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生のままでも加熱しても食べられる卵は、幅広い料理に活躍する万能食材。
価格もお手頃で、毎日の食事に取り入れやすい家計の味方でもあります。
そんな卵が、最近「完全栄養食」として注目を集めていることをご存知ですか?
完全栄養食とは、ヒトが健康を維持するために必要な栄養素をバランスよく含んでいる食品のこと。
卵はその代表格といわれ、健康や美容への効果があらためて見直されつつあります。
この記事では、卵の栄養や一日の目安摂取量、栄養を逃さない食べ方についてご紹介します。
卵に含まれる栄養成分とカロリー
「卵=タンパク質」のイメージが強いですが、卵に含まれる栄養素はそれだけではありません。
まずは、卵の栄養素と効果・効能について解説します。
卵の主な栄養素と効果・効能
タンパク質
筋肉や血液、骨、皮膚、髪など、体をつくるために欠かせないタンパク質。
代謝を上げて痩せやすい体をつくるダイエット効果や疲労回復効果も期待できます。
脂質
体にとって重要なエネルギー源である脂質。
悪玉コレステロール値を低下させ、動脈硬化予防に効果のあるリノール酸やオレイン酸、レシチンなども含まれています。
ビタミン
脂質やタンパク質の代謝を支えるビタミンB2やB12、骨や歯を丈夫にするビタミンD、抗酸化作用で免疫力を高めるビタミンAやビタミンEなど、卵は多くのビタミンをバランスよく含んでいます。
ミネラル
卵に含まれる主なミネラルは、カルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウムなど。
体を構成するだけでなく、体内の代謝や生理機能をコントロールする重要な役割を担っています。
卵のアミノ酸スコアは最高点の100
卵は、単にタンパク質が豊富なだけでなく、タンパク質の優良性を示す「アミノ酸スコア」が100であることでも知られています。
アミノ酸スコアとは、体内で合成することのできない9種類の必須アミノ酸が、体の必要量に対してどのくらい含まれているかを0~100の数値で表したものです。
アミノ酸スコアが最高点の卵は、アミノ酸バランスに優れた質の良いタンパク質を含んでいるということ。
効率的にタンパク質を補給することができるので、筋トレなどの運動後にもぴったりです。
【サイズ別】卵1個あたりのカロリー・糖質・タンパク質
卵の栄養やカロリーは、サイズによって違いがあります。
ここでは、S・MS・M・Lサイズの卵のカロリー、糖質量、タンパク質量の目安をまとめました。
カロリー [kcal] | 糖質 [g] | タンパク質 [g] | |
Sサイズ | 70 | 0.2 | 6.0 |
MSサイズ | 78 | 0.2 | 6.7 |
Mサイズ | 87 | 0.2 | 7.4 |
Lサイズ | 95 | 0.3 | 8.2 |
黄身は白身より栄養価・カロリーが高い
卵黄と卵白では含まれている栄養素が大きく異なります。
卵白は大部分がタンパク質で構成されているのに対し、卵黄はタンパク質、脂質のほか、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB群、レシチンなどが豊富。
卵の栄養は、ほとんどが卵黄に集中しているといえます。
その分、100gあたりのカロリーは卵白が44kcalなのに対し、卵黄は336kcalと高めです。
カラザや薄皮も栄養たっぷり
カラザとは、生卵を割ったときに卵黄のふちにくっついている白いひものような塊。
免疫力を高める効果のあるシアル酸をはじめ、カルシウムやビタミンB1、B2などの栄養が豊富に含まれています。
見た目を気にして取り除かれることも多い部分ですが、捨てずにそのまま食べるのがおすすめです。
また、茹で卵の殻をむくときによく目にする、白身の周りを覆う薄皮のような卵殻膜は、アミノ酸の構造が人間の皮膚によく似ていることで有名。
美肌効果の高いヒアルロン酸やコラーゲンを含んでいるので、スキンケア用品やサプリメントの原料にも使われています。
徹底比較!卵の色や種類によって栄養は違う?
