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ビタミンB群とは、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの、8種類の水溶性ビタミンの総称です。
いずれも、ほかの酵素の働きを助ける「補酵素(ほこうそ)」として働く栄養素であり、働きが似ていることから、まとめてビタミンB群に分類されています。
ビタミンB群は、主に食べ物由来の栄養をエネルギーに変換するなど、体内の重要な代謝に関わっています。
ビタミンB群は多めに摂取しても、過剰な分はすぐに体外へ排出されるため、食事からのこまめな摂取が望ましい栄養素です。
この記事では、ビタミンB群に属する8種類の栄養素について、体内での主な働きと、含有量の多い食べ物を紹介します。
なお、食品の栄養価は「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より引用しています。
ぜひ、この記事を参考にして、日々の献立に生かしてみてください。
ビタミンB1が豊富な食べ物
ビタミンB1は、糖質のエネルギー代謝に関わっており、疲労を防ぐ効果のある栄養素です。
また、脳や神経の機能維持にも関わっています。
ビタミンB1は、下表の食べ物に多く含まれます。
食品名 | ビタミンB1含有量 (mg) |
---|---|
豚ヒレ肉 | 1.22 |
豚もも肉 | 1.01 |
うなぎの蒲焼き | 0.75 |
全粒粉パン | 0.17 |
玄米ごはん | 0.16 |
※可食部100gあたり
ビタミンB1は、とくに豚肉に多く含まれます。
玄米や全粒粉など、未精製の穀物にも比較的多く含まれるため、茶色い穀物やパンなどを主食に選ぶと、ビタミンB1を効率よく摂取可能です。
また、ネギ属の野菜(ネギ、玉ねぎ、ニンニクなど)には、ビタミンB1の吸収率を高める効果があります。
ビタミンB1がとくに豊富な豚肉と一緒に食べると、効率的にビタミンB1を摂取できるでしょう。
ビタミンB2が豊富な食べ物
ビタミンB2は、脂質を代謝してエネルギーを産生したり、細胞の再生や新生を促したりする働きがある栄養素です。
ほかにも、ビタミンB2には皮膚や粘膜の健康を保ち、肌荒れや口内炎の発生を抑える役割もあります。
ビタミンB2は、すべての動植物中に存在する不足しにくい栄養素ですが、とくに下表の食べ物には多く含まれます。
食品名 | ビタミンB2含有量 (mg) |
---|---|
豚レバー | 3.60 |
牛レバー | 3.00 |
アーモンド(煎り) | 1.04 |
糸引き納豆 | 0.56 |
モロヘイヤ(生) | 0.42 |
鶏卵 | 0.37 |
※可食部100gあたり
ビタミンB2は、とくにレバーや卵に多く含まれています。
植物性食品では、モロヘイヤなどの緑黄色野菜や、納豆などの大豆製品も、ビタミンB2が比較的多い食べ物です。
ビタミンB6が豊富な食べ物
ビタミンB6には、アミノ酸(タンパク質の構成成分)の代謝を助ける働きがあります。
神経伝達物質の合成にも関わっているため、ビタミンB6には、ストレスによるイライラを防ぐ役割もあります。
タンパク質の摂取量に応じてビタミンB6の必要量も増すため、食事の内容によっては、ビタミンB6不足に注意が必要です。
ビタミンB6は、下表の食べ物に多く含まれます。
食品名 | ビタミンB6含有量 (mg) |
---|---|
にんにく | 1.53 |
ピスタチオ(煎り) | 1.22 |
ミナミマグロ | 1.08 |
カツオ | 0.76 |
豚ヒレ肉 | 0.48 |
バナナ | 0.38 |
※可食部100gあたり
ビタミンB6は、にんにくやピスタチオといった植物性食品から、魚類や肉類などの動物性食品まで、幅広い食べ物に含まれています。
ビタミンB6は熱や光に弱く、保存や調理の過程で、含有量が減少しがちです。
できるだけ新鮮な食品を手早く調理すると、ビタミンB6を損なわずに摂取できます。
ビタミンB12が豊富な食べ物
ビタミンB12は、葉酸とともに赤血球中のヘモグロビンの生成を助ける働きがあります。
ビタミンB12が不足すると、赤血球の材料が足りず、貧血症状が出てしまいます。
