血圧を下げる食べ物を分類別に紹介|選び方や調理のポイントも解説

血圧を下げる食べ物を分類別に紹介|選び方や調理のポイントも解説

高血圧の予防や改善には、血圧を下げる食べ物を意識的に摂ることが大切です。

この記事では血圧を下げる効果がある食べ物や、選ぶポイントを解説します。

さらに、血圧を下げる効果を高める食べ方や調理のポイントについても紹介しますので、最後までチェックしてみてください。

この記事では、カリウムが豊富に含まれている食べ物を紹介しています。カリウムの働きや、効果的な摂取方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

高血圧の原因となる食べ物とは

高血圧の原因となる食べ物とは

高血圧とは

高血圧とは、血圧が慢性的に基準値よりも高い状態であることを指します。

具体的には医療機関で計測したときに最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上となる状態のことです。

高血圧というだけでははっきりした自覚症状がなく、病気であるという認識がなかなかできません。

そのため、気がつかないうちに重症化してしまうこともあります。

高血圧の状態をそのままにしていると、脳卒中や心筋梗塞、腎臓病など重大な病気を招くこともあるため、注意が必要です。

血圧を上げる原因となる食べ物

高血圧の原因は肥満や運動不足など生活習慣のゆがみと、遺伝的な体質などが組み合わさって起こると考えられています。

なかでも日本人の高血圧は、食塩の過剰摂取が主な原因であることが多いです。

また、加工食品や糖質・脂質が多く含まれるものの食べ過ぎや過度な飲酒も肥満の原因となり、結果として高血圧を引き起こす原因となります。

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血圧を下げる食べ物を選ぶポイント4つ

血圧を下げる食べ物を選ぶポイント4つ

血圧を下げる食べ物選びのポイントを4つ紹介します。

① 塩分の量が少ない

最も大切なことは、塩分(ナトリウム)の含有量が少ない食べ物を選んで食べることです。

日本高血圧学会のガイドラインでは、目安として1日の食塩摂取量を6ℊ未満に抑えることが推奨されています

しかし、日本人の食塩摂取量の平均は10ℊ前後であるため、減塩によって食事の満足感が得られなくなるのではないかと不安に感じる人も多いでしょう。

それでも、食べ方や調理を工夫することで自然な形で食事の塩分を減らせるようになります。

素材そのものの塩分は少なくても、調味料に塩分が含まれることが多いため、食事全体で塩分量のバランスをとることが必要です。

② 排塩を促す効果がある

塩分量を減らすと同時に、塩分を体から排出するのを助ける効果がある食べ物を選んで食べることも大切です。

ミネラルのうちカリウムにはナトリウムを体外へ排せつする効果があります。

カリウムや野菜や果物、海藻類に多く含まれ、水に溶けやすいため、生で食べられるものは生で、または薄味のスープなど煮汁ごと食べられる調理法がおすすめです。

ただし、腎臓機能が低下している場合は、カリウムを摂りすぎないよう注意してください。

③ 食物繊維が豊富

動脈硬化になると血管の収縮や拡張が不十分になり、高血圧の発症や進行の原因となります。

食物繊維はナトリウムや糖質・脂質を吸着して体外に排出する働きがあるため、動脈硬化や高血圧の予防・改善に効果的です

