みかんのカロリーは、100gあたり49kcal、1個あたりおよそ41kcal程度(Mサイズの場合)で、比較的カロリーの低い果物です。
水分や食物繊維が多くて満腹感を得やすく、ビタミン・ミネラルも補給できるみかんは、ダイエット中にも適する食品です。
この記事では、みかんのカロリーや糖質量と、含まれる栄養素について詳しく解説します。
加えて、ダイエットに向く理由と効果的な食べ方、注意点もまとめます。
みかんのカロリーと栄養素

一般的に「みかん」といえば温州みかんを指します。
この章では温州みかんのカロリー・糖質量、その他の栄養素について紹介します。
なお、食品の栄養価は「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より引用しています。
みかんのカロリーと糖質量
みかんは、可食部100gあたりのカロリーが49kcal、糖質は11.0gです。
みかん1個あたりでは、カロリーはおよそ27~52kcal、糖質は6.2~11.6gが目安になります(S~Lサイズの場合)。
なお、これらの値は、じょうのう膜(薄皮)ごと食べた場合のものです。
以下に、みかん1個あたりの数値を算出した根拠を示します。
温州みかんの廃棄率(外皮など廃棄部分の重量比)は30%として計算しました。
皮をむく前の重量の約70%が可食部となり、可食部100gあたりの数値をかけて、以下のように、みかん1個あたりの目安値が求められます。
| サイズ | みかんの 目安重量 (g) | 可食部の 目安重量 (g) | カロリー の目安 (kcal) | 糖質量 の目安 (g) |
|---|---|---|---|---|
| 2S | 65 | 45.5 | 22.3 | 5.0 |
| S | 80 | 56 | 27.4 | 6.2 |
| M | 120 | 84 | 41.2 | 9.2 |
| L | 150 | 105 | 51.5 | 11.6 |
| 2L | 180 | 126 | 61.7 | 13.9 |
ただし、温州みかんのS・M・Lなどのサイズの規格は、重量ではなく直径で決められています。
そのため、同じサイズでも重量には多少のばらつきがあり、カロリーや糖質量もいくぶん変動します。
他の果物とのカロリー・糖質量の比較
みかんと他の果物について、100gあたりのカロリーと糖質量を比較します。
なお、りんごは皮ごと食べた場合、他の果物は果実だけを食べた場合の値です。
| 果物 | カロリー(kcal) | 糖質(g) |
|---|---|---|
| みかん | 49 | 11.0 |
| グレープフルーツ | 40 | 9.0 |
| キウイフルーツ (緑肉種) | 51 | 10.8 |
| バナナ | 93 | 21.4 |
| りんご | 56 | 14.3 |
このように、みかんは果物の中で、カロリーも糖質も比較的低めだといえます。
みかんに含まれる糖質以外の栄養素は?
みかんは栄養素が豊富に含まれる点も魅力です。
以下の表では、みかん100gあたりに含まれる栄養素についてまとめています。
| 栄養素 | 含有量 /可食部100g | 詳細 |
|---|---|---|
| 食物繊維 | 1.0g | 体内で消化されない難消化性成分。便通を整える働きがある。 糖質の吸収を穏やかにし、コレステロールの排出にも関わる。 |
| カリウム | 150mg | 体内のナトリウム量の調整に関わり、体液のバランスを保つ。 筋肉の正常な動きの維持にも関わっている。 |
| カルシウム | 21mg | 日本人が不足しやすいミネラルのひとつ。 骨や歯の形成に関わり、筋肉の収縮にも必要。 |
| マグネシウム | 11mg | カルシウムとともに骨や歯の形成に関与する。 筋肉の収縮や体温・血圧の調整にも関わる。 |
| β-カロテン | 180μg | 体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康維持に関わる。 β-カロテン自体にも抗酸化作用がある。 |
| β-クリプト キサンチン | 1700μg | β-カロテンと同じカロテノイドの一種で、抗酸化作用がある。 温州みかんにとくに多く含まれる。 |
| 葉酸 | 22μg | 赤血球の形成やDNA合成に関わり、体の発育に重要なビタミン。 妊娠中には必要量が増える。 |
| パントテン酸 | 0.23mg | 糖質や脂質の代謝に関わり、エネルギー産生を助ける。 さまざまな酵素の働きに必要なビタミン。 |
| ビタミンC | 32mg | コラーゲンの生成に欠かせず、皮膚や血管の健康維持に関わる。 抗酸化作用もある。 |
みかんはダイエット向きの食品

