企業版ふるさと納税とは?仕組みやメリットをわかりやすく解説

企業版ふるさと納税とは?仕組みやメリットをわかりやすく解説

企業版ふるさと納税は、法人が地方創生の取り組みに貢献できる仕組みとして注目されています。

本制度を活用することで、企業は地域活性化を支援しながら、税額控除のメリットを受けることが可能です。

しかし、個人向けのふるさと納税とは異なり、寄附対象や控除の仕組みが独自のルールに基づいて運用されています。

本記事では、企業版ふるさと納税の基本的な仕組みや、法人が活用するメリット、具体的な手続き方法について詳しく解説します。

さらに、近年注目を集める「人材派遣型ふるさと納税」の仕組みや活用事例、税制優遇を最大限に活かすためのポイントも紹介します。

企業としてどのように制度を活用できるのか、実践的な視点から解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

この記事では、企業版ふるさと納税を実施する上で得られるメリットや注意点、税制優遇の内容、手続きの進め方などをご説明します。企業版ふるさと納税実施を検討する場合の参考にしてください。

企業版ふるさと納税とは

企業版ふるさと納税とは

企業版ふるさと納税は、正式名称を「地方創生応援税制」といい、企業が地方公共団体の地方創生プロジェクトに寄附をすることで大幅な税制優遇を受けられる制度です。

この制度では、国が認定した地方公共団体の地方創生に関する取り組みに対して企業が行った寄附について、法人関係税から税額控除が適用されます。

注目すべき点は、寄附額の最大約9割が軽減される点にあり、企業の実質的な税負担を約1割まで圧縮することが可能となっています。

控除は法人住民税、法人税、法人事業税という3種類の税金から行われ、企業の社会貢献活動と税負担軽減を両立できる仕組みとなっています。

この優れた制度を活用することで、企業は地域の課題解決に貢献しながら、効率的な税務戦略を実現できることでしょう。

参考:内閣府|企業版ふるさと納税ポータルサイト

法人向けのふるさと納税の仕組み

企業版ふるさと納税は、法人が地域創生を支援する際に大きな税制メリットをもたらす仕組みを備えています。

制度の全体像を以下の表で確認していきましょう。

内容詳細
制度概要国が認定した地方創生事業
への法人寄附
企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)は、
企業が地方公共団体の地方創生プロジェクトに
寄附した場合に税額控除を受けられる制度
税制優遇最大約9割の税控除損金算入(約3割)+税額控除(最大6割)により、
企業の実質負担は約1割まで圧縮
控除内訳3種類の税金から控除①法人住民税:寄附額の4割
(上限:法人住民税法人税割額の20%)
②法人税:法人住民税が4割に達しない場合、
寄附額の1割を限度に残額を控除
(上限:法人税額の5%)
③法人事業税:寄附額の2割
(上限:法人事業税額の20%)
寄附条件最低額と対象条件・1回あたり10万円以上の寄附が対象
・本社所在地の自治体や地方交付税の
 不交付団体への寄附は対象外
・経済的な見返りは禁止
実施手順地方公共団体と
企業の連携
①地方公共団体が地方版総合戦略を策定
②地域再生計画を作成・申請
③内閣府が計画を認定
④企業が寄附実施
⑤税額控除の適用