ひと口に「卵」といっても、その種類はさまざま。
卵の種類によって含まれる栄養素に違いはあるのでしょうか。
赤玉と白玉の栄養価はほぼ同じ
卵の殻が褐色の赤玉と、白色の白玉。
この違いは鶏の種類によるもので、羽毛の色が褐色~黒色の鶏は、分泌される色素の影響で褐色の卵を産む傾向にあります。
殻の色が違っても、卵そのものの栄養に違いはありません。
有精卵と無精卵の栄養価もほぼ同じ
スーパーなどに並んでいる一般的な卵は受精していない「無精卵」ですが、まれに「有精卵」と呼ばれる受精卵を見かけることがあります。
温めるとひよこになる有精卵の方が栄養的に優れているような印象を受けますが、実際には、含まれる栄養成分にはほとんど差がないことがわかっています。
うずらの卵は鶏卵より栄養豊富
ミニサイズのうずらの卵は、中華丼や串カツなどのメニューには欠かせない食材です。
大きさは鶏卵の6分の1ほどですが、100gあたりの栄養を比較すると、うずらの卵に含まれるビタミンB12は鶏卵の約4倍、鉄分は約2倍。
鶏卵以上にビタミンやミネラルを豊富に含んでいます。
卵はいつ、どのくらい食べるのが健康的?
どんなに栄養豊富な卵も、食べ過ぎは禁物。
一日に食べる卵の数は何個くらいが理想的なのでしょうか?
卵は一日何個まで?食べ過ぎが危険な理由
卵はコレステロールを多く含んでいるため、一日の推奨摂取量にはさまざまな説があります。
以前はコレステロールの摂取量を抑える観点から「一日一個まで」が定説とされていましたが、食事から摂取するコレステロール量が血液中のコレステロール量に必ずしも影響を与えるわけではないことや、卵に含まれるレシチンやオレイン酸にコレステロール値を下げる働きがあることがわかり、現在は明確に「何個まで」という基準は設けられていません。
厚生労働省も、2015年から「日本人の食事摂取基準」におけるコレステロールの目標摂取量(上限値)を撤廃しています。
ところが、これは「一日何個でも食べてOK」というものではないことに注意。
卵の摂取量が脂肪異常症や糖尿病などの発症率と関係していることもわかっているため、食べ過ぎには気をつける必要があります。
朝の栄養補給にぴったり
卵を食べる時間帯としておすすめなのは、朝。
卵の良質なタンパク質が活動に必要なエネルギーをつくり出し、寝起きの体にスイッチを入れてくれます。
朝食のタンパク質は一日の代謝アップにもつながるので、ダイエット中の人にもおすすめです。
食べ方次第で栄養が変わる!卵のおすすめ調理法
卵の栄養を無駄にしないためには、どんな調理方法で食べるのがいいのでしょうか?
ここでは、卵料理ごとに摂取できる栄養素の特徴をまとめました。
【生卵】熱に弱いビタミンもまるごと摂取
生卵の一番のメリットは、加熱の過程で壊れたり失われたりしやすいビタミンをそのまま体に取り込めること。
とくにビタミンB群を効率よく摂取することができます。
【半熟卵・温泉卵】消化しやすく栄養吸収率アップ
半熟卵や温泉卵は、消化率や栄養の吸収率が最も高い食べ方。
体に負担をかけずに栄養をすばやく吸収できるので、風邪などで胃腸が弱っているときにもおすすめです。
【茹で卵】安心・安全!育毛にも効果あり?
中までしっかりと火を通した茹で卵は、食あたりの心配がなく安心。
白身と黄身を混ぜずに加熱・摂取することができるので、髪の健康を保つビオチンをスムーズに吸収できるといわれています。
【目玉焼き・卵焼き】脂溶性ビタミンを逃さず吸収
脂溶性のビタミンA、ビタミンD、ビタミンEなどは、油と一緒に摂取することで体への吸収率がアップします。
調理に油を使う目玉焼きや卵焼きは、これらの栄養素を効率よく取り込むのに最適。
生卵や茹で卵より消化されにくく、腹持ちがいいのも特徴です。
卵の栄養を補う組み合わせ食材
主要な栄養素をほとんど含んでいる卵ですが、欠けているといわれるのがビタミンCと食物繊維です。
これらを豊富に含む野菜や果物などと組み合わせると、卵に足りない栄養を補うことができます。
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