目次
ビタミンB12は、植物性食品にはほとんど含まれず、魚介類・肉類・卵などの動物性食品に偏って存在する栄養素です。
ビタミンB12には、主に以下のような特徴があります。
- 赤血球の生成に関わる。神経機能や血管の健康維持を助ける。
- 摂取の目安量は男女ともに1日あたり4.0μg。
- 動物性食品の摂取量が少ない人や胃の機能が弱まっている人は不足しやすい。
- 水溶性ビタミンのため、生食や、スープなどで汁ごと摂取すると効果的。
この記事では、ビタミンB12を多く含む食べ物と、主な働きや不足による影響、1日の摂取の目安量を紹介します。
ビタミンB12を多く含む食べ物

この章では、ビタミンB12が多く含まれる食品のランキングを掲載した後、魚介類・肉類・卵類・海藻類に分けて、具体的な食品例や含有量を紹介します。
なお本記事では、食品の栄養価を「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より引用しています。
含有量が多い食べ物ランキングTOP100
日本食品標準成分表に掲載された食品のうち、ビタミンB12を多く含む食べ物TOP100のランキング表を掲載します。
| 順位 | 食品名 | 含有量 (μg) |
|---|---|---|
| 1 | めふん(しろさけの背わたの塩辛) | 330.0 |
| 2 | しじみ(水煮) | 82.0 |
| 3 | いわのり(素干し) | 69.4 |
| 4 | しじみ(生) | 68.0 |
| 5 | 味付けのり(あまのり) | 67.9 |
| 6 | 田作り(かたくちいわし) | 65.0 |
| 7 | あさり(缶詰・水煮) | 64.0 |
| 8 | あゆ(天然・内臓・生) | 60.0 |
| 9 | あかがい(生) | 59.0 |
| 9 | あげまき(生) | 59.0 |
| 11 | 焼きのり(あまのり) | 56.7 |
| 12 | やつめうなぎ(干しやつめ) | 55.0 |
| 13 | すじこ(しろさけ) | 54.0 |
| 14 | 牛レバー(生) | 53.0 |
| 15 | あゆ(天然・内臓・焼き) | 50.0 |
| 16 | ほっきがい(生) | 48.0 |
| 17 | しろさけ(イクラ) | 47.0 |
| 18 | はまぐり(つくだ煮) | 45.0 |
| 19 | あさり(生) | 44.8 |
| 20 | 鶏レバー(生) | 44.0 |
| 21 | あおのり(素干し) | 41.6 |
| 22 | かたくちいわし(煮干し) | 41.0 |
| 23 | ほしのり(あまのり) | 39.6 |
| 24 | あんこう(きも・生) | 39.0 |
| 25 | あおさ(素干し) | 37.2 |
| 26 | あさり(缶詰・味付け) | 36.0 |
| 27 | はまぐり(焼き) | 33.0 |
| 28 | かき(くん製油漬缶詰) | 32.0 |
| 29 | かき(養殖・フライ) | 30.0 |
| 30 | まいわし(丸干し) | 29.0 |
| 31 | からすみ(ぼら) | 28.0 |
| 31 | かじか(生) | 28.0 |
| 31 | はまぐり(生) | 28.0 |
| 31 | かじか(水煮) | 28.0 |
| 35 | ほたるいか(くん製) | 27.0 |
| 36 | さるぼう(味付け缶詰) | 25.0 |
| 36 | うるめいわし(丸干し) | 25.0 |
| 36 | 豚レバー(生) | 25.0 |
| 39 | きびなご(調味干し) | 24.0 |
| 39 | 豚レバー(スモーク) | 24.0 |
| 39 | かき(養殖・水煮) | 24.0 |
| 42 | たらこ(焼き) | 23.0 |
| 42 | かき(養殖・生) | 23.0 |
| 44 | かつお削り節 | 22.0 |
| 44 | まさば(焼き) | 22.0 |
| 44 | 牛じん臓(生) | 22.0 |
| 44 | まいわし(焼き) | 22.0 |
| 44 | サケ節(しろさけ) | 22.0 |
| 49 | なまり節(かつお) | 21.0 |
| 49 | 牛小腸(生) | 21.0 |
| 51 | はまぐり(水煮) | 20.0 |
| 52 | キャビア(塩蔵品) | 19.0 |
| 52 | ちょうせんはまぐり(生) | 19.0 |
| 52 | まさば(水煮) | 19.0 |
| 55 | たらこ(生) | 18.0 |
