目次
大阪府南部にある泉佐野市は、大阪市と和歌山市のちょうど中間あたりに位置する人口約10万人のまち。
関西国際空港があることで有名なほか、ふるさと納税においては、独自のキャンペーンで積極的に寄附集めを行ったパイオニア的存在として知られています。
今回の記事では、そんな泉佐野市のふるさと納税の特徴について解説。
国と争った裁判の経緯から現在取り組んでいる新しいプロジェクト、人気の特産品や寄附金の使い道まで、わかりやすくご紹介します。
泉佐野市ってどんなところ?
空港をはじめとした近代的な都市としての一面だけでなく、海・山などの自然や温泉、社寺など、多彩な魅力を持ちあわせている泉佐野市。
ここでは、そんな泉佐野市の特徴を3つのポイントからご紹介します。
西日本の玄関口・関西国際空港のある国際都市
泉佐野市の特徴としてまず挙げられるのが、日本を代表する国際空港のひとつ、関西国際空港を擁していること。
世界初の完全人工島からなる海上空港で、全国有数の国際線・国内線ネットワークを誇ります。
空港直結の「りんくうタウン」には、西日本最大級のアウトレットモールや複合商業施設、宿泊施設なども完備。
世界に羽ばたく国際都市の名にふさわしく、国内外から集まった多くの人々で賑わっています。
海と山の魅力が一度に!自然豊かなまち
西は大阪湾、東は和泉山脈に面している泉佐野市は、海と山に囲まれた美しい自然も自慢。
緑あふれる「りんくう公園」や、大理石の玉石が敷き詰められた真っ白な海岸「マーブルビーチ」などは、臨海エリアの夕日スポットとしても有名です。
山側のエリアには山桜や紅葉が楽しめる「犬鳴山(いぬなきさん)」があり、原生林と滝が織りなす渓谷美をハイキングなどで満喫することができます。
大阪唯一の温泉郷や歴史的な見どころも
市内にある大阪府唯一の温泉郷「犬鳴山温泉」は、秘境感たっぷりのパワースポットとして人気。
同じく犬鳴山にある「七宝瀧寺(しっぽうりゅうじ)」は、滝に打たれるなどの修験道体験ができる、全国的にも珍しいお寺です。
また、「日根神社」などから構成された「日根荘(ひねのしょう)遺跡」は、鎌倉~戦国時代の景観を現代に伝える史跡として日本遺産にも認定されています。
全国屈指の人気!泉佐野市のふるさと納税|裁判~再開まで
泉佐野市といえば、2017~2019年に3年連続でふるさと納税寄附金額全国トップを記録した自治体。
国の規制により寄附の受付を一時的に停止していましたが、裁判を経て、2020年にふるさと納税制度への復活を果たしました。
ここでは、泉佐野市のふるさと納税が問題視された理由や、国を相手取った裁判、寄附受付再開の経緯を解説します。
返礼品のAmazonギフト券などが問題に
ふるさと納税制度が創設されたのは2008年のこと。
泉佐野市は、豊富な返礼品ラインナップで2014年頃から多くの寄附を獲得するようになり、2017年には寄附金額全国1位となります。
2018年には約497億円を集め、全国の寄附金額の約1割を占めるほど人気を博しました。
ところが、返礼品の中に地場産品とはいえない商品や換金性の高い商品券などが含まれていたことや、返礼品の還元率が高すぎたことなどが国から問題視される事態に。
2019年6月からスタートした新制度において、ふるさと納税制度の対象自治体から除外されることとなりました。
2020年の最高裁判決でふるさと納税制度に復活
泉佐野市は国のこの対応を不服とし、除外決定の取り消しを求めて提訴。
2020年6月に最高裁で勝訴し、同年7月からの制度復帰が認められました。
現在は、返礼品は地場産品に限ることや、返礼品の調達額は寄付金額の3割以下とすることなど、定められたルールに則ってふるさと納税制度を運用しています。
クラウドファンディングを活用した新たな挑戦も
制度に復帰した泉佐野市がまず取り組んだのは、新しい地場産品を創り出すこと。
同市が実施する「#ふるさと納税3.0」は、寄附者が応援したい新事業にクラウドファンディングで寄附を行い、開発された地場産品を返礼品として受け取ることができるという新たな仕組みです。
まちづくりにゼロから参加できることが、寄附者にとって大きな魅力となっています。
泉佐野市のおすすめ特産品7選
泉佐野市は、古くから商業・工業・農業・漁業がバランスよく発展してきたまち。
「魚庭(なにわ)」と呼ばれる海と豊かな大地が生み出した食材や、大阪の商人文化の中で育まれてきた伝統工芸品など、特産品もバリエーション豊かです。
