目次
さくらんぼは上品な甘さと口に入れた瞬間の弾けるような食感が魅力です。
初夏にぴったりな果肉の瑞々しさを堪能でき、宝石のような見た目からも特別感があるので、季節の贈り物やおもてなしにぴったりの果物です。
ですが、「すぐ傷んでしまう」「どうやって保存すればいいのか、わからない」という人も少なくありません。
本記事では買ったその日からすぐに実践できるさくらんぼの保存方法や鮮度を保つコツをご紹介します。
さくらんぼは傷みやすい?

さくらんぼは日持ちしにくく、食べようとしたら傷んでいてがっかりした経験のある方も少なくないのではないでしょうか。
なぜさくらんぼは傷みやすいのか、その理由やおいしく味わうための下準備のポイントについて見ていきましょう。
さくらんぼの旬は短く、収穫直後が一番おいしい
さくらんぼの旬は5月〜7月ころまでと非常に短く、国産のさくらんぼは産地が限られているため、市場に出回る期間も限られています。
さくらんぼは収穫された瞬間が最もおいしいといわれており、りんごやバナナのように収穫後においしくなる「追熟する果物」とは異なります。
時間とともに風味が落ち食感が失われてしまうため、さくらんぼはできるだけ新鮮なうちに食べることが大切です。
傷みやすさの原因は「皮の薄さ」と「水分量の多さ」
さくらんぼは皮が薄くて水分が多いため、衝撃や湿気に敏感です。
ちょっとの振動でも傷つきやすく、カビが生えやすいので日持ちしません。
また、実がやわらかいので、取り扱いには細心の注意が必要です。
購入して持ち帰った後はケースに入れたままにせず、さくらんぼをひと粒ずつやさしく取り出しましょう。
キッチンペーパーなどに包んで保存すると、振動による傷みを防ぐことができます。
買ったその日にやるべき下準備のポイント
保存前にひと手間かけることで、さくらんぼの持ちが大きく変わります。
以下の点に注意して、下準備を行ってみてください。
傷んださくらんぼを取り除く
潰れていたり傷がついていたりするさくらんぼを早めに取り除くことが大切です。
傷んださくらんぼがカビ始めると、ほかの果実を傷める原因となるからです。
洗わずに保存する
水にさらしすぎると風味やうまみが失われやすいため、保存時は洗わず、食べる直前にやさしくさっと洗うようにします。
軸(ヘタ)は取らずにそのまま保存する
軸を取ってしまうと実に穴が空き、そこから乾燥しておいしさが失われます。
さくらんぼは軸をつけたまま保存しましょう。
さくらんぼは常温でも保存できる?

さくらんぼは日持ちしないため、つい冷蔵庫に入れて保存したくなりますが、収穫したての上品な甘みを味わいたいなら、常温保存がベストな場合があります。
常温保存が適している理由を詳しく解説していきます。
当日に食べ切れるなら常温保存がベスト
常温保存されているさくらんぼを当日中に食べきる予定の場合は、そのまま常温でいただきましょう。
旬のさくらんぼならではの、甘い味わいとやわらかい食感を楽しむのなら、冷やさずにいただくのがおすすめです。
冷蔵すると果肉が固くなり、甘みが落ちて味が薄く感じられることがあるためです。
常温で保存する場合は、購入日〜翌日までを目安に早めに食べきってください。
常温保存のコツ
さくらんぼを常温で保存する場合、購入後すぐ傷んだ実を取り除き、洗わずに保存します。
衝撃が直に伝わらないよう、さくらんぼをキッチンペーパーでやさしく包み、乾燥を防ぐために密閉容器にいれることをおすすめします。
初夏は室温が上がりやすいため、できるだけ涼しく、直射日光の当たらない場所に置きます。
冷房の効いた室内で保存できると安心です。
さくらんぼの冷蔵保存はできる?

室温で食べるのが一番おいしいとされるさくらんぼですが、購入時や配送時にすでに冷蔵されていた場合は、室温に戻すよりも冷蔵保存を続けた方が安心です。
ここでは、冷蔵保存をおすすめするケースとその理由について解説します。
冷蔵保存の方が良いケース
さくらんぼは室温保存が基本ですが、すぐ食べきれない場合は冷蔵庫で保存します。保存期間の目安は3〜5日以内を目安にしてください。
すでに八百屋やスーパーで冷蔵されていたり、クール便で届いたりした場合は、室温に放置せずすぐに冷蔵庫に移すことが大切です。
温かい室内に置くと結露が発生し、そこから果肉が傷みやすくなるからです。
持ち帰り時は、保冷バッグの使用がおすすめです。
冷蔵保存のポイント
冷蔵保存をする場合も、すぐ傷んだ実を取り除き、洗わずに保存しましょう。
キッチンペーパーでやさしく包み、密閉容器に入れて保管します。
キッチンペーパーには、温度変化により生じた水滴を吸収し、急な温度変化を予防したり、果実を傷みにくくしたりする効果があります。
持ち帰る道中で結露して実に水分がついてしまった場合、水分をキッチンペーパーでしっかり拭き取ってから保存できると安心です。
その後もキッチンペーパーを毎日取り替え、そのたびに傷んだ実がないか確認してください。
周囲の食品のニオイを吸収しやすいため、密閉容器に入れて冷蔵庫の野菜室に保存するとニオイの吸着が避けられます。
食べるときは直前に冷蔵庫から取り出し、やさしく水で洗ってからいただきます。
冷凍保存でさくらんぼをもっと長く楽しむ

