目次
一年中いつでも手に入る生姜とは違い、新生姜には旬の時期があります。
生姜に比べて辛味が優しく、みずみずしい食感の新生姜は、せっかくなら旬の時期に味わいたいものです。
また、新生姜を食べると体がぽかぽかとして、体の調子が整うと感じる人は多いのではないでしょうか。
体が温まると血流が良くなり、胃や腸の消化機能が上がって免疫力が高まるので、積極的に摂り入れたい食材でもあります。
そこで今回は、新生姜の旬の時期や産地、栄養成分と効能、おすすめの食べ方をご紹介します。
新生姜の旬の時期は本当は夏ではない?
新生姜の旬の時期は?と聞かれたら、多くの人は夏を思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし、新生姜の本当の旬の時期は夏ではありません。
スーパーには初夏に出回り始める
新生姜の旬の時期が夏のイメージなのは、スーパーで新生姜を見かけるようになるのが、初夏から夏に多いのが理由のひとつ。
夏に売られている新生姜の多くはハウス栽培で、1月~3月にかけて種植えされたものが6月~8月に収穫され、出荷となります。
また、気温が高くなると心配になるのが食中毒ですが、新生姜には殺菌作用があり、食中毒予防に役立つことがよく知られています。
お寿司に必ずついてくるガリ(新生姜を酢漬けしたもの)は、その典型的な例といえるでしょう。
食欲が落ちやすい夏に、熱中症対策や疲労回復として新生姜を好んで食べる人も多く、こうした背景から新生姜の流通量は夏が一年でもっとも多くなります。
新生姜の本当の旬の時期は秋!
秋の新生姜は、4月〜6月に種植えをして10月〜11月に収穫を迎えます。
夏の新生姜と大きく違うのは、秋の新生姜は露地栽培ものであること。
露地栽培とは、本来の生育時期に、自然に近い環境で育てる手法で、ハウス栽培とは異なり、その野菜の旬を味わうものになります。
露地栽培の新生姜は、ハウス栽培のものに比べてやや皮が厚く固くなり、色も濃くなります。
とはいえ、秋になっても、露地栽培の新生姜をスーパーで見かけることはほとんどありません。
なぜなら、露地栽培の新生姜は生産量が安定せずそもそもの流通量が少ない上、夏に新生姜を食べる消費者が多いことから秋の消費量が減り、スーパーも積極的に入荷しないからです。
そのため、秋の新生姜はかなり貴重な食材といえるでしょう。
代表的な新生姜の産地
新生姜は生姜と同様に温暖な地域が適切な産地とされ、生姜の出荷量が多い地域が新生姜の主な産地となります。
ただし、新生姜ならではの産地が存在し、近年は特産品として注目を集めています。
高知県
高知県は生姜の生産量が日本一の地域です。
新生姜の産地は「春野地区」がとくに有名ですが、新生姜の収穫は3月〜9月の長期間に渡り、高知県内の産地をリレーする形で行われています。
高知県の新生姜は清涼感とやわらかく食べやすい食感が特徴で、サラダで食べるのがおすすめです。
なお、高知県に次ぐ2位の生産量を誇るのが熊本県で、3位が千葉県です。
高知県を含む3県で、日本全体の6割の出荷量となっており、両県とも新生姜の栽培も行っています。
和歌山県
みかんや梅の産地として有名な和歌山県ですが、一方で生姜の産地というイメージを持つ人は少ないのではないでしょうか。
しかし、新生姜においては栽培量が全国1~2位を誇り、そのブランド力は年々拡大しています。
砂地栽培によって根がストレスを感じずに育つ和歌山県産の新生姜は、大きくなっても形が綺麗で、やわらかいのが特徴です。
北海道
冷涼な気候の北海道では、これまで生姜の栽培は不向きとされていましたが、近年はハウス栽培によって新生姜の栽培を行う農家が増えています。
また、小麦の一大産地として有名な北海道では、地物の新生姜とパンの組み合わせなど、斬新なアイデアを取り入れた新商品の開発が相次いでいます。
北海道民でも北海道で新生姜が栽培されていることを知らない人は多いですが、少しずつ知名度や販路が確立されつつあります。
新生姜と生姜の違い
新生姜と生姜には品種の違いはありません。
生姜とはショウガ科ショウガ属の多年草で、大きさによって大生姜・中生姜・小生姜の3つに分類されます。
さらに、収穫の時期や収穫後の状態によって、次の4つに分けられます。
- 根生姜(囲い生姜・ヒネ生姜)
- 新生姜
- 葉生姜
- 親生姜
根生姜
一般的にスーパーで1年中販売されているのが根生姜。
秋に収穫後、2ヶ月以上貯蔵した後に出荷されるため、水分が抜け、繊維質が多くなります。
また、見た目が茶色に変化し、辛味も強くなります。
新生姜
種生姜から新しく育った部分を収穫後、すぐに出荷するのが新生姜です。
根生姜と比べて色が白く、皮が薄く繊維が少ないので生食に向いていますが、日持ちはしません。
葉生姜
葉生姜は新生姜よりもさらに早い段階で、緑色の葉が付いた状態で収穫したもの。
根茎が小さく、辛味がほとんどないので、そのまま味噌を付けて食べたり、甘酢漬けの「はじかみ」として食べるのが一般的です。
親生姜
親生姜は種生姜として植えたものを収穫した生姜で、強い辛味があります。
生姜はほかの作物とは違い、種生姜を植えても原型がそのまま残ります。
残った種生姜は親生姜として食べられますが、一般的には流通していません。
多くは漢方や乾生姜などの加工品に使われます。
新生姜に含まれる栄養成分と期待できる効能は?
