株式譲渡益で控除上限額は増える?計算や注意点を解説

株式譲渡益はふるさと納税の限度額に影響する?確認方法や注意点を解説

目次

※本コンテンツはAI技術を活用しつつ人による執筆や監修をしています。

株式譲渡益がある場合のふるさと納税の仕組み

株式譲渡益がある場合のふるさと納税の仕組み

株式譲渡益とは

保有している株式を売却した際に得られる利益のことを、株式譲渡益と呼びます。

具体的には、株式の譲渡価額から、取得費や委託手数料などの費用を差し引いた金額が該当します。

税法上、この株式譲渡益は譲渡所得に区分され、他の所得とは合算せずに個別に税金を計算する申告分離課税の対象となります。

出典:国税庁「No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」

株式譲渡益があるとふるさと納税の控除上限額は増える

ふるさと納税は、自身が応援したい自治体への寄附であり、税金の支払いや節税制度ではありません。

自治体に寄附を行うと、2,000円の自己負担を除いた金額が、翌年の住民税や所得税から控除される仕組みです。

この控除上限額は、その年の所得や住民税の納税額に基づいて決定されます。

株式譲渡益が発生して確定申告をすると、その所得に対して課税されるため、結果として住民税所得割額が増加します。

住民税所得割額が増加することに伴い、ふるさと納税の控除上限額の目安も引き上げられる仕組みとなっています。

NISA口座での株式譲渡益は上限額の計算に影響しない

近年、利用者が増加しているNISA(少額投資非課税制度)を利用した取引については、扱いが異なります。

NISA口座内で発生した株式譲渡益や配当金は、税金がかからない非課税所得です。

非課税所得は住民税所得割額を増加させる要因にはならないため、どれだけ大きな譲渡益を得たとしても、ふるさと納税の控除上限額は変動しません。

それぞれの口座における株式譲渡益への課税と、ふるさと納税への影響は以下の通りです。

口座の種類

株式譲渡益への課税

ふるさと納税上限額への影響

確定申告の要否

特定口座(源泉徴収あり)

課税される

確定申告をすれば上限額の目安が増える

原則不要(上限額に反映させるには必要)

特定口座(源泉徴収なし)

課税される

確定申告をすれば上限額の目安が増える

必要

一般口座

課税される

確定申告をすれば上限額の目安が増える

必要

NISA口座

非課税

上限額の目安は増えない

不要

出典:国税庁「No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」

控除上限額シミュレーションはこちら

株式譲渡益でふるさと納税の控除上限額はいくら増える?計算方法を解説

株式譲渡益でふるさと納税の控除上限額はいくら増える?計算方法を解説

控除上限額の増額分の計算方法

株式譲渡益にかかる住民税率は一律5%(市民税3%、県民税2%)と定められています。

ふるさと納税の控除上限額は、この株式譲渡益に対する住民税所得割額を基準に、以下の数式を用いて計算されます。

株式譲渡益は分離課税のため、適用される所得税率は一律15%(復興特別所得税を除く)となります。

数式は以下の通りです。

増加する控除上限額 = (株式譲渡所得 × 住民税率5% × 20%) ÷ (90% - 所得税率15% × 1.021)

この分母の部分を計算すると、「90% – 15.315% = 74.685%」となります。

数式を簡略化すると、以下のようになります。

増加する控除上限額 = 株式譲渡所得 × 1% ÷ 74.685% = 株式譲渡所得 × 約1.338%

つまり、株式譲渡益の 約1.33% に相当する金額が、控除上限額の増加目安となります。

株式譲渡益100万円・500万円の場合の控除上限額シミュレーション

実際に株式譲渡益が発生した場合、ふるさと納税の控除上限額が具体的にどのくらい増加するのかを算出します。

株式譲渡益の金額に応じた増加額の目安は以下の通りです。

株式譲渡益

住民税所得割額の増加分(5%)

