サジーの効果とは?スーパーフルーツと呼ばれる奇跡の効能を紹介

サジーの効果とは?スーパーフルーツと呼ばれる奇跡の効能を紹介

サジーは日本ではなじみの薄い果物です。知っていても、「サジーは貧血に効く果物」といった程度の認識しかない人も多いのではないでしょうか。

じつは、サジーは数多くの栄養素を含んだスーパーフルーツで、多様な効果があるといわれています。

この記事では、サジーの基礎知識や栄養価を紹介し、サジーが持つ効果について詳しく解説します。

この記事では、普段あまり馴染みのないデーツの基本情報から、含まれる栄養素、美味しい食べ方などをご紹介します。ぜひご覧いただき、より健康的かつ楽しい食生活を作り上げる参考にしてみてください。

サジーとは?

サジーとは?

サジーはグミ科の植物で、ユーラシア大陸の広い範囲に生育し、中国では沙棘(サジー)、英語圏ではSea-buckthornやSeaberryと呼ばれています。

空気中の窒素を栄養として取り込む「フランキア菌」が根に共生しているため、養分の乏しい厳しい環境でも自生できる植物です。

サジーは、9〜10月の間に5mm〜1cm程度の小さなオレンジ色の実を付けます。非常に酸味が強いので、ジュースにして飲まれることが多いです。

神話にも登場する歴史ある果物

サジーは歴史が深い果物で、3000年前のギリシャ神話では、伝説の馬ペガサスのお気に入りだったとの逸話も残っています。

学名のHippophae rhamnoides(ヒッポファエ・ラムノイデス)のHippophaeは、ラテン語で「輝く馬」という意味で、馬がサジーを食べて毛並みが輝くようになったとされることに由来します。

また、モンゴル帝国を築き上げたチンギスハンは、サジーに疲れや傷を癒す効果があることを知り、英気を養うためにサジーを定期的に摂取したといわれています。

さらに、中国四大美人の一人である王昭君(おうしょうくん)はサジーを飲むことで美を保っていたそうです。

このように、サジーは昔から人々に愛されてきた果実です。

サジーの主な栄養素

サジーは小豆くらいの大きさですが、その中にはたくさんの種類の栄養素が含まれています。

実をそのまま食べることは少ないので、よく摂取されるジュースの栄養素で代表的なものを表しました。30〜40代女性の所要量と比較してみてみましょう。

サジージュースの栄養成分

栄養素など100gあたりの
含有量
30~40代女性の
所要量
エネルギー59kcal1750~2350kcal
たんぱく質0.8g50g
アミノ酸バリン22.8mg
ロイシン28.1mg
イソロイシン16.5mg
アスパラギン酸268.1mg
トリプトファン4.56mg
脂質0.98g39~78g
不飽和脂肪酸オレイン酸0.35g
リノール酸0.11g
リノレン酸0.04g
炭水化物10.0g219~382g
食物繊維0.6g18g以上
4.13mg6.5mg(月経なし)
10.5mg(月経あり)
カリウム150mg2000mg
カルシウム46mg550mg
ビタミンA63μg500μg
カロテノイドα-カロテン163.7μg
β-カロテン661.3μg
ビタミンC254.5mg100mg
ビタミンE4.0mg5.5mg
ビタミンK5μg150μg
リンゴ酸2213mg
キナ酸1479mg

出典:日本サジー協会「サジージュースの成分分析一覧」
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

鉄分やビタミンEは、コップ1杯(200g程度)のサジージュースを飲むだけで、1日の必要量を満たせます。

とくに鉄分は、なかなか摂りにくく吸収も悪いので、手軽に摂れるのはよい点です。

ビタミンCは、コップ半分(100g程度)のサジージュースでも所要量の倍以上を満たせますが、水溶性のビタミンなので、一度に摂っても余剰分は体外に流れ出てしまいます。こまめに摂るようにしましょう。

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サジーに期待できる主な効果

サジーに期待できる主な効果

多くの栄養素が含まれるサジーには、さまざまな効果が期待できます。

ここでは、サジーに期待できる、体への8つの効果を紹介します。

貧血を軽減

サジーには鉄が豊富に含まれているため、鉄欠乏が原因の貧血に効果があります。

植物性食品に含まれている鉄は「非ヘム鉄」で、動物性食品に多く含まれている「ヘム鉄」に比べると体への吸収率が落ちます。

しかし、サジーには鉄の吸収を高めてくれるビタミンCも多く含まれているため、植物性食品の中では効率よく鉄を摂取しやすいでしょう。

ストレス緩和

心身がさまざまな要因でストレスを受けると、解消のためにビタミンやミネラルの消費が増えます。

サジーは多くのビタミン・ミネラルが含まれており、ストレスで増えた活性酸素なども減らしてくれるでしょう。

とくに、ビタミンCはストレスホルモンの分泌を軽減し、ストレスに対処する抗ストレスホルモンの分泌を促進するといわれています。

また、サジーに多い必須アミノ酸のトリプトファンは、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを作る材料です。

