鉄分が多く含まれた飲み物には、鉄分を強化した飲むヨーグルトや野菜・果物ジュース、ココア、豆乳、青汁、サジージュースなどがあります。
マテ茶やルイボスティーなど、鉄分を比較的多く含むお茶を普段のお茶の代わりに飲むのもおすすめです。
本記事では、鉄分摂取におすすめの飲み物を紹介します。
効果的に鉄分を摂れる飲み物の選び方や、鉄分の不足や摂取における基礎知識も解説しますので、ぜひご参考ください。
鉄分摂取におすすめの飲み物

鉄分を摂取できる飲み物は多くあり、コンビニやスーパーで手に入るものもあります。
食べ物からの摂取だけで1日の推奨量を満たすのが難しいときにも、飲み物であれば手軽に取り入れられます。
この章では、「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」も参考に鉄分摂取におすすめの飲み物を紹介します。
鉄分が強化された市販の飲み物は、鉄を含有する「栄養機能食品」の表示も参考にしてみてください。
栄養機能食品は、栄養素の機能を製品に定型文で表示できる制度です。
飲むヨーグルト
飲むヨーグルトには、鉄分を強化した製品も販売されています。
鉄分を強化した飲むヨーグルトの鉄分含有量は、コップ1杯(約180~190g)で7~11mg程度のものが多いです。
ただし、すべての飲むヨーグルトが鉄分を多く含むわけではありません。鉄分の添加の有無や栄養成分表示を確認して選ぶのがおすすめです。
なお、飲むヨーグルトは甘く味付けされていることが多いため、飲みすぎると糖分の過剰摂取につながる恐れがあります。製品に記載された目安量を守って飲みましょう。
野菜・果物ジュース
野菜・果物ジュースにも鉄分を強化した製品があり、1日分の鉄分をコップ1杯程度で補える製品も販売されています。
鉄分を強化した野菜・果物ジュースの鉄分含有量は、コップ1杯(約200mL)に3~7mg程度のものが多いです。
野菜と果物の比率やカロリーは製品により大きく異なるため、健康を意識するなら、原材料や栄養成分表示を確認するのがおすすめです。
ココア
ココアは、原料であるカカオに鉄分が含まれています。
ココアには、砂糖や乳製品などが含まれた「ミルクココア(調整ココア)」と、含まれていない「ピュアココア(純ココア)」の2種類があります。
ココアの粉末には、ミルクココアで100gあたり2.9mg、ピュアココアで100gあたり14.0mgの鉄分が含まれています。
鉄分不足を感じている場合、豆乳を加えてココアを作るのもおすすめです。
豆乳
豆乳は100gあたり1.2mgと鉄分が多く、低脂質・低糖質でヘルシーな飲み物です。
牛乳には鉄分がほとんど含まれていないため、豆乳に置き換えるだけで鉄分を摂取しやすくなります。
また、豆乳は牛乳よりも低カロリーなため、ダイエット中にも取り入れやすい飲み物です。
加えて、豆乳には女性ホルモンの「エストロゲン」と似た働きをすることで知られる「イソフラボン」も含まれます。
麦芽飲料
麦芽飲料は、大麦の麦芽エキスが主原料の飲み物で、見た目も味もココアによく似ており、粉末タイプを牛乳やお湯に溶かして飲むのが一般的です。
成長期の子どもを意識して、鉄分やカルシウムが強化された製品が販売されています。
鉄分を強化した麦芽飲料の鉄分含有量は、コップ1杯で3~8mg程度のものが多いです。
ただし、全ての麦芽飲料に鉄分が多いわけではないため、鉄分を多く含む「栄養機能食品」の表示も参考に、製品の鉄分含有量を見て選ぶとよいでしょう。
青汁
青汁には、粉末100gあたり2.9mgの鉄分が含まれます。
ただし、これはケールの青汁の代表値であり、製品によって鉄分含有量は大きく異なります。
青汁の主な原材料はケールや大麦若葉、ほうれん草などですが、製品によって使用する材料には違いがあるためです。
一般的な青汁の材料に加えて、鉄分を強化した製品もあるため、栄養成分表示を確認してから選ぶのがおすすめです。
黒ごまラテ
ごまを含む「黒ごまラテ」などの飲み物も鉄分摂取におすすめです。
ごまは鉄分が多く、いりごまには100gあたり9.9mgの鉄分が含まれています。
黒ごまラテは、牛乳や豆乳に混ぜる粉末タイプが市販されているほか、練りごまなどを使って作ることもできます。
アサイージュース
アサイーは、冷凍品で100gあたり0.5mgの鉄分が含まれている果物です。
