目次
※本コンテンツはAI技術を活用しつつ人による執筆や監修をしています。
個人事業主もふるさと納税を活用できますが、会社員とは上限額の計算方法や手続きが異なります。
ワンストップ特例が使えない点や、経費として計上できない点など注意すべきポイントがあります。
本記事では、控除上限額の計算・確定申告の手順・仕訳の方法をわかりやすく解説します。
ふるさと納税とは?個人事業主も活用できる制度の基本

ふるさと納税の仕組みと税控除のメリット
ふるさと納税とは、自分が応援したい自治体に寄附ができる制度です。
寄附をすると、その地域の特産品などが返礼品として届きます。
ふるさと納税の大きな特徴は、寄附金額から2,000円を除いた金額が所得税と住民税から控除される点にあります。
控除上限額の範囲内であれば、実質2,000円の自己負担で返礼品を受け取ることが可能です。
例えば、5万円をふるさと納税で寄附した場合、4万8,000円が税金から控除され、自己負担は2,000円となります。
この仕組みにより、実質2,000円の負担で全国各地の特産品を返礼品として楽しめるのが魅力です。
ふるさと納税は会社員だけの制度ではありません。
個人事業主やフリーランスの方も一般的には利用可能です。
ただし、会社員とは異なる点がいくつかあるため、次の章で詳しく解説します。
【重要】個人事業主と会社員のふるさと納税の違い
個人事業主がふるさと納税を利用する際、会社員とは異なる点が3つあります。
それぞれ確認していきましょう。
控除上限額の計算方法が異なる
ふるさと納税の控除上限額は、所得に応じて決まります。
しかし、会社員と個人事業主では計算のベースとなる所得の算出方法が異なる点に注意が必要です。
会社員の場合は、給与収入から給与所得控除を差し引いた「給与所得」をベースに計算します。
一方、個人事業主の場合は、売上から必要経費を差し引いた「事業所得」をベースに計算する仕組みです。
そのため、同じ収入金額であっても、会社員と個人事業主では控除上限額が異なるケースがあります。
個人事業主は自分の事業所得を正確に把握したうえで、上限額を計算することが大切です。
ワンストップ特例制度が使えない
ふるさと納税には「ワンストップ特例制度」があり、確定申告をしなくても控除を受けられます。
しかし、この制度を利用できるのは、確定申告が不要な給与所得者に限られています。
個人事業主は毎年確定申告を行う必要があるため、ワンストップ特例制度の対象外です。
ふるさと納税の控除を受けるには、確定申告で寄附金控除を申請しなければなりません。
なお、ワンストップ特例の申請書を提出していたとしても、確定申告を行うと自動的に無効になります。
確定申告の際に改めて寄附金控除の申請を忘れないよう注意してください。
所得が変動しやすいため上限額の把握が難しい
会社員は毎月の給与がある程度一定のため、年間の所得を予測しやすい傾向にあります。
しかし、個人事業主は売上や経費が月によって変動するため、年間所得が確定するまで正確な控除上限額がわかりません。
年末になって想定より所得が低かった場合、すでに寄附した金額が上限額を超えてしまうケースも考えられます。
個人事業主は余裕を持った金額で寄附することが大切です。
個人事業主のふるさと納税控除上限額の計算方法

