目次
おなかの調子を整えたり、便秘を解消したりするには、しっかりと食物繊維を摂ることが重要です。
しかし、「食物繊維が豊富な食べ物」といっても、キャベツやバナナなどが思い浮かぶだけで、あまりピンとこない方もいるでしょう。
この記事では、食物繊維が豊富な身近な食べ物を分類ごとにまとめ、食物繊維の役割や1日に摂取したい量についても解説しています。
食物繊維の不足が気になる方は、紹介している食べ物をチェックして、ぜひ食生活に取り入れてみてください。
食物繊維が豊富な身近な食べ物

この章では、スーパーでも手に入る身近な食べ物のうち、食物繊維が豊富なものを以下の分類ごとに紹介しています。
- 野菜類
- 果物類
- 海藻類
- キノコ類
- 豆類
- 穀物類
各一覧表のデータは「日本食品成分表2020年版(八訂)」より引用しています。
野菜類:だいこんやごぼうなど

食物繊維が豊富な代表的な野菜を、下表に示します。
| 食品 | 食物繊維の総量(g) |
|---|---|
| 切り干し大根(乾) | 21.3 |
| パセリ | 6.8 |
| ごぼう(生) | 5.7 |
| だいこん(葉、ゆで) | 3.6 |
| にんじん(生) | 2.8 |
| ほうれんそう | 2.8 |
| キャベツ | 1.8 |
※可食部100gあたり
食物繊維は、野菜のなかではごぼうやだいこんにとくに多く含まれています。
また、切り干し大根のような食品は、乾燥して水分が抜けるため、100gあたりの食物繊維含有量が多くなります。
野菜類は食物繊維だけでなく、ビタミンやミネラルなども摂取可能です。
便秘対策だけでなく、栄養のバランスをとるためにも、野菜類は積極的に食べるようにしましょう。
果物類:干し柿やレモンなど

食物繊維が豊富な代表的な果物を、下表に示します。
| 食品 | 食物繊維の総量(g) |
|---|---|
| 干し柿 | 14.0 |
| アボカド | 5.6 |
| レモン | 4.9 |
| ブルーベリー(生) | 3.3 |
| キウイフルーツ | 2.6 |
| りんご | 1.4 |
| いちご | 1.4 |
| バナナ | 1.1 |
※可食部100gあたり
日常でも購入する機会が多いリンゴやバナナよりも、アボカド、レモンに食物繊維は多く含まれています。
また、切り干し大根と同じく、水分が抜けた干し柿などのドライフルーツも、100gあたりの食物繊維が多くなります。
ただし、果物には食物繊維だけでなく糖分(果糖など)も多く含まれているため、食べ過ぎには注意しましょう。
海藻類:ひじきやわかめなど

食物繊維が豊富な代表的な海藻類を、下表に示します。
| 食品 | 食物繊維の総量(g) |
|---|---|
| ひじき(乾) | 51.8 |
| 焼きのり | 36.0 |
| わかめ(乾) | 32.7 |
| あおさ(乾) | 29.1 |
| 昆布(乾) | 27.1 |
※可食部100gあたり
「食物繊維といえばひじき」とイメージする方もいるのではないでしょうか?
ひじきの食物繊維は51.8gで、海藻類のなかでも頭ひとつ抜けています。
海藻類は食物繊維だけでなく、鉄分も多い傾向があり、貧血対策にも役立ちます。
わかめであれば、サラダやみそ汁の具材として使いやすいので、毎日の食事に積極的に取り入れてみてください。
きのこ類:きくらげやしいたけなど

食物繊維が豊富な代表的なきのこを、下表に示します。
| 食品 | 食物繊維の総量(g) |
|---|---|
| きくらげ(乾) | 57.4 |
| 干ししいたけ | 46.7 |
| 生しいたけ | 4.6 |
| なめこ | 3.4 |
| 本しめじ | 1.9 |
※可食部100gあたり
きのこは野菜と並んで、とくに食物繊維が豊富な食品群です。
きのこは食物繊維だけでなく、ビタミン(主にDやB群)も豊富であり、健康的な食生活のために役立ちます。
きのこ類は、炒め物や汁物などいろいろな料理で使いやすいので、便秘が気になる方は毎日の食事に積極的に取り入れてみましょう。
豆類:いんげん豆やえんどう豆など

食物繊維が豊富な代表的な豆類や大豆製品を、下表に示します。
| 食品 | 食物繊維の総量(g) |
|---|---|
| いんげん豆(乾) | 19.6 |
| 大豆(国産、乾) | 17.9 |
| えんどう(乾) | 17.4 |
| 糸引き納豆 | 6.7 |
| 挽きわり納豆 | 5.9 |
| 木綿豆腐 | 0.4 |
※可食部100gあたり
豆類といえばタンパク質というイメージもありますが、食物繊維も豊富に含まれています。
ただし、豆腐のような大豆加工食品では、食物繊維が少なくなる傾向にあります。
豆類から食物繊維を摂りたい場合は、未加工の豆を調理したり、納豆を食べたりするとよいでしょう。
穀物類:そばやパンなど