さくらんぼが食べ切れずに余ってしまいそうなときは冷凍で保存して、旬のおいしさを少しでも長く楽しみましょう。
冷凍による風味の変化はあるものの、おいしく楽しむコツをご紹介します。
すぐ食べきれないときは、その日のうちに冷凍を
さくらんぼをたくさんいただいたときや、すぐに食べきれない場合は、なるべく買ったその日に冷凍しましょう。
室温保存する時間を短くし、できるだけ新鮮なうちに凍らせることがコツです。
保存は一般的に1か月以内を目安にします。
味覚や食感が変化することがありますが、安心してさくらんぼを長く楽しむことができます。
冷凍保存のポイント
冷凍保存をする際も、基本的な扱いはこれまでと同様です。
購入後はすぐ傷んだ実を取り除き、洗わずに保存しましょう。
保存の際には、軸(ヘタ)をつけたまま冷凍するのが基本ですが、さくらんぼの使い勝手を優先してあえて軸を取ることもあります。
このあたりは好みに応じて使い分けます。
冷凍保存する際にもさくらんぼをキッチンペーパーに包み、果実同士が重ならないように注意しながら、冷凍用のビニール袋に入れることが大切です。
重ならないように凍らせることで取り出しやすくなり、解凍後の傷みも予防しやすくなります。
食べ方のアレンジも豊富
冷凍さくらんぼをいただくときは、冷凍庫から出して1〜3分ほど置いておきましょう。
程よく表面がやわらかくなり、半解凍状態でシャーベットのような食感を味わうことができます。
ジャムやコンポートもおすすめです。
スムージーやヨーグルトに添えると、さくらんぼの鮮やかな赤色が見た目に映えて、一層おいしく感じられます。
ケーキや焼き菓子などの生地に加える際は、冷凍のまま使います。
また、凍ったままのさくらんぼをアイスやクリームソーダにトッピングしたり、水や炭酸水に入れて氷の代わりに使うアイディアも素敵です。
夏にぴったりのアレンジで、冷たさと可愛らしい見た目を楽しめます。
買う前に見極めたい!さくらんぼを選ぶポイント

さくらんぼはとても傷みやすい果物です。
そのため、買う前によく見極めて、新鮮なものを選ぶことが大切です。
ここでは、さくらんぼを買う前に注目したいポイントを紹介します。
店頭でのチェックポイント
新鮮なさくらんぼを味わいたいなら、回転の早い八百屋かスーパーで購入すると安心です。
国産さくらんぼには「佐藤錦」「紅秀峰」「ナポレオン」などさまざまな品種があり、それぞれ甘みと酸味のバランスに特徴があります。
品種ごとに食べ比べてみるのも、楽しみの一つです。
店頭で鮮度を見分ける場合、果皮にハリツヤがあり、黒ずみがなく、均一に赤く色づいているものを選んでください。
軸(ヘタ)がシャキッとして、緑色の鮮やかなものを選ぶと安心です。
通販で購入する場合の注意点
さくらんぼはネット通販でも気軽に購入できます。まずは、産地や生産者の情報を確認しましょう。
希望の品種や等級のさくらんぼかどうか、価格は適正か、購入者のレビューはどうか、といった点を比べながら検討します。
農協や高級果物店、産地直送の農園など、取り寄せ先によって品揃えが異なるので、自分にあった購入先を選んでいきます。
発送方法にも注意が必要です。初夏は気温が上がりやすいため、クール便で発送されているかチェックします。
さくらんぼは日持ちしないため、受け取ったらできるだけ早く食べきってください。
受け取り日時が指定ができる場合は、自宅で確実に受け取れる時間を選びましょう。
「贈答用」と「家庭用」の違いを理解する
さくらんぼには「贈答用」と「家庭用」があります。それぞれの違いを理解して、目的にあった品を選ぶことが大切です。
贈答用のさくらんぼは、見た目の美しさや揃い方が大事にされており、光沢や果実の大きさ、着色度合いによって、「得秀」「秀」「丸秀」といった等級別に分類されます。
さくらんぼの主な産地である山形県では基準が明確で、品質ごとに美しく並べられたさくらんぼは、お中元や父の日などのギフトとして喜ばれます。
一方、家庭用のさくらんぼは果実の形がやや不揃いで小粒のものが多いですが、味わいや品質にはほとんど差がありません。
気軽においしく楽しめますので、用途にあわせて選び分けましょう。
まとめ
さくらんぼは初夏の旬を味わえる特別感のあるフルーツです。
そのおいしさを楽しむために、常温・冷蔵・冷凍と、それぞれの保存環境にあわせた工夫方法を紹介しました。
正しく保存すれば、さくらんぼの風味をおいしく味わえます。
この記事を参考に、華やかに食卓を彩るさくらんぼを、是非楽しんでください。