目次
スーパーの青果売り場でよく目にするあまおう。
あまおうという品種は知っているけれど、産地まで把握している方は少ないのではないでしょうか。
本記事では、あまおうの産地を詳しく紹介します。
あまおうの歴史と選び方も紹介しているので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
あまおうとは

あまおうとは、福岡県のブランドいちごです。
国内いちご生産量第2位の福岡県内のみで生産され、全国で販売されています。
大きくて形の良い果実と濃厚で甘みと酸味のバランスがとれた味わいが特徴です。
1月中旬~3月末が食べ頃といわれており、最もおいしいあまおうが出回るのは1月~2月頃となっています。
あまおうや博多あまおうといった名前で販売されていますが、正式名称は「福岡S6号」です。
そのまま食べてもおいしく、スイーツやデザートの材料、贈答品などとしてもよく選ばれています。
あまおうの産地

あまおうが漠然と福岡県のいちごというイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。
あまおうは、福岡県農業試験場が開発した福岡県のブランドいちごです。
そのため、福岡県のみで栽培されており、県外での生産は2025年3月時点では行われていません。
福岡県内では、行橋市や豊前市、京都群、築上群などの産地が特に知られています。
あまおうの産地が福岡のみの理由
あまおうの生産が福岡のみで行われているのには、育成者権に理由があります。
育成者権とは知的財産権の一種で、作物の新しい品種は開発者のみが種子や苗の販売を行えるという権利です。
あまおうの育成者権は福岡県にあり(2025年1月に消滅)、福岡県が福岡県内の生産者のみにあまおうの生産を許可していたために、これまであまおうは福岡のみで栽培され続けてきました。
あまおうという名称は全国農業協同組合連合会から商標登録されており、仮にあまおうの苗を県外に持ち出し販売しようとする人が出てきたとしても、あまおうという名前での販売はできません。
あまおうの2025年問題
あまおうの育成者権は、2025年1月に消滅しました。
これまで福岡県が持っていたあまおうの育成者権が切れ、福岡県以外でもあまおうの生産が可能になる問題が、あまおうの2025年問題です。
権利上、2025年1月以降福岡県以外でもあまおうの栽培が可能になりましたが、福岡県は県内のみで生産を行う誓約書を提出した生産者のみにあまおうの苗を販売する意向を発表しています。
そのため、2025年以降にもあまおうの生産が福岡県以外で行われるかは、現在のところ不明です。
あまおうの歴史

あまおうは、「とよのか」と「てるのか」をかけ合わせた「久留米53号」を母に、「久留米49号」と「さちのか」をかけ合わせた「92-46」を父に持つ交配種です。
かつて福岡で主力だった品種「とよのか」の弱点である果実の色づきの悪さと、低温環境では果実が大きく育たないことを解消する目的で、あまおうの開発がスタートしました。
開発を始めてから約5年の試行錯誤を経て、1999年に初めて誕生し、実際に品種登録が完了したのは2005年です。
当初の目標だった「とよのか」の弱点は解消されており、寒さに強くしっかりと赤く色づくいちごへと成長しています。
あまおうの名前の由来

あまおうという名前は、「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の4つのワードの頭文字からとって名づけられました。
その名にふさわしい、赤くて大きくてまるいことが特徴のおいしいいちごです。
また、あまおうという名前には同時に「いちごの王様になってほしい」という願いも込められています。
2022年に記録は更新されてしまいましたが、2015年には重さ250グラムの巨大なあまおうが、世界一重いいちごとしてギネス記録に認定されていました。
あまおうの選び方