ふるさと納税控除上限額の増加目安

100万円

5万円

約13,389円

300万円

15万円

約40,168円

500万円

25万円

約66,947円

さらに、給与所得(年収別)と組み合わせた場合の具体的なパターンは以下のようになります。

  • 年収500万円(独身・給与所得のみの場合の上限目安:約61,000円)
  • 株式譲渡益100万円を追加して確定申告した場合:控除上限額は 約74,389円 に増加します。
  • 株式譲渡益300万円を追加して確定申告した場合:控除上限額は 約101,168円 に増加します。
  • 年収700万円(既婚・配偶者控除あり・給与所得のみの場合の上限目安:約78,000円)
  • 株式譲渡益100万円を追加して確定申告した場合:控除上限額は 約91,389円 に増加します。
  • 株式譲渡益500万円を追加して確定申告した場合:控除上限額は 約144,947円 に増加します。

ふるさと納税の控除上限額シミュレーションツールも有効

給与所得のほかに複数の控除(医療費控除や住宅ローン控除など)がある場合、手計算で正確な上限額を導き出すことは困難です。

ふるさと納税ポータルサイトなどが提供している 詳細シミュレーションツール を活用することを推奨します。

株式譲渡所得や分離課税の入力欄に必要な数値を入力することで、自動的に精緻な控除上限額が算出されます。

出典:総務省 ふるさと納税ポータルサイト

控除上限額シミュレーションはこちら

株式譲渡益をふるさと納税の控除上限額に反映させるための手続き

株式譲渡益をふるさと納税の控除上限額に反映させるための手続き

特定口座(源泉徴収あり)でも確定申告が必要になる

最も一般的な 特定口座(源泉徴収あり) を利用している場合、通常は証券会社が税金を源泉徴収して納税を代行するため、確定申告は不要です。

しかし、この状態のままでは株式譲渡益が自治体に所得として認識されないため、ふるさと納税の控除上限額は増えません。

控除上限額を増やすためには、本来不要である確定申告をあえて行い、株式譲渡益を申告する必要があります。

確定申告を行う際の具体的な手順は以下の通りです。

  1. 証券会社から交付される 特定口座年間取引報告書 を準備します。
  2. 税務署の「確定申告書等作成コーナー」などのシステムにログインします。
  3. 給与所得の入力に加え、株式等の譲渡所得等の欄に年間取引報告書に記載された譲渡価額や取得費等を入力します。
  4. ふるさと納税の寄附金受領証明書をもとに、寄附金控除の入力も同時に行います。
  5. 作成した確定申告書を税務署へ提出(e-Taxまたは郵送等)します。

特定口座(源泉徴収なし)や一般口座の場合

源泉徴収がされない 特定口座(源泉徴収なし) や 一般口座 を利用している場合、年間で売却益が発生した段階で確定申告を行う義務が生じます。

これらの口座を利用している場合は、義務としての確定申告を行う過程で、自動的に株式譲渡益が所得として算入されます。

そのため、特別な追加手続きを踏むことなく、ふるさと納税の控除上限額にも株式譲渡益が反映されることになります。

確定申告をするとワンストップ特例制度は利用できない

給与所得者がふるさと納税を行う際、確定申告が不要となる ワンストップ特例制度 は非常に便利です。

しかし、株式譲渡益を反映するために確定申告を行う場合、ワンストップ特例制度の申請はすべて無効化されます。

確定申告をする際には、株式譲渡益の申告だけでなく、ふるさと納税に関する寄附金控除の申告も同じタイミングで必ず行わなければなりません。

  • 特定口座(源泉徴収あり)の場合
  • 通常:確定申告不要、ワンストップ特例制度を利用可能。
  • 上限額を増やす場合:特定口座年間取引報告書を用いて確定申告が必要。ワンストップ特例は利用不可。
  • 特定口座(源泉徴収なし)・一般口座の場合
  • 通常:確定申告が必須、ワンストップ特例制度は利用不可。
  • 上限額を増やす場合:通常の確定申告の際に寄附金控除も同時に申告。

