベツは外葉や芯も栄養豊富
固く食べにくいことから捨ててしまいがちなキャベツの外葉や芯にも、豊富な栄養素が含まれています。
例えば、キャベツのミネラルは下記の部位により多く含まれます。
- カルシウム:外葉に豊富
- マグネシウム:外葉と芯の部分に豊富
- カリウム:内側の葉に比べて芯の部分に豊富
薄切りにしたり、やわらかくなるまで煮込んだりすると、外葉も芯も食べやすくなります。
薄く切ると、食感を生かしてサラダにも使えます。キャベツは外葉や芯も上手に調理して、栄養を最大限活用しましょう。
参考:日本土壌肥料学雑誌『コメ,キャベツ,タマネギおよびニンジンにおける部位別のミネラル含量』
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