目次
葉酸はビタミンの一種であり、妊活・妊娠中の人にとっては、とくに重要な栄養素です。
葉酸の重要性を知っていても、どんな食べ物から摂れるのか分からない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、葉酸が豊富な食品を紹介し、食べ物から葉酸を摂る際の注意点や、一緒に摂りたい栄養素についてもまとめています。
食べ物から葉酸を摂りたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
妊活・妊娠中はとくに大事な「葉酸」とは?
葉酸は、ほうれん草から発見された水溶性ビタミンの一種で、ビタミンB群に属する栄養素です。
ここでは、葉酸の主な役割を紹介します。
葉酸の主なはたらき
葉酸は、体内でアミノ酸や核酸を作るうえで重要な役割を担っています。
アミノ酸や核酸は、体を形作るタンパク質や、細胞で遺伝情報を担うDNAを構成する成分です。
葉酸は、健やかな体作りを支えている栄養素といえます。
血液を作るうえでも必須のビタミンであり、赤血球が正常に作られるために必要です。
こうした役割から、葉酸は「造血のビタミン」とも呼ばれています。
葉酸は赤ちゃんの発育にも重要
葉酸は、体内での細胞の新生にも関係しています。赤ちゃんの正常な発育にも必要であり、妊活・妊娠中の方は、とくに意識して摂取すべき栄養素です。
脳や神経管など、重要な器官が形作られる妊娠初期には、葉酸を積極的に摂ることで、赤ちゃんの健やかな発育をサポートできます。
1日の葉酸摂取量の目安
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、18歳以上の男女に対して、1日あたり240μgの葉酸の摂取が推奨されています。
これは、ほとんどの人にとって十分な摂取量です。
ただし、妊活・妊娠中の女性は、上記の推奨量にさらに240μg追加し、合計で480μgの摂取が推奨されています。
葉酸は、体の成長に欠かせない栄養素であり、妊活・妊娠中にはより多くの摂取が必要なためです。
葉酸が豊富に含まれる食べ物
葉酸は、名前のとおり緑の野菜にとくに豊富ですが、一部の動物性食品にも多く含まれる栄養素です。
ここでは、葉酸が豊富に含まれる食べ物を、食品の分類別に紹介します。
これらの食材をバランスよく取り入れて、葉酸が不足しないよう心がけましょう。
なお、食品の栄養価は「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より引用しています。
野菜類
葉酸は、名前からもイメージできるように、緑色の野菜類にとくに豊富な栄養素です。
葉酸が豊富な野菜類を下表にまとめます。
食品名 | 葉酸 (μg) |
---|---|
菜の花(和種) | 340 |
えだまめ | 320 |
からし菜 | 310 |
モロヘイヤ | 250 |
芽キャベツ | 240 |
ブロッコリー | 220 |
ほうれん草(通年) | 210 |
春菊 | 190 |
ルッコラ | 170 |
水菜 | 140 |
ケール | 120 |
※含有量は生の野菜の可食部100gあたりの値
葉物野菜はとくに葉酸が豊富であり、食卓に積極的に取り入れるようにすると、自然と葉酸が摂取できます。
海藻類
葉酸は、海苔をはじめ、海藻類にも含まれています。
いくつかの海藻類の葉酸含有量を、下表にまとめます。
食品名 | 葉酸 (μg) |
---|---|
焼きのり | 1900 |
味付のり | 1600 |
乾燥わかめ(生) | 29 |
※含有量は可食部100gあたりの値
推奨量の葉酸を海藻だけで摂取しようとすると、かなりの量が必要です。
ほかの食べ物と組み合わせて、補助的に海藻類を取り入れるとよいでしょう。
豆類
葉酸は豆類にも比較的多く含まれています。
葉酸が豊富な豆類は下表のとおりです。
食品名 | 葉酸 (μg) |
---|---|
きな粉 | 220 |
納豆 | 120 |
ひよこ豆(ゆで) | 110 |
いんげん豆(ゆで) | 87 |
国産大豆(ゆで) | 41 |
※含有量は可食部100gあたりの値