新生姜に含まれる栄養成分は生姜と違いはなく、ビタミンB1やビタミンCなどのビタミン類や、カリウムやカルシウムなどのミネラルが含まれていますが、とくに次の2つの栄養成分が体内で優れた働きをしてくれます。
食物繊維
生姜に含まれる食物繊維の量は100gあたり2.1g(水溶性食物繊維が0.2g、不溶性食物繊維が1.9g)。
食物繊維は胃で消化されずに腸に届くため、便のかさを増やして便通を改善したり、善玉菌のエサとなり腸内環境を整える効果があります。
また、脂質や糖などを吸着して体外へと排出するので、高血圧や高脂血症などの生活習慣病の予防や、食後の血糖値を抑えて肥満の予防や解消に役立ちます。
ジンゲロール・ジンゲロン・ショウガオール
生姜の特徴というべきピリッとした辛味は、ジンゲロールやジンゲロン、ショウガオールという成分によるものです。
これらには血流や胃液の分泌を促進する働きがあるため、食欲の増進、冷え症の改善といった効果が期待できます。
体を温めて発汗作用を促すため、風邪の解熱作用や咳を鎮めるといった効果もあります。
なお、ショウガオールは生の生姜にはわずかしか含まれておらず、加熱によってジンゲロールが変化して生成されます。
ジンゲロールに比べて、ショウガオールのほうが体を温める作用に優れているため、冷え症の人は生姜を温めて摂取するのがおすすめです。
新生姜のおすすめの食べ方
旬の時期が限られている新生姜は、甘酢漬けにして保存するのが一般的ですが、毎日の食事に利用するなら、甘酢漬け以外のレシピも知っておきたいものです。
ここでは、新生姜のおすすめの食べ方を2つご紹介します。
新生姜のスープ
新生姜を使ったスープは、味つけを変えるだけで洋風にも和風にもアレンジができます。
新生姜やたまねぎ、にんじん、キャベツ、パプリカなどの野菜を適当な大きさにカットし、水とコンソメの素で煮て塩こしょうで味を調えると洋風のスープに。
カットした新生姜とねぎをごま油で炒め、水と中華スープの素、カットしたトマトを入れて煮込み、最後に溶き卵を流して固めると中華風のスープに。
えのきやしめじ、まいたけなどのきのこ類を割いて鍋に入れて油で炒めたあと、水と和風だし(白だしも可)を入れて煮込み、すり下ろした大根と新生姜を加えると和風のスープになります。
ホットレモンジンジャー
カップにすり下ろした新生姜とはちみつを入れてお湯を注ぎ、よく混ぜたらレモンの絞り汁と輪切りにしたレモンを入れて完成です。
その都度作るのが面倒という人には、あらかじめジンジャーシロップを作り置きする方法がおすすめ。
薄切りにした新生姜と砂糖、はちみつ、水を加えて火にかけて煮込み、レモン果汁を加えて完成です。
カップに作り置きのジンジャーシロップとお湯を注ぐだけで、簡単にホットレモンジンジャーがいただけます。
【耳より情報】ふるさと納税で美味しい食材がもらえる!
ふるさと納税を活用すれば、新鮮な魚介類や厳選されたお肉、旬の野菜やフルーツなど、全国の特産品や美味しい食材を手に入れることができます。
しかも、地域の活性化を応援しながら税控除を受けられるメリットも。
この機会にぜひ、ふるさと納税で美味しい食材を手に入れて、食卓を豊かにしてはいかがでしょうか!