野菜や雑穀、海藻類やきのこ類には食物繊維が多く含まれるため、自然な形で食事に取り入れられます。

④ カルシウムやマグネシウムが含まれる

カルシウムやマグネシウムも、血圧を下げるために積極的に摂りたいミネラルです。

カルシウムの摂取量が不足すると、骨からの補給量が増えて血液中のカルシウム濃度が高くなり、血管を収縮させて血液の流れが悪くなります。

その結果、高血圧につながりやすいため、カルシウム不足にも注意が必要です。

マグネシウムには動脈を拡張させる働きがあるため、血圧を下げる効果があります。

カルシウムもマグネシウムも体内では合成されないため、普段の食事で意識的に摂ることが大切です。

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血圧を下げる効果がある食べ物

血圧を下げる効果がある食べ物

高血圧の予防や食事療法にも効果が高い食べ物を、種類別に紹介していきます。

野菜類

ほとんどの野菜には塩分が含まれていないため、食事に取り入れることで減塩効果が期待できます。

以下の野菜はとくに排塩を促すミネラルや食物繊維を豊富に含むため、おすすめです。

  • えだまめ
  • かぼちゃ
  • ごぼう
  • 小松菜
  • ほうれん草
  • たけのこ
  • にら
  • ブロッコリー

フルーツ類

野菜と同じく、ほぼすべての果物は無塩です。

多くの果物にはカリウムやカルシウム、マグネシウムといったミネラルも含まれます。

ただし、その含有量は野菜と比べて少なめです。

また、果物のカロリーは野菜より高いため、適量を心がけるとよいでしょう。

高血圧の予防や食事療法におすすめのフルーツは以下の通りです。

  • バナナ
  • キウイフルーツ
  • みかん
  • いちご
  • メロン
  • アボカド

豆・豆加工食品

豆や豆の加工食品も基本的には塩分を含まず、食物繊維が豊富です。

また、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルもバランスよく含まれます。

豆は大豆やあずき、えんどう豆やインゲン豆など種類が豊富です。

また、乾燥豆や加工食品の種類、調理法もたくさんあります。

高血圧の予防や食事療法におすすめの豆加工食品は以下の通りです。

  • 豆乳
  • きな粉
  • 豆腐
  • 油揚げ
  • 納豆(たれやからしは塩分を含む)

なお、豆のドライパックには塩分が微量に含まれる商品があるため、できるだけ無添加の商品を選ぶとよいでしょう

また、納豆はたれやからしを使わず、めんつゆやポン酢、和風ノンオイルドレッシングで食べると減塩できます。

また、ごま油やラー油、胡椒や無塩バターなど無塩の調味料と、ネギや生姜、大葉などの香味野菜を組み合わせて食べるのもおすすめです。

きのこ類

きのこ類は食物繊維が比較的多く、カリウムも含まれます。

とくに椎茸や干し椎茸、まいたけは食物繊維が豊富です。

また、きのこ類は料理に使うと満腹感を感じやすいうえ、きのこ特有の風味が加わるため、味覚の満足感もアップします。

海藻類

海藻類もカリウムが含まれるものが多いです。

また、不足しがちな水溶性食物繊維やカルシウムも摂れます。

海藻類は乾燥状態で販売されているものが多く、水戻ししても一度に食べる量は少なめですが、スープやサラダなどに入れたり、いつもの料理にちょい足ししたりすると摂取しやすいです。