| 55 | ほたてがい(水煮) | 18.0 |
| 55 | いわし缶詰(油漬) | 18.0 |
| 55 | まいわし(水煮) | 18.0 |
| 55 | たにし(生) | 18.0 |
| 60 | まいわし(塩いわし) | 17.0 |
| 60 | ごまさば(焼き) | 17.0 |
| 60 | にしん(生) | 17.0 |
| 60 | いかの塩辛 | 17.0 |
| 60 | ほたるいか(つくだ煮) | 17.0 |
| 65 | こい(養殖・内臓・生) | 16.0 |
| 65 | さんま(皮つき・生) | 16.0 |
| 65 | まいわし(生) | 16.0 |
| 65 | いわし缶詰(水煮) | 16.0 |
| 65 | さんま(皮つき・焼き) | 16.0 |
| 65 | かつお裸節 | 16.0 |
| 65 | たたみいわし | 16.0 |
| 65 | まいわし(生干し) | 16.0 |
| 65 | かじか(つくだ煮) | 16.0 |
| 74 | あさり(つくだ煮) | 15.0 |
| 74 | めざし(生) | 15.0 |
| 74 | さんま(皮なし・生) | 15.0 |
| 74 | にしん(くん製) | 15.0 |
| 74 | とびうお(焼き干し) | 15.0 |
| 74 | かつお節 | 15.0 |
| 74 | 豚じん臓(生) | 15.0 |
| 74 | かたくちいわし(みりん干し) | 15.0 |
| 82 | まいわし(フライ) | 14.0 |
| 82 | ほたるいか(ゆで) | 14.0 |
| 82 | まいわし(みりん干し) | 14.0 |
| 82 | ごまさば(水煮) | 14.0 |
| 82 | かたくちいわし(生) | 14.0 |
| 82 | うるめいわし(生) | 14.0 |
| 82 | ほたるいか(生) | 14.0 |
| 82 | アンチョビ(缶詰) | 14.0 |
| 90 | いたやがい(養殖・生) | 13.0 |
| 90 | むろあじ(生) | 13.0 |
| 90 | とびうお(煮干し) | 13.0 |
| 90 | しゃこ(ゆで) | 13.0 |
| 90 | むろあじ(焼き) | 13.0 |
| 90 | めざし(焼き) | 13.0 |
| 90 | まさば(生) | 13.0 |
| 90 | いわし缶詰(味付け) | 13.0 |
| 90 | にしん(身欠きにしん) | 13.0 |
| 90 | ごまさば(生) | 13.0 |
| 100 | さば水煮(たいせいようさば) | 12.0 |
| 100 | あゆ(天然・焼き) | 12.0 |
| 100 | するめ(いか加工品) | 12.0 |
| 100 | あわび(塩辛) | 12.0 |
| 100 | べったら漬(だいこん) | 12.0 |
| 100 | さんま缶詰(味付け) | 12.0 |
| 100 | さば缶詰(水煮) | 12.0 |
| 100 | いわし缶詰(かば焼) | 12.0 |
| 100 | 牛ハツ(生) | 12.0 |
| 100 | さんま缶詰(かば焼) | 12.0 |
| 100 | そうだがつお(生) | 12.0 |
| 100 | くさや(むろあじ) | 12.0 |
魚介類
魚介類、とくに貝類には、ビタミンB12が非常に豊富に含まれています。
魚介類のビタミンB12含有量
| 食品名 | 100gあたり (μg) | 目安量あたり (μg) |
|---|---|---|
| あさり(生) | 44.8 | 17.9(40g) |
| あさり(缶詰・水煮) | 64.0 | 19.2(30g) |
| しじみ(生) | 68.0 | 13.6(20g) |
| かき(生) | 23.0 | 11.5(50g) |
| まさば(焼き) | 22.0 | 17.6(80g) |
| さんま(焼き) | 16.0 | 12.8(80g) |
| たらこ(焼き) | 23.0 | 4.6(20g) |
ビタミンB12は、あさりやさばなどに豊富に含まれます。
調理が難しい場合は、水煮の缶詰などを利用するのもおすすめです。
肉類
ビタミンB12は肉類のなかでも、とくにレバーに多く含まれます。
肉類のビタミンB12含有量
| 食品名 | 100gあたり (μg) | 目安量あたり (μg) |
|---|---|---|
| 牛レバー(生) | 53.0 | 42.4(80g) |
| 牛タン(生) | 3.8 | 3.8(100g) |