あまおうを購入する際の選び方を紹介します。
サイズによって味わいに違いがあるので、あまおうを選ぶ際はサイズとヘタの反り具合、先端の丸み、表面のツヤに注目してみてください。
サイズによって味わいが異なる
あまおうは、サイズによって味わいに違いがあります。
サイズ | 味わい |
---|---|
巨大なあまおう | 酸味が薄めで甘さが強め |
大粒なあまおう | 濃厚さと甘さ、酸味のバランスがとれた味わい |
小粒なあまおう | 濃厚で酸味が強め |
巨大なあまおうは酸味が薄く甘味が強い傾向があり、小粒なあまおうはやや酸味が強い傾向があります。
また、大粒なあまおうはバランスの取れた味わいが特徴で、酸味も甘味も楽しみたい方におすすめです。
味の好みがある方は、あまおうを購入する際にサイズにも注目してみてください。
おいしいあまおうを見分けるポイント
おいしいあまおうを見分けるポイントは、以下の通りです。
- ヘタの反り具合
- 先端の丸みと面積
- 表面のツヤ
鮮度が高いあまおうは、ヘタが上向きに反り、表面にツヤがあります。
ヘタが下向きだったり、表面がくすんでいたりするものは、鮮度が落ちているので避けると良いでしょう。
また、あまおうは先端の方が糖度が高い傾向があるので、先端の面積が広く丸みがあるものを選ぶことがおすすめです。
同じあまおうでも、ものによって味わいには違いがあるので、購入する際は形やツヤに注目してみてください。
あまおうのおいしい食べ方

あまおうをよりおいしく食べたい時は、以下の2つのポイントを覚えておくと良いでしょう。
- ヘタはあまおうを洗った後に取る
- ヘタ側から食べる
あまおうを洗う前にヘタを取ってしまうと、水で洗い流す際にヘタがついていた部分からあまおうのビタミンが流れ出る恐れがあります。
あまおうを食べる際は、ヘタを取る前に洗いましょう。
また、あまおうはヘタ側の方が糖度が低く、酸味が強いといわれているので、先端からではなくヘタ側から食べた方が最後までおいしく食べられます。
あまおうを食べる際は、ぜひヘタを取るタイミングと食べる向きを意識してみてください。
あまおうの保存方法

あまおうは鮮度が落ちると味が悪くなるので、購入後すぐに食べない場合は、正しい方法で保存することをおすすめします。
あまおうを日持ちさせる保存方法は、以下の通りです。
- 傷んでいるあまおうを取り除く
- 広げたアルミホイルの上に、ヘタを下向きにしてあまおうを並べる
- 並べたあまおうの上にアルミホイルを被せる
- 冷蔵庫にいれて保存する
ポイントは、あまおうを洗わずにヘタも取らずに保存することです。
水で洗ってから保存すると、拭き取り切れなかった部分からカビが生える恐れがあります。
汚れが気になっても、あまおうを洗うのは食べる直前にしましょう。
冷蔵庫で保管する際に、アルミホイルで包むことによって乾燥を防げます。
あまおうの等級

あまおうには、エクセレント(EX)とデラックス(DX)、グランデ(G)の3つの等級があります。
等級 | 糖度 | サイズ | 重量 |
---|---|---|---|
エクセレント(EX) | 14度以上 | 直径3.5cm以上 | 20g以上 |
デラックス(DX) | 13度以上 | 直径3cm以上 | 15g以上 |
グランデ(G) | 基準なし | 2.5cm以上 | 10g以上 |
あまおうの等級は、糖度とサイズ、重量で分けられ、エクセレントが最も高く、グランデが最も低い等級となっています。
スーパーで一般的に販売されているあまおうは、グランデの基準に満たないあまおうです。
あまおう以外のいちごにも等級がありますが、あまおうと一般的ないちごでは等級の基準が異なっています。
まとめ
あまおうの産地を紹介しました。
あまおうは、福岡県のブランドいちごです。
2025年1月まで福岡県が育成者権を持っており、育成者権が無くなった現在でも福岡県のみで生産されています。
おいしいあまおうを見分けるポイントは、ヘタの反り具合と先端の丸み、表面のツヤです。
見比べて購入する際は、ぜひ本記事で紹介した見分け方を参考にしてみてください。