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きれいな赤色と、爽やかな酸味が特徴的なしそジュースには、さまざまな効能があります。
しそジュースは、赤しそを煮出し、砂糖や酢などを加えて作られます。
夏の短い期間に収穫される赤しそには、健康や美容によい効能が秘められているのです。
この記事では、しそジュースの効能を詳しく解説し、飲む際の注意点や効果的な飲み方、しそジュースの作り方と手軽なアレンジレシピも紹介します。
しそジュースとは

しそジュースとは、赤しそを煮出した汁に砂糖や酢などを合わせて作るドリンクです。
さっぱりとした爽やかな味わいは夏バテ防止などに効果的とされ、古くから親しまれてきました。
しそジュースは、使用する酢の種類によって味が違ってきます。
クエン酸を使うと酢自体の香りがないので赤しその風味がより強くなり、りんご酢を使うとりんごの香りが混ざることで、しそが苦手な人でも飲みやすいジュースになります。
また、赤しそを煮出した後は暗い紫色をしていますが、酢を入れると美しい透明感のあるルビー色に変化するのも特徴的です。
赤しそと青じそ(大葉)の違い

しその主な種類には赤しそと青じそがあり、一般にしそジュースというと赤しそが使われます。
青じそでもジュースは作れますが、赤しその鮮やかな色味と豊富な栄養素は大きな魅力です。
ここでは、赤しそと青じその違いやそれぞれの特徴について解説しましょう。
赤しその特徴
赤しその特徴は、鮮やかな赤紫色をしていることです。
また、土にも似た独特の香りやポリフェノールなどの豊富な栄養価を持つのも、赤しその特徴です。
赤しそはアクが強いので、青じそのようにそのまま薬味に使うのには適していません。
加熱すると鮮やかな赤色が溶け出すため、梅干しやジュースの色付けとして多く使用されます。
青じそ(大葉)の特徴
青じそは大葉とも呼ばれ、清涼感のある香りが特徴です。
この香りは「ペリルアルデヒド」という成分によるもので、腐敗を防止する作用や、食欲増進効果を持つといわれています。
麺類の薬味や刺身のツマなどに生のまま使用するほか、天ぷらやふりかけなどにも利用します。
しそジュースに含まれる成分と効能

