カリウムの多い食材は?体内での働きや体調に合わせた摂取方法も解説

カリウムの多い食材は?体内での働きや体調に合わせた摂取方法も解説

カリウムは野菜や果物をはじめ、肉、魚、豆類などさまざまな食材に含まれています。

人が生きていくうえで欠かせないミネラルの一種ですが、体質や体調によっては摂取量を制限する必要もあるため、自身の体に合わせて取り入れることが大切です。

この記事では、カリウムを多く含む身近な食材の紹介とあわせて、カリウムの体内での働きや摂取の注意点、カリウムを摂取するときのポイントを解説します。

本記事では、切り干し大根に含まれる栄養素を詳しく紹介します。おすすめのレシピと正しい戻し方も紹介しますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

カリウムの多い身近な食材一覧

カリウムの多い身近な食材一覧

カリウムは日々の健康維持に欠かせない必須ミネラルの一種です。

健康のために意識して摂取するときもあれば、体調や体質によっては制限が必要なときもあります。

いずれにしても、個々の食材のカリウム含有量を知っておくと役立ちます。

ここでは、カリウムを多く含む身近な食材を、4つのカテゴリーに分けて紹介します。

野菜・いも・きのこ類

カリウムを多く含む野菜・いも・きのこ類には、下記のような食材があります。

食品名
(生の状態)
可食部100g
当たりの
カリウム量
(mg)
1食分の目安量
(可食部)
:カリウム量
(mg)
切り干し大根350010g:350
ほうれん草69050g:350
里芋640200g:1300
さつまいも480125g:600
ブロッコリー46070g:320
れんこん44050g:220
かぼちゃ430100g:430
じゃがいも410150g:620
ぶなしめじ37050g:190
人参30075g:230

野菜の中では、とくに切り干し大根に多くカリウムが含まれています。

ただし切り干し大根は、乾燥により100gに対するカリウムの量が多く見えるだけで、1食分ではほうれん草と同程度です。

また、いも類は1食にまとまった量を食べることが多いため、カリウムを多く摂取しがちです。例えば里芋は、上記の表の中で、1食分のカリウム摂取量が一番多くなります。

カリウムの制限があるときは、いも類による過剰摂取に注意しましょう。

果物・ドライフルーツ

カリウムを多く含む果物やドライフルーツには、下記のような食材があります。

食品名
(生の状態)
可食部100g
当たりの
カリウム量
(mg)
1食分の目安量
(可食部)
:カリウム量
(mg)
ドライあんず130030g:390
ドライマンゴー110040g:440
ドライいちじく84045g:380
干しぶどう74045g:330
干し柿67040g(1個):270
アボカド59050g(1/3個):300
バナナ360120g(1本):430
メロン350120g(1/4個):420
キウイフルーツ30085g(1個):260
みかん15080g(1個):120

ドライフルーツは、乾燥させているため、100g当たりのカリウム含有量は多いです。

食べたときのかさも少なく甘くて食べやすいことから、カリウムの制限があるときは食べる量を決めて、食べ過ぎに気を付けましょう。

手軽に食べられるバナナも、比較的カリウムが多い果物です。

肉・魚

カリウムを多く含む肉や魚には、下記のような食材があります。

食品名
(生の状態)
可食部100g
当たりの
カリウム量
(mg)
1食分の目安量
(可食部)
:カリウム量
(mg)
かたくちいわし
(煮干し)
120010g:120
さわら49080g(1切れ):390
豚肉
(肩・赤身)
36060g:220

(しろさけ)
350100g(1切れ):350
牛肉
(肩・赤身)
32060g:190
鶏肉
(ささみ)
280100g:280

煮干しは100g当たりのカリウム含有量が多いですが、間食に食べる程度の量なら120mgと比較的少なめです。

1食の分量にもよりますが、豚・牛・鶏などの肉よりも、さわらや鮭を食べたときの方がカリウム摂取量は多くなりやすいでしょう。

豆類・大豆製品

豆類や大豆製品は、カリウムを多く含む食材です。

下記に、身近な豆類のカリウム量を示します。

食品名
(生の状態)
可食部
100g当たりの
カリウム量
(mg)
1食分の目安量
(可食部)
:カリウム量
(mg)
きな粉20007g(大さじ1):140
納豆
(糸引き納豆)
69040g(1パック):280
枝豆59050g:300
そら豆44030g(約5粒):130
グリーンピース34025g(豆ご飯約1食分):85

