ふるなびスタッフ
目次
独特な食感が特徴のホルモンには、さまざまな種類が存在します。
ホルモンは、種類によって歯ごたえや味わいが異なるため、食べ比べる楽しさもあるでしょう。
本記事では、ホルモンの種類を牛・豚・鶏ごとに解説します。
ホルモンにどのような種類があるのか知りたい方は、ぜひご覧ください。
ホルモンとは？
ホルモンは、牛や豚の内臓肉を指す言葉です。
なかでも腸の部位を「ホルモン」と呼ぶのが一般的で、内臓肉全体は「もつ」と呼称されます。
しかし、実際には内臓肉全般をホルモンと表現することも多く、焼肉店のメニューなどではタンやレバーなどもホルモンとして扱われていることも珍しくありません。
牛ホルモンの種類
焼肉の定番として親しまれているのが、牛ホルモンです。
それぞれの特徴について見ていきましょう。
ミノ
ミノは牛の4つある胃の中の第一胃にあたる種類で、焼肉では定番です。
胃の中で一番大きく厚みがあり、しっかりとした歯ごたえで噛むほどに口の中に旨みが広がります。
さっぱりとした味わいなので、味付け次第でさまざまな楽しみ方ができるでしょう。
ハラミ
ハラミは、牛の横隔膜にある筋肉の一部分です。
赤身肉のような見た目をしており、ビジュアルからも食欲がそそられます。
ほどよく弾力がありますが、口当たりは柔らかいため、多量でも食べやすいのが特徴です。
ステーキや生姜焼き、唐揚げなどの料理で美味しくいただけます。
タン
タンは牛の舌の部分で、コリコリとした食感が多くの人に人気です。
さっぱりとした風味で楽しみたいなら、レモンや塩などで味付けするとよいでしょう。
また、タンでも部位によって、タン元、タン先、タン中、タン下の4種類に分けられており、それぞれで食感や旨みが異なります。
そのため、タンのみで食べ比べも可能です。
シマチョウ
牛の大腸にあたるシマチョウは、脂の甘みと噛みごたえが魅力です。
見た目に縞模様があることからその名がつけられましたが、関西では「テッチャン」とも呼称されています。
家庭で食べる場合は、大腸にあるカスをしっかり取り除かないと臭みの原因となる点に注意が必要です。
マルチョウ
マルチョウは牛の小腸で、丸くてコロコロした見た目が印象的です。
脂が詰まっており、噛むごとに甘みのある旨みが口の中に広がります。
シマチョウと比べると、身や皮が薄いのが特徴です。
塩や胡椒、ニンニク醤油など、好みの味付けをして楽しみましょう。
ハチノス
ハチノスは、牛の第二胃にあたる種類です。
蜂の巣のような独特な見た目をしていることから、ハチノスと呼称されています。
しっかりとした弾力がありながらも、筋がないことから噛み切りやすいのが魅力です。
さっぱりとした味わいで、煮込み料理ともよく合います。
シビレ
シビレは、牛の胸腺と膵臓部分を指す種類で、英語の名称である「sweetbread（スウィートブレッド）」に音調をつけた発音が語源とされています。
胸腺は成長すると退化して小さくなってしまうため、一般的に子牛からしか取れない希少価値の高い部位です。
柔らかい口当たりと繊細な味が特徴で、名前を見てわかる通り「痺れるほどうまい」と評されます。
豚ホルモンの種類
比較的あっさりした淡白な味わいなのが豚ホルモンです。
それぞれの特徴について見ていきましょう。
ガツ
ガツは、豚の胃袋にあたる種類です。
内臓の意味を持つ「guts」から、ガツと呼称されています。
脂肪分が少なく臭みもないことから、ホルモン特有のクセは感じません。
そのため、ホルモンが苦手な方にもおすすめできる部位です。
また、あっさりしたタレやポン酢と相性が良く、さっぱりとした味わいを楽しめます。
ダイチョウ
ダイチョウはその名の通り、豚の大腸にあたる種類です。
また、大腸という意味の「シロ」や、焼いたときにコロコロとした見た目になることから、「シロコロ」とも呼称されています。