しそジュースの材料である赤しそには、ビタミンやミネラルをはじめ、体によい成分が多く含まれます。
この章では、しそジュースに含まれる成分と効能を紹介します。
ビタミンB群|疲労回復の効果がある
しそジュースにはビタミンB群が豊富に含まれ、疲労回復効果が期待できます。
しそジュースに多く含まれるビタミンB1、B2、B6には、糖質や脂質などのエネルギー代謝をサポートする働きがあります。
体内では代謝により、食事から摂った栄養素がエネルギーに変換されます。代謝の効率が悪いと、疲労を感じやすくなります。
また、しそジュースには、ビタミンB群のひとつである葉酸も多く含まれます。
葉酸はDNAの生合成に関与し、貧血の予防に役立つほか、体の発育を促します。
しそジュースは妊娠中の方にもおすすめですが、砂糖が多く含まれるため、飲みすぎには注意が必要です。
β-カロテン|皮膚や粘膜の健康を維持する
赤しそに含まれるβ-カロテンには、皮膚や粘膜の健康を維持する働きがあります。
β-カロテンは、体内でビタミンAに変換されるプロビタミンAであり、カロテノイドの一種です。強い抗酸化作用をもち、体の老化防止に役立ちます。
β-カロテンはビタミンAに変換され、皮膚を健康に保ち肌荒れを防止したり、目や鼻などの粘膜を正常に保ち細菌やウイルスから体を守ったります。
ビタミンAは目の健康にも関わり、不足すると暗い場所でものが見えにくくなる「夜盲症」を引き起こすことがあります。
ビタミンC|美肌をサポートする
しそジュースに含まれるビタミンCには、美肌をサポートする効能があります。
ビタミンCは、コラーゲンを構成するアミノ酸の生成に欠かせない栄養素です。
コラーゲンには皮膚や血管などを正常に保つ働きがあり、美肌づくりをサポートするほか、血管の弾性を保つ効果があります。
またビタミンCは「抗酸化ビタミン」のひとつでもあり、生命活動の際に発生する活性酸素の働きを抑制します。
カリウム|むくみを取る
しそジュースに多く含まれるカリウムは、むくみを改善します。
むくみの原因のひとつは、塩分(ナトリウム)の摂りすぎです。
カリウムには体内の余分なナトリウムを排出する働きがあるため、むくみを取る、血圧の上昇を抑えるなどの効果が期待できます。
またカリウムには、筋肉の動きを正常に保つ働きもあります。不足すると、筋力低下やけいれんをまねく場合があります。
カルシウム|骨や歯を強くする
しそジュースにはカルシウムが豊富に含まれ、骨や歯を強くする効能があります。
カルシウムは、骨や歯を形成するために重要なミネラルですが、吸収率が低く、日本人に不足しがちな栄養素です。
カルシウムの吸収率を上げるには、ビタミンDと一緒に摂取すると効果的です。
ビタミンDは魚介類や卵、きのこ類に多く含まれます。カルシウムを効率よく摂取したい場合は、しそジュースを食事中に飲むのがおすすめです。
ロスマリン酸|アレルギー症状を緩和する
しそジュースに含まれるロスマリン酸は、アレルギー症状を緩和します。
ロスマリン酸は、シソ科のハーブ類に多く含まれるポリフェノールの一種です。シソ科の植物であるローズマリーから発見されたため、この名前がつきました。
ロスマリン酸には抗酸化作用や抗炎症作用があり、アレルギー反応を抑える効果があるといわれてます。
このため、しそジュースには花粉症やアレルギー性鼻炎などの症状を緩和する効能が期待できます。
さらに近年では、ロスマリン酸の脂肪抑制作用が注目されており、ダイエット効果にも期待が寄せられています。
アントシアニン|目の健康を維持する
赤しそに豊富に含まれるアントシアニンは、目の健康維持に役立ちます。
アントシアニンは抗酸化作用のあるポリフェノールの一種です。ブルーベリーなどに多く含まれる天然色素で、酸性のとき赤色に変化します。
しそジュースを作る際、クエン酸や酢を入れて色を鮮やかな赤に変化させますが、これはアントシアニンのもつ特性を利用したものです。
アントシアニンには、疲れ目の改善、視力回復、老眼の予防などの効果があります。
アントシアニンを豊富に含むしそジュースは、目の健康を維持したい人に適した飲み物といえます。
α-リノレン酸|血液をサラサラにする
しそジュースには脂肪酸の一種であるα-リノレン酸が含まれ、血液をサラサラにします。
脂肪酸には、植物油や魚の油に多く含まれる不飽和脂肪酸と、動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸があります。
α-リノレン酸は、不飽和脂肪酸のうちn-3系(ω-3系)に分類され、体内でDHA(ドコサヘキサエン酸)に変化します。また、体内で合成できない必須脂肪酸でもあるため、食べ物から摂取する必要があります。
α-リノレン酸などの不飽和脂肪酸は、血液中のコレステロールや中性脂肪を減少させ、血液をサラサラにする効果があります。
しそ100gには10mgのα-リノレン酸が含まれます。しその成分を凝縮したジュースにも、その効能が期待できます。
クエン酸|疲労回復や食欲増進の効果がある
しそジュースに使用するクエン酸(お酢や柑橘類にも含まれる)は、人の体内でエネルギーを作るために必要不可欠な役割を持ちます。
その主な作用が、疲労回復や食欲増進効果です。
体内に入ったクエン酸は摂取した食物をエネルギーに転換し、さらに、疲労物質である乳酸を分解して筋肉の再生を促します。
また、クエン酸はビタミンB群と一緒に摂るとより効果的です。
赤しそにはビタミンB群が豊富に含まれるため、赤しそジュースはまさにクエン酸の効果的な摂取に理想的な飲み物だといえます。
しそジュースを飲むときの注意点や副作用

体によいさまざまな成分を含むしそジュースですが、飲む際の注意点や副作用もあります。
しそジュースを飲む際は、以下に注意してください。
飲み過ぎは肥満や血糖値上昇の原因になる
しそジュースの飲み過ぎは、肥満や血糖値上昇の原因になる可能性があります。
しそジュースには保存性を高めるために砂糖が多く入っており、希釈した状態での糖質量は果汁100%オレンジジュースなどとほぼ同量です。
健康への効能が期待できるしそジュースですが、適量は1日1杯程度と考え、飲みすぎに注意しましょう。
空腹時に飲むと胃腸を荒らすことも
クエン酸は強い酸性のため、空腹時に飲むと胃腸を荒らす原因になることがあります。
寝起きや食前などの空腹時を避け、食事中や食後に飲むことをおすすめします。
しそジュースの効果的な飲み方