出典:国税庁 確定申告書等の様式・手引き等

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株式譲渡益を確定申告する際の注意点とデメリット

株式譲渡益を確定申告する際の注意点とデメリット

国民健康保険料や介護保険料が上がる可能性がある

確定申告を行って株式譲渡益を申告すると、その利益分が自身の 合計所得金額 に算入されます。

とくに、自営業者やフリーランスの方が加入する 国民健康保険 や、高齢者の方が加入する 後期高齢者医療制度、および 介護保険 の保険料は、合計所得金額を基準に計算されます。

所得が増えることで、翌年の社会保険料が大きく跳ね上がり、ふるさと納税による控除額以上の負担が生じるリスクがあるため注意が必要です。

配偶者控除や扶養控除から外れる場合がある

配偶者控除や扶養控除の適用を受けるためには、被扶養者の年間合計所得金額が一定以下である必要があります。

株式譲渡益を確定申告によって所得に算入した結果、被扶養者の合計所得金額が基準値を超えてしまう場合があります。

これにより、配偶者控除や扶養控除の対象から外れ、世帯全体の税負担が増加する可能性があるため、慎重な検討が求められます。

所得税と住民税で異なる課税方式の選択はできなくなった

以前の税制では、所得税は確定申告をしてふるさと納税の控除上限額を増やし、住民税は「申告不要」を選択することで社会保険料や扶養控除への影響を回避することが可能でした。

しかし、税制改正により、令和5年分(令和6年度住民税)以降は 所得税と住民税で異なる課税方式を選択することができなくなりました。

現在では、確定申告を行うと自動的に住民税側でも所得に算入されるため、デメリットを回避する手段が失われている点に注意してください。

譲渡損失の損益通算や繰越控除を行うと上限額が下がる

複数の口座で取引を行っており、一方で利益、他方で損失が出ている場合、これらを相殺する 損益通算 や、過去の損失を相殺する 繰越控除 を適用できます。

しかし、損益通算や繰越控除を行うと、課税対象となる株式譲渡所得の総額が減少します。

所得金額が減少すれば、その分だけ住民税所得割額が下がるため、ふるさと納税の控除上限額も低下することになります。

具体的な損益通算時の計算例は以下の通りです。

  • 状況:A口座で200万円の売却益が発生、B口座で100万円の売却損が発生した場合
  • 損益通算前の株式譲渡所得:200万円(控除上限額の増加目安:約26,778円)
  • 損益通算適用後の株式譲渡所得:100万円(200万円 - 100万円)
  • 損益通算適用後の控除上限額の増加目安:約13,389円

このように、損益通算によって所得税や住民税自体の負担は軽減されますが、ふるさと納税の控除上限額は下がることになります。

影響を受ける項目

デメリットが発生する主な対象者

影響の内容

国民健康保険料

自営業者、フリーランスなど

所得増加に伴い、翌年の保険料が引き上げられる

扶養控除・配偶者控除

扶養に入っている配偶者や親族など

所得が基準を超えると扶養から外れ、扶養者の税負担が増す

介護保険料

65歳以上の高齢者など

所得区分が上がり、介護保険料が高くなる

損益通算時の上限額

複数口座で損失を相殺する人

課税所得が減るため、ふるさと納税の控除上限額が低下する

出典:国税庁 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除

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株式譲渡益を確定申告すべきかどうかの判断基準

株式譲渡益を確定申告すべきかどうかの判断基準

控除上限額の増加とデメリットによる支出増加を天秤にかける

株式譲渡益を確定申告すべきかどうかの最大の判断基準は、ふるさと納税の控除上限額が増えるメリットと、各種保険料や税金の増加というデメリットのどちらが大きいかという点です。