| 牛肩ロース肉(赤身・生) | 2.1 | 2.1(100g) |
| 牛ヒレ肉(赤身・生) | 2.0 | 2.0(100g) |
| 豚レバー(生) | 25.0 | 20.0(80g) |
| 豚タン(生) | 2.2 | 2.2(100g) |
| 鶏レバー(生) | 44.0 | 35.2(80g) |
レバーほど豊富ではなくとも、ビタミンB12は肉類全般に含まれています。
ひとつの食品に偏らず、さまざまな食べ物から少しずつ摂取しましょう。
卵類
ビタミンB12は卵類にも含まれます。
卵類のビタミンB12含有量
| 食品名 | 100gあたり (μg) | 目安量あたり (μg) |
|---|---|---|
| 鶏卵(卵黄・生) | 3.5 | 0.7(1個・20g) |
| 鶏卵(全卵・生) | 1.1 | 0.7(1個・60g) |
| うずら卵(全卵・生) | 4.7 | 2.4(5個・50g) |
| うずら卵(水煮缶詰) | 3.3 | 1.7(5個・50g) |
ビタミンB12は、卵黄に含まれており、卵白にはほとんど含まれません。
100gあたりではうずらの卵に多く含まれますが、鶏卵と比較してカロリーや脂質が多いので、食べすぎには注意が必要です。
海藻類
ビタミンB12は、穀類、いも類、豆類、種実類、野菜類、果実類、きのこ類などの植物性食品にはほとんど含まれていません。
例外的に、一部の海藻類に多く含まれるため、含有量を以下に示します。
海藻類のビタミンB12含有量
| 食品名 | 100gあたり (μg) | 目安量あたり (μg) |
|---|---|---|
| 焼きのり | 56.7 | 1.7(全形1枚・3g) |
| 味付けのり | 67.9 | 2.0(8切8枚・3g) |
| 青のり | 41.6 | 0.4(小さじ1・1g) |
海藻類では、焼きのりや青のりのほか、あおさや岩のりにもビタミンB12が含まれます。
こんぶやひじき、わかめなど、他の海藻にはほぼ含まれません。
焼きのりなどの海藻は、ビタミンB12を摂取できる数少ない植物性食品ですが、日常的にたくさん食べやすい食品ではありません。
動物性食品を避けるベジタリアンやヴィーガンの方は、サプリメントや栄養機能食品を活用してもよいでしょう。
ビタミンB12の効果的な摂り方と調理のコツ

ビタミンB12は、光や酸素で酸化されやすい・水に流出しやすいといった性質をもち、摂り方にコツがある栄養素です。
ここでは、ビタミンB12を含む食品の効果的な摂り方と調理する際のコツを解説します。
スープ・炒め物・揚げ物か生食がおすすめ
ビタミンB12は水に溶けやすいため、スープのように水分ごと摂取できる調理法がぴったりです。
ほかに、炒めたり揚げたりする調理法も比較的損失を抑えやすいためおすすめです。
ビタミンB12を含む食材によっては、他の調理法と比較して、電子レンジでの加熱で減少しやすいという検証結果も挙げられています。
少しでも損失を避けたいなら、電子レンジ調理を避けると効果的です。
※参考:東京農業大学「食品に含まれるビタミンB12の特性と調理損失」2016年
なお、加熱や水への流出によるビタミンB12の減少を防ぐには、生食も最適な食べ方のひとつです。
新鮮な魚介類や卵が手に入ったら、刺身や生卵などで食べるのもよいでしょう。
また、海苔などの乾物は、酸化を防ぐため、しっかりと密閉して暗い場所に保管しましょう。
葉酸など他のビタミンB群も一緒に摂る
ビタミンB群には、B12だけでなく、B1・B2・B6・葉酸・ナイアシン・パントテン酸・ビオチンの全8種類があります。
いずれも体内の代謝に重要なため、B12以外のビタミンB群も不足しないように気を付けましょう。
とくに葉酸はビタミンB12とともに、後述する赤血球の生成を助ける栄養素です。
そのため、ビタミンB12だけでなく、ビタミンB群が多く含まれる食べ物を意識して献立を考えるとよいでしょう。
食材からの摂取が難しいときはサプリメントなどを利用
ビタミンB12を多く含む食材を食べるのが難しいときは、ビタミンB12が配合された栄養機能食品やサプリメントなどで摂取するのがおすすめです。
栄養機能食品やサプリメントを利用する際も、他のビタミンB群を一緒に含んでいるものだとなお効果的です。
ただし、栄養機能食品やサプリメントのように個別の栄養素が添加された製品は、複数製品の併用で過剰摂取になることがあります。
摂取目安量を守り、同一成分を重ねて摂取しないように注意しましょう。
体調や体質で気になることがあるときや、疾患を抱えていて薬を服用しているときには、医師に相談してから利用してください。