「スーパーフルーツ」として知られ、甘みや酸味がほとんどなく、少し渋みのある味わいがあります。
アサイージュースも鉄分を補給できる飲み物として注目され、鉄分を強化した製品も販売されています。
鉄分だけでなくビタミンEやポリフェノールなど、豊富な栄養素や抗酸化成分が含まれることもメリットです。
鉄分の吸収率向上を狙う場合は、ビタミンCが豊富なベリーなどがミックスされたものを選ぶのがおすすめです。
プルーンジュース
プルーンは、100gあたり生で0.2mg、乾燥品で1.1mgの鉄分が含まれている果物です。
プルーンジュースも鉄分が強化された製品が多く販売されています。
また、プルーン入りの飲むヨーグルトや、他のフルーツとミックスされた製品もあり、飽きずに楽しめる点が魅力です。
鉄分以外にも、女性に嬉しいβ-カロテンや食物繊維などの栄養素が含まれています。
β-カロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康維持を助けます。ビタミンAは、不足すると肌が乾燥しやすく、美容のためにも欠かせません。
サジージュース
サジーは、栄養素が豊富なことで知られているグミ科の植物です。
国内ではジュースが市販されており、鉄分などの栄養を摂取できる飲み物として注目されています。
サジージュースの鉄分含有量は、100gあたり4mg程度のものが多いです。
サジージュースには鉄分以外にも、ビタミンC、ビタミンE、カリウム、有機酸、アミノ酸などが豊富に含まれています。
トマトジュース
トマトジュースには100gあたり0.3mgの鉄分が含まれています。
鉄分の含有量はそこまで多くありませんが、トマトには鉄分の吸収を促すビタミンCやクエン酸が含まれているのが大きなメリットです。
鉄分を摂りたいときに、食事メニューに取り入れるのもおすすめです。
マテ茶
マテ茶は、モチノキ科の樹木の葉や枝を乾燥させて作られるお茶で、鉄分やカルシウムなどのミネラルを多く含んでいます。
煎茶やほうじ茶、紅茶など、一般的な他のお茶と比べてとくに鉄分の含有量が多いことが特徴です。
マテ茶の抽出液には、一般に100gあたり0.6mg程度の鉄分が含まれています。
ほかに、ビタミンAやビタミンB群、ポリフェノールなども多く含むことから「飲むサラダ」とも呼ばれます。
ルイボスティー
ルイボスティーは、南アフリカ原産のマメ科植物「ルイボス」の葉から作られるお茶です。
ポリフェノールの一種であるフラボノイドを豊富に含んでおり、カフェインを含まず、タンニンの量が少ないことも特徴です。
ルイボスティーの茶葉の鉄分含有量は、一般的に100gあたり9~12mg程度のものが多いです。
水1Lに対して約2gほどの茶葉を煮出して飲むため、鉄分の含有量としては特別に多くはありません。
ただし、ルイボスティーは他のお茶と比較してタンニンが少ないため、鉄分不足が気になるときに普段のお茶と置き換えるのもおすすめです。
効果的に鉄分を摂れる飲み物の選び方

鉄分が多い飲み物にはさまざまな種類があるため、購入時には鉄分の含有量を参考に自身に合う飲み物を選びましょう。
この章では、鉄分が多い飲み物の効果的な選び方を解説します。
鉄分の含有量や栄養機能食品の表示をチェックする
鉄分を多く含む飲み物は、以下のような基準で選ぶとよいでしょう。
- 鉄分を含む「栄養機能食品」の表示がある飲み物
- 鉄分を強化したことをうたっている飲み物
- 栄養成分表示で鉄分の含有量が多い飲み物
鉄分の含有量は飲み物によって異なるため、1日に摂取すべき鉄分量を参考に選びましょう。
推奨される鉄分の1日あたりの摂取量は以下のとおりです。
| 性別・特性 | 年齢 | 推奨量 (mg/日) |
|---|---|---|
| 女性 (月経がある場合) | 18~29歳 | 10.0 |
| 30~64歳 | 10.5 | |
| 女性 (月経がない場合) | 18~74歳 | 6.0 |
| 75歳以上 | 5.5 | |
| 妊娠初期 | +2.5 | |
| 妊娠中期・末期 | +8.5 | |
| 授乳期 | +2.0 | |
| 男性 | 18~29歳 | 7.0 |
| 30~49歳 | 7.5 | |
| 50~74歳 | 7.0 | |
| 75歳以上 | 6.5 | |
出典:鉄の食事摂取基準(PDFファイル)|日本人の食事摂取基準(2025 年版)
