目次
収穫は落花生栽培の一番の楽しみといっても過言ではありません。
収穫のベストタイミングの見極め方や成功させるコツ、収穫の手順や塩茹で・乾燥のやり方など、落花生の収穫にまつわる事柄を詳しく解説します。
落花生を収穫するときの参考にして、おいしい落花生を味わいましょう。
落花生の収穫時期

落花生を収穫できる季節と、どのくらいで収穫できるかを品種ごとに見ていきます。
落花生を収穫できるのは秋
落花生の収穫時期は品種によって差がありますが、9月~11月頃の秋となっています。
さらに具体的な収穫タイミングは、落花生の花が咲いてから約75日~95日後です。
この日数も品種によって違うので、種を買うときに説明書きを読んだり店員さんに聞いたりして、しっかり確認しておきましょう。
落花生の花は朝に咲いてその日のうちにしおれてしまいますが、約2ヶ月の間1株におよそ200~300もの花が代わる代わる咲きます。
ちなみに、落花生の発芽には20℃前後の地温が必要なため、早く種まきをすれば早く発芽する(=早く収穫できる)というわけではありません。
開花した日をメモしておいて収穫タイミングを予測するのがベストです。
品種ごとの収穫タイミング
落花生には数多くの品種がありますが、全国の収穫量の約85%を占める千葉県で主に栽培されているのは以下の5品種です。
落花生の食べ方は大きく分けて茹でる・煎るの2通りあり、茹で落花生にするのか煎り落花生にするのかで収穫時期が異なる場合があります。
郷の香(さとのか)
収穫時期は煎るなら開花から約75日後、茹でるなら開花から約70日後です。
収穫までが早く、成熟度も揃いやすい品種です。
おおまさり
収穫時期は開花から約90日後。
実の一粒がとても大きいうえに甘みが強く、ホクホクとした食感も良いのが特徴の品種です。
茹でて食べるのに向いています。
中手豊(なかてゆたか)
収穫時期は開花から約80日後。
実がやや大きめで収穫量が多く、しっかりとした甘味がある品種です。
茹でても煎ってもおいしく食べられます。
千葉半立(ちばはんだち)
収穫時期は開花から約95日後。
古くから栽培されている品種で収穫量はやや少ないものの、煎って食べるのに向いている品種です。
Qなっつ(きゅーなっつ)
収穫時期は開花から約80日後。
平成30年に品種登録された新しい品種で、甘みが強く収穫量も多い品種です。
茹でる・煎るのどちらにも適していて、今後の人気が期待できます。
落花生を収穫するタイミングの見極め方

落花生は品種によってだいたいの収穫適期は決まっているものの、気候や育て方によってベストな収穫タイミングは変わります。
収穫できる落花生の特徴
- サヤ(殻)の網目模様がくっきりしているものがサヤ全体の8割ほどになっている
- 茎や葉が黄色く変色してきた
- 下葉(落ちた葉)が枯れてきた
落花生の実が入っているサヤは土中で育って掘るまでは目視できないため、茎や葉といった直接見ることができる箇所も重要です。
開花日から予測される収穫時期と上述の収穫サインから、ベストな収穫タイミングを予想することができます。
また、収穫予定日の5日ほど前に一度、一部を試し掘りしてサヤの網目模様の発達度合いを見ます。
網目模様がまだ薄いようなら、土を戻してもう少し成長させましょう。
収穫時期は台風の季節と重なるので、天気も気にしつつ収穫タイミングを逃さないことが大事です。
収穫が早いとどうなる?
- 実が柔らかすぎる
- 実が入っていないことがある
落花生の収穫が早すぎると実が成熟しきっておらず、柔らかすぎたり実が入っていなかったりします。
ただ、人によってはあえて早めに収穫して柔らかい落花生を味わうこともあり、そういった楽しみ方ができるのも家庭菜園の醍醐味です。
収穫が遅いとどうなる?
- 実が傷む
- 風味が落ちる
収穫が遅すぎるとサヤにつながる子房柄(しぼうへい / 地中に伸びる茎)が枯れ、実が傷んで風味が落ちたり収穫量が落ちたりしてしまいます。
収穫が遅くなるとデメリットしかないので、収穫遅れにならないようにしたいところです。
落花生の収穫を成功させるコツ

落花生の収穫に大切なポイントをまとめました。
- 開花日から収穫日を予測する
- 収穫予定日の前に試し掘りをして成長具合を確かめる
- 台風や雨などの天候も考慮して収穫日を決める
開花日と試し掘りから収穫タイミングを見極めることができます。
初めてなら収穫体験をやってみて、収穫の楽しさや感覚を実体験してみるのもおすすめです。
落花生の収穫方法と乾燥・塩茹でのやり方