とくに会社員など、職場の健康保険(被用者保険)に加入している方であれば、本人の所得が増えても健康保険料は給与額(標準報酬月額)のみで決定されるため、保険料が上がる心配はありません。

しかし、扶養控除の判定などには影響を及ぼすため、世帯全体でのシミュレーションが不可欠となります。

株式譲渡益を確定申告せずに源泉徴収のままにする選択肢

国民健康保険の加入者や、家族の扶養に入っている方の場合、確定申告をすることで生じる支出増加が、ふるさと納税の控除上限額増加による効果を上回ることが多々あります。

そのような場合は、あえて確定申告を行わず、特定口座(源泉徴収あり)のまま 申告不要 とすることを選択する方が賢明です。

ふるさと納税の控除上限額自体は増えませんが、保険料の増加や扶養から外れることによる大きな追加支出を防ぐことができます。

  • 確定申告をしてふるさと納税上限額を増やすのが適している人
  • 会社の健康保険に加入している会社員(社会保険料が増加しないため)
  • 誰の扶養にも入っておらず、配偶者控除等の影響も受けない単身者
  • 株式譲渡益が非常に高額で、控除上限額増加による効果がデメリットを大きく上回る人
  • 確定申告をせず源泉徴収のままにする(申告不要)のが適している人
  • 自営業やフリーランスで、国民健康保険に加入している人
  • 家族や配偶者の税法上・社会保険上の扶養に入っている人
  • 65歳以上で、介護保険料や後期高齢者医療保険料の引き上げを防ぎたい人

出典:国税庁 確定申告を要しない場合の選択

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株式譲渡益とふるさと納税に関するよくある質問

株式譲渡益とふるさと納税に関するよくある質問

株式譲渡益を確定申告するとふるさと納税のワンストップ特例はどうなりますか

確定申告書を税務署に提出した時点で、すでに申請していたワンストップ特例の申請はすべて無効となります。

そのため、確定申告を行う場合は、株式譲渡益だけでなく、ふるさと納税による寄附金控除の申請も確定申告書に記入して同時に提出する必要があります。

これを忘れてしまうと、ふるさと納税の控除自体が受けられなくなってしまうため、十分な注意が必要です。

給与以外の所得が20万円以下でも確定申告が必要ですか

給与所得者の場合、給与以外の所得が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告をする必要はありません。

しかし、これは「確定申告の義務がない」という特例にすぎず、ふるさと納税の控除上限額を増やすためにあえて確定申告を行う場合は、20万円以下の株式譲渡益もすべて含めて申告しなければなりません。

また、住民税にはこの「20万円以下は非課税」という特例がないため、住民税のみの申告が必要になる場合もあります。

ふるさと納税のシミュレーションは株式譲渡益に対応していますか

多くのふるさと納税ポータルサイトが用意している「詳細シミュレーション」では、株式譲渡所得(分離課税所得)の入力に対応しています。

源泉徴収ありの特定口座で取引している場合でも、税引き前の株式譲渡益の数値を正確に入力することで、控除上限額のシミュレーションが可能です。

取引口座の年間取引報告書を手元に用意した上で入力を行うと、より正確な数値を導き出すことができます。

  • 株式譲渡益を確定申告する場合、ワンストップ特例は利用できない。
  • 給与以外の所得が20万円以下であっても、ふるさと納税の控除上限額に反映させるためには確定申告に含める必要がある。
  • 詳細シミュレーションを使う際は、税引き前の「株式譲渡所得」の数値を正確に入力する。

出典:総務省 ふるさと納税トピックス

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まとめ

株式譲渡益が発生した年は、適切に確定申告を行うことで、ふるさと納税の控除上限額を引き上げることが可能です。

しかし、確定申告をすることで国民健康保険料の上昇や扶養から外れるといったデメリットが生じる場合もあります。

ご自身の加入している健康保険の種類や扶養状況を考慮し、メリットが上回るかを十分に比較検討した上で手続きを行いましょう。