目次
ビタミンB1は、糖質をエネルギーに代謝する役割があり、疲労回復に効果がある栄養素です。
なかなか疲れが取れない、疲れやすいという人は、ビタミンB1が不足しているのかもしれません。
ビタミンB1は、ポイントを押さえると、簡単に食事からの摂取量が増やせます。
この記事では、ビタミンB1が豊富に含まれる食べ物や、効率的な取り方を紹介するので、ぜひご覧ください。
ビタミンB1が豊富な動物性の食べ物
ビタミンB1は動物性の食べ物に多く含まれています。
ここでは、とくにビタミンB1を摂取しやすい動物性の食べ物を紹介します。
この章の食品の栄養価は「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より引用しています。
肉類
食事のメイン食材として扱われることの多い肉類。
種類によっては、非常に多くのビタミンB1を含んでいます。
ビタミンB1が豊富に含まれる肉類は下表のとおりです。
食品名 | ビタミンB1含有量 (㎎) |
---|---|
豚ヒレ肉 | 1.22 |
豚もも肉 | 1.01 |
ボンレスハム | 0.90 |
豚かた肉 | 0.82 |
鶏もも肉(皮なし) | 0.10 |
※生の食品の可食部100gあたり
ビタミンB1はとくに豚肉に豊富に含まれています。
豚肉は、脂身ではなく、赤身にビタミンB1が豊富です。
ハムなどの豚肉加工品にも、ビタミンB1は多く含まれ、手軽に食事に取り入れられます。
日頃から豚肉を食べるようにすると、ビタミンB1が不足しにくくなります。
魚介類
肉類だけではなく、魚介類にもビタミンB1が含まれています。
ビタミンB1が豊富な魚介類を下表にまとめました。
食品名 | ビタミンB1含有量 (㎎) |
---|---|
うなぎのかば焼き | 0.75 |
タラコ(生) | 0.71 |
かつお節 | 0.55 |
いくら(生) | 0.42 |
紅鮭(生) | 0.26 |
※可食部100gあたり
魚介類の中では、とくにうなぎやタラコ、いくらなどに多くのビタミンB1が含まれています。
かつお節にも含まれているため、さまざまな料理に活用すると、ビタミンB1の手軽な供給源になります。
ビタミンB1が豊富な植物性の食べ物
動物性の食べ物だけでなく、植物性の食べ物にもビタミンB1は豊富に含まれています。
この章では、ビタミンB1がとくに豊富に含まれている植物性の食べ物を紹介します。
この章の食品の栄養価も「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より引用しています。
穀類
穀類は、ビタミンB1を手軽に摂取しやすい食べ物です。
ビタミンB1がとくに豊富に含まれている穀類は下表のとおりです。
食品名 | ビタミンB1含有量 (㎎) |
---|---|
オートミール | 0.20 |
全粒粉パン | 0.17 |
ライ麦パン | 0.16 |
玄米ごはん | 0.16 |
胚芽米ごはん | 0.08 |
※可食部100gあたり
白米などの精製された穀類に比べ、玄米など未精製の穀類には、ビタミンB1が多く含まれています。
ビタミンB1は、穀類の胚芽(はいが:芽になる部分)に多く含まれているためです。
そのため、できるだけ未精製の茶色い穀類を主食に選ぶと、ビタミンB1が摂取できます。
普段の食事を少し変えるだけで、ビタミンB1の補給が可能です。
豆類
豆類にもビタミンB1は含まれています。
ビタミンB1が多く含まれている豆類を、下表に示しました。
食品名 | ビタミンB1含有量 (㎎) |
---|---|
青えんどう豆(ゆで) | 0.27 |
いんげん豆(ゆで) | 0.22 |
大豆(ゆで) | 0.17 |
あずき(ゆで) | 0.15 |
絹ごし豆腐 | 0.11 |
※可食部100gあたり
豆類は茹でて食べやすい状態にしておくと、スープやサラダに加えやすく、手軽にビタミンB1が補給できます。
ビタミンB1の主な働きを解説
ビタミンB1は、健康的に活動するうえで重要な栄養素です。
ここでは、ビタミンB1の主な働きを解説します。
糖質の代謝を促す