食物繊維が豊富な代表的な穀物を、下表に示します。
| 食品 | 食物繊維の総量(g) |
|---|---|
| ライ麦粉 | 12.9 |
| オートミール | 9.4 |
| ライ麦パン | 5.6 |
| そば(干) | 3.7 |
| 中華めん(干) | 2.9 |
| フランスパン | 2.7 |
| うどん(干) | 2.4 |
| こめ(うるち米) | 0.5 |
※可食部100gあたり
意外な印象を受けるかもしれませんが、そばやうどん、パンにも食物繊維が含まれています。
ただし、穀物類だけで食物繊維を補おうとすると、かなりの量を食べなくてはいけません。
前述してきた野菜類や海藻類などと、組み合わせて食べるようにしましょう。
食物繊維とは?役割や摂取したい目標量を解説

この章では、食物繊維の役割や、1日に摂取したい目標量をお伝えします。
食物繊維はおなかの調子を整える:不足すると便秘に
食物繊維は、ヒトが持つ消化酵素では分解できない栄養素で、腸内環境を整えるのが主な役割です。
食物繊維が不足すると、便秘の原因となるため注意が必要です。
食物繊維には、ほかに以下のような役割もあります。
- 食事による血糖値の急上昇を防ぐ
- コレステロールや中性脂肪の量をコントロールする
水溶性と不溶性の食物繊維がある
食物繊維は、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類に分けられます。
どちらもおなかの中で、腸内環境を整えてくれる善玉菌のエサになります。
それぞれの食物繊維の特徴は、以下のとおりです。
| 食物繊維の種類 | 水溶性食物繊維 | 不溶性食物繊維 |
|---|---|---|
| 水への溶解性 | 水に溶ける | 水に溶けない |
| 腸内での主な役割 | 便をやわらかくする | 便の量を増やす |
| 腸内での変化 | 腸内でゲル状になる | 腸内で膨張する |
水溶性食物繊維は、水に溶けながら便をやわらかくする働きがあります。
不溶性食物繊維は、水分を吸収して膨らみ、便の量を増やして腸を刺激します。その結果、腸の動きが活発になり、便通を促します。
食物繊維の摂取目標量:成人では1日18~21g
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、成人の1日あたりの食物繊維摂取の目標量は、男性で21g以上、女性は18g以上と設定されています。
年齢や性別に応じた食物繊維の1日の摂取目標量(g)は、以下のとおりです。
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 〜2歳 | – | – |
| 3〜5歳 | 8以上 | 8以上 |
| 6〜7歳 | 10以上 | 10以上 |
| 8〜9歳 | 11以上 | 11以上 |
| 10〜11歳 | 13以上 | 13以上 |
| 12〜14歳 | 17以上 | 17以上 |
| 15〜17歳 | 19以上 | 18以上 |
| 18〜29歳 | 21以上 | 18以上 |
| 30〜49歳 | 21以上 | 18以上 |
| 50〜64歳 | 21以上 | 18以上 |
| 65〜74歳 | 20以上 | 17以上 |
| 75歳以上 | 20以上 | 17以上 |
1日20g以上の食物繊維を摂る例として、本記事で紹介した食べ物では、以下のような組み合わせが考えられます。
| 食品 | 食べる量(g) | 食物繊維摂取量(g) |
|---|---|---|
| 切り干し大根(乾) | 20 | 4.26 |
| ごぼう(生) | 50 | 2.85 |
| ひじき(乾) | 10 | 5.18 |
| わかめ(乾) | 10 | 3.27 |
| 生しいたけ | 50 | 2.3 |
| 糸引き納豆(1パック) | 50 | 3.35 |
| 合計 | 21.21 |
日本人は食物繊維が不足気味?
「令和元年国民健康・栄養調査報告」の資料によると、20代〜50代にかけては、1日の食物繊維の摂取量が目標量より不足しているという結果が出ています。
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 1〜6歳 | 11.5 | 10.6 |
| 7〜14歳 | 18.1 | 16.0 |
| 15〜19歳 | 20.0 | 17.0 |
| 20〜29歳 | 17.5 | 14.6 |
| 30〜39歳 | 18.3 | 15.9 |
| 40〜49歳 | 18.3 | 16.0 |
| 50〜59歳 | 19.4 | 16.8 |
| 60〜69歳 | 20.6 | 19.8 |
| 70〜79歳 | 21.9 | 20.5 |
| 80歳以上 | 20.3 | 18.0 |
働き盛りの若い世代では、とくに食物繊維の摂取量が少ない傾向も見受けられます。
忙しい生活では、健康的な食事を取りにくいことも多く、食物繊維も不足しがちです。
納豆やのり、ライ麦パンなどの手軽に食べやすい食品を活用したり、デザートにフルーツを食べたりして、食物繊維の摂取量を増やすように心がけるとよいでしょう。
【注意】食物繊維を摂りすぎると便秘になることも?

一般的には食物繊維の摂取が便秘対策になりますが、不溶性食物繊維が多い食べ物を食べ過ぎると便秘の原因になるともいわれています。
水溶性食物繊維に比べて不溶性食物繊維が豊富な食べ物には、以下のようなものがあります。
| 食品 | 不溶性食物繊維(g) | 水溶性食物繊維(g) |
|---|---|---|
| 切り干し大根(乾) | 16.1 | 5.2 |
| 干しがき | 12.7 | 1.3 |
| 干ししいたけ | 44.0 | 2.7 |
※可食部100gあたり
食物繊維の含有量が多いからといって、ひとつの食品だけに頼ると、水溶性と不溶性食物繊維のバランスが偏ってしまうこともあります。
便秘を防ぐためには、なるべく多くの種類の食品を組み合わせて食物繊維を摂るとよいでしょう。
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