控除上限額を超えて寄附すると、超過分は自己負担となります。
個人事業主は上限額の計算方法を理解し、適切な寄附金額を把握することが重要です。
控除上限額の計算式
ふるさと納税の控除上限額は、以下の計算式で求められます。
控除上限額 = 住民税所得割額 × 20% ÷(90% - 所得税率 × 1.021)+ 2,000円
この計算式は複雑なため、目安として「住民税所得割額の約2割」と覚えておくとよいでしょう。
住民税所得割額は、毎年届く住民税決定通知書で確認できます。
より正確な上限額を知りたい場合は、ふるさと納税サイトのシミュレーションツールを活用するか、税理士に相談することをおすすめします。
【早見表】所得別の控除上限額目安
個人事業主の控除上限額の目安を、事業所得別にまとめました。
以下は独身または共働きで配偶者控除がない場合の目安です。
| 事業所得 | 控除上限額の目安 |
| 300万円 | 約28,000円 |
| 400万円 | 約42,000円 |
| 500万円 | 約61,000円 |
| 600万円 | 約77,000円 |
| 700万円 | 約108,000円 |
| 800万円 | 約129,000円 |
| 1,000万円 | 約176,000円 |
※上記はあくまで目安です。
家族構成や各種控除の適用状況によって金額は変動します。
青色申告・iDeCo・小規模企業共済がある場合の注意点
個人事業主が利用できる各種控除は、ふるさと納税の控除上限額に影響を与えます。
青色申告特別控除
青色申告を行っている場合、最大65万円の青色申告特別控除が適用されます。
この控除により課税所得が下がるため、ふるさと納税の控除上限額も低くなる点に注意が必要です。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCoの掛金は全額が所得控除の対象です。
iDeCoに加入している場合、その分だけ課税所得が減り、ふるさと納税の控除上限額も下がります。
小規模企業共済
小規模企業共済の掛金も全額が所得控除の対象となります。
iDeCoと同様に、控除上限額に影響を与えるため考慮が必要です。
これらの控除を利用している場合は、シミュレーションツールで各控除額を入力し、正確な上限額を確認してください。
【経費にならない】ふるさと納税の仕訳処理と勘定科目

個人事業主がふるさと納税を行った場合、帳簿にどのように記帳すればよいのでしょうか。
正しい仕訳方法を解説します。
ふるさと納税は事業経費にならない理由
ふるさと納税は事業の経費として計上できません。
ふるさと納税は個人が自治体に対して行う寄附であり、事業活動とは関係がないためです。
「寄附金」や「福利厚生費」として経費計上したくなるかもしれませんが、これは認められていません。
ふるさと納税はあくまで個人の所得税・住民税に対する控除制度であり、事業所得の計算には影響しない点を理解しておきましょう。
正しい勘定科目は「事業主貸」
ふるさと納税を事業用の口座やクレジットカードで支払った場合、勘定科目は「事業主貸」を使用します。
事業主貸とは、事業用の資金を事業主個人のプライベートな支出に充てた場合に使う勘定科目です。
ふるさと納税は個人的な寄附行為であるため、事業主貸として処理するのが正しい方法となります。
仕訳の具体例
ふるさと納税で3万円を寄附した場合の仕訳例を紹介します。
普通預金から支払った場合
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 事業主貸 | 30,000円 | 普通預金 | 30,000円 |
クレジットカードで支払った場合(支払い時)
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 事業主貸 | 30,000円 | 未払金 | 30,000円 |
クレジットカードの引き落とし時
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 未払金 | 30,000円 | 普通預金 | 30,000円 |
現金で支払った場合
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 事業主貸 | 30,000円 | 現金 | 30,000円 |
なお、プライベートの口座から支払った場合は、事業の帳簿に記帳する必要はありません。
個人事業主のふるさと納税確定申告の手順

