ビタミンDが多い食品は?一日の摂取目安量や働きも紹介!

ビタミンDが多い食品は?一日の摂取目安量や働きも紹介!

ビタミンDは、現代の生活で不足しがちな栄養素ですが、豊富に含まれる食品は限られています。

本記事では、ビタミンDを多く含む食品を、摂取目安量や摂り方のポイントとともに紹介します。

これらの食品を知っておけば、サプリメントに頼らずとも、食事から十分な量を摂取可能です。ぜひ食生活に役立ててみてください。

この記事では、ダイエットのメニューとして選ばれることも多いゆで卵のカロリーや代表的な栄養素を紹介します。ダイエットに向く理由やおすすめレシピも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

一日に摂るビタミンDの目安量

一日に摂るビタミンDの目安量

1日あたりの食品からのビタミンD摂取目安量は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」で定められており、年齢や性別により値が異なります。

18歳以上の男女では、1日あたり8.5μg(マイクログラム)の摂取が目安とされています。

子どもを含めた、年齢・性別に応じたビタミンDの摂取目安量は下表のとおりです。

ビタミンD摂取量(μg/日)
性別男性女性
年齢目安量
(μg/日)
耐容上限量
(μg/日)
目安量
(μg/日)
耐容上限量
(μg/日)
1歳未満5.0255.025
1~2歳3.0203.520
3~5歳3.5304.030
6~7歳4.5305.030
8~9歳5.0406.040
10~11歳6.5608.060
12~14歳8.0809.580
15~17歳9.0908.590
18歳以上8.51008.5100

※表中には耐容上限量(健康被害の危険がないとみなされている摂取量の上限)も記載

これに対し、日本での実際の年齢層別のビタミンD摂取量(令和元年「国民健康・栄養調査」より引用)を下表に示します。

年齢
(歳)
全年代1~67~1415~1920~2930~3940~4950~5960~6970~7980
以上
平均値6.93.75.75.65.35.25.86.07.59.97.9
標準
偏差
8.64.46.36.77.07.77.87.77.911.49.4
中央値3.41.83.52.92.42.32.52.84.36.24.5

※ビタミンD摂取量の単位はμg/日

この調査結果からは、以下のような傾向が読み取れます。

  • ビタミンD摂取量は個人差が大きい
    標準偏差が大きく、中央値よりも平均値の方が大きいことから、摂取量がとくに多い一部の人が平均をつり上げていると推測できます。
  • どの年代でもビタミンDは不足傾向にある
    どの年代でも中央値が摂取目安量に及ばず、現代の一般的な食生活では、ビタミンDが目安量に届かないことが多いと考えられます。
    ※中央値:摂取量が多い順に並べた場合に全体の中央に位置する値。
  • 20~40代はとくにビタミンDが不足しがちである
    後述するように、魚の摂取量が少ないことが主な原因との推測もなされています。
  • 60~70代は他の年代に比べるとビタミンD摂取量が多い
    ただし、60~70代であっても中央値は目安量に満たず、不足している人が多く存在します。

いずれの年代でも、ビタミンDは目安量よりも不足傾向にあるため、本記事で紹介するような食品を積極的に摂るとよいでしょう。

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ビタミンDを多く含む食品3選

ビタミンDを多く含む食品3選

ビタミンDは、後の章で述べるように、日光を浴びることでも産生されます。

しかし、その量には限度があり、食品からも補う必要があります。

ビタミンDをとくに多く含む食品は、以下の3種類です。

  • 魚類
  • きのこ類

これらの食品について、順番に解説します。

記載したビタミンD含有量は、「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より引用しています。

魚類

魚は、食事由来のビタミンDの最たる供給源です。

2015年に報告された文献では、日本人の成人において、ビタミンD摂取量の77%が魚介類に由来すると記載されています(平成25年国民健康・栄養調査に基づく)。

同文献では、50歳以上の人に比べて20代~40代でビタミンD摂取量が低下している主な要因は、魚の摂取量が少ないことだとも推測されており、魚を食べる重要性がうかがえます。