葉酸は、毎日の食卓に取り入れやすい豆類にも含まれています。
サラダやスープなどに豆類を加えるだけで、葉酸の摂取量を増やせます。
肉類
葉酸はおもに植物性の食品に含まれていますが、例外的に、レバーには多量の葉酸が含まれています。
レバーの種類ごとの葉酸含有量は、下表のとおりです。
食品名 | 葉酸 (μg) |
---|---|
鶏レバー | 1300 |
牛レバー | 1000 |
豚レバー | 810 |
※含有量は可食部100gあたりの値
表の値からも、レバーには豊富な葉酸が含まれていることが分かります。動物の体内では、葉酸は主に肝臓に貯蔵されるためです。
注意点として、レバーは葉酸だけでなく、ビタミンAも非常に豊富な食材です。妊娠中はとくに、ビタミンAの過剰摂取は控えるべきだとされています。
妊活・妊娠中の方は、一度に食べるレバーはごく少量に留め、食べ過ぎは控えましょう。
葉酸は飲み物からも摂れる
葉酸は飲み物からも摂取できます。
葉物野菜などに多く含まれる葉酸ですが、茶葉にも含まれているため、お茶からも葉酸が摂取できるのです。
代表的なお茶の葉酸含有量を下表に示します。
食品名 | 葉酸 (μg) |
---|---|
玉露 | 150 |
煎茶 | 16 |
ほうじ茶 | 13 |
番茶 | 7 |
※含有量は浸出液100gあたりの値
お茶に含まれている葉酸は少量ですが、飲み物からも摂取できることは利点といえます。
ただし、お茶にはカフェインが含まれているため、妊娠中の方はカフェイン摂取量に注意してください。
葉酸と一緒に摂りたい栄養素
葉酸は、体内でアミノ酸や核酸を作るうえで、重要な役割を果たしているビタミンです。
その際、さらに数種類のビタミンが協力して、葉酸のはたらきを助けています。
ここでは、葉酸とともにはたらくビタミンのうち、とくに意識して摂りたい2種類を紹介します。
ビタミンB12
ビタミンB12は、体内で一度はたらいて活性を失った葉酸を、再び復活させる役割を担っています。
ビタミンB12が存在すると、葉酸が何度も繰り返しはたらくことができるのです。
不足すると、葉酸の不足時と同じく、正常な赤血球の形成が困難になり、悪性の貧血を招いてしまいます。
ビタミンB12は、レバーや貝類などの動物性食品に多く含まれるほか、例外的に植物性食品の海苔にも多い栄養素です。
ビタミンC
葉酸は、体内で活性のある形に変換されて、はじめて効果を発揮します。しかし、酸化されてしまうと、再び活性を失います。
これを防いでいるのが、抗酸化力のあるビタミンCです。
葉酸は、ビタミンCと一緒に摂取すると、より効果的にはたらきます。
葉酸が豊富な野菜のほかに、果物なども取り入れると、葉酸もビタミンCも摂れる健康的なメニューになるでしょう。
食べ物から葉酸を摂る際の注意点
食べ物から葉酸を摂る際は、食材の偏りに注意し、葉酸の損失に気を付けるとよいでしょう。
葉酸を摂る際の3つの注意点を解説します。
同じ食べ物ばかりにしない
食べ物から葉酸を摂取する際は、栄養の偏りを防ぐため、同じものばかり食べないことが大切です。
とくに注意を要するのがレバーです。葉酸が豊富ですが、ビタミンAも非常に多く含まれています。
ビタミンAの過剰摂取は、めまいや頭痛などの原因にもなるほか、とくに妊娠中には厳禁であり、レバーの食べ過ぎには注意が必要です。
葉酸の摂取を意識した食生活を送るなら、レバーには頼りすぎずに、野菜を多く摂ると望ましいでしょう。
鮮度の良い食材を使用する
葉酸は不安定な成分であり、時間の経過や熱、光によって分解する栄養素です。
鮮度のよい食材を用意して、早めに使い切るようにすることが、葉酸の摂取には理想的です。
生鮮食品の入手後は、すぐに冷蔵庫や冷暗所で保管するようにすると、葉酸の損失を抑えられます。
調理は手早く行う
葉酸は水溶性のビタミンであり、煮る・茹でるなどの調理法では、流出しやすい栄養素です。
生で食べるか、加熱時間を短くするのが、葉酸を効率よく摂るためのポイントです。
加熱調理の方法としては、炒め物や蒸し物にすると、葉酸の損失を比較的少なく抑えられます。
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