ビタミンB12の働きと不足による影響

ビタミンB12は、酵素の働きをサポートする補酵素として、体内のさまざまな代謝機能に関わっています。
この章では、ビタミンB12の主な働きと不足による影響について解説します。
赤血球の生成を助ける
ビタミンB12は、葉酸とともに赤血球の生成を助け、造血のために欠かせない栄養素です。
ビタミンB12と葉酸は、細胞のDNA合成に必須のビタミンです。
欠乏すると、動悸や息切れ、倦怠感、ふらつきやめまいなどの症状を伴う巨赤芽球性貧血を引き起こすことがあります。
神経機能の健康維持を助ける
ビタミンB12は、神経機能の健康維持に関わっています。
ビタミンB12には、神経細胞を含めた、細胞の構成成分(核酸やリン脂質など)の合成をサポートする働きがあるためです。
とくに、末梢神経の健康維持には重要とされており、不足すると、手足のしびれや筋力低下などの影響が現れることもあります。
血管の健康維持を助ける
ビタミンB12は、血管の健康維持にも重要な栄養素です。
その鍵となるのが、アミノ酸の一種「ホモシステイン」です。
血液中のホモシステインが増えすぎると、血管に負荷をかけ、動脈硬化の一因になるといわれています。
ビタミンB12は葉酸とともに、ホモシステインの代謝(分解)に関わり、ホモシステインの適正な量の維持を助けています。
ビタミンB12摂取の目安量と摂取状況

この章では、1日あたりのビタミンB12摂取量の目安と、日本での実際の摂取状況を解説します。
1日あたりのビタミンB12摂取の目安量
成人では男女ともに、ビタミンB12摂取の目安量が、1日あたり4.0μgに設定されています(妊婦、授乳婦でも同量)。
1日の目安量4.0μgは、あさりの身(缶詰・水煮)なら約6.3g分の含有量に相当し、あさりの味噌汁1杯で十分に補えます。
ただし、ビタミンB12は胃から分泌される内因子を介した、特殊な吸収機構をもちます。
一度にたくさん摂取しても一定以上は吸収されないため、3食を通して少しずつ摂るとよいでしょう。
ビタミンB12の摂取状況
厚生労働省の調査によると、日本人のビタミンB12摂取状況は、全年代で基準とされる目安量を上回っていることがわかります。
※参考:厚生労働省「国民健康・栄養調査」
ビタミンB12は、卵や乳類を含む動物性食品に含まれるほか、腸内細菌によっても合成されます。また、通常は数年分が肝臓に蓄えられています。
偏りのない食生活を送る健康な人であれば、不足する心配はほとんどありません。
ビタミンB12が不足しやすい人

この章では、どのような人にビタミンB12の不足が起こりやすいのかを紹介します。
動物性食品の摂取量が少ない人
動物性食品の摂取量が極端に少ない人は、ビタミンB12が不足しやすいです。
ビタミンB12は基本的に動物性食品に含まれ、植物性食品にはほぼ含まれません。
健康な成人では、2〜3mgのビタミンB12が肝臓に貯蔵されます。一時的に動物性食品を摂らなくても、数年間は貯蔵された分で補えます。
しかし、ベジタリアンやヴィーガンなど、継続的に動物性食品の摂取量が少ない、またはまったく摂らない人は、食事からのビタミンB12が不足し、欠乏するリスクが高まります。
このような場合は、サプリメントなどで補うとよいでしょう。
胃の病気などで機能が弱まっている人
胃の病気などで機能が弱まっている人は、ビタミンB12の吸収不良が起こり、不足しやすくなります。
ビタミンB12は、食べ物に含まれるたんぱく質と結合しており、胃で分泌される胃酸やペプシンという消化酵素によって切り離されます。
その後、胃壁から分泌される糖たんぱく質との複合体となり、小腸で吸収されます。
このため、胃酸の分泌を抑える薬や、腸からの吸収を抑える薬などを服用している人は、ビタミンB12不足になりやすいです。
また、病気により胃を切除した人や、内因子がうまく働かない病気の人も、ビタミンB12の吸収不良が起こりやすくなります。
不足の心配がある人は、主治医に相談しましょう。
まとめ
ビタミンB12は、魚介類・肉類・卵などに多く含まれています。
他のビタミンB群を含む食材と一緒に、スープ・炒め物・揚げ物・生食などの調理方法で摂取するとより効果的です。
ビタミンB12は体内のさまざまな代謝に関わっており、不足すると体にさまざまな影響が出ることもあり注意が必要です。ただし、偏りのない食生活を送っていれば、通常は不足の心配はほとんどありません。
動物性食品を摂らない方は、栄養機能食品やサプリメントなども活用しながら摂り入れるようにしましょう。