このように企業版ふるさと納税では、寄附額の最大約9割が軽減されるため、企業の実質的な税負担を大幅に圧縮できます。

具体的には、法人住民税と法人税から寄附額の4割、法人事業税から2割が控除され、残りは損金算入によるメリットがあります。

ただし、寄附する際は一定の条件があるため注意が必要です。

参考:内閣府|企業版ふるさと納税リーフレット

企業版ふるさと納税制度の誕生と変遷

企業版ふるさと納税制度は、2016年に人口減少や地域経済の衰退に悩む地方創生を後押しする目的で内閣府主導により創設されました。

制度開始当初は税額控除率が約6割でしたが、2020年4月の税制改正により約9割まで拡充され、企業の実質負担が大幅に軽減されました。

近年では、寄附額と件数が着実に増加しており、令和5年度の実績では寄附金額が前年比約1.4倍の約470億円、寄附件数は約1.7倍の14,022件に達しています。

この成長は、税制優遇拡充と企業のSDGs意識向上による相乗効果と考えられます。

さらに、人材派遣型などの新しい仕組みも導入され、多様な形での地方創生貢献が可能になっています。

法人のふるさと納税の基本的な流れと手続き

企業版ふるさと納税を活用するためには、地方公共団体と企業それぞれが一定の手続きを行う必要があります。全体の流れを以下の表にまとめました。

実施主体内容詳細
1地方公共団体地方版総合戦略の策定・地方公共団体が地域の課題解決や活性化のための
「地方版総合戦略」を策定
・具体的な事業内容や目標を設定
2地方公共団体地域再生計画の作成・申請・地方版総合戦略に基づいて「地域再生計画」を作成
・寄附を活用する事業の具体的な内容を盛り込む
・内閣府へ計画を申請
3内閣府地域再生計画の認定・内閣府が申請された地域再生計画を審査
・要件を満たす計画を認定
・認定された計画は企業版ふるさと納税の対象となる
4企業寄附の実施・企業が認定された地方公共団体
・事業に対して寄附を実施
・10万円以上の寄附が対象
・寄附金受領証明書の発行を受ける
5企業税額控除の申告・確定申告時に寄附金受領証明書をもとに税額控除を申告
・法人住民税、法人税、法人事業税から控除
・最大で寄附額の約9割の法人関係税が軽減される

企業が寄附を検討する際のポイントは、まず自治体の計画が内閣府に認定されていることを確認することです。

寄附は1回10万円以上が必要で、寄附先として本社所在地の自治体や地方交付税の不交付団体は対象外となります。

寄附実施後は寄附金受領証明書を受け取り、確定申告時に提出することで税額控除を受けることができます。

ふるさと納税サイト「ふるなび」

企業版ふるさと納税の活用メリット

企業版ふるさと納税の活用メリット

企業版ふるさと納税は、単なる寄附金控除の仕組みを超えた、企業にとって複合的な価値を創出するツールです。

損金算入による軽減効果(寄附額の約3割)と最大6割の税額控除により、実質的な税負担が最大約9割圧縮されるだけでなく、社会的価値の創出やビジネス機会の拡大など、多面的なメリットをもたらします。

地方公共団体との新たな関係構築を通じて、企業イメージの向上やSDGsへの貢献、さらには将来的な事業展開につながる可能性も秘めています。

ここでは、企業版ふるさと納税の活用によって得られる主要なメリットを具体的な事例とともに紹介します。

社会貢献とSDGs達成

企業版ふるさと納税は、企業のSDGs活動やESG投資と密接に関連しています。

地方創生という社会課題の解決に直接貢献できるため、企業の社会的責任(CSR)活動として位置づけることが可能です。

特に持続可能な地域社会の構築は、SDGsの目標11「住み続けられるまちづくり」や目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」に直結します。