落花生の収穫は、株のまわりの土ごとスコップで持ち上げるように掘るのが基本です。
軽い力で引き抜くこともできますが、そうするとサヤが土中に残ってしまうことがあります。
すぐに食べずに保存する場合はとくに子房柄からサヤがちぎれないように慎重に行いましょう。
収穫後に保存する場合
収穫したばかりの生落花生(なまらっかせい)は水分が多く、カビやすいため保存に向きません。
水分が多いまま煎ってもあまりおいしくはならないので、煎って食べるときや長期保存するときは、以下の方法でしっかりと乾燥させることが大事です。
- 収穫したら土を軽くはらう
- 株をひっくり返して葉が下に、サヤが上になった状態で7日~10日ほど天日干しする(地干し)
- サヤを子房柄から切り離してバラバラにする
- 網袋に入れて風通しの良い場所に吊るして1ヶ月ほど乾燥させる
- 振ってカラカラと音が鳴るようになったらできあがり
天日干しをするときは雨に濡れないようにしたり、鳥よけのネットを使って鳥に食べられないようにしたりしましょう。
また、穴が開いているサヤは虫食いなので捨ててください。
少し手間はかかりますが、しっかり乾燥させると甘みが強くなって風味も増します。
収穫してすぐ食べる場合
収穫してすぐの生落花生は水分が多く瑞々しいのが特徴。
店頭にあまり並ぶことのない生落花生を塩茹でにしてすぐ食べられるのは自家栽培ならではです。
- 収穫したら手で土を落とし、サヤを切り離す
- ボウルに水と落花生を入れて、かき混ぜるようにして水が濁らなくなるまで洗う
- 茹でて食べる
茹でた落花生はしっとりホクホクとしていて、乾燥落花生とは違うおいしさを味わえます。
落花生の茹で方
- 鍋に水と塩(水に対し3%)を入れて沸騰させる
- サヤつきの落花生を入れて落しブタと鍋のフタをして、30分ほど茹でる
- 試しにサヤをむいて食べ、まだ硬いようならもう数分茹でる
- ザルにあけて水気を切ってから食べる
3で塩加減が足りないようなら、茹で終わってから鍋に入れたまま15分ほど置いてみてください。
落花生の保存方法と保存期間

生落花生・茹で落花生・乾燥落花生はそれぞれ保存方法と保存期間が異なります。
生のまま冷蔵保存
生落花生を袋に入れて袋の口をしばり、冷蔵庫の冷蔵室で保存します。
保存期間は約2~3日。
生落花生は水分が多く日持ちせず、時間が経つごとに風味が落ちてしまいます。
収穫したらできるだけ早く茹でるか乾燥させることでおいしくいただくことができます。
茹でて冷蔵保存
茹でた落花生を密閉できる容器か保存用袋に入れて冷蔵室で保存します。
保存期間は約1~2日。
日持ちはしないので、できるだけ早めに食べ切るのが望ましいです。
茹でて冷凍保存
サヤをむいて冷凍用の保存袋に入れ、袋の空気を抜いて冷凍庫で保存します。
保存期間は約1ヶ月。
サヤつきのままだとサヤの内部に霜がついて風味が落ちるため、サヤをむいて冷凍するのがおすすめです。
乾燥させて冷蔵保存
乾燥させた落花生は密閉できる容器か保存袋に乾燥剤と一緒に入れ、冷蔵室で保存します。
保存期間は約半年~1年。
サヤをむいておくかどうかはお好みで大丈夫です。
乾燥させて冷凍保存
冷凍用保存袋に入れて袋の空気を抜き、冷蔵室で保存します。
保存期間は約1年。
こちらもサヤつきのまま冷凍しても問題ありませんが、サヤをむいておくと解凍しやすくなります。
冷凍した落花生の解凍
落花生を解凍する方法は2通りあります。
- 600Wの電子レンジで1~2分加熱する(落花生100gの場合)
- 冷蔵庫に移して3~4時間置き、自然解凍させる
電子レンジはすぐに食べられる、自然解凍は塩味をそのままに味わえるという、それぞれ違ったメリットがあります。
まとめ
落花生の収穫時期は花がついた日から予測することができます。
収穫するときは試し掘りをしたり、台風と重なって収穫遅れにならないようにしたりするのも大事なポイント。
生落花生はしっとりしていて、塩茹でにして食べると格別のおいしさです。
この記事を参考にしてご自分で育てた落花生を存分に味わってみましょう。