目次
みりんを切らしたときは、日本酒や料理酒に、砂糖やはちみつを組み合わせるなど、他のお酒や調味料で代用可能です。
この記事では、みりんの代用品の作り方と、代用時の注意点をご紹介します。
また、本みりんが料理に与える甘味・コク・てり・つやなどの効果や、みりんの種類と違いもまとめています。
身近なお酒と調味料で作るみりんの代用品3選

一般的なみりんである「本みりん」は、お酒の一種でアルコールを含み、かつ甘味のある調味料です。
みりんがないときには、他のお酒と甘味のある調味料を組み合わせて使うと、似た味わいや効果を料理に与えられます。
ここでは、常備しやすいお酒と調味料でみりんの代用品を作る3通りの方法をご紹介します。
①シンプルな味わいなら「日本酒または料理酒+砂糖」
料理酒や日本酒と砂糖を組み合わせると、本みりんの「アルコールと甘味」という特徴を押さえたシンプルな代用品を作れます。
「日本酒または料理酒:砂糖=3:1」の割合で配合し、砂糖が溶けるまでよく混ぜ合わせたら完成です。
みりん大さじ1の代用となる配合の目安
- 日本酒または料理酒:大さじ1
- 砂糖:小さじ1
料理酒は、塩分が含まれているものが主流ですが、本みりんには塩分が含まれていません。
そのため、料理酒で代用品を作るときは塩加減に注意し、料理全体の味付けを調整しましょう。
②コクを加えたいなら「日本酒または料理酒+はちみつ」
みりんのコクを重視して代用品を作るなら、砂糖の代わりにはちみつを使うとよいでしょう。
はちみつを加えることで、料理のコクを感じやすく、てりを出したいときにも効果的です。
はちみつは、砂糖よりも少ない量で配合するのがポイントです。
「日本酒または料理酒:はちみつ=3:0.7〜0.8」の割合で混ぜ合わせましょう。
みりん大さじ1の代用となる配合の目安
- 日本酒または料理酒:大さじ1
- はちみつ:小さじ1/2強
先述したように、こちらも料理酒で代用する際は塩加減に注意しましょう。
また、はちみつにはボツリヌス菌が含まれており、加熱調理では死滅しないため、加熱の有無にかかわらず1歳未満の乳児には与えないでください。
③日本酒以外に「白ワイン」でも代用可能
日本酒や料理酒がないときには、大さじ1の白ワインに、砂糖小さじ1かはちみつ小さじ1/2強を目安に混ぜても、みりんの代用品を作れます。
ただし、白ワインは製品によってさまざまな味わいの違いがあり、酸味や甘味が強いものもあります。
最初はやや少なめに使ってから味見して、酸味が強ければ砂糖を多めに加えるなど、使用する白ワインの味わいに合わせた調整が必要です。
なお、本みりんに近いアルコール度数14%程度の白ワインを選ぶとなおよいでしょう。
めんつゆや白だしはみりんの代用に向かない

めんつゆや白だしは、みりんの代用には向きません。以下のような問題点があるためです。
- 醤油とだし(昆布やかつおぶし)が含まれ、みりんにはない、独特の風味・色・うま味が加わってしまう。
- 塩味が強くなってしまう。
- めんつゆや白だしはみりんと異なり、アルコールはほぼ含まれず、甘味も弱い。
みりんの代わりに、めんつゆや白だしを使っても、みりんらしい甘味やコク・てりは得られません。
一方で、塩味が強くなり、醤油やだしの風味・色・うま味が加わります。
そのため、みりんを使う本来のレシピとは、まったく異なる仕上がりになってしまいがちです。
みりんも他のお酒もない場合は、めんつゆや白だしでの代用は避け、みりんの1/3の量を目安に、砂糖かはちみつを入れて代用すると、甘味を補うことができます。
ただし、アルコールが入らないので、砂糖やはちみつだけでは、みりんの十分な代用にはならないことに注意しましょう。
みりんの種類と料理に与える効果