豆類の中でも、きな粉はカリウムを多く含んでおり、大さじ1程度で、1食分のみかんや煮干しよりもやや多い値です。

また、納豆に多く含まれることも特徴で、納豆を1パック食べると、鶏ささみを1食分食べたときと同量のカリウム摂取量になります。

豆類は、さまざまな献立に登場し、形状も食べやすいため、カリウムの制限があるときはあらかじめ食べる量を決めておくのもおすすめです。

参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」を元に計算

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カリウムの働きと摂取の注意点

カリウムの働きと摂取の注意点

カリウムは生命維持に欠かせない必須ミネラルの一つで、体内で合成できないため食事で補う必要があります。

ただし、カリウムはあまりに多過ぎても少な過ぎても健康に悪影響があるため、摂取量のバランスも大切です。

ここでは、カリウムの主な働きと、カリウムの過不足の影響について解説します。

カリウムは体内の塩分調節とむくみの緩和に役立つ

カリウムの主な働きは、体内における細胞の浸透圧の調整で、ナトリウムの排出を促す役割があります。

そのため、塩分摂取によりナトリウムが過剰になったときは、カリウムを摂取するとバランス調整に役立ちます。

ナトリウムの摂り過ぎはむくみの原因の一つであるため、カリウムを摂ることでむくみの緩和も期待できるでしょう。

また、こうした細胞の浸透圧の調整に伴い、血圧を下げる効果も期待されています。

カリウム不足が引き起こす症状

通常の健康的な食生活なら、カリウムが不足することはあまりなく、たくさん摂っても尿として排出されるため過剰になることもまれです。

しかし、体調不良により激しい嘔吐や下痢になったり、激しい運動で大量に汗をかいたり、利尿作用のある薬を長期間服用したりすると、体内の水分が失われると共にカリウムが不足することがあります。

カリウム不足の症状には、脱力感や食欲不振、筋力の低下、精神障害、不整脈などがあります。

腎臓の機能低下に伴うカリウム制限

一般的な食生活を送り、体調・体質に問題もなければ、カリウムの過剰摂取の心配は少ないです。

しかし、腎臓の機能が低下しているときは、カリウムの摂取量に気を付ける必要があります。

腎臓が問題なく働いていれば、摂取したカリウムはバランス調整に伴い自然に排出されますが、腎臓の機能が低下すると、カリウムが排出されず体内に蓄積されてしまうのです。

カリウムの蓄積によって高カリウム血症になると、不整脈や筋力低下、しびれ、嘔吐、下痢などの症状が現れることがあります。

そのため、腎機能が低下しているときには、カリウム摂取量を制限して過剰状態を防ぐことが大切です。

また、カリウムを含むサプリメントは過剰摂取のリスクがあるため、体調や体質に合わせて目安量を守りましょう。

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カリウム摂取のポイント

カリウム摂取のポイント

カリウムは、一般的には過不足が起こりにくい栄養素ですが、適量の摂取を心掛けることは健康維持に役立ちます。

生活習慣病の予防が期待できることから、厚生労働省によりカリウム摂取の目標量などが定められています。

この章では、1日の目安量や目標量に加えて、効率良く摂取したいときと制限が必要なときの食べ方のコツを解説します。

1日当たりのカリウム摂取量の目安

通常の食生活では、特別に意識しなくてもカリウムは十分に摂取できていることが多いです。

しかし、先述したように、体調や体質による不足や過剰摂取が心配なときには、1日の目安量を把握しておくとよいでしょう。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2025年版)では、摂取目安量に加えて、高血圧などの生活習慣病の予防に向けた目標量も設定されています。

以下は成人におけるカリウムの1日の摂取基準です。

  • 男性:目安量 2,500mg、目標量 3,000mg以上
  • 女性:目安量 2,000mg、目標量 2,600mg以上

カリウムを効率良く摂取する食べ方

カリウムが多く含まれている食材でも、調理方法によってカリウムの含有量は変化します。

カリウムは水に溶けやすい性質があるため、無駄なく摂取したいときは水を使わない調理方法がおすすめです。

野菜や果物を切ってから水にさらしたり、茹でこぼしたりすると水にカリウムが逃げてしまうため、野菜や果物は生のまま食べるか、ゆで汁や煮汁も一緒に飲むスープなどにすると効率良く摂取できます。

カリウム摂取量を減らしたいときの食べ方

カリウムの摂取量を制限する必要があるときは、カリウム含有量が多い食材を避けるほか、カリウムを減らす調理をしましょう。

効率良く摂取する方法とは反対に、食材を切って水にさらしたり、茹でこぼしたりすることで、溶け出したカリウムを水と一緒に流せます。

スープのように調理した水分も一緒に飲む料理には、カリウムの含有量が少ない食材を使うとよいでしょう。

また、加工食品のカリウム含有量にも注意が必要です。とくに、野菜や果物のジュースや青汁などの飲み物にはカリウムが多く含まれます。

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まとめ

カリウムは、植物性食品から動物性食品まで、さまざまな食材に普遍的に含まれているミネラルです。

野菜や果物、豆類やいも類などに、とくに多くのカリウムが含まれます。

むくみが気になるときや、汗をたくさんかいた後などの食事内容に気を付けると体調管理のうえでもメリットが期待できるでしょう。

カリウムの摂取制限があるときでも、調理方法の工夫で食べやすくなります。

カリウム摂取量を上手に調整しながら、普段の食生活で体調や体質に合わせた適量を目指しましょう。

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