熟成肉(牛タン・ステーキ・すき焼き肉など)
「#ふるさと納税3.0」のプロジェクトで誕生した新たな特産品の中でも、特に注目度が高いのがオリジナルブランド熟成肉の数々。
厳選した牛肉や豚肉などを0℃以下の低温で寝かせたものや、特殊な電気エネルギーを与えたものなど、多様な熟成技術が活用されています。
肉本来の旨味と風味が最大限に引き出され、やわらかさも格段にアップした絶品揃いです。
ワタリガニ
泉州エリアでカニといえば、大阪湾でとれた新鮮なワタリガニ(ガザミ)のこと。
泉佐野市にはワタリガニ料理の専門店もあり、代表的な名物として定着しています。
ズワイガニやタラバガニなどと比べると見た目は小さくて地味ですが、繊細でなめらかな身と濃厚な味わいは格別。
食通の間では、「カニの中で一番美味しいのはワタリガニ」とも言われるほどです。
泉だこ
大阪湾の泉州沖でとれるマダコをボイルした泉だこは、ひと口で甘味を感じる風味のよさが魅力。
プリプリのやわらかい食感は、一度食べるとクセになる美味しさです。
大阪名物のたこ焼きをはじめ、刺身、たこ飯、たこ天など、さまざまな料理で親しまれています。
がっちょ・シャコ・しらす
泉佐野市内の泉佐野漁港は、大阪府でも屈指の漁獲量を誇る泉州の魚処。
ワタリガニや泉だこのほかにも、シャコ、しらす、カレイ、タイなど、多種多様な季節の魚介類が水揚げされています。
新鮮ながっちょ(メゴチ)を使ったから揚げは、このエリアのソウルフードです。
泉州水なす
全国に名の知られた野菜ブランド・泉州野菜の中でも、特に有名なのが泉州水なす。
水分をたっぷり含んだジューシーななすで、アクが少ないので生のままかじりつくことができます。
朝採れの水なすをぬか漬けや浅漬けにした水なす漬は、お取り寄せやギフトとしても人気。
包丁を使わずに手で縦に割いていただくのが定番の食べ方です。
泉州たまねぎ
「日本のたまねぎ栽培発祥の地」ともされる泉州エリア。
泉佐野市内でも盛んに生産されている泉州たまねぎは、肉厚でみずみずしく、甘味が強いのが特徴です。
生で食べても辛みが少ないので、サラダなどでいただくのがおすすめ。
ハンバーグ、ドレッシング、スープなどの加工品も、凝縮された泉州たまねぎの旨味を存分に味わうことができます。
泉州タオル
国内有数の繊維製品の生産地である泉州エリアは、日本ではじめてタオルの製織が確立された場所として知られています。
吸水性が高く、ふんわりとした肌ざわりが特徴の泉州タオルは、泉佐野市を代表する特産品です。
熟練の縫製技術を活かしたシーツ・布団などの寝具類や衣類の品質にも定評があります。
18通りから選ぼう!泉佐野市のふるさと納税寄附金の使い道
ふるさと納税を通じた泉佐野市への寄附は、教育・福祉・医療・災害対策・観光振興など、さまざまな事業に活用されます。
2021年8月現在、寄附金の使い道として提示されている事業は全16種類。
なかでも、日本のアイススケート界を盛り上げるべく建設された「関空アイスアリーナ」を中心としたまちづくりプロジェクトや、新型コロナウイルスの影響で苦境に立たされている関西国際空港や航空関連企業を支援するプロジェクトなどが特徴的です。
使い道を指定しない「市長におまかせ」や、寄附者が希望する使途を具体的に記入する「その他のプロジェクト」も含めると、18通りの選択肢の中から自分の意思に沿った使い道を指定することができます。
泉佐野市の返礼品が届かないときの問い合わせ先
ふるさと納税の申込み完了後、予定されていた時期になっても返礼品が届かない場合は、泉佐野市の担当部署に直接問い合わせましょう。
問い合わせる前に、次の項目について確認しておくとスムーズです。
- 申込時の住所・電話番号などに不備がないか?
- 決済がきちんと完了しているか?
- 返礼品を辞退するタイプの寄附に申し込んでいないか?
大阪府泉佐野市の問い合わせ先
担当課 | 泉佐野市ふるさと納税業務係 |
住所 | 〒598-0012 大阪府泉佐野市高松東1丁目10-37 泉佐野センタービル14F |
電話番号 | 072-463-1212 |
ホームページ | http://www.city.izumisano.lg.jp/ |
まとめ
豊富な返礼品やユニークな試みで、全国的な人気を集めている泉佐野市のふるさと納税。
制度に復帰後新たにスタートした取り組みや、魅力的な特産品の数々、泉佐野らしい寄附の使い道にもぜひ注目してみてください。