きゅうりに栄養がないはウソ!栄養価や効能・調理方法を紹介

きゅうりに栄養がないはウソ!栄養価や効能・調理方法を紹介

きゅうりには栄養がないといわれていますが、実際はビタミンやミネラルの補給に適した野菜です。

健康や成長に欠かせない成分がたくさん含まれているので、余すことなく栄養を摂取できたほうがいいでしょう。

本記事では、きゅうりに含まれる主な栄養素とその働きや、きゅうりの栄養を逃さない食べ方、保存方法をまとめています。

ぜひ、きゅうりを食べる際の参考にしてみてください。

きゅうりはデリケートな野菜なので、そのまま保存するとすぐに傷んでしまいます。しかし、正しく対策をすれば、きゅうりの鮮度をキープしたまま保存ができるのです。この記事では、常温から冷凍保存まで、失敗しない保存のコツを徹底解説しています。

きゅうりに含まれる栄養素と効能

きゅうりに含まれる栄養素と効能

きゅうりはギネス世界記録で「カロリー(発熱量)の最も低い果実 (Least calorific fruit)」として認定されています。

カロリーの元となる栄養素は少ないものの、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。

つまり、きゅうりはカロリーや糖質を抑えつつ、不足しがちな成分を補える野菜なのです。

きゅうりの可食部100gあたりの主な栄養価は下記になります。

エネルギー13kcal
糖質1.9g
ビタミンK34μg
ビタミンC14mg
食物繊維(総量)1.1g
0.11mg
モリブデン4μg

<引用:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

カリウム

必須ミネラルであるカリウムは、ナトリウムとともに体内の浸透圧維持を担っています。

野菜や果物にはカリウムが豊富なものが多く、きゅうりもそのひとつです。

カリウムは食塩の摂取量が多い日本人にとって嬉しい、体内の余分な塩分(ナトリウム)の排出を促す働きがあります。

高血圧やむくみの予防にも効果的です。

また、カリウムは発汗によって失われるため、汗をかきやすい夏場に不足しやすくなる傾向にあります。

夏に旬を迎えるきゅうりは、汗で失われたカリウムの補給にぴったりだといえるでしょう。

ビタミンK

ビタミンKは油に溶けやすい脂溶性ビタミンのひとつです。

通常、腸内細菌の働きで作られる成分ですが、食品からも摂取できます。

他にも、怪我をした際の血液凝固を助けてくれたり、カルシウムへの沈着を促して骨を丈夫にしてくれたりする働きがあります。

ビタミンC

ビタミンCは水溶性ビタミンのひとつで、コラーゲンの合成を助けたり、鉄分の吸収を促進したりする栄養素です。

栄養素として働くだけでなく、活性酸素を除去する抗酸化作用もあります。

また「きゅうりはビタミンCを壊す」といわれていますが、実際にそのような心配はありません

きゅうりはビタミンCを酸化する酵素を含み、その働きで生じる酸化型のビタミンCは、体内で再びビタミンとして働き続けてくれます。

食物繊維

食物繊維とは、食品中に含まれる消化されない成分のことです。

他の栄養素とは異なり、体内には吸収されません。

しかし、腸内環境を整えて、便秘を防ぐ働きがあり「第六の栄養素」とも呼ばれています

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分類されており、両者をバランスよく摂ることが重要です。

きゅうりには、不溶性食物繊維(100gあたり0.9g)を中心に、水溶性食物繊維(100gあたり0.2g)も含まれています。

銅・モリブデン

きゅうりの微量なミネラルの中には、銅とモリブデンが含まれます。

銅は鉄とともに、貧血予防につながる重要なミネラルとして知られています。

モリブデンはタンパク質の代謝に関わり、子どもの成長のためにも欠かせない栄養素です。

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栄養をしっかり摂れるきゅうりの食べ方

栄養をしっかり摂れるきゅうりの食べ方

きゅうりの食べ方を工夫すると、より多くの栄養を摂取することができます。

いつもなら捨ててしまう部分を使用したり、他の調味料と合わせたりするだけなので、普段の料理工程にも取り入れやすいです。

ここからは、効果的なきゅうりの食べ方を3つ紹介します。

皮まで丸ごと食べる

きゅうりを食べる際、ヘタを捨ててしまったり、皮を剥いたりしてしまうこともあるでしょう。

