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子どもから大人まで幅広く親しまれ、手に取りやすいりんご。「1日1個のりんごで医者いらず」というイギリスのことわざがあるように、豊富な栄養が含まれている人気の果物です。
1年を通じて市場に出回っていますが、りんごは種類によって食感や味わいが異なります。この記事では、りんごの品種ごとの特徴や旬の時期について紹介します。
日本にあるりんごの種類は2,000種類以上!
ひとくちにりんごといっても、味や形、色や大きさなど、品種ごとにその特徴はさまざまです。日本にあるりんごの品種数は約2,000種類以上といわれ、青森や長野などの寒い地域だけでなく九州や首都圏でも収穫されています。
また、りんごは日本で収穫される果物のなかで、みかんに次いで2番目に収穫量が多い人気の果物です。
農林水産省から報告されている「令和3年度産りんごの結果樹面積、収穫量及び出荷量」では、1世帯当たりの年間りんご購入数は9.1個。どこのご家庭でも、1年を通じて食べられていることがわかります。
世界には約15,000種類のりんごがある
日本だけでも約2,000種類以上もの品種があるりんごですが、世界ではそれを大きく上回り約15,000種類あるとされています。
生産量は中国がもっとも多いほか、アメリカやトルコでも広く生産されています。りんごは日本だけでなく、幅広い地域のさまざまな国で親しまれている果物です。
りんごの種類を特徴別に紹介
りんごは品種によって食感や甘み、酸味などの特徴が異なります。それぞれの特徴ごとにりんごの品種を紹介します。
硬めのりんご
りんごにはパキッと歯ごたえがあるものと、柔らかめのものがあります。数ある品種の中でも、歯ごたえが硬めの種類を見ていきましょう。
つがる
つがるは、青森県や長野県で多く収穫される品種です。青りんごである「ゴールデンデリシャス」と赤い「紅玉」が交配されて生まれました。
食感は硬めで、味は甘さをしっかりと感じられ酸味は少なめ。そのままシャキシャキと食べてもおいしいですが、ジューシーなのでりんごジュースにするのもおすすめです。
りんごが収穫されるシーズンの中でも、早めの8月から収穫され市場に出回るのが特徴。近い品種に「サンつがる」があります。「つがる」は袋をかける有袋栽培、「サンつがる」は袋をかけない無袋栽培で生産されています。
あいかの香り
あいかの香りは、コクのある甘さが際立つりんご。サクッとした食感で歯ごたえがあり、1個当たり400gほどとサイズが大きめの品種です。2001年に品種登録された、まだまだ新しめの種類。
りんごの収穫時期としては遅めの11月頃に収穫されます。蜜入りりんごで、酸味は控えめなのが特徴。
主に長野県で生産されていますが、市場に出回る数が少ない珍しいりんごです。
秋映(あきばえ)
秋映は、皮の色が黒にほど近い、暗めの赤色をしている個性的なりんごです。長野県で1993年に品種登録され、現在も信州地方を中心に生産がおこなわれています。
パキッとした食感で歯ごたえがあり、個性的な見た目に反して甘さと酸味のバランスが良いのが特徴です。
甘さの強いりんご
甘さの指標となるりんごの糖度は、品種によって12~17度ほど。ほかの果物では桃やさくらんぼ、梨などと同じくらいの糖度です。ここでは、甘さの強いりんごを紹介します。
トキ
トキは青森県で多く収穫されるほか、秋田県や北海道でも生産されている青りんごです。同じく青りんごである「王林」と赤いりんごの「ふじ」が交配されて生まれ、2004年に品種登録されました。
果汁が非常に多いのが特徴的で、香りがたち甘みが強く、個体差はありますが糖度は14~15度といわれています。10月上旬~11月上旬頃に市場に出回る、旬の時期が短いりんごです。
サンふじ
サンふじは、同じ品種である「ふじ」に袋をかけない無袋栽培によって生産されているりんご。袋をかけないため太陽の光をたっぷりと浴びており、甘さをしっかりと感じられる蜜入りりんごに仕上がっています。
11月上旬~中旬頃に収穫されて、翌年の7月頃まで市場に出回ります。他の品種と比べて市場に出回っている期間が長めなのも特徴です。
有袋栽培している「ふじ」と合わせて青森県では最も多い収穫量を誇り、日本でも代表的な品種。「ふじ」よりも甘みが強く、糖度は15度ほどです。