事例1: 北海道夕張市の取り組み

夕張市では株式会社ニトリホールディングスなどから5億円超の寄附を受け、清水沢地区を拠点とするコンパクトシティ化を推進。

図書コーナーや多目的ホールを備えた複合施設「りすた」を整備し、持続可能な地域社会の構築を目指しています。

また、石炭層に埋蔵されたCBMの調査も実施し、新たな知見を獲得しました。

事例2: 北海道東川町の取り組み

東川町では株式会社ホクリクなど12社から約3億円の寄附を受け、「地方創生人材育成サイクル構築プロジェクト」を実施。

国際教育の推進や奨学助成、起業化支援などを通じて、世界に通じる人材を育成し、将来的に「人財」として町に戻ってくるサイクルの構築に取り組んでいます。

その結果、子どもたちの郷土愛が深まり、優秀な人材が集まるようになりました。

参考:内閣府│企業版ふるさと納税活用事例集~全国の特徴的な取組~

地方公共団体とのパートナーシップ構築

企業版ふるさと納税は、企業と地方公共団体の新たな協力関係を構築する絶好の機会を提供します。

単なる金銭的支援にとどまらず、企業のノウハウや技術、人材を地域課題の解決に活かすことで、より深い信頼関係を築くことが可能になります。

事例1: 北海道八雲町の取り組み

八雲町では基幹産業である第一次産業の課題解決のため、「研修牧場整備事業」と「サーモン試験養殖事業」を展開。

町長自らが企業を訪問し、39社から3,360万円の寄附を獲得しています。

トラウトサーモンの養殖によるブランド化推進や、研修牧場による新規就農者支援など、農林水産業の活性化に取り組んでいます。

事例2: 岐阜県飛騨市の取り組み

飛騨市では「飛騨神岡宇宙最先端科学パーク構想」を推進。

市長自らが企業を訪問して17の企業から寄附を獲得し、官民学による一体的な取組で臨場感のある施設を整備しました。

同市の取組は令和2年度大臣表彰を受賞しており、宇宙科学をテーマとした地域観光資源の創出に成功しています。

参考:内閣府│企業版ふるさと納税活用事例集~全国の特徴的な取組~

地域資源を活かした新事業展開の可能性

企業版ふるさと納税を通じた地域との関わりは、その地域ならではの資源や特性を活かした新たなビジネスチャンスの発見につながる可能性があります。

地域課題の解決支援を入口に、将来的な事業協力や市場開拓へと発展するケースも見られます。

事例1: 群馬県川場村の取り組み

川場村では「森林資源を活用したエネルギー開発と農産物ブランド化プロジェクト」を実施。

森林資源を活用したエネルギー開発や農産物のブランド化に取り組み、環境保全・エネルギー分野での地域活性化を図っています。

村の特色ある資源を生かした持続可能な地域づくりを目指しています。

事例2: 青森県十和田市の取り組み

十和田市では「冬季観光充実・強化による地方創生推進プロジェクト」を展開。

株式会社三沢奥入瀬観光開発や宝産業株式会社などから6,000万円の寄附を活用し、奥入瀬渓流での冬のバスツアーやスキー場でのアクティビティ体験エリア整備を行いました。

その結果、冬季観光客数と宿泊者数が大幅に増加し、地域経済の発展に寄与しています。

参考:内閣府│企業版ふるさと納税活用事例集~全国の特徴的な取組~

ふるさと納税サイト「ふるなび」

企業版ふるさと納税の具体的な内容

企業版ふるさと納税の具体的な内容

企業版ふるさと納税制度を効果的に活用するためには、その詳細な仕組みや条件について正確に理解することが重要です。

この制度は個人版のふるさと納税と似た面もありますが、寄附対象や控除方法、手続きなどに大きな違いがあります。

また、すべての自治体が寄附対象になるわけではなく、一定の条件に基づいた制限が設けられています。

さらに、税額控除を最大限に活用するためには、各税目の控除額や上限について理解し、最適な寄附額を計算することが必要です。

以下では、企業版ふるさと納税の具体的な内容について、個人版との違い、寄附対象自治体の条件、そして税額控除の計算方法を解説します。

企業版ふるさと納税と個人版の違い

企業版ふるさと納税と個人版のふるさと納税は、同じ「ふるさと納税」という名称を持ちながらも、制度の内容や仕組みに大きな違いがあります。

主な相違点を以下の表にまとめました。

企業版ふるさと納税個人版ふるさと納税
自己負担額最小で寄附額の約1割2,000円(一律)
寄附額下限10万円以上設定なし
返礼品禁止(経済的な利益を受けることは不可)あり※居住自治体への寄附の場合は
返礼品なし
寄附先制限本社が所在する都道府県、市区町村は対象外どこでも可(制限なし)
控除方式税額控除(最大6割)+損金算入(約3割)所得税の所得控除+住民税の税額控除
適用対象青色申告書を提出している法人(外国法人を含む)個人
寄附対象事業国が認定した地方創生事業のみ自治体が実施する事業全般
PR効果自治体のホームページ等への企業名掲載などが可能原則なし
手続き方法自治体との直接やり取りが基本ワンストップ特例制度あり
(確定申告不要の場合あり)

