ふるなびスタッフ
さまざまな料理に使える万能食材、玉ねぎ。
何気なく食べている玉ねぎですが、じつは、健康効果の高い食材であることはご存じでしょうか。
この記事では、玉ねぎが体にどんな良い効果をもたらすのかについて解説します。
さらに、効果的に摂取する方法や有効成分を増加させる方法なども紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
玉ねぎの健康効果
玉ねぎの特徴的な成分として、催涙作用のあるアリシン（硫化アリル）と、外皮に多く含まれるケルセチンの2つがあります。
ここでは、アリシンとケルセチンを中心に、玉ねぎが体にどのような効果をもたらすのかを解説します。
血液サラサラ・血管を丈夫に！
玉ねぎは食べることで、血流や血管を健やかな状態に保つ効果が期待できます。
- アリシンの血液サラサラ効果
- ケルセチンで動脈硬化予防
- カリウムで高血圧予防
アリシンには血栓を防いでコレステロール値を下げる働きがあり、血液をサラサラにしてくれます。
また、ポリフェノールの一種であるケルセチンには抗酸化作用があり、動脈硬化を予防するのに効果的です。
さらに、玉ねぎに含まれるカリウムは摂りすぎた塩分を排出してくれるので、高血圧予防にもぴったりです。
このように、玉ねぎは血管を若々しく健康に保つためにおすすめの食材といえます。
疲労回復をサポート
アリシンには、ビタミンB1の吸収を高める働きがあります。
ビタミンB1といえば、糖の代謝には欠かせない重要な成分で、不足すると疲労が溜まってしまいます。
とくに、お米をエネルギー源としている日本人にとって、ビタミンB1の吸収を高める玉ねぎはありがたい存在です。
豚肉や大豆製品などのビタミンB1を豊富に含む食材と一緒に調理すれば、疲労回復にぴったりな料理となります。
腸内環境を改善
健康効果をもたらす玉ねぎの成分は、アリシンやケルセチンだけではありません。
玉ねぎには、腸活に役立つオリゴ糖もたっぷりと含まれています。
オリゴ糖は乳酸菌のエサとなり、腸内で乳酸菌の増殖をサポート。
その結果、腸内環境が整うのです。
便通が悪かったり腸内環境が乱れていたりと不調を感じる人にとっても、玉ねぎはうれしい食材といえます。
ダイエット効果
玉ねぎは、ダイエット中の人にも注目してほしい食材です。
- アリシンで新陳代謝アップ
- オリゴ糖でおなかの張り改善
玉ねぎの辛みのもとになっているアリシンには、血行促進効果があります。
血行を良くすることは新陳代謝アップにつながるため、ダイエットに効果的です。
また、オリゴ糖で腸内環境を改善することにより、張ったおなかもすっきり。
食べたから痩せる、という魔法のような食材ではありませんが、新陳代謝を高め腸内環境を整えることで、ダイエット中の人をサポートしてくれる頼もしい食材といえます。
女性にうれしい美肌効果
玉ねぎには、多くの女性にとってもうれしい効果があります。
前述した通り、玉ねぎに含まれるケルセチンは抗酸化作用がある魅力的な成分です。
ケルセチンは、光のダメージから肌を守ってくれるので、肌の老化防止に効果的であると考えられます。
実際、ケルセチンは市販の日焼け止めクリームにも配合されているほど美肌効果が期待される成分なのです。
玉ねぎを日々取り入れることは、紫外線対策としても有効といえます。
男性の更年期対策にも
男性特有の症状にも効果が期待できます。
- タマネギアイリンの男性更年期症状改善効果
- ケルセチンで精巣の酸化予防
玉ねぎに含まれる成分「タマネギアイリン」には、男性ホルモンであるテストステロンの減少を抑制する働きがあります。
実際、動物実験のみならずヒト実験においても、男性更年期症状の改善が確認されました。
また、テストステロンを作る精巣は活性酸素による酸化の影響も受けるため、ケルセチンの抗酸化作用も効果的と考えられます。
男性更年期症状に悩む人は積極的に取り入れたい食材です。
玉ねぎの栄養を効果的に摂取するコツ
玉ねぎに含まれ、さまざまな健康効果をもたらしてくれるアリシンとケルセチン。
これらの栄養成分を効果的に摂取するコツを紹介します。
生で食べるのが一番
玉ねぎの栄養成分を効果的に摂取するには、生で食べるのがおすすめです。
なぜなら、さまざまな効果のあるアリシンは、熱に弱く水に溶けやすい性質があるからです。
したがって、加熱調理よりも生のままサラダなどで食べるほうが、玉ねぎの栄養を効果的に摂取できるといえます。
玉ねぎは幅広く料理に使える万能食材ですが、血液サラサラ効果を期待する人は、生で食べるように心がけるようにしましょう。
加熱すれば食べやすい
生の玉ねぎは、辛みが強く食べにくいと感じる人もいるはずです。
そこで、玉ねぎを加熱して食べやすくする手もあります。
アリシンは減少しますが、加熱することで甘みが増します。
ケルセチンやオリゴ糖は加熱しても壊れることはないので、アンチエイジングや腸活には加熱してたっぷり食べるのがおすすめです。
