塩分を取り過ぎた時にすべき対処法は?控えるべき理由も解説

塩分を取り過ぎた時にすべき対処法は?控えるべき理由も解説

健康的な食生活のためには、塩分の取り過ぎを控えることが重要です。

とはいえ、塩辛い料理が続いたあとなど、塩分の取り過ぎが気になることもしばしばあります。

では、塩分を取り過ぎてしまったらどうすればよいのでしょうか?

今回は、塩分の取り過ぎの問題点や判断方法のほか、取り過ぎた時の対処方法も解説します。

塩分の取り過ぎを防ぐコツもまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事では、カリウムが豊富に含まれている食べ物を紹介しています。カリウムの働きや、効果的な摂取方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

塩分を取り過ぎたらどうなる?

塩分を取り過ぎたらどうなる?

塩分の取り過ぎがよくないことは頻繁に耳にしますが、実際に取り過ぎるとどうなるのか、イメージしにくいこともあるでしょう。

塩分の取り過ぎによって体にどんな負担があるのか知っておくと、塩分を控える際にも目的をもって取り組めます。

ここでは、塩分の取り過ぎによる体への負担や関係する病気を解説します。

塩分の取り過ぎとは「ナトリウムの過剰摂取」のこと

塩分の取り過ぎは、正確には「ナトリウムの過剰摂取」を意味しています。

ナトリウムは、体内環境の維持に欠かせないミネラルですが、取り過ぎが問題視されています。

この「ナトリウム」を含む代表的な物質こそが、食塩です。食塩は、ナトリウムと塩素が結合した「塩化ナトリウム」を主成分とする調味料を指します。

食塩を取り過ぎることでナトリウムの過剰摂取につながります。

一般的に、日本人の食事は塩分を取り過ぎる傾向があるため、注意が促されています。

ナトリウムは、不足しても体に悪影響を及ぼしますが、大量の発汗や体調不良時などを除いて、現代の食生活ではナトリウムが不足することはあまりありません。

塩分の取り過ぎが引き起こす症状や病気

塩分の取り過ぎで引き起こされる可能性がある症状や病気には、下記のようなものが挙げられています。

  • 喉の渇き
  • むくみ
  • 高血圧
  • 動脈硬化
  • 脳卒中
  • 腎臓病
  • 骨粗しょう症
  • 胃がん

塩分の取り過ぎの影響は、一時的な症状から重篤な症状までさまざまですが、慢性的に塩分の取り過ぎが続くことで、重篤な病気のリスクを高めてしまうため注意が必要です。

また、上記で取り上げたような症状や病気は、互いに関連している部分もあります。

例えば、喉の乾きは、水分を摂取して血液中のナトリウム濃度を下げようとするためです。この水分を体に蓄える働きによって、むくみが引き起こされやすくなります。

また、血液中のナトリウム濃度を下げるために水分を取り込むと、血液の量が増え、血管への圧力が高まる「高血圧」につながることも特徴です。

そして、高血圧が動脈硬化・脳卒中・腎臓病のような病気につながったりと、塩分の取り過ぎが続くとどんどんリスクが増えていきます。

骨粗しょう症については、塩分の取り過ぎでナトリウムの排出量が増えると、カルシウムも一緒に排出されやすいことが一因です。

胃がんについては、塩分の取り過ぎで胃の粘膜が傷付くことも原因といわれています。

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塩分の取り過ぎの判断基準とは?

塩分の取り過ぎの判断基準とは?

日本人の食塩摂取量は、厚生労働省の推奨している目安量と比較して、大幅に取り過ぎています。

食塩そのものではなく、ほかの調味料や加工食品の摂取によっても、塩分の取り過ぎにつながりがちです。

どのような食事が塩分の取り過ぎを招くのか、知っておくことも大切です。

1日の塩分摂取量の目安

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」では、1日の食塩摂取量の目標量は、成人男性が7.5g未満、成人女性が6.5g未満です。

ただし、生活習慣病の重症化予防など、病気の予防のためには1日6g未満が望ましいともいわれており、一般的な目安量よりもさらに減塩が推奨されつつあります。

近年の人々の食塩摂取量の推移では、摂取量が徐々に減少傾向にあるものの、目標量と比較すると1日に3gほど取り過ぎています。

そのため、日頃から減塩を意識した食生活を心掛けるとよいでしょう。

食塩相当量をチェックする

栄養成分表示がある調味料や加工食品なら、「食塩相当量」を見ると塩分の含有量がわかります。

食塩相当量とは、食品に含まれるナトリウムの量を、相当する食塩の重さに換算して表したものです。

多くのミネラルでは、ミネラル含有量がそのまま表示されますが、ナトリウムだけは食塩に換算した方が便利で分かりやすいため、食塩相当量が表示されているのです。

食塩相当量は、食品中のナトリウム量の約2.54倍になります。

例えば、0.5g(500mg)のナトリウムを含む食品なら、食塩相当量は1.27g(1270mg)になります。つまり、食塩1.27gを摂取した場合と同等の塩分摂取量とみなせます。