しかし、皮には多くのビタミンやミネラルが含まれるため、皮まで丸ごと食べるのが望ましいです。

例えば、ビタミンCは果肉よりも皮や種子のほうが栄養を豊富に含みます。

下記の表は、きゅうりの部位別ビタミンC含有量です。

きゅうりの部位100gあたりのビタミンC含有量 (mg)
内部(果肉)8
種子18
13

<2022年 女子栄養大学出版部 「調理のためのベーシックデータ 第6版」 94Pより引用>

酢の物はビタミン・ミネラル補給にぴったり

きゅうりが旬を迎える夏場には、暑さで食欲が落ちて、ビタミンやミネラルが不足することもあります。

そこで重宝するのが食欲増進効果を持つ「酢の物」です。

塩分と合わさることで、汗で失われたナトリウムとカリウムもバランスよく補給できます。

また、栄養価を重視するなら、水溶性の栄養素の流出に気をつけましょう。

きゅうりに振る塩の量を控えめにして、水気は軽く絞るようにすると、ビタミンCやカリウムが失われにくくなります。

ぬか漬けにしてビタミンB群を摂取

きゅうりをぬか漬けにすると、ぬか床に含まれる栄養素がきゅうりへ移行するため、生のきゅうりには乏しいビタミンB群も摂取できます。

下記の表は、生のきゅうりとぬか漬けにしたきゅうりに含まれるビタミンB群を比較したものです。

8種類あるビタミンB群のうち、5種類がぬか漬けにすることで増加したのが分かります。


栄養素
きゅうり100gあたりの含有量 (mg)
ぬかみそ漬
ビタミンB10.030.26
ビタミンB20.030.05
ビタミンB60.050.20
ナイアシン0.21.6
パントテン酸0.330.93

<引用:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

ビタミンB群はいずれも「補酵素」の仲間で、酵素と一緒になって生命活動に欠かせない役割を果たします。

例えば、ビタミンB1は糖質の代謝をサポートするため、糖質をエネルギーに変える上で欠かせない栄養素です。

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きゅうりの栄養を長持ちさせる保存方法

きゅうりの栄養を長持ちさせる保存方法

きゅうりに含まれる栄養を逃さないためには、保存の方法も重要です。

きゅうりの保存時に意識したい3つのポイントを解説します。

栄養が豊富な状態で食べれるよう、できそうな方法から試してみましょう。

野菜室が最適

温度や湿度などの条件が適切であれば、きゅうりは7〜10日ほど冷蔵保存できます。

夏野菜であるきゅうりは低温に弱く、理想的な保存温度は10〜13℃の間です。野菜室に入れることで、最適な温度で保存できます。

冷気が直接当たると傷みやすいため、1本ずつキッチンペーパーや新聞紙で包み、さらにポリ袋に入れておくのが理想的です。

乾燥と水気に注意

乾燥と水気は、どちらもきゅうりの鮮度を落とす要因です。

先述した紙とポリ袋を使う保存方法には、適切な湿度を保ち、きゅうりの乾燥や結露を防ぐ効果もあります。

ポリ袋の口は、完全に閉じると結露しやすくなり、全開にすると乾燥しやすくなるため管理が難しいです。

密閉しない程度に、ポリ袋の口を軽く閉じておきましょう

長期保存には冷凍が便利

きゅうりは、冷凍すれば1か月ほどの長期保存が可能です。

下記の手順で、スライスした状態で冷凍します。

  1. よく水洗いしたきゅうりをスライスする。
  2. 塩もみしてから、水気を絞る。
  3. 平らにまとめて、ラップに包んで小分けする。
  4. 冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存する。

冷凍したきゅうりは適宜解凍して、サラダや酢の物などに使えます。

解凍時は半解凍になるまで流水にさらすか、自然解凍してください。

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まとめ

きゅうりは決して栄養のない野菜ではありません。

ビタミンやミネラルを中心にいくつもの栄養素を含んでおり、積極的に摂りたい野菜のひとつです。

きゅうりから摂取できる栄養は、いずれも健康的な体を維持するために必要な要素になります。

本記事でご紹介した調理方法や保存の方法を参考にして、効果的にきゅうりの栄養を摂取してみましょう。

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