美肌効果

サジーには、美肌効果のあるビタミンA・C・Eが豊富に含まれています。この3種類すべてを豊富に含んでいる果物は、なかなかありません。

さらに、ビタミンK・不飽和脂肪酸・抗酸化物質・カロテノイドなど、さまざまな成分が含まれています。これらの成分も、肌の健康を促進し、保護する効果が期待されます。

サジーは古くから、肌の保護や再生を目的として摂取されてきた果物です。その効果は美容に限らず、火傷や炎症の治療にも利用されてきました。

サジーに含まれるオメガ6脂肪酸(リノール酸など)は湿疹を軽減し、肌の乾燥やニキビの改善にも役に立つといわれています。

更年期症状の緩和

更年期になると女性ホルモンのバランスが乱れ、さまざまな症状が現れかねません。のぼせやほてり・倦怠感・イライラ・気分の落ち込みなどがその代表的な症状です。

これらの症状を和らげるには、栄養バランスを整えることが重要です。

サジーは、不足しがちなビタミンの補給に適しています。とくにビタミンEやCは、女性ホルモンの分泌にも深く関連する栄養素です。

また、サジーは果物でありながら、カルシウムが非常に多い食品です。女性ホルモンの減少で起こりやすい骨粗しょう症の予防にも、サジーは役立つでしょう。

疲労回復

サジーには、鉄、必須アミノ酸、リンゴ酸などが含まれており、疲労回復効果が期待できます。

酸素を体中に運ぶヘモグロビンを作るには、鉄が必要です。

鉄が不足すると、ヘモグロビンも減って疲れやすくなるため、食品からの補給が欠かせません。

また、有機酸の一種であるリンゴ酸は、エネルギー産生を助けるとされており、疲労の回復が見込める成分です。

体内で作れない必須アミノ酸も、疲労を防ぐために重要な栄養素であり、サジーには9種類すべての必須アミノ酸が含まれています。

とくに、バリン・ロイシン・イソロイシンの3種は、筋肉中のアミノ酸の約40%を占め、運動時の持久力を高めたり、疲労の回復を早めたりする効果があります。

冷え・むくみ改善

冷えやむくみの症状は、血液循環がとどこおることで引き起こされます。つまり、血液が手足の先まで効率よく届かず、さらに体内で老廃物が溜まってしまうことが原因です。

サジーに含まれるビタミンEは、毛細血管を拡張して血流を促進するため、温かい血液を末端まで届ける手助けをします。

また、サジーに豊富な鉄は、体内で生じる老廃物のひとつである二酸化炭素を運ぶ、ヘモグロビンの材料です。

さらにサジーには、むくみを改善する効果があるカリウムが豊富に含まれています。

体内では、ナトリウム(塩分)とカリウムのバランスが保たれています。

ナトリウムは、体内で水分を貯めこもうとしますが、カリウムの摂取により尿と一緒に排出されるため、結果としてむくみが改善されるのです。

心疾患予防

サジーには、心疾患などの予防に役立つ「フィトステロール」が豊富に含まれています。

フィトステロールは、植物に特有の脂溶性物質で、抗酸化・抗炎症作用を持つ成分です。

さらに、分子の構造がコレステロールに似ているため、食事からのコレステロール吸収を抑える働きもあります。

こうした作用が、コレステロールの酸化や血管への蓄積を防ぎ、心臓や血管の健康維持に役立ちます。

血糖値の調整

サジーには、血糖値の調整をする効果が期待されています。

動物実験の段階ですが、サジーによりインスリンの分泌能力と感受性(効きめ)が高まり、血糖値が下がる可能性が示唆されているのです。

また、サジーに含まれるリンゴ酸にも、血糖値を下げる作用があるとされています。

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サジーを摂るときの注意点

サジーを摂るときの注意点

健康に役立つさまざまな効果があるサジーですが、どのような摂り方が効率的なのでしょうか。

この章では、サジーの効果的な摂取方法や注意点を紹介します。

適度な摂取量を守る

サジーは食品なので、摂取に特別な制限はありません。

体調に合わせて摂取できますが、早く効果を出したいからといって飲みすぎるのもよくありません。

サジーはあくまで食品であって薬ではないので、過度に摂取したり効果を期待したりすることは控えましょう。

強い酸味に気を付ける

ジュースや粉末として摂取することが多いサジーですが、強い酸味があるため、胃腸への刺激が強いこともあります。

心配な方は、水やお湯で薄めてから飲むようにしましょう。炭酸水や野菜ジュース、牛乳などと組み合わせてアレンジすることもできます。

ただし、血糖値の急上昇を防ぐには、炭酸水は無糖のものがおすすめです。

甘味を加えたいなら、腸内環境を整えるオリゴ糖やはちみつを使うとよいでしょう。

また、牛乳と混ぜ合わせると、酸により分離するため、早めに飲み切りましょう。

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まとめ

サジーは栄養価に優れ、とくに、鉄やカルシウム、ビタミンA・C・Eなどが豊富な果物です。

不足しがちな栄養素を手軽に補うことができ、健康や美容の面で多岐にわたる効果を発揮します。

よく知られた貧血対策の他にも、疲労の回復や冷え性の改善、美肌やストレス緩和にも有用です。

ただし、健康によいからといって飲み過ぎず、強い酸味にも気を付けて摂取しましょう。

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ザクロ(石榴・柘榴)は、多くの古代神話や伝承に登場するほど歴史の古い果物。日本では一時期健康食品としてブームになったり、海外セレブが食べていることで話題になったりしましたが、実際には「ザクロを食べたことがない」という方も多いはず。そこで今回は、ザクロの産地や旬、栄養などの基本情報から、皮のむき方や実の取り出し方、美味しく食べられるレシピまで詳しく解説します。
この記事では、疲労回復に役立つ成分の知識から、薬局やコンビニで疲労回復ドリンクを選ぶときのコツ、疲労回復ドリンクを手作りする方法などをご紹介します。飲み物で効果的に疲労を回復して、毎日の疲れの解消にお役立てください。