次に、しそジュースの効果的な飲み方を紹介しましょう。
以下のタイミングでしそジュースを飲むと、効率よく栄養を摂取できます。
油を含む料理と一緒に摂る
赤しそに含まれるβ-カロテンは脂溶性なので、油を使った料理と一緒に摂ると吸収率が高まります。
しそジュースは炒め物やフライなどと一緒に摂るのがおすすめです。
魚介類と一緒に摂る
しそジュースは魚介類と一緒に摂るのも効果的です。
しそジュースにはカルシウムが豊富に含まれており、魚介類に含まれるビタミンDはカルシウムの吸収を促すからです。
鮭やしらすなどの魚介類を取り入れた食事の際にしそジュースを飲むと、効率よくカルシウムを摂取できます。
朝や昼間に飲む
しそジュースは、朝や昼間の活動量の多い時間帯に飲むのがおすすめです。
砂糖の含有量が多いため、日中に飲むことでエネルギーとして消費され、脂肪の蓄積を防げるからです。
朝食や昼食、3時の間食などと一緒に、朝から夕方までの間に摂取するようにしましょう。
りんご酢でスッキリ感アップ!しそジュースの作り方

それでは、しそジュースの簡単な作り方を紹介します。
りんご酢を使うので、しそが苦手な方や子供さんでも飲みやすいです。
また、てんさい糖を使用することで血糖値の上昇がゆるやかになり、オリゴ糖がおなかの調子を整えるなどのメリットがあります。
材料
- 赤しそ:300g
- 水:1リットル
- てんさい糖:200g
- りんご酢:100ml
作り方
- 赤しその葉から茎を外す
- ボウルに水を入れてしその葉を振り洗いする
- ザルにあけて水気を切る
- 鍋に水1リットルを入れて強火にかけて沸騰させ、しその葉を全量投入する
- 再沸騰したら中火にしてアクを取りながら20分程度煮出す
- お湯に色素が出て赤紫色になったら火を止める
- ボウルの上にザルを当てて、鍋の中身を注ぎ入れて濾す
- 濾(こ)したジュースが冷めないうちにてんさい糖を加え、かき混ぜて溶かす
- 粗熱が取れたらりんご酢を加える
- ジュースの色が鮮やかなルビー色に変化したら混ぜ合わせる
- 完全に冷ます
- 煮沸消毒した瓶などに移して冷蔵庫で保存する
以上でしそジュースの原液が完成します。
水や炭酸で割ったり牛乳を混ぜるなど、自由にアレンジして楽しんでください。
保存期間
このしそジュースは砂糖が少なめなので、保存期間は冷蔵庫で約1週間と短めです。
保存可能期間は砂糖の量によるため、長期保存したい場合は砂糖を増やしてください。
しそジュースの効能を活かすアレンジレシピ

しそジュースを、おやつや料理に活用すれば、毎日の食事に取り入れやすくなります。
この章では、しそジュースの効能を活かしたアレンジレシピを紹介します。
しそジュースのゼリー
しそジュースのゼリーは、鮮やかな赤色が美しいデザートです。
しそジュースに適量の水を加え、ふやかしたゼラチンも加えて煮溶かし、冷やし固めれば完成です。
ゼリー液を沸騰させるとゼラチンが固まらなくなるので、加熱しすぎないよう注意しましょう。
ジュースは薄めすぎず、そのまま飲むには少し濃いくらいで作ると、おいしくできます。
しそジュースの牛乳割り
水や炭酸水で割って飲むことが多いしそジュースを、牛乳で割るだけのレシピです。
しそジュースにお好みの量の牛乳を加え、よく混ぜます。
しそジュースに含まれる酸で牛乳のたんぱく質が固まり、とろみがついてヨーグルトドリンクのようになります。
酸味がマイルドになり、さっぱりとして飲みやすいので、酸味が苦手な人にもおすすめです。
しそジュースの簡単浅漬け
しそジュースを使った簡単な浅漬けを紹介します。
薄くスライスした大根やカブに塩を振り、出てきた水分を軽く切ります。
材料を容器に入れ、ひたひたになるまでしそジュースを注ぎます。
大根やカブにきれいな色がついたら完成です。
しそジュースを注ぐときにお好みで酢を加えると、味が引き締まり、保存性が高まります。
まとめ
しそジュースには、疲労回復や食欲増進、さらに美肌づくりやダイエットにも効果的な栄養素がたくさん含まれています。
本記事で紹介した作り方を参考に、ぜひ手作りに挑戦してみてください。
爽やかで飲みやすく色合いも美しいため、子どもさんや年配の方にもきっと喜ばれるでしょう。
また、しそジュースを使ったアレンジレシピもおすすめです。
どれも手軽で簡単ですので、試してみてください。
疲れがたまったときや夏バテ、免疫力が低下しやすい季節の変わり目などに、しそジュースを上手に取り入れて健康維持に役立てましょう。