企業版と個人版の最も顕著な違いは、返礼品の有無と寄附先制限にあります。

企業版では返礼品が禁止されているのに対し、個人版では返礼品があり寄附のインセンティブとなっています。

また、企業版では本社所在地の自治体への寄附は対象外となりますが、個人版ではそうした制限はありません。

寄附対象となる自治体の条件

企業版ふるさと納税では、すべての地方公共団体が寄附対象となるわけではなく、いくつかの条件が設けられています。

これらの条件は、企業と地域の関係性や財政状況を考慮して設定されています。

最も重要な制限は、企業の本社が所在する地方公共団体(都道府県・市区町村)への寄附が対象外となる点です。

これは企業が通常の納税を行う地域に対して二重の優遇を与えないための措置となっています。

また、地方交付税の不交付団体となっている都道府県は寄附の対象外です。

さらに、不交付団体かつ地方活力向上地域に該当しない市区町村も対象外となります。

これらの制限は、財政的に余裕のある自治体よりも、支援を必要とする地域へ民間資金を誘導するという制度の趣旨に基づいています。

参考:内閣府|企業版ふるさと納税リーフレット

法人の税額控除を最大化するための計算方法

企業版ふるさと納税の大きな魅力は、寄附額の最大約9割が軽減される点にあります。

この税額控除を最大限に活用するためには、正確な計算方法を理解することが重要です。

税額控除は3種類の税金から行われます。

法人住民税からは寄附額の4割(ただし法人住民税法人税割額の20%が上限)、法人住民税で4割に達しない場合は法人税から寄附額の1割を限度にその残額(ただし法人税額の5%が上限)、法人事業税からは寄附額の2割(ただし法人事業税額の20%が上限)が控除されます。

実際の控除額は、「寄附額に対する割合」と「税額の上限」のどちらか小さい方の金額を合計して計算します。

最大の税額控除を受けるには、各税目の上限額を考慮した最適な寄附額を設定することが鍵となります。

たとえば、法人住民税の控除上限が50万円の場合、寄附額を125万円(50万円÷0.4)とすることで最大効果を得られる可能性があります。

ふるさと納税サイト「ふるなび」

人材派遣型ふるさと納税の特徴と活用法

人材派遣型ふるさと納税の特徴と活用法

企業版ふるさと納税の発展形として2020年に創設された「人材派遣型」は、金銭的な寄附に加えて企業の人材を地方公共団体に派遣することができる画期的な仕組みです。

この制度により、企業は専門知識やスキルを持った人材を通じて地域の課題解決に直接貢献できるようになりました。

以下では、人材派遣型の具体的な仕組みやメリット、実際の活用事例について解説します。

参考:内閣府|企業版ふるさと納税(人材派遣型)概要

人材派遣型の仕組みとメリット

人材派遣型企業版ふるさと納税は、企業の金銭的寄附と人材提供を組み合わせた制度です。

企業は地方公共団体に対して人件費を含む事業費を寄附するとともに、自社の専門人材を派遣します。

派遣された人材は地方公共団体の職員として任用されるか、地域活性化事業を行う団体に採用される形で地域課題の解決に取り組みます。

人材派遣型の仕組みとメリット

出典:内閣府|企業版ふるさと納税リーフレット

企業側のメリットとしては、人件費相当額を含む寄附額の最大約9割に相当する税負担の軽減効果を受けられる点が挙げられます。

さらに、自社の専門知識やノウハウを地域課題の解決に活かせるだけでなく、派遣された社員が行政現場での経験を通じて新たな視点や能力を身につけられる人材育成効果も期待できます。