+が付いた数値は通常の摂取量に追加して摂取すべき「付加量」
推奨される1日あたりの鉄分摂取量は、性別や年齢、月経の有無や妊娠期などの特性によって異なります。
鉄分を多く含む飲み物を取り入れる際は、食事からの鉄分摂取量も加味してください。
鉄分の吸収を助ける成分に注目する
飲み物に含まれる鉄分の吸収は、ビタミンC・クエン酸・たんぱく質などと一緒に摂取することで促進されます。
そのため、ビタミンCやクエン酸が含まれた飲み物を選んだり、たんぱく質を多く含む食事と組み合わせたりすると鉄分摂取に効果的です。
これは、鉄分には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があり、飲み物に含まれる鉄分は非ヘム鉄であることが多いためです。
「ヘム鉄」は肉類や魚類に多く含まれ、吸収率の高い鉄分です。
「非ヘム鉄」は主に植物性食品由来で、卵や豆類、緑黄色野菜に多く含まれます。吸収率は低めで、一緒に食べたものの影響を受けやすい性質があります。
同時に摂取できる栄養素や成分で選ぶ
鉄分が多い飲み物は、他にも有用な栄養素や成分を含んでいるものがあります。
期待する効果や体調に合わせて、適切な栄養素が含まれた飲み物を選びましょう。
例えば、鉄分と一緒に以下のような栄養成分を含むものがよく見られます。
| 栄養素・成分 | 特徴・期待できる効果 |
|---|---|
| 葉酸 | ・ビタミンB群の一種。 ・細胞形成に関与し、赤血球の形成を助ける。 |
| ビタミンB12 | ・葉酸とともに赤血球の形成を助ける。 ・神経機能の維持にも関わる。 |
| カルシウム | ・骨や歯を丈夫にする。 ・筋肉の収縮や神経伝達にも関わる。 |
| 食物繊維 | ・腸内環境を整える。 ・便通をスムーズにする。 |
| イソフラボン | ・大豆の胚芽に多いポリフェノールの一種。 ・女性ホルモンと似た作用がある。 ・骨粗しょう症の予防に役立つとされている。 |
タンニンが多い飲み物に注意する
紅茶・緑茶・コーヒーなどに含まれる「タンニン」は非ヘム鉄の吸収を阻害する成分だといわれています。
鉄分を意識して摂る場合、タンニンの多い飲み物を避けるか、または食事の前後30分~1時間程度は空けて飲むとよいでしょう。
ただし、一般的な食事において決定的な悪影響はないとされており、タンニンへの過度な心配は不要です。
鉄分の不足や摂取についての基礎知識

鉄分の不足は鉄欠乏性貧血などを引き起こす可能性があります。日頃から適切な量の摂取を心がけましょう。
この章では、鉄分の不足や摂取についての基礎知識を紹介します。
鉄分不足は「鉄欠乏性貧血」を引き起こす
鉄欠乏性貧血は、赤血球細胞内のたんぱく質「ヘモグロビン」を構成する鉄が不足して起こる貧血です。
ヘモグロビンは、酸素を体中に運搬する働きがあり、減少すると倦怠感やめまい、頭痛などの症状が現れます。
貧血のほとんどが鉄欠乏性貧血であるといわれており、放置すると症状悪化の恐れもあるため、注意が必要です。
女性は鉄分不足になりやすい
女性は、月経の出血により鉄分不足になりやすく、月経期間は普段より、1日あたりの鉄の損失が約0.5mg多くなります。
鉄分は日々の排泄でも失われていくため、日頃から意識して摂取しなければなりません。
吸収率を高める成分と一緒に摂取したり、鉄分を含む食材や飲み物を組み合わせたりして取り入れましょう。
鉄分の吸収を阻害する成分に注意
すでに解説したタンニン以外にも、鉄分の吸収を阻害する成分があります。
| 鉄分の吸収を阻害する成分 | 含まれている食品例 |
|---|---|
| リン酸塩 | インスタント食品・スナック・清涼飲料水 |
| 不溶性食物繊維 | 芋類・きのこ・ごぼう |
不溶性食物繊維は、重要な栄養素であるものの、摂取しすぎると鉄分が一緒に排出されるため過剰摂取に注意しましょう。
まとめ
鉄分を多く含んだ飲み物は、手軽に鉄分を取り入れたいときに便利です。
鉄分が強化された栄養機能食品を活用したり、牛乳を豆乳に置き換えたり、マテ茶やルイボスティーを取り入れたりするだけでも、鉄分不足の予防に役立ちます。
月経時や妊娠中期・末期の女性は、とくに意識して摂取するのがおすすめです。鉄分の吸収促進に役立つビタミンCやクエン酸なども献立に取り入れながら、効率の良い摂取を目指してみてください。













