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クミンは、カレーによく使われるスパイスのひとつです。
毎日の料理で手軽に使えるタイプの製品があるため、すぐに取り入れることができるでしょう。
また、伝統医療のアーユルヴェーダの中でも、基本のスパイスとしてたびたび登場します。
今回は、そんなクミンについて、どのようなスパイスであるかの基本情報と共に、期待できる効能やレシピに使うコツなどを解説します。
クミンとは
クミンは、カレーによく使われるスパイスの一種で、カレーパウダーの主原料でもあります。
カレーには欠かせないスパイスで、カレーの香りの素であることも特徴です。
クミンは、エジプト原産の植物で、紀元前16世紀の古代エジプトの医学書にも使用された記録が残っています。
中世ヨーロッパでは、恋人の心変わりを防ぐためのお守りにも使われていたのだそう。
料理では、カレーをはじめ、エスニック料理に最適で、カレー以外にも炒め物やスープ、パン生地などに幅広く使われています。
クミンはセリ科の植物
クミンは、セリ科の植物で、「馬芹」や「ジーラ」という別名もあります。
クミンは一年草のため、一年のうちに種から発芽して成長し、花を咲かせ、また種をつけて枯れる、というサイクルをもつ植物です。
スパイスに使われるのは、一般的にクミンの種子(植物学上の果実)の部分です。
花が咲き終わった後に付いた実を収穫して、乾燥させてから脱穀して使います。
クミンの種類
一般的に手に入りやすいクミンは、「クミンシード」と「クミンパウダー」の2種類です。
クミンシードは、クミンの種子の形が残っているホールタイプで、クミンパウダーはクミンシードをパウダー状にしたものです。
クミンシードは、油で炒めると香りが引き立つため、料理にクミンの香りを付けたいときなどに使われます。
クミンパウダーは、粉末状のため手軽に取り入れやすいことがメリットです。
肉や魚の下味を付けるときにまぶす、ハンバーグのタネやパン生地に混ぜ込む、ソースに混ぜる、料理の仕上げに振りかけるなど、多彩な使い方ができます。
クミンとアーユルヴェーダの関係
アーユルヴェーダは、インド・スリランカで生まれた伝統的な医療で、心身ともに健康で病気になりにくい体をつくる予防医学の考え方に基づいています。
「ドーシャ」と呼ばれる3つの要素である「ヴァータ」「ピッタ」「カパ」のバランスを基準に、個人の体質に合わせたさまざまな働きかけを行うのが特徴です。
アーユルヴェーダでは、食事も大切な働きかけのひとつです。
アーユルヴェーダの食事において、スパイスは大きな役割を担っており、クミンは基本のスパイスのひとつとして挙げられています。
クミンは、アーユルヴェーダに欠かせないスパイスとして効能が期待され、ドーシャのどの要素にも影響を与えるスパイスです。
クミンに期待できる効能
クミンには、美容や健康に役立つさまざまな効能が期待されています。
リラックス効果もあるため、体調にトラブルがあるときだけでなく、日常の気分転換などにも役立つでしょう。
この章では、クミンに期待できる主な効能を紹介します。
消化促進効果
クミンに含まれる成分には、消化促進効果が期待されており、食欲増進にも役立ちます。
また、腸内のガスを排出する働きも期待されているため、腹部膨満感が気になるときにもおすすめです。
そのほか、下痢や腹痛のトラブルにも効果が期待され、アーユルヴェーダにおいても整腸作用が取り上げられています。
抗酸化作用
クミンに含まれている、フラボノイドなどのポリフェノールやカロテノイドにより、抗酸化作用が期待できます。
さらに、クミンには、同じく抗酸化作用があるビタミンCも含まれています。
活性酸素の働きを抑制する抗酸化作用は、老化や生活習慣病の予防に役立ちます。
免疫力アップ
クミンに含まれるビタミンCには、ストレスや病気への抵抗力を高める働きも期待できます。