※出典:池田 彩子, 野村 早, 「日本人の成人におけるビタミンD摂取量は足りているか ―国民健康・栄養調査からわかること―」

ビタミンDを食品からしっかりと摂取するには、魚を食べることが大切だといえるでしょう。

ひとくちに魚といっても、種類によりビタミンD含有量に大きな差があります。

ビタミンDがとくに豊富な魚を中心に、含有量を下表にまとめます。

食品ビタミンD含有量
(μg/食品の可食部100g)
鮭(しろさけ)32.0
焼き39.0
イクラ44.0
すじこ47.0
カワハギ43.0
マイワシ32.0
丸干し50.0
ウルメイワシ9.0
サンマ(皮つき)16.0
焼き13.0
マアジ(皮つき)8.9
イサキ15.0
タチウオ14.0
カレイ(マガレイ)13.0
カマス11.0
ブリ(生魚)8.0
焼き5.4
マグロ(メバチ)赤身・生3.6
サバ塩サバ11.0
しらす干し微乾燥品12.0
半乾燥品61.0
うなぎ(養殖)18.0

身近な魚のなかでは、鮭・マイワシ・サンマなどが、とりわけビタミンDが豊富です。

鮭1切れ、もしくはマイワシやサンマを1尾食べるだけで、ビタミンDの目安量(18歳以上で8.5μg/日)を十二分に摂取できます。

また、しらす干しなどの骨ごと食べる魚からはカルシウムも補給できます。カルシウムは、ビタミンDと同時に摂ると望ましい栄養素です。

きのこ類

魚に比べると重要性は下がりますが、きのこ類もビタミンDが豊富な食品です。

乾燥きくらげやまいたけには、とくにビタミンDが多く含まれています。

主なきのこのビタミンD含有量を下表にまとめます。

食品ビタミンD含有量
(μg/食品の可食部100g)
生しいたけ(菌床栽培)0.3
乾しいたけ(乾)17.0
乾しいたけ(ゆで)1.4
きくらげ(乾)85.0
きくらげ(ゆで)8.8
まいたけ(生)4.9
エリンギ(ゆで)2.6
えのきたけ(生)0.9
ぶなしめじ(生)0.5
マッシュルーム(生)0.3

きのこは、生の状態に比べ、天日で干されたものはビタミンD含有量が増加します。きのこに当たった紫外線の作用で、ビタミンDが作り出されるためです。

ビタミンDの摂取を意識するなら、きくらげや干ししいたけのように、干物のきのこを活用するとよいでしょう。

生の状態でも、まいたけやエリンギのようにビタミンDが多めのきのこもあります。

一方、ぶなしめじやマッシュルームのように含有量が少ないものもあるため、きのこ料理をするなら、きのこの種類にも気を配りたいところです。

「完全栄養食品」とされる卵は、ビタミンDも豊富で、1個あたり2.2μg前後のビタミンDが含まれます。

鶏卵のビタミンD含有量について下表にまとめます。

なお、卵のビタミンDはすべて卵黄に含まれ、卵白には含まれていません。

鶏卵の部位ビタミンD含有量(μg)
可食部100gあたり卵1個あたり※
全卵3.82.2
卵黄12.0

※1個65g(Lサイズ相当)の卵を想定し、可食部は58.5gとして概算。

卵は入手や調理が簡単で、手軽にビタミンDを補給できる食品です。

コンビニやスーパーではよく、ゆで卵なども売られているため、外出時などにも重宝します。

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ビタミンDを食品から摂るポイント

ビタミンDを食品から摂るポイント

ビタミンDは脂溶性で、かつ熱に強いビタミンです。

油を使った調理や加熱調理と相性がよいので、これらの調理法も積極的に用いてみるとよいでしょう。

ビタミンDを食品から摂る2つのポイントについて、詳しく紹介します。

加熱調理でも失われにくい

ビタミンのなかには、調理法次第で失われやすい栄養素もあります。

とくに水溶性ビタミンは、ゆで汁などに流出しやすいほか、加熱に弱く分解しやすいものもあるのです。

しかし、ビタミンDは水に溶けにくく熱にも強いため、加熱調理をしてもほとんど失われません。

例えば、煮込み料理などでも、ビタミンDの損失を気にせずに長時間加熱できます。

次に述べるように、油との相性もよいので、ビタミンDが多い魚を揚げ物にするのもおすすめです。

使える調理方法の幅が広いので、ビタミンD豊富な食材を、お好きな調理法で献立に取り入れてみるとよいでしょう。

油を使った調理で吸収されやすい

ビタミンDは油に溶けやすい性質があり、脂質と一緒に摂取すると、より体内に吸収されやすくなります。

ビタミンDが豊富な食品には、きのこや白身魚など、脂質が多くは含まれないものもあります。

こうした食材は、サラダ油やオリーブオイル、バターなど、油を使って調理するとビタミンDの吸収率を高められます。

とくに、きのこ類は炒めると油を吸いやすいので、炒め物にもおすすめです。

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そもそもビタミンDとは?

