目次
ほうじ茶は、茶葉を焙煎して作られる、芳醇な香りと深みのある褐色をもつお茶です。
約200℃の高温で焙煎される過程で、お茶独特の渋みが減り、ピラジン類などの有用な成分も生成されるのが特徴です。
ほうじ茶を飲むと、ほうじ茶に特有の成分と、茶葉に元々含まれる成分の両方を摂取でき、さまざまな効能が期待できます。
この記事では、ほうじ茶に含まれる成分や効能について紹介します。
ほうじ茶の代表的な成分
ほうじ茶には、茶葉に特徴的なカテキン類・テアニン・カフェインのほか、焙煎で生成するピラジン類などの成分が含まれます。
この章では、ほうじ茶に含まれる代表的な成分と、期待される効能・効果の概要を紹介します。
テアニン
テアニンとはアミノ酸の一種で、お茶のうま味、甘味に関わっており、玉露やほうじ茶などに含まれています。
テアニンには心身をリラックスさせる効能があるといわれており、テアニンを摂取すると、脳がリラックスした時に現れるα波が出ることが確認されています。
リラックス効果により、睡眠を促す効果や緊張を和らげる効果も期待できるでしょう。
カテキン類
カテキン類は、主にお茶に含まれるポリフェノールの一種で、お茶の渋みや苦味のもととなる成分です。
カテキン類は、老化や病気の原因にもなる活性酸素を除去する「抗酸化作用」をもっています。
加えて、カテキン類には抗菌作用もあり、定期的に摂取することで虫歯予防や口内環境の改善に効果を発揮するのが特徴です。
ピラジン類
ピラジン類は、ほうじ茶の芳醇な香りの主成分で、アミノ酸と糖が高温で加熱されることで作られます。
じつは、コーヒーや焼いた牛肉などの香りにも含まれており、加熱調理した食品の「美味しい香り」に含まれていることが多い成分です。
ピラジン類には心身のリラックス効果や血行促進効果があるといわれています。
カフェイン
カフェインは、コーヒーや茶葉に含まれる成分で、ほうじ茶にも含まれており、覚醒作用があります。
カフェインには、眠気を抑えたり集中力を高めたりする効能が期待できます。カフェインが体内で、神経を鎮静させる「アデノシン」という物質の働きを抑えるためです。
こうした作用からカフェインは、集中したい時や運動時に摂取されることが多い成分です。
ほうじ茶の効能
テアニンやピラジン類など、体に良い多くの成分を含むほうじ茶を飲むことで、さまざまな健康面での効果が期待できます。
ここでは、ほうじ茶の代表的な7つの効能・効果について詳しく解説します。
コレステロール低下作用
ほうじ茶などのお茶に含まれるカテキン類には、血中コレステロール値を低下させたり、血中コレステロールの酸化を防いだりする効能が期待されています。
実際に、血中コレステロール値が少し高めの人がカテキン類を2か月摂取した結果、正常値まで低下したという報告もあります。
また、悪玉コレステロールとも呼ばれるLDLコレステロールの酸化は、血管疾患の一因です。
カテキン類は抗酸化作用により、LDLコレステロールの酸化を防ぐ働きもあります。
脂肪燃焼作用
カテキン類は、脂肪の燃焼を促進する作用もあると考えられています。
カテキン類の摂取を継続すると、脂肪の分解や燃焼に関わる酵素が活性化され、脂質代謝が活発になることが知られています。
ほうじ茶を継続的に飲むことで、エネルギー消費量の増加や体脂肪の減少効果が期待できるのです。
カテキン類には、食事後のエネルギー消費量を増やす効果もあるといわれているため、食事と一緒にほうじ茶を飲むのもおすすめです。
抗酸化作用
抗酸化作用とは、老化や病気の原因にもなる「活性酸素」の影響を抑える作用です。
ほうじ茶に含まれるカテキン類は、強い抗酸化作用を持ってます。
とくに「エピガロカテキンガレート」は抗酸化作用が強く、さまざまな植物ポリフェノールと比較してもトップクラスの活性を持ちます。
活性酸素の働きが抑えられることで、老化の防止や生活習慣病の予防につながるでしょう。
美容・美肌のサポート
ほうじ茶に含まれるカテキン類が持つ抗酸化作用は、美容・美肌にも効果的です。
活性酸素は、生活習慣病などの原因になるだけではなく、シミやしわなどの肌トラブルも引き起こすためです。
カテキン類の抗酸化作用により、活性酸素の影響が抑えられ、若々しい肌作りへとつながります。