ビタミンB12は、下表の食べ物に多く含まれます。
食品名 | ビタミンB12含有量 (μg) |
---|---|
焼きのり | 58.0 |
牛レバー | 53.0 |
あさり | 52.0 |
牡蠣 | 23.0 |
まさば | 13.0 |
※可食部100gあたり
ビタミンB12は、主に動物性の食品に含まれています。
菜食主義の人にはとくに不足しがちな栄養素のため、意識して焼きのりを食べたり、サプリメントで補ったりすると、ビタミンB12を摂取できます。
ナイアシンが豊富な食べ物
ナイアシンは、糖質・脂質・タンパク質の代謝など、体内のさまざまな化学反応に関わっており、約500種類の酵素の補酵素として用いられます。
ナイアシンは、下表の食べ物に多く含まれます。
食品名 | ナイアシン含有量 (㎎) |
---|---|
落花生(大粒種・煎り) | 23.0 |
かつお(春獲り) | 19.0 |
きはだまぐろ | 18.0 |
豚レバー | 14.0 |
鶏むね肉(皮なし) | 12.0 |
※可食部100gあたり
ナイアシンは、アミノ酸の1種であるトリプトファンからも合成される栄養素です。
そのため、良質なタンパク質を摂っていれば、ナイアシンも同時に補給できます。
ナイアシンはアルコールの代謝にも関わっており、飲酒によって多く消費されます。
お酒をよく飲む人は、良質なタンパク質を意識して摂るとよいでしょう。
パントテン酸が豊富な食べ物
パントテン酸は、補酵素のコエンザイムAの構成成分になります。
コエンザイムAは、生物にとって非常に重要な補酵素です。三大栄養素の代謝に関連する、多数の酵素を補助しています。
パントテン酸は、下表の食べ物にとくに多く含まれます。
食品名 | パントテン酸含有量 (mg) |
---|---|
鶏レバー | 10.00 |
豚レバー | 7.19 |
糸引き納豆 | 3.60 |
卵黄 | 3.60 |
いくら | 2.36 |
※可食部100gあたり
パントテン酸は、さまざまな食べ物に普遍的に含まれるビタミンで、ギリシャ語に由来し「いたるところにある酸」を意味します。
バランスよく食事を摂っていれば、パントテン酸の不足を心配する必要はありません。
葉酸が豊富な食べ物
葉酸は、血液中の赤血球が正常に作られるために欠かせない栄養素です。
アミノ酸やDNAの合成に関与し、健やかな体づくりにおいて重要な役割を担っています。
葉酸は、胎児の成長にとくに重要な栄養素のため、妊娠を望む人や妊娠している人は意識して摂りたいビタミンです。
葉酸は、下表の食べ物に多く含まれます。
食品名 | 葉酸含有量 (μg) |
---|---|
鶏レバー | 1300 |
牛レバー | 1000 |
菜の花(和種) | 340 |
モロヘイヤ | 250 |
ほうれんそう | 210 |
※可食部100gあたり
葉酸は、ほうれん草やモロヘイヤなど、緑黄色野菜に多く含まれています。
動物性食品の中では、レバーは非常に多くの葉酸を含んでおり、少量で必要量を満たせます。
葉酸はとくに熱に弱いビタミンなので、加熱を最低限に留めると損失を抑えられます。
ビオチンが豊富な食べ物
ビオチンは、皮膚や粘膜の健康をサポートする栄養素のひとつです。
ビオチンは、腸内細菌の働きでも合成されますが、それだけでは必要量を満たせず、食事からの摂取が必要です。
さまざまな食べ物に多く含まれているため、通常の食事でビオチンが不足することは考えにくいとされています。
ビオチンは、下表の食べ物に多く含まれます。
食品名 | ビオチン含有量 (μg) |
---|---|
鶏レバー | 230.0 |
まいたけ | 24.0 |
鶏卵 | 24.0 |
糸引き納豆 | 18.0 |
えのきだけ | 11.0 |
※可食部100gあたり
ビオチンは、レバーや卵などの動物性食品と、きのこや豆類などの植物性食品に多く含まれています。
ビオチンは、通常は不足しにくいものの、生の卵白にはビオチンの吸収を妨げる性質があります。
日本では卵を生で食べることもありますが、長期間にわたり生の卵白を摂り続けないよう、注意が必要です。
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