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新鮮で美味しくお腹も満たしてくれるきのこの旨みを、いつでもそのままに、家庭で手軽に保存する方法として注目されているのが冷凍です。
この記事では、美味しさを逃さずに保存するためのきのこの冷凍方法や、冷凍きのこを使ったおすすめのレシピをご紹介します。
各種きのこ別に、冷凍の手順から解凍法を知ることで、きのこの新たな活用方法を発見しましょう。
きのこを冷凍するメリット
一般的に、食品は水分を多く含んでいるものは傷みやすく、水分量が少ないものよりも早く消費期限がきてしまいます。
きのこも水分が多い食材なので、使わないでいるとやはり傷んでしまいます。
せっかく栄養が豊富で美味しいきのこですから、長期保存をして食材として活用をしたいところです。
そこでおすすめしたいのが、きのこの冷凍保存です。
では、冷凍保存をすることによってどのようなメリットがあるのか、わかりやすく3つ解説していきます。
冷凍することでうまみと栄養が凝縮
生のきのこもとても美味しいですが、新鮮なうちにきのこを冷凍することで、いつもの料理をさらにおいしくしてくれます。
冷凍をすると、きのこに含まれる水分が膨張します。
これによってきのこの細胞壁が壊れて、うまみ成分である「グルタミン」や「グアニン酸」、「アスパラギン酸」が溶け出してきて、冷凍きのこはうまみの塊のようになるのです。
冷凍をして細胞壁が壊れたきのこは、生のきのこよりもこれらの栄養価が3倍もアップするといわれています。
保存期間が長くなる
きのこという野菜は水分量が多いので、野菜室などで冷蔵保存をした場合ですと、3日前後で傷んでしまいます。
せっかく栄養豊富で美味しいきのこなのに、傷ませてしまうのはとてももったいないことです。
きのこを冷凍することにより、保存期間が大幅に延び、長い間新鮮な状態で利用することができます。
その期間はおおよそ1カ月ですので、いつでも必要なときに、手軽に美味しいきのこを活用できるのが魅力といえます。
出汁がたっぷり出る
冷凍することで細胞壁が壊れて、うまみが凝縮されるというお話をしました。
これらのうまみ成分は、火を通すことで水分と一緒に流出して、他の具材とまんべんなく絡み合います。
こうすることにより、料理に深い味わいをもたらし、より一層食べる人を楽しませてくれるのです。
ちなみに、きのこは水分量が多いので、料理のメニューによってはきのこの出汁だけで水分をまかなうことができます。
洗う?洗わない?種類別、きのこの下処理方法
よく、きのこは洗った方がいいのか迷う方がいらっしゃいますが、基本的に洗わなくてもいい食材です。
山で収穫をしたきのこは虫がついていることもあるので、その場合には塩水などで洗いますが、スーパーなどで売られているきのこはそのままで問題ありません。
そこで、きのこの種類別に下処理について確認していきましょう。
エリンギ
エリンギの石づきってどこ?と思いがちですが、軸の下の方に横線があれば、そこから下が石づきです。
この石づきを包丁などで切ってから、エリンギ1本を縦半分に切ります。
二等分になったものをそのまま冷凍用の保存袋に入れましょう。
大切なのは、二等分以上に細かく切らないことです。
細かく切ってしまうと、切ったエリンギの軸面が空気に大きく触れて風味が落ちてしまうからです。
しめじ
しめじはその大きさなどから、とても使いやすい食材として人気です。
このしめじを保存するときは、石づきを包丁などで切り落として、2~3本ごとの房に手で分けて冷凍用の保存袋に入れるといいでしょう。
小さな房にすることで、パラパラと手に取りやすいだけじゃなく、料理にそのまま使うことができるのがとても便利です。
保存状態をよくするポイントとして、保存袋の口を閉める時には空気を極力抜きながら閉めるようにしましょう。
しいたけ
年中手に入りやすいしいたけは、そのままで焼いていただいてもとても美味しい食材です。
まずしいたけは、かさと軸を切り分けてから、冷凍用の保存袋に入れましょう。
使い勝手を良くしたいのであれば、こまかく切ったものとそのままのものなど、用途に合わせてラップなどにくるんで保存袋にいれるのもおすすめです。