ダイチョウには脂がしっかりと乗っており、ぷりっとした弾力のある食感が魅力です。
一方で、ダイチョウ独特の臭みも感じられます。
テッポウ
テッポウは、豚の直腸を指す種類で、肉を開いたときの見た目が武器の鉄砲に似ていることから、この名がつけられました。
見た目は縞模様になっており、腸管部分は薄く、幅広い部分は肉厚です。
肉厚な部分は歯ごたえがあり、噛みしめるごとに独特な旨みが分泌されますが、腸特有の臭いも感じられます。
コブクロ
コブクロは豚の子宮に位置する種類で、柔らかさと歯ごたえの良さを兼ね備えた食感を持っています。
淡白な味わいで、ホルモンの中では比較的クセがありません。
また、脂質が少なく高タンパクで低脂肪なため、ダイエット中の方にも適しています。
出典：クックドア
ヒモ
ヒモは、豚の小腸にあたる種類で、「ホソ」や「ホゾ」とも呼称されています。
細長く薄い見た目をしており、しっかりとした歯ごたえがあるのが特徴です。
カルシウムを多く含み、栄養面でも優れています。
一般的には、ソーセージの皮として使われることが多いですが、煮込み料理や串焼きにしても美味しく味わえるでしょう。
出典：東京都中央卸売市場
エンガワ
エンガワは豚のバラ肉と横隔膜の間にある種類で、見た目は赤身肉に近く、脂が多いのが特徴です。
柔らかい口当たりで噛むほどに脂の旨みが広がり、濃厚な味わいが楽しめます。
とくに、焼肉で人気の高い種類です。
トントロ
トントロは、豚の頬から首にかけての部位で、焼肉で食べられる定番の種類です。
1頭から300g程度しか取れない希少な部位としても知られています。
脂が多くジューシーですが、しっかりと歯ごたえがあるのも魅力です。
塩炒めや塩焼きとの相性に優れています。
鶏ホルモンの種類
全体的に低脂質なことで知られているのが、鶏ホルモンです。
種類ごとの特徴について見ていきましょう。
ハツ
ハツは鶏の心臓で、一羽から一つしか取れない希少部位です。
英語の「Heart」が語源で、「ココロ」や「ハート」とも呼称されています。
脂が少なく淡白な味わいが特徴で、コリコリとした食感を楽しめるのが特徴です。
煮付けや串焼きで美味しくいただけます。
レバー
レバーは鶏の肝臓にあたる種類で、栄養価が高くタンパク質や鉄分が豊富に含まれています。
牛や豚のレバーに比べてクセが少なく、かつしっとりとした柔らかい口当たりで食べやすいのが特徴です。
一方で、コレステロール値が高いため、肥満気味の人は食べ過ぎに注意しましょう。
出典：カロリーSlism
砂肝
砂肝は、鶏の砂嚢（さのう）と呼ばれる消化器官にあたる種類です。
地域によっては、砂肝ではなく「砂ずり」とも呼ばれています。
砂肝の大部分は筋肉で構成されているため、しっかりとした歯ごたえとコリコリとした食感が特徴です。
淡白でクセがないことから、塩焼きなどシンプルな調理法がよく合います。
ヤゲン
ヤゲンは、鶏の胸骨の先端にある部分で、一羽から一つしか取れない希少な種類です。
漢方薬を砕くための器具である薬研（やげん）に見た目が似ていることから、この名がつけられました。
タンパク質やカルシウム、コラーゲンなどが豊富に含まれているのが特徴です。
また、軟骨であるため、コリコリとした食感を堪能できます。
食感に加えて、クセがなく淡白な味わいであることから、お酒のおつまみとしても最適です。
出典：ホルモンちはら
まとめ
今回は、独特な食感が魅力のホルモンの種類について解説しました。
牛・豚・鶏それぞれのホルモンには、部位ごとに異なる味わいや食感があり、焼肉や煮込み料理などさまざまな楽しみ方ができます。
コリコリとした歯ごたえが魅力の部位や、脂の旨みを堪能できるものまで、食べ比べることで新たな発見もあるでしょう。
ホルモンに苦手意識のある方も、あっさりとした部位から試してみることで、その美味しさを実感できるでしょう。
興味のある方は、ぜひ自分好みのホルモンを見つけてみてください。