一方、地方公共団体側にとっては、予算的な制約で確保が難しい専門人材を実質的に人件費負担なく受け入れられるメリットがあります。

これにより、DX推進や環境対策、観光振興など専門性の高い地方創生プロジェクトを効果的に推進することが可能になります。

企業人材の地方公共団体への派遣プロセス

人材派遣型企業版ふるさと納税の活用は、まず地方公共団体が地域再生計画を作成し、内閣府の認定を受けることから始まります。

認定された計画に基づき、企業と地方公共団体が派遣する人材の職務内容や期間などについて協議・合意形成を行います。

派遣される人材は、主に二つの形態で地域に貢献します。

一つは地方公共団体の一般職員や特別職員として任用される場合、もう一つは地域活性化事業を行う団体(第三セクターやNPOなど)の職員として採用される場合です。

いずれの場合も、派遣元企業が寄附を行った同一年度内に従事することが条件となります。

具体的なプロセスとしては、まず企業と地方公共団体が協定を締結し、企業が人件費を含む事業費を寄附します。

その後、選定された人材が地方公共団体に派遣され、地域再生計画に基づくプロジェクトの実施や専門的なアドバイス提供などを通じて、地域課題の解決に取り組みます。

最終的には成果報告を行い、次年度以降の継続や展開について検討します。

人材育成機会としての活用事例

人材派遣型ふるさと納税は、企業の社員育成にも大きな効果をもたらしています。

民間企業とは異なる行政の意思決定プロセスや組織文化を経験することで、社員は新たな視点や協働スキルを獲得できます。

第一生命保険株式会社は、群馬県や徳島県、埼玉県川越市などの複数自治体に社員を派遣し、健康増進プロジェクトを展開しています。

派遣された社員は自社のデータ分析技術を活かした健康施策の立案・実施をサポートしながら、公共サービスの提供方法についての理解を深めています。

リコージャパン株式会社は奈良県葛城市のDX推進事業に社員を派遣し、自治体のデジタル化をサポートしています。

この活動を通じて社員はデジタル技術の社会実装における課題発見能力を高め、顧客視点での提案力強化につながっています。

九州電力株式会社は熊本県の地球温暖化対策事業に専門人材を派遣し、再生可能エネルギー推進や省エネルギー計画の策定を支援しています。

派遣社員は環境政策の現場を経験することで、今後のエネルギー転換に関する幅広い知見を得ています。

参考:内閣府|企業版ふるさと納税(人材派遣型)概要

ふるさと納税サイト「ふるなび」

企業版ふるさと納税に関する留意事項

企業版ふるさと納税に関する留意事項

企業版ふるさと納税を活用する際には、税額控除のメリットを最大化しつつ、制度上の制限やルールを正確に理解しておくことが重要です。

特に返礼品に関する制限や税制特例措置の期限、決算期との関係、経理処理のポイントなどは、実務上の要点となります。

これらの留意事項を事前に確認することで、円滑な寄附の実施と適切な税務処理が可能になります。

返礼品に関する制度上の制限

企業版ふるさと納税では、個人版と異なり返礼品の授受が禁止されています。

寄附の見返りとして経済的利益を受け取ることは認められず、補助金受取や有利な条件での融資、プロジェクト成果物の独占利用などが禁止されています。

一方で、企業名の自治体ホームページ掲載やプレスリリースでの言及など、PR活動につながる非経済的な特典は許容されています。

税制特例措置の期限と今後の見通し

企業版ふるさと納税の税額控除特例は、令和6年度(2024年度)までの時限措置です。

当初の期限は令和2年度の税制改正で5年延長され、同時に税額控除率も拡充されました。

期限後については、制度の効果検証を踏まえて延長や恒久化が検討される可能性がありますが、現時点で確定的な情報はありません。

参考:内閣府|地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の延長

企業の決算期と控除タイミングの関係

税額控除は寄附を行った事業年度に適用されるため、決算期との関係に注意が必要です。

3月末決算の企業が当期に控除を受けるには、3月末日までに寄附金支払いを完了させる必要があります。

寄附後は「寄附金受領証明書」が発行されますので、確定申告時の添付書類として保管しましょう。

寄附のタイミングと経理処理のポイント

企業版ふるさと納税は、認定された地方創生事業であれば基本的に年間を通じて寄附可能です。

ただし、決算期との関係を考慮した適切なタイミングが重要です。

寄附実施後は「寄附金受領証明書」を必ず入手し保管してください。

経理処理については、専門家に相談することをお勧めします。

寄附先プロジェクトは内閣府の「企業版ふるさと納税ポータルサイト」で検索できます。

ふるさと納税サイト「ふるなび」

まとめ

企業版ふるさと納税は、地方創生に貢献しながら最大約9割の税負担の軽減効果を受けられる優れた制度です。

企業の社会的責任を果たしつつ、実質的な財務負担を抑えることができる点が大きな魅力といえるでしょう。

特に、金銭的寄附だけでなく人材派遣型の活用により、企業の専門知識や技術を地域課題の解決に直接活かすことも可能です。

地方公共団体とのパートナーシップ構築や社員の育成機会としても価値があり、企業と地域の双方にメリットをもたらします。

この制度を通じて地域に貢献しながら税制優遇を受けることで、企業価値向上と社会課題解決の両立を実現することができるでしょう。

ふるさと納税サイト「ふるなび」


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