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日本特有の果物であるみかんは、とても甘く、皮をむいて手軽に食べられるのが魅力です。
その甘さから、みかんは糖質が多くカロリーが高いとも思われがちです。
この記事では、みかんのカロリーや糖質量、栄養素について解説します。
ダイエットに効果的な食べ方も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
みかんのカロリーと栄養素は?
一般的に「みかん」といえば温州(うんしゅう)みかんを指します。
この章ではみかん(温州みかん)のカロリーと糖質、その他の栄養素について紹介します。
なお本記事では、食品の栄養価を日本食品標準成分表2020年版(八訂)より引用しています。
みかんのカロリーと糖質を他の果物と比較
みかんのカロリーは100gあたり49kcalです。
下表に、みかんと他の果物について、100gあたりのカロリーと糖質を比較します。
なお、みかんは「じょうのう膜」という薄皮ごと食べた場合、りんごは皮ごと食べた場合、他の果物は果実だけを食べた場合の値です。
果物 | 果物100gあたりの含有量 | |
---|---|---|
カロリー(kcal) | 糖質(g) | |
みかん | 49 | 11.0 |
グレープフルーツ | 40 | 9.0 |
キウイフルーツ | 51 | 10.8 |
バナナ | 93 | 21.4 |
りんご | 56 | 14.3 |
Mサイズのみかん1個の可食部は約80gなので、みかん1個あたりのカロリーは約39kcalとなります。
カロリー計算の目安にしてください。
みかんに含まれる糖質以外の栄養素は?
みかん100gあたりに含まれる栄養素を下表にまとめます。
なお、みかんは一般的な温州(うんしゅう)みかんで、薄皮ごと食べた場合の値です。
栄養素 | 含有量 /可食部100g | 詳細 |
---|---|---|
食物繊維 | 1.0g | 体内で消化されない難消化性成分。便秘の改善など整腸効果のほかに、 糖質の吸収を遅らせる、コレステロールの排出を促すなどの働きがある。 |
カリウム | 150mg | 体内の余分なナトリウムの排出を促す働きにより、血圧の上昇を抑える。 筋肉の動きを正常に保っており、不足すると筋力低下やけいれんをまねく場合も。 |
カルシウム | 21mg | 日本人が不足しやすいミネラルのひとつ。骨や歯を形成し、筋肉の収縮にも関わる。 不足すると骨粗しょう症をまねいたり、筋肉の動きが悪くなったりする場合がある。 |
マグネシウム | 11mg | カルシウムとともに骨や歯を形成する。筋肉の収縮や体温・血圧の調整にも関わる。 不足すると骨の形成に影響が出るほか、不整脈や筋肉のけいれんをまねくことも。 |
β-カロテン | 180μg | 体内でビタミンAに変わる成分。ビタミンAは皮膚や粘膜を正常に保つ働きがある。 老化の原因となる活性酸素を抑える抗酸化作用もある。 |
β-クリプト キサンチン | 1700μg | β-カロテンと同じカロテノイドの一種で、温州みかんにとりわけ多く含まれる。 強い抗酸化作用のほか、さまざまな健康効果にも着目され研究対象となっている。 |
葉酸 | 22μg | 赤血球の形成に関わり、造血を促し貧血を予防する。DNA合成にも関わり、 体の発育に重要な成分であるため、妊婦や胎児にとって重要な栄養素となる。 |
パントテン酸 | 0.23mg | 糖質や脂質の代謝に関わり、エネルギーの産生を助ける。 善玉コレステロールを増やし、免疫力を強化する。 |
ビタミンC | 32mg | 皮膚、腱、軟骨などを構成するコラーゲンの生成に必須の成分。 毛細血管を正常に保つ、日焼けを防ぐ、免疫力の強化などの働きもある。 |
みかんはダイエット向きの食品
みかんはカロリーや糖質が他の果物に比べて少なく、ダイエット向きの食品です。
また、食物繊維やビタミンなどが多く含まれ、栄養の面でも優れています。
この章ではみかんがダイエットに向く理由を紹介します。
カロリーや糖質が少ない
ダイエット中に甘いものを食べたいときは、脂質の少ない果物がおすすめです。
中でもみかんはカロリーと糖質が比較的少なく、ダイエット向きです。
参考までに、みかん、バナナ、りんごのカロリーと糖質を、1回に食べる量で比較します。
1回に食べる量は、みかん1個(80g)、バナナ1本(90g)、りんご(皮つき)1/3個(100g)と想定します。
- みかん1個(80g)あたり:39.2kcal・糖質8.8g