上手な保存ポイントとしては、しいたけのかさが重ならないように並べることです。
まいたけ
きのこの中でも、傷みやすいと言われるまいたけも、冷凍をすることで長く保存ができます。
まいたけを冷凍する場合は適当な大きさに手で割いていきましょう。
天ぷらなどにしたい場合には、大きめに割き、味噌汁などの汁物やたき込みご飯に使うのであれば、見合った大きさに割きましょう。
冷凍用保存袋に入れる時には、まいたけを潰さないよう空気を可能な限り抜いてください。
冷凍したまいたけを使う時には、解凍はせずに凍ったままで使うようにしましょう。
えのき
根元にあるおがくず部分は包丁などで切って、1株を使う分量に合わせて手で割きます。
あまり大きくせずに、小分けにするのが美味しく冷凍するポイントです。
冷凍用の保存袋に入れたら、袋の中でさらに優しくほぐしながら平らにします。
空気を可能な限り、えのきを潰さないようにして抜いて口を閉めましょう。
全量を使わないのであれば、冷凍保存をする時にラップなどで小分けにしておくと、取り出す時に便利ですし、えのきを傷めることもありません。
なめこ
表面にぬめりがあるのが特徴のなめこですが、他のきのこ同様に冷凍保存をすることができます。
多くの場合、小袋に入った状態でスーパーに並んでいますので、その袋のまま冷凍用の袋に入れましょう。
小袋からわざわざ出す必要はありませんので、最も手軽といえます。
マッシュルーム
丸くて愛らしいマッシュルームですが、これも冷凍保存が可能なきのこです。
たとえば、傘が開いてきて内側のひだが茶色くなっていても、傷んでいるわけではないので、決して捨てないでください。
成熟して美味しい状態ですので、新鮮なマッシュルームと一緒に冷凍保存をしましょう。
石づきがあれば包丁などで切り、切り口にレモン汁を塗りましょう。
こうすることで酸化して色が悪くなるのを防ぐことができます。
あとはそのまま並べて冷凍用の保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍してください。
きのこを冷凍するとまずい?冷凍に向かないきのこはある?
きのこを冷凍するとまずい、という声を耳にすることがありますが、これには必ず理由があります。
それは、水洗いをしたか、水分を付けてしまった状態で冷凍をした場合です。
そしてもうひとつ考えられるのは、自然解凍をして料理に使ったことが考えられます。
きのこを冷凍したら、凍ったまま料理に使うようにしましょう。
また、基本的に冷凍に向かないきのこはありませんので、美味しいきのこが手に入ったら、冷凍保存しても構いません。
きのこを冷凍する時のコツと解凍方法
きのこは水洗いをすることで風味が落ちてしまうだけではなく、傷みやすくなってしまいます。
もし、汚れが気になった時には、キッチンペーパーなどで優しくふきとる程度にして、あとはそのまま冷凍方法に従って保存をしてください。
また、解凍する方法ですが、電子レンジや水流、自然解凍などが思い浮かぶと思います。
しかし、冷凍したきのこに関しては、基本的に「それらの解凍はしない」と覚えるといいでしょう。
凍ったまま調理をすることで、冷凍したことによる恩恵を受けることができます。
きのこは平らに保存するのがポイント
きのこを冷凍保存する時は、平らに並べて空気を抜いて保存するのがポイントといえます。
これは、バラバラで袋に入れてしまうと、使う時に固まりで出て来てしまい、分量に困るからです。
全て使う予定がないのであれば、小分けにするか、平らに並べるのがおすすめです。
冷凍きのこを美味しく食べるための解凍方法
電子レンジや自然解凍は決してせず、もしどんなに急いでいても流水解凍などもしないようにしましょう。
急いでいるならなおさらですが、凍ったままのきのこを調理することで、細胞壁から流出して凍っていたうまみが出汁となって料理を美味しく仕上げてくれます。
冷凍室から出してすぐに使えるのが、きのこを冷凍するうえでの最大の魅力です。
冷凍したきのこを使ったおすすめレシピ
冷凍したきのこは、料理の材料として万能です。
そこで、手早く簡単に美味しく作れるおすすめのレシピをご紹介します。
冷凍きのこのバターソテー
<材料 2人分>