さらに、クミンには、粘膜や皮膚の健康維持や感染症予防に役立つビタミンAも含まれています。
クミンに含まれる栄養素の働きによって、免疫力の維持や向上が期待できます。
コレステロール値改善効果
クミンには、「植物ステロール」という成分が多く含まれています。
植物ステロールは、植物の胚芽にとくに多く含まれており、コレステロールの吸収を抑える働きが期待されている成分です。
悪玉コレステロールを減らす作用などが期待できることから、クミンは血中コレステロール値の改善効果でも注目されています。
ダイエット効果
クミンは、ダイエット効果でも注目を集めており、クミンを利用したダイエットの検証なども行われています。
クミンには、血中コレステロール値の改善と併せて、新陳代謝を上げる働きや、脂肪の燃焼をサポートする働きが期待されています。
リラックス効果
クミンは、香り成分であるクミンアルデヒドやリモネンにより、鎮静作用やリラックス効果が期待できます。
リモネンは柑橘類の皮に多く含まれる香り成分で、脳をリラックスさせ脳内にα波を増やす効果があるといわれています。
クミンの効能を活かした取り入れ方と注意点
クミンにはさまざまな効能が期待できますが、効果的に取り入れるためには、自身の体に合った方法で摂取することも大切です。
クミンを使ったレシピは豊富にありますので、お好みのレシピを探すとより楽しみながら効能を活かすことができるでしょう。
クミンの効果的な取り入れ方
クミンは食品のため、取り入れ方に特別な決まりはなく、毎日継続して食べるほか、体のトラブルが気になるときに食べることもできます。
継続して食べながら効果を試したいなら、クミンを使ったレシピなどを参考に、毎日少量ずつ料理に使うとよいでしょう。
胃腸の調子が気になるときなど、一時的なトラブルを感じた際に、料理に取り入れるのも効果的です。
クミンに副作用はある?体質に合わせて摂取しよう
クミンはセリ科の植物のため、セリ科にアレルギーのある方は、食物アレルギー症状が出る可能性があるため注意しましょう。
クミンの過剰摂取によって、下痢や腹痛、体臭が強くなるといったトラブルが引き起こされる可能性があるため、食べ過ぎにも注意が必要です。
また、胃腸が弱い方や、妊娠中・授乳中の女性などは、摂取を控えるよう勧められることが多いです。
一般的に、スパイスは多量に摂取するものではなく、少量を効果的に使う食品です。
痩せる、コレステロール値が良くなるといった一部の効果を目的に、多量に摂取しないようにしましょう。
サプリメントなどでクミンを摂取する際には、通常の食品として食べるよりも過剰摂取につながりやすいため、とくに気を付ける必要があります。
クミンはどんな味?クミンをレシピに使うコツ
クミンの特徴は主に香りであり、味の特徴はそれほどなく、少し苦味がある程度です。
そのため、味付けとして使うよりは、香りによって料理を引き立たせるのがコツです。
炒め物やカレーなどで、クミンの香りをより活かしたいときには、ホールタイプのクミンシードを油で炒めてから使うとよいでしょう。
料理の仕上げにクミンパウダーを振りかけると、さらに香りをプラスすることができます。
反対に、クミンの香味が気になるときには、ブラックペッパーやコリアンダーなどの他のスパイスや、ラム肉のようにクセの強い食材を組み合わせると、香味が抑えられ食べやすくなります。
シンプルにクミンの香りを楽しみたいなら、油で炒めたクミンシードと一緒にご飯を炊いたり、乾煎りしたクミンシードを煮出してお茶として飲んだりするのもおすすめです。
まとめ
クミン自体には目立った味がないものの、その香りは、他の食材のおいしさをより引き立たせる効果があります。
消化促進やダイエットなど、健康や美容面での効能も期待できるため、おいしい料理で無理なく取り入れていくとよいでしょう。
リラックスしたいときなど、ちょっとした気分転換に使えるのもクミンの魅力です。
ご自身に合った方法で、生活の中でクミンを上手に活かしてみてください。