- バナナ1本(90g)あたり:83.7kcal・糖質19.3g
- りんご1/3個(100g)あたり:56kcal・糖質14.3g
このように、1回に食べる量で比べても、みかんは低カロリーでヘルシーな果物だといえます。
水分や食物繊維が多い
みかんは重さにして9割近くが水分です。
水分の多い食材は満腹感が得られやすく、カロリー制限やダイエットに役立ちます。
また、みかんの薄皮や白いすじには食物繊維が豊富です。
食物繊維は糖質の吸収を穏やかにし、血糖値の急激な上昇を抑えます。
血糖値の急上昇を抑えると、糖質を脂肪に変えるインスリンの過剰分泌も抑えられ、太りにくくなります。
ビタミン類が豊富に含まれる
カロリー制限やダイエット中は、食事制限によりビタミン類が不足しがちです。
みかんには、ビタミンAのもととなるβ-カロテンやβ-クリプトキサンチン、ビタミンCなどが豊富に含まれます。
ビタミンAは皮膚や粘膜、目の機能を正常に保ちます。
β-カロテンやβ-クリプトキサンチンには、身体の老化を防ぐ抗酸化作用があります。
とくに、生活習慣病の予防効果も期待されているβ-クリプトキサンチンは、温州みかんに特徴的に多く含まれます。
参考:「国産柑橘類に多いβ-クリプトキサンチンの生体調節機能と機能性表示食品への展開」
ビタミンCは抗酸化作用に加え、コラーゲンの生成を促進しメラニンの生成を抑制するので、肌荒れの防止に役立ちます。
ダイエット中の食事にみかんをプラスすることで不足しがちな栄養素が補えます。
手軽に食べられる
皮をむいてすぐに食べられる手軽さは、みかんの特長のひとつです。
いくらダイエットによい低カロリーの食品でも、食べるのに手間がかかっては長続きしません。
手軽に食べられるみかんは、忙しい毎日に取り入れやすい食品です。
ダイエットに効果的なみかんの食べ方
他の果物と比べてカロリーや糖質が少ないみかんですが、1日に食べる量には注意が必要です。
また、食べ方を工夫することでさらなるダイエット効果が期待できます。
この章では、食べるタイミングや1日の摂取量など、ダイエットに効果的なみかんの食べ方を紹介します。
食事の前に1個で食べすぎ防止
食事の前にみかんを食べて、食べすぎを防止します。
水分の多いみかんは満腹感が得られやすいため、その後の食事量を軽減できます。
また、薄皮や白いすじに含まれる食物繊維が糖質の吸収を穏やかにし、血糖値の急上昇を抑えます。
1日の食事のうち、もっとも量を減らしたい夕食の前に1個食べると効果的です。
間食としてお菓子の代わりに食べる
間食にお菓子を食べてしまうという人は、代わりにみかんを食べましょう。
カロリーや糖質を抑え、脂質はほぼ0にすることができます。
さらにビタミン類や食物繊維を摂取できるなど、栄養面でもうれしい効果があります。
薄皮やすじを取らずに食べる
みかんの薄皮や白いすじには食物繊維が豊富に含まれているので、取らずに全部食べましょう。
食物繊維には糖質の吸収を遅らせる、便通をよくするなどの効果があり、ダイエットのときだけでなく普段の食生活でも積極的に摂りたい栄養素です。
また、よく噛んで食べることで満腹感が増すので、食べすぎの防止にも役立ちます。
加工品より生のみかんを食べる
ゼリーや缶詰などのみかん加工品の多くは砂糖が添加されています。
また、薄皮が取られているので食物繊維が減少し、加熱によりビタミンCなどの成分も減少しています。
カロリー制限中やダイエット中は、みかんは加工品よりも生のものを食べるようにしましょう。
洋菓子などの代わりとして、よりカロリーや脂質が少ないみかんゼリーを選ぶこともあるかもしれません。
しかし、足りない栄養素を補うためには、なるべく生のみかんがおすすめです。
みかんだけを食べるなら1日2個まで
みかんを食べるときに気を付けたいのが1日の摂取量です。
食事前や間食に食べることでダイエット効果がアップするみかんですが、食べすぎると糖分過多になります。
厚生労働省と農林水産省が共同で策定した「食事バランスガイド」によると、1日の果物の摂取量は「みかんだったら2個程度」とされています。
果物としてみかんだけを食べるのであれば1日2個程度にしましょう。
ほかの果物と組み合わせて食べる場合は、たとえばみかん1個とりんご半分にするなどの工夫が必要です。
まとめ
カロリーや糖質が少なく栄養素が豊富に含まれるみかんは、ダイエット向きの果物です。
ただし、健康的にカロリーコントロールしていくためには、食べる量に注意が必要です。
みかんは、1日2個を目安に食事の前や間食などにうまく取り入れていきましょう。
カロリー制限やダイエット中は、ひとつの食品に偏らず、さまざまな食品をバランスよく食べることも大切です。