この章では、主に3種類あるみりんの違いと、本みりんが料理に与える効果を解説します。
みりんの種類により、向いている代用品や料理への効果もやや異なるため、ぜひご参考ください。
本みりん・みりん風調味料・発酵調味料の3種類がある
みりんは大きく3種類に分けられ、一般的な「本みりん」のほか、「みりん風調味料」や「発酵調味料(みりんタイプ)」があります。
本みりんは、うるち米やもち米、米こうじ、焼酎などを原料に作られる調味料で、アルコール度数が高く、酒税法の酒類に分類されます。
酒税法の酒類に分類されないものとしては、アルコールをほぼ含まないみりん風調味料と、アルコールを含むものの食塩が添加されている発酵調味料(みりんタイプ)があります。
以下に、みりんの種類による原材料やアルコール分などの違いをまとめます。
| みりんの種類 | 本みりん | みりん風調味料 | 発酵調味料(みりんタイプ) |
|---|---|---|---|
| 原材料 | 米、もち米、米麹、 焼酎や醸造アルコールなど | 糖類(水あめなど)、米、 米麹、酸味料、 調味料、香料など | 糖類(水あめなど)、 米、米麹、 アルコール、食塩など |
| 製法 | もち米やこうじを糖化・発酵 させ、酒類として製造。 | 糖類などをブレンドし、 発酵なしで風味を再現。 | 本みりん同様に発酵させ、 塩分を加えて酒類から除外。 |
| アルコール分 | 約14% | 1%未満 | 約10% |
| 塩分 | 0% | 0.2%未満 | 約1.5~2% |
| 酒税法の酒類 | 該当 | 該当しない | 該当しない |
| 特徴 | アルコールと甘味が特徴。 | ほぼアルコールなし。 本みりんより強い甘味。 | 本みりんに近いが 塩分が多いので要調整。 |
みりんを代用する際は、普段使用しているみりんの種類に近づけるのがポイントです。
みりん風調味料の代用なら、アルコール(お酒)がなくても問題ない一方、少しだけ強めに甘味を付けるとよいでしょう。
塩分を含む発酵調味料(みりんタイプ)の代用なら、同じく塩分を含む料理酒に甘味を組み合わせても、うまく代用できます。
参照:キッコーマン「みりんとは」
日の出みりん「本みりんとそのほかのみりんってどう違うの?違いと使い分けを紹介」
本みりんは、糖類やアルコールによる特有の効果がある
本みりんを料理に加えると、以下のような効果があります。
- まろやかな甘味やコクを加える
- てり・つやを加える
- 食材の臭みをとる
- 煮崩れを防止する
- 旨味を染み込ませる
本みりんには、米の分解・発酵に由来する数種類の糖類(ブドウ糖・麦芽糖・オリゴ糖など)が含まれます。
これらの糖類は、砂糖に比べて深くまろやかな甘味があるほか、料理の表面にてり・つやを与えます。
みりんが臭み消しになるのは、アルコールが揮発する際に食材の臭みを取り除き、みりんの芳醇な香りもつくためです。
また、糖分とアルコールには、野菜・肉・魚などの煮崩れを防ぐ効果もあります。
さらに、アルコールが食材に旨味を染み込ませ、みりん自体にもアミノ酸の旨味が含まれるため、料理の旨味を引き出すうえでもみりんが役立ちます。
みりんを他の調味料で代用する際の注意点

本みりんの効果は、アルコールや糖類などの成分によるもので、他の調味料での代用では同じ効果を得られないこともあります。
ここでは、他の調味料でみりんを代用する際の注意点を解説します。
みりんの味わいや効果は完全には再現できない
本みりん特有の深い甘味は、砂糖やはちみつでの代用だと十分に再現することは難しいです。
また、似たような味付けはできても、思うようにてり・つやが出なかったり、煮崩れ防止の効果が得られなかったりすることがあります。
味や仕上がりをとくに重視したい場合には、代用では限界があることも頭に入れて、みりんを用意することも検討してみてください。
含まれるアルコール分に注意
みりん風調味料は、本みりんと異なり、ほとんどアルコールが含まれません。
アルコールを飛ばす「煮切り」も基本的に不要です。
みりん風調味料を使う加熱しないレシピでは、日本酒などのお酒を代用品に使うと、アルコールがそのまま残ってしまうため注意しましょう。
まとめ
本みりんはお酒の一種でアルコールを含み、コクのある深い甘味をもつ調味料です。
みりんの代用品は、日本酒などのお酒と、砂糖などの甘味を組み合わせて作ることができます。
ただし、代用するお酒に含まれるアルコールや塩分に気を付けて、レシピを調整することが重要です。
また、本みりんの甘味やコクは完全には再現できず、代用品には出せない特徴があることも把握しておきましょう。












