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コシヒカリは産地によって味や香り・食感などが異なります。
コシヒカリを購入する際に、どこの産地のものを選ぶか迷う方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、代表的なコシヒカリの産地とともに、最新の食味ランキングで特Aを獲得した産地を紹介します。
産地ごとに味の違いや特徴が生まれる理由も解説しますので、自分好みのコシヒカリを見つける参考にしてみてください。
コシヒカリとは

コシヒカリは日本を代表する米の銘柄であり、全国各地で広く栽培されている品種です。
まず、コシヒカリの基本的な特徴や、誕生の歴史について見てみましょう。
コシヒカリの特徴
コシヒカリは粘りと甘みのバランスがよく、さまざまな料理と相性のよいお米です。
外観は、粒がふっくらと丸みを帯び、美しいツヤがあります。
炊きたては適度な粘り気と上品な甘みがあり、冷めてもおいしさが長続きするため、おにぎりやお弁当にも最適です。
和食などシンプルな味つけの料理と合わせると、コシヒカリの旨味が引き立ちます。
また、食感が柔らかく甘味がすっきりしているため、味つけが濃い目の料理と相性がよいこともコシヒカリの魅力です。
コシヒカリの誕生と産地の広がり
コシヒカリは数々の改良や試行錯誤を経て誕生し、日本の代表的品種として普及・定着しました。
昭和19年、新潟県の農業試験場で病気に強い「農林22号」と収量が多く食味がよい「農林1号」を交配。
その後、選抜された株が福井県の試験場で系統育成(品種の改良・育成)され、その1つが昭和28年に「越南17号」と名づけられて、各地で試作が始まります。
越南17号は昭和31年に新潟県と千葉県で奨励品種に選定され、農林100号「コシヒカリ」として登録されました。
なお、コシヒカリという名前には、誕生地である「越(こし)の国」に光り輝く品種になるようにという願いが込められています。
コシヒカリの主な産地一覧と味の特徴

コシヒカリの味が産地によって違う理由について解説していきます。
また、代表的な産地とそれぞれの味の特徴も紹介しますので、気になる産地をチェックしてみてください。
産地による味の違い
コシヒカリの味の違いは、産地ごとの栽培環境や栽培技術の違いによるものです。
とくに、以下の要素はコシヒカリの味の違いに大きく影響します。
- 気温
- 降水量
- 水質
- 土壌
一般的に、寒暖差の大きい地域で栽培されたコシヒカリは甘みが増し、粘り気が強くなるのが特徴です。
一方、温暖な地域では歯ごたえがあり、あっさりとした食感になる傾向があります。
それぞれの産地ごとに、味の特徴を見てみましょう。
魚沼産(新潟県)
魚沼産コシヒカリは、日本でもトップクラスの評価を受ける銘柄です。
豊富な雪解け水と昼夜の寒暖差が大きい気候、ミネラルを豊富に含む土壌は、米作りに最適な環境といえます。
魚沼産コシヒカリは炊き上がりのツヤがよく、強い粘りと深い旨味が特徴です。
会津産(福島県)
魚沼に隣接する会津地方のコシヒカリは、食味のバランスに優れているのが特徴です。
寒暖差の大きな盆地特有の気候に加え、養分が豊富で細かい粘土質の土壌、良質な水源を持つことなどが、コシヒカリ本来の風味を際立たせます。
会津盆地は風水害の影響を受けにくいことも、品質の安定につながっているといえるでしょう。
能登産(石川県)
日本海に面した能登地方のコシヒカリは、ミネラルを豊富に含む土壌と澄んだ雪解け水で栽培されています。
能登半島は世界農業遺産に指定されており、豊かな自然の中で育ったコシヒカリは本来の旨味が強く、炊きあがりのツヤと香りのよさが特徴です。
また、能登では多くのコシヒカリが「エコ栽培」によって育てられていることから、化学肥料や農薬の使用も従来よりも3割以上削減されています。
そのため、味わいはもちろんのこと、安心・安全な銘柄として高い評価を受けているのも、能登産コシヒカリの大きな魅力です。
丹波篠山産(兵庫県)
兵庫県の丹波篠山は「東の魚沼、西の丹波篠山」といわれるコシヒカリの名産地です。
昼夜の寒暖差が大きい高原盆地特有の気候は、米本来の旨味を引き出します。
また、丹後篠山市では多くの農家が伝統的な稲作技術や品質管理を継承し、化学肥料や農薬の使用が控えめです。
恵まれた環境と伝統的で安全な品質管理によって栽培された篠山産コシヒカリには、上品な甘みと香りがあります。
京丹後産(京都府)
京丹後産コシヒカリは昼夜の寒暖差が大きい大陸性気候と、粘土質の肥沃な土壌や清流のある恵まれた環境で栽培されています。
米粒が大きくツヤがあり、上品な甘みと柔らかな食感、しっかりした粘り気が特徴です。
京都の料亭にも使用され、贈答用としても人気があります。
【令和6年産食味ランキング】特Aを獲得したコシヒカリの産地一覧

コシヒカリの収量や味は、その年の気候などにも大きく左右されるため、毎年公表される食味ランキングを参考にするのもおすすめです。
食味ランキングでは、専門家による食味試験の結果をもとに「特A」「A」「A’」などのランクがつけられます。
2025年2月末に公表された最新ランキングで特Aを獲得したコシヒカリの産地は以下の通りです。
- 新潟県(魚沼)
- 栃木県(県北)
- 長野県(北信・東信)
- 岐阜県(美濃)
- 三重県(伊賀)
- 兵庫県(県北)
気になる産地があれば、生産者のホームページなどをチェックしてみるとよいでしょう。
おいしいコシヒカリの選び方

自分好みのおいしいコシヒカリを選ぶポイントを3つ紹介します。
産地で選ぶ
すでにご紹介の通り、コシヒカリの味わいは産地によって違いがあります。
好みの味のコシヒカリを見つけたい場合は、産地ごとの特徴を押さえて選ぶとよいでしょう。
産地直送便などを活用して、気になる産地のコシヒカリを食べ比べてみるのもおすすめです。
等級やランキングで選ぶ
米の味や品質を評価する指標をもとに選ぶのも一つの方法です。
米は見た目や形状によって等級(1等級、2等級、3等級、規格外)がつけられており、品質の高い米選びに役立ちます。
ただし、等級は主に取引に使用される指標であり、商品に表示する義務がないため、消費者にはわかりにくいでしょう。
消費者にもわかりやすい指標として、前述の食味ランキングがあります。
食味ランキングの評価項目は「外観・香り・味・粘り・硬さ・総合評価」の6項目です。
毎年2月末に最新のランキングが公表されるため、気になる産地やブランドをチェックしてみるとよいでしょう。
鮮度のよいものを選ぶ
米のおいしさには、産地とともに鮮度が大きく影響します。
購入する際は精米日と、可能であれば米の外観もチェックしましょう。
- 精米日:できるだけ日付けが新しいものを選ぶ
- 粒がそろっているか
- 透明感があるか
- 割れ欠けがないか
また、鮮度の高さを重視するのであれば、新米の購入をおすすめします。
コシヒカリの旬は産地により多少前後しますが、一般的には9~10月です。
気になる産地がある場合は、生産者のホームページなどで新米の出回る時期をチェックしてみるとよいでしょう。
まとめ
コシヒカリは、産地の栽培環境や栽培技術の違いにより、味わいや食感が変わります。
そのため、産地の気候や土壌・水質、培われてきた栽培技術や品質管理の方法などにも目を向けてみるとよいでしょう。
最新の食味ランキングなども参考に、自分好みのおいしいコシヒカリを見つけてください。