そもそもビタミンDとは?

ビタミンDは、脂溶性ビタミンに分類される栄養素です。

ほかの多くの栄養素とは異なり、ビタミンDは食品から摂取できるだけでなく、体内でも作り出されます

日光を浴びて皮膚に紫外線が当たると、ビタミンDのもととなる物質から、ビタミンDが作られるのです。

ビタミンD不足を防ぐには、食品からも摂取しつつ、適度に日光を浴びることも重要です。

日光を浴びる機会が少なかったり、日焼け対策をしていたりすると、ビタミンDが不足しやすく、とくにしっかりと食品から摂る必要があります。

下表のようにビタミンDには、主にビタミンD2(植物やきのこ由来)とビタミンD3(動物由来)の2種類があり、どちらも体内でビタミンDとして同等に働きます。

ビタミンDの種類ビタミンD2ビタミンD3
概要植物やきのこ由来のビタミンD動物由来のビタミンD
別名エルゴカルシフェロールコレカルシフェロール
主な供給源きのこ類などの食品魚や卵などの動物性食品
日光浴による皮膚での産生
体内での働きどちらも体内で活性型ビタミンDへと代謝された後、
血中カルシウム濃度の調節や骨の代謝などに関わる。

続いて、ビタミンDの役割について詳しく解説します。

ビタミンDの働き

ビタミンDは、骨の健康維持に欠かせません。

ビタミンDは、活性型ビタミンDになると、骨の成分となるカルシウムやリンの吸収を促進し、血中カルシウム濃度の調節に深く関わっているためです。

血中カルシウム濃度が低下すると、活性型ビタミンDへの変換が促進され、小腸でのカルシウム吸収率を高めたりする作用が働きます。

食品からの摂取や適度な日光浴により、ビタミンDが十分にあると、こうした調節機能がしっかりと働き、骨の健康維持に役立つのです。

また、血中のカルシウム濃度調節は、神経伝達や筋肉の収縮を正常に保つうえでも欠かせません。

ほかにもビタミンDには、免疫機能を保ったり、精神のバランスを整えたりする働きがあることも分かってきており、さかんに研究が行われています。

ビタミンDの不足や過剰摂取の影響

日本人の食事摂取基準(2020 年版)には、ビタミンDの不足や過剰摂取の影響として、以下のようなものが記載されています。

ビタミンDの摂取状況影響
欠乏くる病(小児)
骨軟化症(成人)
不足低カルシウム血症
骨粗しょう症や骨折のリスク
過剰高カルシウム血症
腎障害
軟組織の石灰化

※「不足」は「欠乏」より不足の程度が軽いものを指す。

ビタミンDは、不足しても問題ですが、過剰摂取にも注意が必要です。

ただし、過剰摂取は通常の食品からは起こりにくく、サプリメントなどで必要以上に摂りすぎると問題になることがあります。

サプリメントは、製品に記載された目安量を守って服用しましょう。

とくに、子どもは耐容上限量が少なくサプリメントなどで過剰摂取になりやすいことに注意しましょう。

消費者庁も「サプリメント形状の食品は成人向けの栄養成分量であることが多く、子どもが摂取すると過剰摂取になることがある」との注意喚起をしています。

子どものビタミンDの耐容上限量は、1〜2歳では20μg/日、3〜7歳では30μg/日です。

サプリメントやゼリータイプの栄養機能食品などは、1回分で子どものビタミンD耐容上限量を超えることもあるので、成分量を確認して慎重に与えましょう。

参考:未成年者におけるビタミンDを含む加工食品の摂取状況の調査結果等について | 消費者庁

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