- 冷凍きのこ(しめじ、エリンギ、えのき等):約200g
- 玉ねぎ:1/4個
- ベーコン:約50g
- バター:8~10g
- ニンニク(パウダーでもよい):1片
- 醤油:小さじ1
<作り方>
- 粗みじん切りしたニンニクをフライパンでバターと炒め、いい香りがしたところでベーコンを入れる。
- かるく火を通したら玉ねぎと凍ったきのこを入れ、しんなりするまで炒めたら醤油を鍋肌に沿わせて入れる。
- すべてが混ざり合ったら出来上がり。
冷凍きのこの丸鶏きのこスープ
<材料 2人分>
- 冷凍きのこ(種類問わず):100g
- 全卵:2個
- 丸鶏スープの素:小さじ2~3(お好みで)
- 醤油:少々
- 粗挽き胡椒:少々
- 水:600cc
- 生姜(チューブがよい):適量
- 片栗粉:適量
<作り方>
- 水600ccを沸騰させ、冷凍きのこを入れる。
- 火が通ってきたところで、生姜と醤油、丸鶏スープの素を入れる。
- くるくるとまわして味がなじんだら、水で溶いた片栗粉をゆっくりと回し入れダマにならないようにする。
- 溶き卵を入れてふんわりとなったら、粗挽き胡椒をふりかけて出来上がり。
風邪を引いた時にも胃腸に優しくおすすめです。
冷凍きのこの炊き込みツナご飯
<材料 米2合分>
- 米:2合
- ツナ缶:70g(1缶)
- まいたけ:100g
- 水:適量
- ごま油:少々
- ねぎ:適量(小口切り、お好みで)
調味料
- みりん:大さじ1
- 醤油:大さじ2
- 酒:大さじ1
- 塩:少々
<作り方>
- 炊飯器の釜に、米とすべての調味料を入れ、2合分の水を目盛まで入れる。
- そこへ汁を切ったツナ缶と凍ったまいたけを乗せ、ごま油をたらしたら炊飯器のふたを閉じて通常通り炊飯する。
- たきあがったら器に盛り、お好みでねぎをちらして出来上がり。
冷凍きのこの味噌パスタ
<材料 2人分>
- スパゲティパスタ:160g
- 水:1L
- 塩:小さじ2
- 冷凍しめじ:80g
- ベーコン:100g
- バター:10g
- 牛乳:200ml
- 味噌:大さじ1
- 塩こしょう:小さじ1/3
- ねぎ:適量(小口切り)
<作り方>
- 1Lの水を沸騰させ、パスタを表記通りに茹でる。
- 同時進行で、フライパンにバター、冷凍しめじとベーコンを入れ炒め、しめじがくたっとしたところで牛乳と味噌を入れてなじませる。
- 塩こしょうで好みの味にととのえたら、ざるにあげてお湯切りをしたパスタを投入してよく絡ませる。
- お好みでねぎをちらして出来上がり。
ベーコンがない場合は、鶏ひき肉でも美味しく作れます。
冷凍きのこのあつあつグラタン
<材料 2人分>
- 冷凍しめじ:50g
- 玉ねぎ:1/4個
- こめ油:大さじ1/2(オリーブオイルでもよい)
- ピザ用チーズ:適量
調味料
- ホワイトソース缶:1/2缶
- 牛乳:50cc
- 塩こしょう:少々
<作り方>
- フライパンにこめ油と冷凍しめじ、縦細切りの玉ねぎを入れて炒め、しんなりしたら調味料すべてを入れる。
- ホワイトソースがぽってりしてきたら火を止めて器にうつし、ピザ用チーズを好みの分量乗せて180度のオーブンで10分焼いて出来上がり。
お好みでパン粉を乗せた後にチーズでも美味しいです。
焼きが足りない場合は、様子を見ながら5分追加しながら焼いてください。
冷凍きのこと鶏もも肉のケチャップ炒め
<材料 2人分>
- こめ油:小さじ1(オリーブオイルでもサラダ油でもよい)
- 鶏もも肉:300g
- 酒:大さじ1(白ワインでもよい)
- 冷凍しめじ、冷凍エリンギ:170g
調味料
- ケチャップ:大さじ2
- ウスターソース:大さじ1(中濃ソースでもよい)
<作り方>
- 下準備として、鶏もも肉を好みの大きさに切って酒を揉み込んでおく。調味料を混ぜ合わせておく。
- フライパンにこめ油をひいて熱したら、鶏もも肉の皮を下にして焼き色をつけて裏面も焼く。
- 鶏もも肉に火が通ったら、冷凍しめじと冷凍エリンギを加えて、酒をまわし入れたら蓋をして中火で蒸し焼きにする。
- 2分程度たったら、調味料を加えて味をなじませて出来上がり。
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