ほうじ茶は、エイジングケアに気を遣われている方にもおすすめのお茶です。
抗菌作用
カテキン類は抗菌作用を持っています。
ほうじ茶を定期的に飲むことで、口内を清潔に保てるうえ、虫歯の原因菌であるミュータンス菌の繁殖を抑える効果もあります。
また、カテキン類は、食中毒の原因となるO-157などにも殺菌効果があることが分かっています。
リラックス効果
先述したように、茶葉に含まれるテアニンにはリラックス効果があります。しかし、ほうじ茶が持つリラックス成分は、テアニンだけではありません。
ほうじ茶は、焙煎の過程でお茶に含まれるアミノ酸と糖が加熱されることで、香り成分である「ピラジン類」が生成されます。
ほうじ茶の豊かな香りの源であるピラジン類には、心身をリラックスさせる効能があるのが特徴です。
焙煎により生じるほうじ茶の機能に関する研究でも、ピラジン類がリラックス効果を持つことが示唆されています。
参考:「メイラード反応が創出するほうじ茶の機能性解明」(PDF)
血行促進・冷え性の改善
ほうじ茶を飲んだ後、体が芯からポカポカと温まる体験をしたことがある方もいらっしゃると思います。
ほうじ茶の香り成分であるピラジン類には、血管を広げることで血流を良くする効能もあります。
血流を促進することから、冷え性の方にもおすすめの飲み物です。
ほうじ茶を飲むときの注意点
健康や美容などに効果があり、多くの効能を持つほうじ茶ですが、むやみにたくさん飲めばよいわけではありません。
飲み過ぎると悪影響もあるため、飲み方に注意することが大切です。3つのポイントを詳しく紹介します。
就寝前の摂りすぎに注意する
ほうじ茶には、一般的な緑茶(せん茶)と同程度のカフェインが含まれます。
代表的なお茶やコーヒーのカフェイン含有量は、以下のとおりです。
お茶の種類 | カフェイン含有量 (mg/100mL) |
---|---|
玉露 | 160 |
せん茶 | 20 |
ほうじ茶 | 20 |
玄米茶 | 10 |
紅茶 | 30 |
コーヒー | 60 |
ほうじ茶を就寝前に摂りすぎると、カフェインの覚醒効果で寝つきが悪くなったり、睡眠の質が低下したりするおそれがあります。
上質な睡眠のために、夜は飲むのを避けるとよいでしょう。
1日に飲む目安量を意識する
ほうじ茶に含まれるカフェインは、コーヒーなどと比べると少ないものの、飲み過ぎには注意が必要です。
妊娠中や授乳中を除き、健康な成人では1日400mgまでのカフェイン摂取は悪影響がないとされており、これを超えないことが大切です。
製品ごとのカフェイン含有量のばらつきなども考慮すると、1日に飲むほうじ茶の量は1L程度までにすると安心でしょう。
また、お茶に含まれるカテキン類を中心としたタンニンは、鉄分の吸収を妨げる性質があります。
ほうじ茶などのお茶を毎日、あまりに多く飲んでいると、鉄分不足になる可能性があるため気を付けましょう。
お茶を飲み過ぎている場合は、カフェインを含まない他の飲み物と置き換えるとよいでしょう。
妊娠中はカフェイン摂取量にとくに注意する
カフェインは妊婦の方が摂取する際、とくに注意が必要な成分です。
妊娠中に多量のカフェインを摂ると、お腹の赤ちゃんの成長に影響がでたり、低体重の原因になったりする可能性があるためです。
日本では妊婦のカフェイン摂取の目安量は定められていませんが、海外の機関では、妊婦における目安量を以下のように呼びかけています。
機関 | 妊婦における1日あたりの カフェイン摂取量の上限 |
---|---|
世界保健機関(WHO) | コーヒー3~4杯分まで |
カナダ保健省(HC) | 300mgまで |
英国食品基準庁(FSA) | 200mgまで |
参考:厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取について」
コーヒーよりもカフェイン量が少ないほうじ茶ですが、妊婦の方は多くても1日3~4杯程度までを目安にするのがおすすめです。
また、授乳中もカフェインの過剰摂取に注意が必要です。
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