現代の食生活では、塩分の主要な摂取源は、栄養成分表示がある調味料や加工食品です。食塩相当量を確認する習慣をつけると、塩分の取り過ぎ防止に大いに役立ちます。

見えない塩分の取り過ぎに注意

料理には、多くの調味料や食材が使われているため、合計した塩分摂取量の把握はなかなか難しいでしょう。

また、塩分量をイメージしにくい食品でも、塩分が多いことがあるため注意が必要です。

これらは「見えない塩分」とも呼ばれています。

見えない塩分の例

食品名食塩相当量(g)
食パン(1枚・60g)0.7
カマンベールチーズ(1切れ・15g)0.3
塩鮭(1切れ・80g)1.4

上記の例のように、食パン1枚とカマンベールチーズ1切れを食べるだけでも、1食で約1gの塩分を取ることになり、塩鮭を1切れ食べるだけでも約1.5gの塩分を摂取することになります。

減塩を心掛ける際には、こうした見えない塩分の取り過ぎにも注意しましょう。

参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

食生活や体の状態をチェックする

塩分を取り過ぎているかどうかの判断は、健康診断の結果を参考にするほか、日々の食生活の傾向からも推測できます。

塩分の取り過ぎになりやすい食生活の例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 味噌汁を1日に3杯飲んでいる
  • ご飯に毎食梅干しを添えている
  • 昼食はいつも外食やコンビニ等で買った食事で済ませている

こうした傾向が重なっていると、塩分を取り過ぎている恐れが強いでしょう。

また、「最近のどがよく渇くようになった」「むくみが気になるようになった」といった症状も、塩分の取り過ぎにより引き起こされている可能性があります。

塩分を取り過ぎているかチェックできる項目は、Web上でもたくさん公開されているため、それらを確認するのもよいでしょう。

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塩分を取り過ぎた時の対処法

塩分を取り過ぎた時の対処法

塩分を取り過ぎたと思ったら、すぐに対処できることを行うとともに、今後の食生活で予防を心掛けることも大切です。

すぐにできる対処法のポイントは、取り過ぎた塩分を体内から排出するよう促すことです。

さらに、日頃から減塩を心掛け、普段の食生活で塩分を取り過ぎないようにしていきましょう。

カリウムを含む飲み物や食べ物を摂取する

カリウムにはナトリウムを排出する作用があることから、塩分を取り過ぎた時のカリウム摂取は、よく挙げられる対処法のひとつです。

カリウムは、野菜や果物、海藻類、豆類などに多く含まれています。

カリウムは水に溶けやすいため、茹でずに生のまま食べるか、スープのように流出する成分も一緒に食べる調理方法を選ぶと、無駄なく摂取できるでしょう。

または、野菜ジュースやフルーツジュースなどで取り入れる方法もあります。

ナトリウムの排出に効果的なカリウムですが、注意点もあります。腎臓に病気を抱えている場合などでカリウム摂取量に制限があるときには、医師に相談してから取り組むようにしましょう。

水分補給で代謝を促す

塩分を取り過ぎると、喉が渇き水分を取りたくなります。この水分補給も、塩分の取り過ぎに対処する方法のひとつです。

水分を摂取すると、代謝によって塩分を排出しやすくなります。

飲み物としては、水のほかに、利尿作用のあるコーヒーやお茶なども効果的です。ただし、カフェインの過剰摂取には注意してください。

自身の体に合った飲み物を、一度にたくさんではなく、こまめに摂取するようにしましょう。

また、代謝を促すために、適度な運動などで汗をかくことも効果的です。

意識的にカルシウムを摂取する

塩分を取り過ぎた時には、ナトリウムを排出するとよいですが、同時にカルシウムも排出されやすい難点があります。

体内のカルシウム不足につながる可能性があるため、カルシウムが豊富な食品の摂取も意識しておきましょう。

カルシウムは、乳製品や魚介類、大豆製品などに多く含まれています。

ただし、カルシウムも過剰摂取すると体に悪影響があるため、とくに栄養補助食品では気を付けましょう。

以後の食生活で塩分の取り過ぎを防ぐ

塩分の取り過ぎは、日頃の食生活でちょっとした工夫をするだけでも、予防につながります。

ポイントをおさえて上手に減塩に取り組みましょう。

塩分の取り過ぎを防ぐポイント

  • 調味料を使い過ぎない
    塩分が多い調味料の使用を控え、だしや素材のうま味を活かした調理方法にする。
  • 加工食品を食べ過ぎない
    加工食品は気付かないうちに塩分の取り過ぎにつながりやすいため、食べ過ぎに気を付ける。
  • 外食時も減塩を意識する
    なるべく塩分の少ないメニューを選ぶ、ラーメンなど麺類のスープを飲み干さない、などを心掛ける。

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