大紅栄(だいべにえい)
大紅栄は、実の大きさと皮の赤さが特徴のりんごです。1個当たりの重さは約400g以上あり、大人の手のひらくらいの大きさがある大玉の品種。皮の色は濃く深みのある赤色をしており、りんごのお尻まで全体が色づきます。
収穫時期は10月下旬~11月上旬頃ですが、収穫して貯蔵することで酸味を落ち着かせるため、市場に出回るのは収穫後から翌年の夏頃までとなっています。酸味が少ないため、甘さが際立って感じられる品種です。
酸味のあるりんご
甘さだけでなく、酸味をしっかりと感じられる種類のりんごを3品種紹介します。
紅玉
日本で収穫される品種で、酸っぱいりんごといえば紅玉が有名。その名の通りりんごの皮全体が真っ赤に染まる、やや小ぶりな品種です。
糖度が特別低いわけではないものの、酸味がしっかりとあるため酸っぱいりんごとして知られています。そのまま食べるほかに、酸っぱい特徴を生かしてお菓子の材料としても広く利用されています。
ジョナゴールド
ジョナゴールドは、日本で生産されているりんごのなかでもトップクラスの収穫量を誇る品種です。元はアメリカで「ゴールデンデリシャス」と「紅玉」が交配されて誕生しました。
甘みとともに酸味がしっかりと感じられる味わいが特徴で、甘酸っぱいりんごが好きな方におすすめ。
ジュースやお菓子などの加工品にも向いています。
陸奥
10月中旬頃から収穫できる陸奥は、栽培方法によって見た目が変わるのが特徴の品種。無袋栽培では皮全内が黄色い青りんごになり、有袋栽培では優しい赤色に染まったりんごになります。
全体が真っ赤になるりんごとは違い、お尻の方は黄色がかって色づくのが特徴です。1個のサイズが大きく、りんごの皮に絵や文字を描くフルーツカービングにも向いています。
青りんご
皮が赤く染まらず、黄色~黄緑色をしているりんごを一般的に「青りんご」と呼びます。日本でよく見かける青りんごについて、3品種を紹介します。
王林
青りんごの中で高い知名度を誇る王林は、収穫量も多くたくさんの人に愛されている青りんごの1つ。10月下旬頃から収穫され、大きさは300gほどの中玉です。
王林は貯蔵期間が長く、収穫後から春先まで長い期間食べられる品種。酸味はあまりなく甘みをしっかりと感じられるタイプで、独特の香りが漂います。
シナノゴールド
シナノゴールドはその名の通り長野県で開発された、皮がゴールドのように黄色に染まる品種です。甘さと酸味のバランスがよく、硬めでサクサクとした歯ごたえが特徴。
甘みもありますが、酸味をしっかりと感じられるため、そのまま食べるほかお菓子の材料にも向いています。
きおう
きおうは8月下旬から9月にかけて収穫される品種で、シーズンのなかでも比較的早めに市場に出回るりんごです。きおうは「黄色い王様」とも呼ばれ、全体がしっかりと黄色に染まっている場合は酸味が少なく甘みがしっかりと感じられます。
硬めで歯ごたえがあり、シャキッとそのまま食べるのがおすすめです。
りんごの旬や収穫時期は?
りんごの旬は、10月~2月頃の肌寒くなる秋から冬にかけた季節です。10月頃は収穫量も多く、とれたての新鮮なりんごを楽しめます。
りんごの収穫時期は8月~11月がメイン。収穫時期によって「極早生種」「早生種」「中生種」「晩生種」の4つに分けられます。
収穫時期 | 名称 | 代表的な品種 |
---|---|---|
8月上旬~ | 極早生種 | 夏緑、祝 |
9月上旬~ | 早生種 | つがる、あかね |
10月~ | 中生種 | 紅玉、あかぎ |
11月上旬~ | 晩生種 | あいかの香り、ふじ |
収穫後すぐに出荷されるものから、一定期間の貯蔵を経て市場に出回るものもあるため、収穫時期に関係なく1年を通して食べられるようになっています。
りんごの生産量ランキングTOP3
2022年に農林水産省から発表された、2021年産のりんごの生産量をランキングにしました。
順位 | 品種名 | 2021年生産量 |
---|---|---|
1位 | ふじ | 335,800t |
2位 | つがる | 72,200t |
3位 | 王林 | 48,100t |
日本では「ふじ」が圧倒的な収穫量を誇り、全体の約5割を占めています。
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