ただし、市販の海藻類は塩分が含まれるため、塩抜きしたり、料理に使う調味料の量を調節したりしましょう。

ナッツ類

ピーナッツやアーモンド、くるみなど、ナッツ自体には塩分が含まれておらず、食塩無添加の商品を選ぶと無塩で食べられます。

また、ナッツ類はミネラルや食物繊維も豊富です。

さらに、血行をよくするビタミンEや動脈硬化を予防する不飽和脂肪酸も含まれます。

おやつにそのまま食べても歯ごたえや食感を楽しめますが、砕いたりペースト状にしたりして料理に使うのもおすすめです。

牛乳・乳製品

牛乳やヨーグルトなどの乳製品には、カルシウムが豊富に含まれます。

フレーバー付きのヨーグルトは塩分を添加したものがあるため、高血圧の予防や食事療法にはプレーンタイプを選ぶとよいでしょう。

また、チーズ類は乳製品の中でもとくにカルシウムが豊富に含まれます。

ただし、チーズ類は食塩の添加量が増えたりカロリーが高くなったりするため、ほかの食材とのバランスを考えて料理に取り入れることが大切です。

穀類

食事の主食となる穀類も基本的に無塩です。

ただし、米は炊いても無塩のままですが、小麦粉を使ったパンや麺類には塩分が含まれます。

パンの場合はバターなどの塗るものによって、麺類の場合はスープやソースによって塩分量が増えるため、主食として取り入れる場合は全体の塩分量を調整することが大切です。

主食がご飯であれば、おかずの塩分を気にするだけで済みます。

なお、高血圧の発症リスクを低くしたい場合は、食物繊維やミネラルがより多く含まれる玄米や全粒粉の製品を選ぶのもおすすめです。

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血圧を下げる食べ方・調理のポイント7つ

血圧を下げる食べ方・調理のポイント7つ

血圧を下げる食べ物は、食べ方や調理法の工夫によって、さらに高血圧の予防や改善効果を高めることが可能です。

血圧を下げる食べ方や調理のポイントを7つ紹介します。

① 旨味を活かす

かつお節や昆布、干し椎茸や干しえびなどでとった出汁には素材の旨味成分が溶け込んでいるため、料理の調味料を減らしても満足感が得られます。

きのこや野菜類も干すことで旨味が凝縮されて風味もアップするため、おすすめです。

ただし、顆粒だしやだしパックには食塩が添加されていることが多いため、市販品を使用するときは必ず確認しましょう。

② 香辛料や香味野菜を活用する

わさびやカレー粉、マスタード、スパイス類などの香辛料を活用すると、料理の風味が増すため、調味料を減らしても満足感が得られます。

また、にんにく、生姜、大葉、三つ葉、みょうがなどの香味野菜で味付けするのもおすすめです。

塩とは異なる味や風味を楽しめるため、無理なく減塩できます。

ただし、市販のチューブにんにくやチューブ生姜、ミックススパイスなどの多くは食塩が添加されているため、使用量を控えたり、できるだけ無添加のものを選ぶようにしましょう。

③ 酸味を効かせる

レモンや柚子、トマトや酢などの酸味を料理にプラスすることで、減塩効果を高めることが可能です。

ほどよい酸味がアクセントとなって塩味を引き立ててくれるため、薄味でもおいしく感じられます。

焼き魚やサラダにすだちやレモン果汁をかけたり、柚子で風味をつけたりするのもおすすめです。

トマトをスープや麺類、煮込み料理の味付けに使うと、塩分を含む調味料の使用量を減らせます。

酢はスープや炒め物に少量加えてコクを出したり、たれの代わりに納豆にかけたりしてもおいしく減塩できるでしょう。

④ 調味料は最後に加える

料理をするとき、調味料は最後に加えたり絡めたりすると、減塩効果が高まりおすすめです

煮物などは出汁だけで煮込み、最後にしょうゆなどを絡めると、少量でも調味料の味が濃く感じられます。

和え物やサラダなどは野菜から食材から水分が出やすいため、はじめから調味料を加えると味がぼやけてしまい、調味料を追加してしまいがちです。

食べる直前に水気をよく絞ってから調味料を絡めるとよいでしょう。

⑤ 調味料は減塩タイプを使用する

しょうゆやみそ、ドレッシングなど、調味料は減塩タイプを選ぶと、これまでと同じ食生活をしながら手軽に減塩することが可能です。

減塩調味料は多くの調味料メーカーで展開されており、20~50%ほど塩分がカットされています。

ただし、減塩調味料は通常の調味料と比べて物足りなさを感じてしまうものです。

減塩タイプは味が物足りないため使用量が増えたということがないよう、調味料は減塩レシピに沿って計量してからつくりましょう。

⑥ 麺類は汁を飲まずに残す

麺類の汁には素材や調味料の塩分が溶け込んでいます。

たとえば、お店で食べるラーメンには約6g前後の塩分が含まれるため、汁まで飲み干すとラーメン1杯で1日分の塩分量に達してしまうことも。

麺を食べ終わった後の汁は飲まずに残すようにしましょう。

また、塩分の多い具を避けたり控えたりすると、減塩効果が高まります。

つけ麵タイプの場合は、麵全体を汁に浸さず、一部に軽く付けて食べるようにしましょう。

⑦ しょうゆやソースはかけずに「つける」

さしみやフライなどに調味料を使う場合、しょうゆやソースは「かける」のではなく、「つける」のが基本です。

調味料をボトルやしょうゆ差しからかけると量を調節しにくく、かけすぎてしまいがちです。

しょうゆやソースは小皿に少量出してから、つけて食べるようにしましょう。

調味料が付いた部分を舌に乗せるようにすると味が濃く感じられ、少量でも満足感が得られます。

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