個人事業主がふるさと納税の控除を受けるには、確定申告での申請が必須です。
必要書類と申告の流れを確認していきましょう。
確定申告に必要な書類
ふるさと納税の控除を申請するために、以下の書類を準備します。
寄附金受領証明書
寄附先の自治体から届く証明書です。
寄附ごとに届く場合と、年間の寄附をまとめた証明書が届く場合があります。
届いたら確定申告まで大切に保管してください。
確定申告書
個人事業主は確定申告書Bを使用します。
寄附金控除の欄に必要事項を記入する形式です。
本人確認書類
マイナンバーカード、または通知カードと運転免許証などの身分証明書が必要となります。
確定申告書への記入方法
確定申告書の「寄附金控除」欄に、ふるさと納税の寄附金額を記入します。
控除対象額の目安は「寄附金額-2,000円」です。
複数の自治体に寄附した場合は、すべての寄附金額を合計し、そこから2,000円を差し引いた金額を記入します。
例えば、A市に2万円、B町に3万円を寄附した場合、合計5万円から2,000円を引いた4万8,000円が控除額です。
e-Taxで申告する流れ
e-Tax(国税電子申告・納税システム)を利用すれば、自宅からオンラインで確定申告が可能です。
- e-Taxのサイトまたは確定申告書等作成コーナーにアクセス
- マイナンバーカードでログイン(またはID・パスワード方式)
- 収入や経費などの必要事項を入力
- 「寄附金控除」の項目でふるさと納税の寄附金額を入力
- 内容を確認して送信
e-Taxを利用すると、寄附金受領証明書の添付を省略できる場合があります(5年間の保存は必要)。
また、青色申告特別控除65万円の適用にはe-Taxでの申告が条件となるため、個人事業主にはe-Taxの利用がおすすめです。
個人事業主がふるさと納税で失敗しないための注意点

ふるさと納税を賢く活用するために、個人事業主が気をつけるべきポイントを解説します。
上限額を超えて寄附しない
控除上限額を超えた分の寄附は、税金から控除されません。
超過分は自己負担となるため、上限額の把握が重要です。
個人事業主は年間の所得が変動しやすいため、年末時点で想定より所得が低くなるケースも考えられます。
上限額ギリギリまで寄附するのではなく、余裕を持った金額に抑えるのが賢明です。
目安として、シミュレーションで算出した上限額の8割程度に留めておくと安心でしょう。
ワンストップ特例の申請をしてしまった場合
ふるさと納税サイトで寄附する際、ワンストップ特例の申請書送付を希望してしまうことがあります。
申請書が届いて提出してしまっても、確定申告を行えば自動的に無効になるため問題ありません。
ただし、確定申告で寄附金控除の申請を忘れると、控除が一切受けられなくなります。
確定申告の際は必ず寄附金控除を申請してください。
返礼品の一時所得に注意
ふるさと納税の返礼品は「一時所得」に該当します。
返礼品の合計額が年間50万円を超える場合、確定申告で一時所得として申告が必要です。
一時所得には50万円の特別控除があるため、年間の合計額が50万円以下であれば申告は不要となります。
ただし、他の一時所得(懸賞の賞金、保険の満期金など)がある場合は合算して判断してください。
高額な返礼品を多く受け取る場合は、一時所得の申告が必要になるケースもあることを覚えておきましょう。
個人事業主のふるさと納税に関するよくある質問
Q. ふるさと納税は経費として計上できますか?
できません。
ふるさと納税は個人の寄附行為であり、事業とは関係がないためです。
事業用口座から支払った場合は「事業主貸」の勘定科目で処理してください。
Q. ワンストップ特例は使えますか?
個人事業主は使えません。
ワンストップ特例は確定申告が不要な給与所得者向けの制度です。
個人事業主は確定申告で寄附金控除を申請する必要があります。
Q. 控除上限額はどうやって調べますか?
住民税決定通知書に記載されている所得割額の約2割が目安となります。
より正確な金額を知りたい場合は、ふるさと納税サイトのシミュレーションツールを活用してください。
青色申告特別控除やiDeCoなどの控除がある場合は、それらを考慮して計算する必要があります。
Q. iDeCoとふるさと納税は併用できますか?
併用可能です。
ただし、iDeCoの掛金は所得控除の対象となるため、その分だけ課税所得が下がり、ふるさと納税の控除上限額も低くなります。
両方を利用する場合は、iDeCoの掛金を考慮したうえで上限額を計算してください。
まとめ
個人事業主がふるさと納税を活用する際は、ワンストップ特例が使えない点と経費計上できない点に注意が必要です。
所得の変動を考慮して上限額に余裕を持ち、確定申告で正しく寄附金控除を申請してください。
