低カロリー・低糖質のみかんは、ダイエット中にもおすすめの果物です。
また、食物繊維やビタミンなどが多く含まれ、栄養の面でも優れています。
この章では、みかんがダイエットに向く理由を解説します。
カロリーや糖質が少ない
みかんはカロリーや糖質が比較的少なく、脂質もほぼ含まれないため、ダイエットにも向く食品です。
参考までに、みかん、バナナ、りんごのカロリーと糖質量を、1回に食べる量で比較します。
1回に食べる可食部の重量は、みかんMサイズ1個で84g、バナナ1本で90g、りんご(皮つき)1/3個で100gと想定します。
- みかん1個(84g)あたり:41kcal・糖質9.2g
- バナナ1本(90g)あたり:84kcal・糖質19.3g
- りんご1/3個(100g)あたり:56kcal・糖質14.3g
このように、1回に食べる量で比べても、みかんは低カロリー・低糖質でヘルシーな果物だといえます。
水分や食物繊維が多い
みかんは重さの約85〜90%が水分です。
水分の多い食材は満腹感が得られやすく、カロリー制限やダイエットに役立ちます。
また、みかんの薄皮や白いすじには食物繊維が豊富です。
食物繊維は糖質の吸収を穏やかにし、血糖値の急激な上昇を抑えます。
血糖値の急上昇を抑えると、糖質を脂肪に変えるインスリンの過剰分泌も抑えられ、太りにくくなる傾向があります。
ビタミン類が豊富に含まれる
カロリー制限やダイエット中は、食事制限によりビタミン類が不足しがちです。
みかんには、ビタミンAのもととなるβ-カロテンやβ-クリプトキサンチン、ビタミンCなどが豊富に含まれます。
ビタミンAは皮膚や粘膜、目の機能を正常に保ちます。
β-カロテンやβ-クリプトキサンチンには抗酸化作用があり、身体の老化に関わる活性酸素の影響を抑えます。
とくに、生活習慣病の予防効果も研究されているβ-クリプトキサンチンは、温州みかんに特徴的に多く含まれる栄養素です。
参考:「国産柑橘類に多いβ-クリプトキサンチンの生体調節機能と機能性表示食品への展開」
ビタミンCは抗酸化作用に加え、コラーゲンの生成を促進しメラニンの生成を抑制するので、肌荒れの防止に役立ちます。
ダイエット中の食事にみかんを取り入れると、不足しがちな栄養素を補いやすくなります。
手軽に食べられる
皮をむいてすぐに食べられる手軽さは、みかんの特徴のひとつです。
いくらダイエットによい低カロリーの食品でも、食べるのに手間がかかっては長続きしません。
手軽に食べられるみかんは、忙しい毎日に取り入れやすい食品です。
ダイエットに効果的なみかんの食べ方

他の果物と比べてカロリーや糖質が少ないみかんですが、1日に食べる量には注意が必要です。
また、食べ方を工夫することでさらなるダイエット効果が期待できます。
この章では、食べるタイミングや1日の摂取量など、ダイエットに効果的なみかんの食べ方を紹介します。
食前に1個食べる
水分の多いみかんは満腹感が得られやすく、食事の前に食べるとその後の食事量を抑えられます。
また、薄皮や白いすじに含まれる食物繊維には、糖質の吸収を穏やかにし、血糖値の急上昇を抑える働きがあります。
1日の食事のうち、摂取カロリーが増えやすい夕食前に取り入れると、より食事量を抑えやすくなります。
お菓子の代わりに食べる
間食についお菓子を食べてしまいがちな場合、代わりにみかんを食べるのもおすすめです。
カロリーや糖質を抑えつつ、脂質もほとんど含まれません。
さらにビタミンや食物繊維を摂取できるなど、栄養面でもうれしい効果があります。
薄皮やすじを取らずに食べる
みかんの薄皮や白いすじには食物繊維が豊富に含まれているので、取らずに全部食べるとよいでしょう。
食物繊維には、糖質の吸収を遅らせる、便通を整えやすくするなどの効果があり、ダイエット中だけでなく普段の食生活でも積極的に摂りたい栄養素です。
また、よく噛んで食べることで満腹感が増すので、食べすぎの防止にも役立ちます。
加工品より生のみかんを食べる
ゼリーや缶詰などのみかん加工品の多くは砂糖が添加されています。
また、薄皮の除去により食物繊維が、加熱によりビタミンCが失われやすくなります。
カロリー制限中やダイエット中は、みかんは加工品よりも生のものを食べるようにしましょう。
洋菓子などの代わりとして、よりカロリーや脂質が少ないみかんゼリーを選ぶこともあるかもしれません。しかし、足りない栄養素を補うためには、なるべく生のみかんがおすすめです。
みかんの食べ過ぎに注意(目安は1日2個程度まで)

カロリーや糖質の少ないみかんですが、食べ過ぎには注意が必要です。
厚生労働省と農林水産省が共同で策定した「食事バランスガイド」によると、1日の果物の摂取量は「みかんだったら2個程度」とされています。
ここでは、みかんを食べ過ぎた場合に起こりやすい、身体の変化や不調について紹介します。
体重の増加につながりやすい
みかんは比較的低カロリーとはいえ、糖質を含む食品です。
1日に何個も食べてしまうと、糖分過多になり、体重増加につながる可能性があります。
果物としてみかんだけを食べるのであれば1日2個程度までを目安にしましょう。
ほかの果物と組み合わせて食べる場合、例えばみかん1個とりんご半分にするなどの工夫が必要です。
肌が黄色くなりやすい
みかんを過剰摂取することで、手のひらや足の裏などが黄色っぽくなる「柑皮症」が見られることがあります。
これは、みかんに多く含まれる「β-クリプトキサンチン」や「β-カロテン」などのカロテノイド色素が体内に蓄積して起こる現象です。
一般に健康への悪影響はなく、しばらく摂取を控えれば徐々に解消されますが、見た目が気になる場合もあります。
腹痛や下痢などの不調が起こる可能性
みかんに含まれる水溶性食物繊維は重要な栄養素ですが、多く摂りすぎると腹痛や下痢、消化不良などの原因になることがあります。
とくに、普段から胃腸が敏感な方や、お腹の調子がすぐれない時は症状が出やすいため、食べる量を抑えて様子を見ながら食べるとよいでしょう。
まとめ
みかんは、Mサイズで1個41kcal程度と、比較的カロリーの低い果物です。
ビタミン・ミネラル・食物繊維なども摂取でき、満腹感も得やすいことから、ダイエット中にも適しています。
1日2個程度を目安に、食べ過ぎには気を付けながら、ぜひ食生活に取り入れてみましょう。