ビタミンB1は、糖質を代謝し、体を動かすエネルギーの産生をサポートする働きがあります。
食事から十分な量の糖質が取れていても、ビタミンB1が不足していると、糖質をエネルギーに変えられません。
ビタミンB1不足は、エネルギー不足から疲れやすさの原因にもなるのです。
脳や神経機能の健康を保つ
ビタミンB1は、脳や神経の活動を維持する役割もあります。
ビタミンB1が糖質をエネルギーに変えているのは、先述のとおりです。
脳は糖質をエネルギー源として活動しています。
糖質を代謝するビタミンB1がなければ、脳や神経機能は、うまく働けなくなるのです。
ビタミンB1が慢性的に不足すると、脳や神経機能に深刻なダメージがおよびます。
ビタミンB1不足で発症する脚気(かっけ)も、脳や神経機能に影響して起こります。
推奨されているビタミンB1の摂取量
ビタミンB1は、糖質を代謝するために必須の栄養素です。
ここでは、1日に推奨されているビタミンB1の摂取量を紹介します。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」による、成人に求められる1日のビタミンB1摂取基準を下表に示しました。
性別 | 年齢などの区分 | ビタミンB1推奨摂取量 (㎎/日) |
---|---|---|
男性 | 18~49歳 | 1.4 |
50~74歳 | 1.3 | |
75歳以上 | 1.2 | |
女性 | 18~74歳 | 1.1 |
75歳以上 | 0.9 | |
妊娠・授乳中 | +0.2 |
「推奨摂取量」は、生活習慣病の予防目的で設定されている、目指すべき摂取量です。
ビタミンB1は、どの年代でも同じくらいの量を摂らなければなりません。
豚ヒレ肉だと100g、玄米ごはんだと6杯(1杯150g)ほど食べれば、1日のビタミンB1摂取推奨量を満たせるでしょう。
さらに、妊娠中の人や授乳中の人は、ビタミンB1の必要摂取量が増加します。
さまざまな食べ物から意識して摂り入れることで、ビタミンB1の不足を防げます。
ビタミンB1は現代の食生活では不足気味
厚生労働省が行った「令和元年国民健康・栄養調査報告」によると、日本人のビタミンB1摂取量は不足しているという結果が出ています。
ビタミンB1はさまざまな食品に含まれていますが、精製技術の発達した現代では、胚芽やぬかからの摂取量が減り、ビタミンB1が不足傾向にあります。
とくに夏場は、食欲が落ちやすく、あっさりと食べられる麺類ばかり食べがちです。
精製され作られた麺類からはビタミンB1がほとんど摂取できないため、エネルギーが足りずに夏バテが起こりやすくなります。
穀物の糖質を代謝するためにも、他の食べ物からビタミンB1を補う必要があるのです。
ビタミンB1を効率的に摂る方法
ビタミンB1の重要性がわかっていても、食事の好みなどで、十分な量を摂取できない人も多いのではないでしょうか。
ここでは、ビタミンB1を効率的に摂る方法を紹介します。
ネギ属の野菜と一緒に食べる
ネギ属の野菜には、香味成分の「アリシン」が含まれています。
ビタミンB1は、このアリシンと反応して、体内に吸収されやすくなるのです。
ビタミンB1の摂取を目的に食べ物を選ぶ際には、玉ねぎやにんにく、ニラを加えた献立を選択するとよいでしょう。
ネギ属の代表的な野菜は、下記のとおりです。
- 玉ねぎ
- ネギ
- にんにく
- ニラ
アリシンは、ネギ属の野菜を細かく刻んだり、すりおろしたりして細胞を壊すと、より高い効果を発揮します。
ネギを細かく刻んで薬味にしたり、すりおろしたにんにくを料理の下味に使ったりすると、食べ物に含まれるビタミンB1の効力を高めてくれるでしょう。
煮物は汁ごと食べる
ビタミンB1は水溶性の栄養素のため、煮たり茹でたりする調理で流出してしまいます。
ビタミンB1の流出を減らすには、電子レンジや蒸し器を使った調理法がおすすめです。
また、ビタミンB1を含む食べ物を煮物にした際には、煮汁ごと食べると、食材に含まれるビタミンB1を損なわずに摂取できます。
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