皮も活用する
抗酸化作用のあるケルセチンは、じつは、茶色い外皮に多く含まれている成分です。
そのため、皮も活用することで効果的にケルセチンを摂取できます。
とはいえ皮を食べることは難しいので、玉ねぎの皮を煮出してお茶にする方法がおすすめです。
よく洗った皮を水と一緒に鍋に入れて煮るだけなので、簡単にできます。
手軽に「健康茶」として生活に取り入れてみてください。
水ではなく空気にさらす
生で玉ねぎを食べる場合、気になるのは辛みです。
その辛みを飛ばすために、切ったあと水にさらす方法がありますが、これではせっかくのアリシンが水に流れ出てしまいます。
そこでおすすめなのが、空気にさらすこと。
薄くスライスした玉ねぎを空気に触れるように広げておけば、アリシンの流出を防ぎながら辛みを飛ばすことができます。
レンジで加熱する
玉ねぎを加熱調理するのであれば、電子レンジの使用がおすすめです。
電子レンジは水を使わないため、栄養成分の流出を最小限に抑えることができるからです。
玉ねぎには加熱に弱い成分が含まれていますが、加熱調理すれば甘みが出て食べやすくなるメリットもあります。
電子レンジで工夫して調理することで、玉ねぎをよりおいしく、そして栄養を逃さずに取り入れられます。
玉ねぎ効果がアップする裏技
玉ねぎの特長ともいえるアリシンとケルセチン。
玉ねぎの健康効果を高めるために、これらの成分を増やす方法を紹介します。
みじん切りにして放置する
玉ねぎは、みじん切りにしてしばらく放置しましょう。
アリシンは、玉ねぎの「硫化アリル」が空気に触れることで変化してできる成分です。
細かく刻んで空気に触れる面積を増やすことで、アリシンがどんどん増えていきます。
日光に当てる
抗酸化作用のあるケルセチンは、直射日光に当てることで増えることがわかっています。
ケルセチンは外皮に多く含まれている成分ですが、茶色い外皮をはがした白い部分でも、日光に当てることで生成されます。
なんと、1週間干すだけでケルセチンが3.5倍になるというデータもあるほど。
玉ねぎの干し方ですが、外皮をむいたらそのまま太陽光がよく当たる場所に置いておくだけです。
1週間をめやすに干すといいでしょう。
毎日食べたい玉ねぎの健康レシピ
さまざまな効果があり、男女問わず毎日積極的に取り入れたい玉ねぎ。
ここでは、玉ねぎを毎日気軽に食べられる簡単レシピを紹介します。
酢玉ねぎ
お酢に漬け込んだ玉ねぎは、はちみつのまろやかさが加わり食べやすい一品です。
お酢は、食後の血糖値の上昇を緩やかにしてくれるので、糖尿病の予防にもぴったりです。
作り方
- 玉ねぎの繊維を断ち切るようにして薄くカットする
- 保存袋に、玉ねぎ、酢、はちみつを加え軽くもむ
- 冷蔵庫で半日ほど寝かせて完成
ピクルスのようにそのままでも、サラダに加えてもおいしく食べられます。
冷ややっこにトッピングすれば、ビタミンB1の吸収をサポートして疲労回復に役立つ、簡単でありながら優秀な一品になります。
玉ねぎヨーグルト
ダイエット中の人に注目されているレシピが「玉ねぎヨーグルト」です。
玉ねぎに含まれるオリゴ糖が乳酸菌のエサとなり、乳酸菌を増やしてくれます。
玉ねぎのダイエット効果に乳酸菌も加わり、腸活を力強くサポートしてくれる一品です。
作り方
- 玉ねぎを薄切りにする
- カットした玉ねぎに、ヨーグルトと塩少々を加えて混ぜる
- 冷蔵庫で一晩寝かせて完成
冷蔵庫で寝かせずに食べても問題ありませんが、寝かせることでたまねぎがしんなりとし、食べやすくなります。
玉ねぎヨーグルトは、ドレッシングとしてサラダにかけたり、カレーに混ぜてコクを出したりしてもおいしく食べられます。
玉ねぎの食べすぎに注意！
健康に良いとわかると、ついついたくさん食べようとしてしまうかもしれません。
しかし、玉ねぎは食べすぎに注意したほうがいい食材です。
1日の摂取量と食べ過ぎた場合の身体への影響について紹介します。
1日にどれくらい食べていい？
玉ねぎには、とくに摂取上限は決められていません。
しかし生の場合は、1日に50g程度をめやすに食べるといいといわれています。
中玉ねぎであれば、1/4個程度です。
食べ過ぎるとどうなる？
玉ねぎに含まれるアリシンには、強い殺菌作用があります。
そのため、過剰摂取することで胃腸を痛める恐れがあります。
胃痛や吐き気、頭痛などの体調不良を起こす可能性があるので、食べすぎには注意してください。
まとめ
玉ねぎには、血液サラサラ効果や疲労回復、腸内環境の改善など、体にうれしいさまざまな効果が期待できます。
生で食べればアリシンを効率よく摂取できますが、加熱調理で食べやすくし、ケルセチンやオリゴ糖をたっぷり取り入れるのもいいでしょう。
さらに、みじん切りや日光に当てるといった方法で玉ねぎの効果を高めることも可能です。
健康な体作りのために、日々の食事に玉ねぎを取り入れてみてください。
